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#3 vivace(ヴィヴァーチェ)

今回は戦いはありません。羽休み的な感じなので気楽に読んでください。

 

  少しずつ学校には慣れてきた。相変わらず友達と呼べるのは桐島さんくらいしかいないが。


  いや、別に僕は友達が少ないのを気にしているわけではない。どっちかと言うと中途半端な友達がたくさんいるよりも、すごく仲のいい友達が1人しかいないっていう方がいい。広く浅くよりも狭く深くがモットーなのだ。


  そんなことブツブツ呟いていると教室に先生が入ってきた。どうやらいつも通り、朝のホームルームが始まるようだ。


  「ほら、静かにしろよ。ホームルーム始めるぞ。まずは今日の予定だが、予定通りスポーツテストを行うことになった。ジャージに着替えて9時に校庭に集まるように。スポーツテスト用のペアも、作っておけよ。ホームルームは以上だ。」


 … スポーツテスト!?そんな予定あったか?

  スポーツテストは僕の嫌いな学校行事ベスト3に入る。

 小学校、中学校と全てサボってきた。


  これは想定外だ、保健室にでも行ってサボるとするか。

  そんなことを考えていると桐島さんがこっちに向かってきた。


  「奏くん!スポーツテストってさ、2人1組って話じゃない?私、まだ仲良い人いなくて…。もし良かったら一緒にペアにならない?」


  「もちろんいいよ。」


  「良かった!じゃあ私先に校庭に行って待ってるから、早く着替えて来てね!」


  保健室はどうしたって?なんの話だろうか。さぁ急いで着替えて校庭に行くとしよう。

 

 ♢


  ちなみにだが、この時期にスポーツテストを実施するのはなにも暇だからというわけではない。

  魔術学園は僕の通っている第一から第四まであるのだが、スポーツテストの丁度1ヶ月後に”クアットロ・トルネーオ”と言われる四校対抗でトーナメント形式の大会が開かれる。

  入試の結果とスポーツテストの結果を考慮して各学年4人ずつ選抜されるのだ。


 ♢


  僕が校庭に着くとみんな集まっていた。僕が最後のようだ。

 

「蒼原遅いぞ、ペアの近くに座ってくれ。」


  「すみません。」

 

 僕は桐島さんを見つけ、すぐに座った。


「それでは説明を開始する。スポーツテストといっても、おそらく君たちが思っているスポーツテストとは少し違う。

  午前中は基礎運動能力を計測するために普段通りのスポーツテストを行う。午後は”魔術”を使用することが許可され、午前中と同じ種目をまたやってもらう。しかし、魔術で作りだしたものをはいえ、物を使ってはダメだぞ。」


  魔術を使用する、か…。

 だけど、物を使うのは禁止ときたら僕のバイオリンは使えないな…。


「午前と午後合わせて100点満点だ。

  スポーツテスト後、点数を集計し、今日の帰りのホームルームでクアットロ・トルネーオの出場者発表が行われる。大会に出るのは名誉なことだからな、頑張ってくれ。以上だ、好きな競技から自由に始めてくれ。」


  クアットロ・トルネーオ…。まぁ僕には関係ないか。

  とりあえずなんの競技から始めるか桐島さんに聞いてみるとしよう。


「桐島さーー…。」

 

 …!桐島さんが燃えていた…。いや、実際に燃えてはいないが、本当に火が出そうなくらいだ。


  「クアットロ・トルネーオ…。ふふッ。」

  「桐島さんどうしたの?」

 

  怯えつつも聞いた。


  「クアットロ・トルネーオだよ!賞金1000万だよ!進級分の単位取得だよー!出ない手は無いよね!」


  1000万!? 学生の大会ごときに? なにか裏がありそうだが、それは今度調べてみるとして、進級分の単位取得か、それは美味しい話だ。しかし、


  「そんなに美味しい大会なら、出場するのって難しいんじゃないかな?」

  「だから、スポーツテストで燃えてるんでしょ!さぁ、まずはハンドボール投げからいくよ!」


  こうして僕にとって初めてのスポーツテストがはじまった。


 ♢


  そして、午前のテストが全て終わった。


「奏くん。やる気あるの?」

 

 そういう桐島さんだが午前中の結果は50点満点で48点のようだ。


  「…ッハァ…ッハァ…僕は今まで…音楽一筋だったから…運動能力は…無い…。」


  僕の結果は18点。ああ神様。どうしてここまで人間には差があるのでしょうか。

 

 しかし、午後は魔術を使ってでのスポーツテストだ。ここは、強化魔法を上手く使って…。ん?強化魔法ってどうやるんだ?

  スポーツテストだけではなく、体育の授業も全て休んでいた僕は、強化魔法の義務教育を受けていなかった。


  「桐島さん、強化魔法ってどうやるの…?」

  「あんなに凄い魔法使えるのに強化魔法つかえないの?

 私も他人に教えるほど出来るわけじゃないけど…。

  中学の時、先生に言われたことをそのまま言うと、”強化したい部分をまずは意識しろ。そして、その部分の汗腺を開くイメージだ!”って言ってたけど、わかったかな…?」


  汗腺を開くイメージ…。いい表現だ。


  「分かったよ!ありがとう、やってみるね!」


 ♢


  そして午後のスポーツテストが始まる。

今回は投稿が遅くなってしまいました。申し訳ありません。次回からは安定して更新していきたいと思います。

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