財布
『幽霊に間違えてすみません。何度も幽霊って言ってたみたいだし、本当にすみません。』
と謝れば、彼女は、
『いえいえ。去年?からこちらこそ
すみません。
薄い色のワンピース着てたら、遠目には、幽霊に見えるかもしれないですよね。
後ろ防風林だし、前海だし?
怖がらせて?ごめんなさい?』
グー
俺の腹が返事した……恥ずかしい…
安心したら、お腹空いた!
コンビニに朝飯買いに行くか。
財布、進次郎のとこだった。
車に小銭に…高速代で全部使った…
二時間我慢出来るかな。
とマロにおやつあげつつぼんやり考えてたら、
彼女が、
『あの、お腹空いてます よね。
近くのコンビニ、今改装中で、閉まってるんですよ。
何か、持ってきてます?
無いのなら、私、今からお弁当食べるんですが、
嫌じゃ無ければ、召し上がりませんか?
祖母用にも作ったんですが、要らない。
持っていって食べろって。
量が多いので、ちょっと困ってたんですよね。
本当に嫌でなければ、食べて欲しいです。』
と聞いてくれた。女神か!女神なのか!
彼女が手渡してくれたお弁当は、
おかか梅干と鮭のおにぎり、玉子焼き、タコさんウインナー、キュウリ、人参、大根の浅漬、プチトマト
美味しそうだった。
『いただきます。
タコさんウインナーが気に入らなかったのかなぁ、おばあちゃん。次は、カニさんにするかな。』
とか、ブツブツ言いながら、彼女が食べている。
彼女の手作りか。
『いただきます。
うまい!めっちゃうまい。ちょっと甘い玉子焼きめっちゃうまい!
漬物もうまっ!プチトマト甘い!美味しい!
料理上手なんですね。この野菜凄いうまい!買って帰りたい。
何処で買ったんですか?
お祖母様の自家栽培の野菜なのですか。
美味しいですね。
こんな美味しい野菜食べられて羨ましいです。』