#6 contuttalaforza(コン・トゥッタ・ラ・フォルツァ)
正直、続きを書こうか迷ったのですが、初めてブックマークして頂いたのが嬉しいので、もっと続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。
「遠距離戦闘が苦手なんだ」
そういうと白い装備を纏った、”白騎士”という状態に変わった。半身ほどの盾と、身体ほどもありそうな剣を持った騎士のような姿に。
そしてそれは一瞬だった。瞬きをした瞬間だった。
────……ッ!
鮮血が飛び散る。
「次は右腕を貰うよ。」
うそ……だろ?なんだ今の速さは。距離は軽く十数メートルはあった。それを……一瞬でつめられた。
僕には、これを打破する魔法はない。終わりか。
「さぁ行くぞ!」
僕は死んだ。そう思った。しかし、冬樹が僕までたどり着くコンマ数秒の間に、思いついたのだ。本能的に打開策を。
「なに!?」
僕はほぼ無意識のまま、冬樹の攻撃を避けた。冬樹は何が起きたのか分かってはいなかったが、僕自身、理由が分かっていなかった。だがそれはすぐに分かった。両足には覚えのある疲労感が溜まっていた。
そうかなるほど。強化魔法か。確かに強化魔法を使えばこの状況、どうにか出来る。
僕は両足、そして両目に魔力を集中させた。
右斜め上から左斜め下に剣を振り下ろす。
右に行くと見せかけてフェイントをかけて左へ。
全て見える。あとは、僕が攻撃を上乗せするだけだ。
使う魔法は、そう。
「spiccato」
これはスピカートと言って弓の毛の弾力を利用して 、かなり速い運弓で弾く奏法だ。今回は、手首を中心にして行うことによってさらに速く弾くことを可能にしている。
「………ッガハ」
ついに僕の攻撃は当たった。さらに僕の攻撃は反対側の壁まで冬樹をぶっ飛ばした。
「…ッく。俺が最強だと思ってたのによ。こんなに強ぇやつがいるのか。」
正直、慣れていない強化魔法の使いすぎと、さっき受けた傷によって僕も限界がきていた。これで降参してくれるならこちらとしても嬉しいのだが。
「なら…」
「俺も、全力で行くぞ。」
───────え
冬樹が目の前にいた。一瞬だった。僕の魔力が弱まっているのか?いや、違う。冬樹が早くなっているのだ。
「spiccato!!」
僕はとっさに距離を取り、スピカートで冬樹の攻撃を相殺する。しかし、徐々に距離が詰められていく。
「強化魔法を初めて使ったお前に出来て、俺に出来ないわけないじゃん?白騎士と同時に使うにはコントロールが難しいが出来ないわけじゃない。
…おっと、もう限界か?」
……っ相殺しきれない、、
冬樹の剣が僕の体を捉えようとしていた、その時、脳に電流が走るような閃きが起こる。
「……ッ!?」
完全に捉えたと思った奏が目の前には居なかったのだ。驚くのも無理はない。
「どうして気づかなかったんだろう。部分強化が出来るなら、全身にもできるんじゃないかって…。」
奏の体からは膨大な魔力が溢れだしていた。
その時の魔力量は目に見えるぶんだけで冬樹の3倍はあった。
「contuttalaforza(全力を込めて) 行くよ。」
その瞬間、奏の身体に激痛がはしった。
「蒼原!!今すぐそのふざけた魔力をおさめろ!」
先生が血相を変えて叫んだ。
♢
強化魔法は義務教育と説明したのを覚えているだろうか。
なぜ義務教育かというと、間違って使ってしまうと、命に関わるからである。そしてその行為は”禁忌”と呼ばれている。
それは全身を強化することである。
理由は二つある。
一つは自分では扱いきれない量の魔力に当てられ、最悪命を落とすからである。
そしてもう一つ、最も恐れられているのが
♢
「ッグガガギグッグガガガギグガ!!!」
蒼原(?)が叫ぶ。
♢
“魔力の暴走”である。
読んでいただきありがとうございます。前回の終わりに決着と言ったのですが決着してなくてすみません次こそ決着です。