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#4 preparazione(プレパラツィオーネ)

今回も失速感が目立つかもしれません。アドバイスがあれば是非お願い致します。

  まず初めはハンドボール投げ。午前もやったが、魔術ありだとどうなってしまうのだろう。

  さっき、強化魔法の使い方を教わったばかりなので、見本もかねて桐島さんに先にやってもらうことになった。


  午前の桐島さんのハンドボール投げは35mだった。僕からすると相当化け物じみている。

 

  「じゃあ私投げるから、よく見ててね。」


  桐島さんが、深く息を吸い込むと右腕にうっすらとモヤのようなものがかかるのが分かった。

  そして、左足で強く地面を踏み込み投げた。

 

「うぅうりゃぁぁぁぁぁ!!!!」


  おぉ…桐島さんのキャラが…。なんて思っている暇は無く、僕は目を疑った。

  結果はほぼ3倍の99mだった。


「くぅ〜!あと1mで100mだったのに!」


  逆らったりしたら殺されるかもしれない。僕はそう思った。


「いや、凄い怪力だよ!参考になるか分からないもん!次は僕がやってみるね。」

「ありがとう!褒めてる…よね? まぁ頑張って!私も見守ってるから!」


  僕はハンドボールを握る。そして右腕に意識を向け、

 

  「汗腺を開くイメージ…。」

 

  ぐっと力を入れると…、出来た。モヤのようなものが腕を覆った。

  そして、左足で地面を踏み込み投げた。

 

  僕のさっきの記録は15m、今回は… 60mだった。

  桐島さんには遠く及ばない結果だったが、初めてにしては上出来か。


  「ちょっと奏くん!強化魔法初めてって本当なの?もし、初めてじゃないとしても、普段の身体能力を4倍にも出来るなんて聞いたことないよ!並の魔力量と魔力操作の技術では出来ないよそんなこと。」


  周りの人を見ると確かに驚いたような顔だ。どうやら桐島さんが言っていることは本当らしい。

  とすると僕って結構凄いのかもしれない。


 ♢


  午後のスポーツテストが終わった。

 僕は45点。桐島さんはというと、50点満点中の50点だった。


  思った以上に強化魔法というのは体力をゴリゴリ削っていくらしい。僕はヘトヘトになっていた。無論、それは桐島さんも同じだ。

  少し休むと楽になったようで喋り始めた。


  「お疲れさま奏くん!私たちにも出場のチャンスあるんじゃない?結構頑張ったよね〜!」


  「お疲れさま。僕は分からないけど桐島さんは出場出来そうだけどね(笑)」

 

  とりあえず制服に着替えて結果を待つとしよう。


 ♢


 どうやら集計が終わったようで、教室に先生が入ってきた。


  「それではホームルームを始める。といっても結果発表以外は興味が無いだろうな。というわけで、結果発表だ。正直今年の1年生は例年とはレベルが違ったように思った。

 だから選ぶ側のこちらも手を焼いたよ。たった4人しか選べないのだからね。

  まず1人目、冬樹 舞斗(ふゆき まいと)

 次に 2人目、桐島 桃葉(きりしま ももは)

 次に3人目、東雲 紫乃(しののめ しの)

 最後の4人目は…、 蒼原 奏(あおばら かなで)

以上の4人でクアットロ・トルネーオに、出場することに決定した。この4人はホームルームが終わったら教室に残ってくれ。これにてホームルームは終わりとする、また明日な。」

 

  …。まさか選ばれるとは…。桐島さんはさぞ嬉しいだろうな。どんな顔してるんだろう。…。見なかったことにしよう。

 

 ♢


  ホームルームが終わって数分経ち4人だけになると、先生が話を始めた。


  「まずは出場決定おめでとう。君たち4人は私たちがこの生徒達なら勝てると思って選んだんだ。だから自分たちの実力は疑わずに大会に挑んで欲しいと思う。明日ーー」


  「ー先生。」

 

 言葉を遮るようにして声を発したのは、冬樹だ。


  「先生、俺は先生がそう言っても納得出来ません。東雲と桐島はいいです。しかし、蒼原はスポーツテストでもいい結果は残していないはずだし、強化魔法も使ったことの無いやつです。俺は本気だ。本気で勝つつもりで来てる。蒼原を選抜から落としてください。」

 

  「蒼原のスポーツテスト、ちゃんとみてたか?初めて強化魔法を使ったとは思えない動きだった。私はそこに可能性を感じたんだ。」


  「可能性があるとかないとかじゃないんです、そんな確実じゃないものに賭けていいんですか?勝つために言ってるんです!」

 

  「ちなみにだが…、蒼原は君以外に唯一”固有魔法”を使うことが出来る。そこも考慮した上でだ。」


  「…!こんな奴が…?…じゃあ俺の手で試させてください。こいつを出場させるには条件があります。手合わせをして俺がもし負けたら出場を認めます。」


  どうしてこんなに上から目線なのだろう。さすがにムカついてきた。

 

「…蒼原。すまんこんなことになってしまって。手合わせ、お願いできるか?」


  「分かりました。僕からもお願いします。こんなにバカにされて僕も黙ってはいられません。」


  「ありがとう。それではこの五分後に特別棟地下1階に集合だ。」


  ちょっとした怪我程度で許されることじゃない。僕が勝ったら泣いて土下座してもらおう。


 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回、ついに戦いが始まります。きっと面白いと思います。皆さんの求めているものが書けるように頑張りたいと思います!

次回もよろしくお願いします。

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