ほのぼの友情
こんな友情も良いかなと思いました。
「もしも、叶えられる願いなら、ランなら何を願う?」
「ウチなら・・・永遠の友情かな?」
「・・・・ラン。アタシもだよ!!」
肌寒くなってきたこの頃。教室の窓からコスモスの花が見える。
ランは冷たい風を頬に撫でながら、気持ち良さそうに目を細める。
そんな友達を見て、ふと考えたことを聞いた。
自分が望む答えを期待しながら。
「アタシ・・・怖いよ」
「カレン?」
「大学行って大人になって、結婚して・・・ランに友達が出来て・・・アタシだけ、一人になっちゃう」
カレンは悲しそうに目を下にむけた。
「バカだなぁ・・・ウチはカレンがたった一人の大親友だって思ってるよ」
「アタシだって思ってる!!」
カレンが怒鳴ったのにビックリしたラン。
何も言えずに目線を泳がす。
「不安が大きくなっていくんだ・・・いつか別れがくるなら一生会わないほうが良いのかなって!!」
「・・・だったらウチは結婚しないでカレンの側にいるよ?・・・幼稚園の頃からのように」
「ラン・・・(ウチはランの幸せを奪っちゃうのかな?)」
まだ不安が拭い切れないようだ。
スカートの裾を強く握り締めてる。皺になっている。
ランはカレンの手の上に自分の手を重ねた。
「なら一緒に結婚して隣りに家を作ったりすれば良いじゃん!!」
「でも、丁度良く相手なんて・・・」
「どちらか待つんだよ・・・見つかるまで」
「そんなの!!・・・待つなんて・・・」
「ウチはカレン以上に大事な人なんていない」
「・・・アタシも一番だよ」
「待つのなんて苦じゃないよ」
「・・・・うん」
お互いに握手するように手を握る。
初めて会った時のように。
「ねぇ!!キミの名前は?ウチはラン!!」
「あ、アタシはカレンだよ!!」
「ウチら今日から親友だよ!!」
「えへへ・・・親友」
温かい言葉だった。
親友。
くすぐったくて、優しくて、これ以上の言葉なんて、幼いながらも無いと思った。
大事なキミのためなら、全てを投げ出しても、助けに行くよ。
だから、友情という絆を消さないように願うね。
同じように手を握り締めながら・・・
友達と隣り同士で自分達の子供も友情の絆で結ばれたら良いなと・・・