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一ヶ月目。

続きが書けたので投稿します(*´∇`*)

あぁ、腐ってるな……私。

今回は、前回より……和紗が暴走してる……かな?(笑


orz←これは、”僕”の付属品です


やぁ、僕だよ!


続きかけたらとか書き手が言ってたけど、趣味嗜好そのままだからちゃっちゃと書けたみたい。

まぁ、腐ってるからね。書き手。


さて。

今日も愛しの可愛い彼女に会うために、土手を歩いてます、僕です。

知ってた?

僕、和紗さんに名前呼ばれてないだけじゃなくて、地の文でも自分でも名前が出てない呼べてないって事に。

酷いよね、酷いと思わない?

書き手に訴えたらさ――


「えー、だって和紗が呼ばなきゃ誰も呼ばないんだから、呼ばれる日がまかりまちがって仮にもし来ることがあってから、その時考えればいいと思うよ」


「でも、友達とかから呼ばれるときだって……」


「脳内乙女変態。略して変態」


「え……、えぇぇぇぇ」←呆然


「名前考えるの、一番苦手なんだよね。そんな労力あったら、もうs……想像上の世界で遊ぶ」


んじゃね~




――だってさ。



彼女に名前を読んでもらえる日が来るまで、皆さんにも名前呼んでもらえないみたいですorz







「こんにちは、和紗さん」

「……こんにちは」


珍しく今日はまともに挨拶を返してくれました。

そんな事で嬉しくなる僕が、普段どんな扱いを受けているかご想像頂けるだろう。

すごいでしょ。

一ヶ月経っても関係が進むどころか、一ミリも進展なしとか。

我慢できてる僕、すげぇ。


「暑くなってきたね」

やっぱ掴みは天気の話だろう。

「大人がクールビズ開始してるんだから、僕たちも夏服にしてもいいと思うのに」

ね? と和紗さんを窺えば、少し眉間に皺を寄せてじっと僕を見つめた。


思わず胸が高鳴ったのは、仕方ないだろう!!

そんな仕草、妄想が暴走した時にしか見せてくれないんだから!

例え眉間に皺を寄せていても!

無表情じゃない表情は、大歓迎だ!!


「え……と、和紗さん?」

でも、じっと見られすぎなのも何やら緊張するのでおずおずと声を掛けてみたら、それはねジレンマ、と呟いた。

「……じ……、え、何……」

小声だったからか声は聞こえたけど言葉がよく聞こえなくてもう一度問いかけると、自分の体の両脇に手のひらをついて大きく息を吐いた。


「ジレンマなのよ、ジレンマ……!」


「は? ジレンマ?」


おうむ返しの様に口にすれば、和紗さんは勢いよく頭を縦に振った。

「何の捻りもないただのYシャツ・スラックス。これほどシンプルで見慣れすぎた制服はないけれど、いかんせん腕の筋肉の造形美が……!! 半袖から伸びる、筋の見える硬そうで弾力がありそうな素敵な腕が眼前にさらされるという眼福シーズン……!」


……筋の見える硬そうで弾力がありそうな素敵な腕……


思わず真っ黒学ラン長袖に包まれている自分の腕に視線を向けてしまった僕に、何の罪もないよね。

あるとするならば、筋は見えるけどかたくもなく弾力というよりはただ筋張っている僕の腕。

もしこれが夏の衣替えで和紗さんの眼前にさらされたら、……フラれる恐れあり……!?


