十
つぎの日、ぼくは朝の10じくらいにしょうひしゃセンターというところにでんわしました。とてもきんちょうしたし、じぶんがだまされたかもしれないことをだれかに話すのは、とてもはずかしいと思いました。もしかしたら、ばかにされたりおこられたりしないかなあとしんぱいでした。それに、しょうひしゃセンターにでんわするのは、おねえさんとおにいさんをうらぎることだと思いました。でも、お父さんとやくそくしたことだから、がんばってでんわしました。
でんわにでてきたしょうひしゃセンターのおばさんのこえは、とてもしんせつそうでした。ぼくはだいぶあんしんしました。それから、ぼくはまえの日のことをいっしょうけんめいにせつめいしました。ちゃんとせつめいできるかふあんだったけど、おばさんがうまくしつもんしてくれたので、なんとかせつめいできました。せつめいのときに、けいやくをしたあいてのかいしゃの名まえも言いましたが、そのときおばさんは「ああ、そこね。さいきん、おおいんですよね」と言っていました。おばさんによれば、どうやらぼくがけいやくしたかいしゃは、このごろひょうばんがわるくてゆうめいなところだったようです。ぼくいがいにも、ひがいにあってでんわしてきた人がいっぱいいたそうです。それをきくと、やっぱり前の日に会ったおねえさんはわるい人で、ぼくはだまされたのかもしれないと思って、とてもかなしくていやな気もちになりました。
センターのおばさんは「とりあえず、けいやくのときのしょるいのうつしをぜんぶファックスでおくってください」と言いました。ぼくは言われたとおりに、ファックスでけいやくしょのうつしをおくりました。それからしばらくしてから、おばさんのほうからでんわをくれました。おばさんは「やはり、クーリングオフでけいやくをかいじょするのがいちばんかくじつですね」と言いました。ぼくがあったサギは、ほうりつすれすれでやっているそうで、ぼくがおくったけいやくしょものないようもほうりつてきにはもんだいないということでした。だから、けいさつもかんたんにたいほできないそうです。ぼくはまだお金もほとんどとられていないし、クーリングオフのゆうこうきかん中なので、さいばんとかよりもクーリングオフがいちばんかくじつでてっとりばやいほうほうだそうです。おばさんは、クーリングオフはこういうときにしょうひしゃをまもるためのもので、しょうひしゃのたいせつなけんりだとおしえてくれました。あと、おばさんは、ぼくがけいやくしたつぎの日にすぐにでんわをしたことを、とてもかしこいことだとほめてくれました。
それから、ぼくはおばさんにクーリングオフのやりかたをおしえてもらいました。おばさんはしんせつにファックスでやりかたをかいたかみもおくってくれました。ぼくはそのとおりにしょるいをつくって、そのしょるいをぜんぶコピーしました。おばさんがそうしなさいと言いました。しょうこをのこしておくためだそうです。そして、そのしょるいをふうとうに入れて、ゆうびんきょうくへ行って、けいやくをしたかいしゃのほんしゃにあてておくりました。
クーリングオフのてつづきがぜんぶおわるころには、もう夕がたの4じをすぎていました。ぼくはゆうびんきょくからかえってきても、まだ気もちがおちつかなかったので、またしょうひしゃセンターにでんわして、おばさんにまだなにかすることはないかとききました。すると、おばさんは、クーリングオフすることをちょくせつあいてにつたえたほうがかくじつではあると言いました。でも、ちゃんとしょるいをおくっていればクーリングオフはせいりつするので、ぜったいにしなきゃいけないということでもないと言いました。おばさんは、ぼくがおねえさんやおにいさんにそのことを言うのもいやだろうからと、でんわするかどうかはぼくにまかせるということでした。ぼくはさいごに「ありがとうございました」とおれいを言いました。ほんとうにしょうひしゃセンターのおばさんにはおせわになりました。