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異世生活と現実問題!  作者: ツキノ
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二人で授業

授業が終わるとすでに外は暗くなっていた。


俺が授業で覚えた言葉がというと一般的な日常会話と「シャーリ」という名詞。


こちらの言葉の仕組みは割と簡単で難しくはなかったがまだ流暢に喋ることはできない。

日本語は世界一難しい言語だというしこれぐらいはできて当然なのだろうか。


「シャーリ」とは彼女の名前だ。

全然ジャンヌじゃなかった。


シャーリがご飯ができたと俺を呼ぶ。


「けいいち!けいいち!」


こちらの言葉で呼んでくれているのだが、いかんせんしっくり来ない。

呼び方はまるで犬でも呼んでいるようだ。

俺はペットじゃないぞ。いや、状況的にペットみたいなものか?

拾われて、寝床用意してもらって、飯用意してもらって。

ペットだな。

シャーリに次に教えてもらう言葉は「お座り」と「お手」だな。


テーブルに対面で座りご飯を頂く。

シチューとパンと野菜が置かれている。

うんまそぅ。ってか美味い。

シャーリは料理が得意なんだろうかすごく美味い。


「美味しい!」


なんとかぎごちない言葉で伝えるとシャーリは嬉しそうに笑顔になった。


あぁくそ。

あなたの笑顔が最高のごちそうですよと言いたい。まだ言葉が未熟でこのセリフが言えない。

たぶん出来てても言えないな。



しかし、あることに気が付いた。

ご飯は2人分で両親の分がない。


「シャーリ」


なんて言えばいいかわからず名前を呼んでそれとなく伝えてみる。


「カゾク、ゴハン」


かなりのカタコトだが伝わっただろうか。


するとシャーリは俯いて首を横に振った。

その表情はうかがえない。


いらないということだろうか。


シャーリはそれ以上何も言わなかったので両親は仕事終わりに外で食べてくるのだと勝手に思った。


そしてご飯が終わるとシャーリは自分の部屋に入って寝てしまった。

俺にはお父さんの部屋を使っていいと言われたので今夜はそこで寝ることになった。


次の日、シャーリは午前中に授業してくれたあとお仕事に行くと行って出て行ってしまった。


シャーリがいない家で俺はひたすら言葉の勉強に励んだ。

このままシャーリのお世話になるわけにはいかない。はやく言葉を覚えて自分で生きていかなければ。だが、不思議と元の世界に帰りたいとは思わなかった。




そんな日が2ヶ月ほど続いたがシャーリの両親は一度も帰ってこなかった。



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