「……」


思わず夏の予定にジム通いを脳内で書きこんでしまった僕に、神的多大な幸あれ。


筋肉の神さま……と空を仰いでいる僕の横では、本音を曝け出したわりにはまだぶつぶつと言い続けている和紗さん。


「でもね、だけどね、学ランも捨てがたい……っ。禁欲的(ストイック )なまでに本音本性全てを覆い隠すような伝統的かつシンプルで実用的な詰襟学生服……! それを暴いて曝け出すその瞬間こそが、学ランが学ランであるその存在意義……!」



――全くもって、すべて違うと思います。



和紗さんはBL好きで腐っている女子で、その上制服フェチでもあったようです。

というか、天気の話振ってもそっち方向のアレにアレがアレしちゃうんだね。

腐っている発言が多いのは覚悟の上だけど、乗り越えるべき(フェチ )の数と影響が大きすぎて、一体どこから攻めていけばいいのか……僕、分かんないorz







項垂れる僕と、ぼーっと川面を見つめている和紗さん。

周囲から見たら、僕たちの関係は一体どう見えるのか。

まるで別れ話後の二人に見え……


そこまで考えて、慌てて頭を横に振る。


あー、想像でもそんなこと考えたくない。

好きなものは仕方がないじゃないか!


「腐っていようが爛れていようが、妄想凄すぎてもはや制服に関して言ってることが全く分からないただのド変態発言を言いだそうが僕は好きなんだから!」

「……あんた、ド変態と付き合って楽しいわけ……? だから諦めてっていってるのに」

「へ?」


脳内思考にいきなり返事が返されてきょとんと和紗さんを見れば、額に片手を当てて大仰にため息をついた。

「何この鈍感と天然を若干ぬるま湯で薄めたような、もやっとするほど中途半端なBLヒロイン属性男……っ。おしい、惜しいわ。なんでそこまでの属性持ちで、周りは手を出さないわけ」

「あのね。出さない方が一般的だと思うよ和紗さん」


僕自身は、同性愛に特に偏見はない。

大体人に迷惑をかけさえしなければ、本人納得の上導き出した答えを……信念を曲げることなく突き進めばいいと思う。

だってさ、それは男女の間でも一緒で性別関係ないでしょ。


相手と想いが一緒なら、それでいいと思う。




「お前の好みって、マジ変わってんのな」


「……っ?」


同性愛について比較的マジメに考え込んでいた僕は、突然後ろからかけられた声に驚いて思わず腰を浮かせた。


僕たち二人が座るベンチの背後に、一人の高校生の姿。

その制服は、僕と同じ学ラン。

それもそうだ。

今から三十分前に自分の教室で分かれてきた、クラスメイトなのだから。


「友よ……!」

「何そのメロス的呼びかけ。うぜぇ、キモい、変態」

……orz

さらりと変態呼びですかい……。

「いやだってさ、書き手がさ、僕の名前出してくれないから。お前の名前だけ出すの不公平だ」

「仕方ないじゃん、脳内乙女変態ドMのお前は略して変態でいいと思うぞ」


……僕は一体、友人にどう思われてるんだろう。


がっくりと肩を落として俯いていた僕は、隣に座る和紗さんがどんな表情をしているのか気付いていなかった。

気付いていたら、止められたかもしれないのに。

後の妄想を。





「ども、初めまして」

友人に話しかけられた和紗さんは同じように挨拶を返すと、少し間をおいてから名前は? と問いかけた。

友人はなんでもなくさらりと名前を口にする。


……え?


「高野くん、ですね。どうも」


「え!」


思わず脳内ではなく、ホントに声が出た。

その声に、友人……高野と和紗さんが一斉に僕を見る。

「そんな簡単に名前言っちゃうの!? 僕の名前は呼んでくれないのに!」

「だって不便じゃない」

「僕は!?」

「え、変態でいいんでしょ? 君も自分で”脳内乙女変態と呼ばれてる僕だからね”って、前に自慢してたじゃない。なんだか一つ増えてるみたいだけど」

「……自慢じゃないよ、納得してはいるけど」

そうぶつぶついいながら恨みがましい目で高野を見上げれば、口端を上げて”にやり”と聞こえてきそうなほど悪魔な表情で笑いやがった。


確信犯かよ!


「君の名前は?」

高野がさらりと問いかける。

……まさか! 名前言わないよね!?

