最強になるまでの五時間
これから話すのは俺が最強になる五時間前のできごとだ。
高校合格発表当日
俺の志望校は都立で偏差値は72くらいの超進学校だった。
中学1年から受験当日まで俺はサボることなく
勉強を1日8時間をこなしてきた。
故、心持ちとしては、まあV模擬もS判定だったし
多分受かっただろうなぁーっと余裕はないながらに
合格発表を見に行った。
結果はもちろん…
「な…ない…」
そう不合格だった。
その時の感想をいえば満面の笑みで母に抱きつく他校の生徒
友達と涙目で抱き合っている他校の女子
そこらじゅうの幸せそうな奴らを
ぶっ殺してやりたいと思った。
しかし、なぜか俺の気分は晴れやかだった。
答えは分かっていた。
あーそっかこれで合格発表不安からも逃れられるという、理由だった。
不合格を見た瞬間から
俺の心はもう決まっていた。
勉強のために費やした人生だったのだ。
努力は人10倍した
寝る間も惜しんで勉強した
好きなアニメも中1始まって以来我慢した
なのに…受からなかったのだ
もう、この人生に意味を見出すことができなかった
バカなことをしようとしてることは分かっていた。
でも理性と感情はイコールじゃない
俺はぴょんと
マンションから飛び降りた。
つまりは自殺だ。
〜〜〜〜最強になるまで残り4時間5分13秒〜〜〜〜
目が覚めたら
女神様にでも会えるのかなとか思って飛んだ。
あ、そういえば走馬灯とか見なかったな
そんな死ぬときに人生を振り返るほど余裕なんかなかった。
目が覚めた。
そこには誰もいなかった。
しかし、死んだ後くる場所はもっとギリシャ神話に出てくるような神聖な場所だとばかり思っていたがどうも違かった。
なんか、人間臭いし
掃除も行き届いてない感じで
印象としてはプールのトイレみたいな感じだった。
それから、俺は綺麗な足場を選びながら
歩き回った。
地平線があるようなないような微妙な感じで
不思議な感覚だった。
疲れた。
精神的にも体力的にもぶっちゃけ限界だった。
死んだ後くらいそういう概念は取っ払ってくれてもいいとつくづく思ったのを覚えている。
そして俺は溶けるように深い眠りについた。
〜〜〜〜最強になるまで残り0時間42分39秒〜〜〜〜
「起きてお兄ちゃん」
ごそごそと揺すられた。
なんだ、朝かまだ学校って思った。
「起きてくれないと地獄行きだぞ☆」
「ん…」
目が覚めた。
目の前にはいかにもと言わんばかりの女神がいた。
髪は金髪で目はエメラルドグリーンといったところだろうか
しかも服が少しエロいときた。
寝起きなのに
俺も俺の息子も元気になってしまった。
「なっ…えっ…どちら様ですか」
今思えばどうせ女神だってわかってたのに聞いた。
「私は女神 東雲桜 武田常、あなたの担当女神だよ」
と女神さくらたん(笑)は言った
女神のくせにやたらと和風なのは好感が持てた
「めっ女神!?うっわすげー」
とこれも本当はわかってはいたが定石通りの反応をしてみた。
あちらもその反応が割と気持ちよ買ったようで頬が少し緩んでいた。
「武田 常、あなたは自殺をしましたね」
さくらたん(笑)の顔つきが少し暗くなった
「は…はい」
それもそのはずなのだ。自殺とは本来神様からもらった命を自ら捨てる行為なのだから
おそらく天国には行けないだろうと思った。
でも、悔いはない
やるだけやって死んだのだ
俺は聞いた
「地…地獄ですかねやっぱり…」
「いえ、地獄ではないよ」
とケロッとさくらたん(笑)は返答した。
「え…でも俺は自ら捨てたのに…」
とここはあえて謙遜した
すると本当に意外な返答がきた
「もちろん本来なら地獄で刑期を終えるまで働いてもらうんだけど…「え、刑期とかあんの?ずっと地獄なんじゃないの?」
「いやいやそんな鬼畜なことよく思いつきますね
て、話の腰を折らないでください、これだから
ガリ勉は」
「ガッ…ガリ勉!!?いやいや、ガリ勉じゃないからぁあ!!!
俺っ超悪だからーっ!!!!!」
とガリ勉の自覚はありながらも否定する
「だからほらまた話の腰を折る、
まあ、本来なら地獄行きなんですよ
でも、あなたは違うんです」
「つまりどういう?」
「こちらの手違いだったんですよ。
本来あなたはもっと優秀にうまれるはずだったんですけど、
ステータスの振り方を間違えてしまったんですよ」
「へ?…誰が?」
ここでさくらたんは目をそらす
そして同時に俺も理解する
「おまえかぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
と言いたいとこだったが
今更終わったことを掘り返しても仕方がない
「で、俺はこれからどうなるんだ?」
「え?」
と怒らないの?とでも言いたそうな顔で見た後
「え、えと、ですね、
常さんには二つの選択肢を女神協会から与えられています。」
「ほぉ、その心は」
と聞くと
さくらたんはこう返す
「選択肢1.これから、天国でのーんびーり温泉につかりながら
お酒でも飲みながら楽しく暮らす」
悪くない、お酒飲んでみたいしと思った。
しかし選択肢2の提案はそれを上回った。
「選択肢2.
あなたに最強のステータスと可愛いアシスタント付きの異世界胸アツ体験さあどっちにしま「2で」
食い気味に答えてしまった
「はいなるほどです
では、また眠ってください
目が覚めたらそこは胸アツ異世界です。」
「わかった。
ありがとう、女神さくらたん」
「さくらたん?」
やっべ、つい心の内が出てしまった。
「まあ、まあ、
では短い間でしたがありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ、
ではおやすみなさい」
こうして、俺の胸アツ冒険ファンタジー(ハーレム)
が始まるっっ
とこの時の俺はワクテカしながら眠ったのだ。
だがしかし!!!!
このまま楽しい異世界胸アツファンタジー(ハーレム)
が始まるなんてことは問屋が許しても
オタクがゆるしてはくれないのだ!!!!!
そして目が覚めるとそこは荒廃した
ダークファンタジーと大量の武装したゴブリンが俺の周りを囲っていた。
第一声に発した言葉は
「だと、思ったよ…
はあ…ぶっ殺してやりたい」
だった。
〜〜〜〜最強になるまで残り0時間0分0秒〜〜〜〜
俺はこうして最強になった
ラノベ読んでたら
書きたくなっちゃいますた。
読んでくれると嬉ぴいです。