焦ったように和紗さんを見れば、ふっと僕から視線を外して高野を見上げた。

「和泉」

おぉっ、よかった名字だ。

内心ホッとしていたら、高野が意地悪そうな笑みを浮かべた。

「和紗じゃないの?」

「……!」

ギリッ! と殺気だって睨みつければ、和紗さんが”和泉”ともう一度言った。

「和紗?」

「和泉」

「和紗でしょ?」

「和泉。しつこいね、高野」

いつの間にか呼び捨てに変わっているのも、ちょっとなんか親しい感じがして嫌なんですけど。


「だって面白いんだよ、こいつの反応」

言い合っていた二人の視線がこっちに向き、高野はがしっと僕の頭に手を置いた。

「そう思わない? 和紗」

「おっまえ、いーかげんにしろよ!?」

人の彼女の名前を、さらりと呼び捨てにしやがって!

僕でさえ呼んだ事ないのに!

しかも呼び捨てしあうとか、どこの恋人同士だ!!


思わず立ち上がって高野の胸ぐらをつかめば、両手を上げた状態で高野が怪訝そうな表情を浮かべた。

この状態で何その顔。

その視線を辿ってみると……




……目を細めて口端を上げる、和紗さんと目があいました。

すっげ、嬉しそう……!

ぞわりとチキン肌に変わっていく僕の腕が。

僕の腕が、警鐘を鳴らしています!

いつもの妄想どころじゃない、この雰囲気は……!






――和紗さん、妄想スタート――




「ちょ、お前何してんだよ!」

「んー? 何って、見て分かんだろ?」


背中越しにくすりと笑えば、高野(仮)は振り向こうと体を捻るけれど押さえつけられているその力に叶わない。

変態のくせにどんな腕力だと眉間に皺を寄せても、それさえも奴を楽しませる一因になってしまう。


「なんで俺がこんな目に……っ! どけよ!」


悔し紛れに叫べば、変態はその口端をゆっくりと引き上げた。


「だってさー、いつも俺の事馬鹿にするじゃん? ずっとやり返したかったんだよね」

「だったら、言葉でやり返せ……つか早くどけ!」

「こっちはもうOKだし、少し黙っとく?」


変態は、ゆっくりとその背中に指を走らせた。


「ふぁっ?!」


肌を駆け抜けていくぞわりとした感覚に、高野(仮)の力がふっと抜ける。

目を細めて後ろから様子をうかがっていた変態は、見計らったかのようにその背中に自分の胸を重ねた。

密着する上半身が、しっとりと汗ばんでいく……

その熱さに高野(仮)は、身の内からせり上がってくる何かわからない感覚に、ふるりと震えた。







カーン!


妄想終了






「高野……かっこかり……?」

思わずといった風情で呟いたのは、高野。

和紗さんは満足そうに頷くと、鞄に手を突っ込んで何かをあさりだした。


「んー? さすがに高野って直接的な名前で作ったら可哀想だと思って、(仮)つけてみたんだけど」

「そんな気遣いいらねーーーーーーー!! 」


……僕は、変態に(仮)ついてませんでしたね。僕はいいんですか、そうですか。


鞄から目当てのもの探せたのか、出てきた手に握られていたのはメモ帳とシャーペン。


「あらー、いいネタの提供者がこんなに身近にいたなんてー。下剋上ものって人気あるのよね」

「ネ、ネタ?」

目が泳いでいる高野は、物凄く動揺しているみたいです。

まーそらそうだわな。

初めて聞かされたBL妄想が、自分ネタって(笑)


「あの、和泉さん。何を書こうと……」

既にメモ帳に何か書き始めた和紗さんに、怯えながら声を掛ける高野。

なんだこの力関係。

和紗さんは僕にも時々しか見せてくれない、艶やかな笑みを浮かべて高野に笑いかけた。

「和紗でいいですよ? 強気受けのネタ元さん?」


「やめてーーーーーーーー!!!」


こっちがドン引きするほど謝り倒している高野の前で、和紗さんは表情を崩さないまま短編一本ラフに書き上げました。






「今日は楽しかったわー、私急いで帰らなきゃ。じゃ、また会いましょうね? 是非、変態とセットで来てね?」


「……」



ひらりと手を振って上機嫌で帰っていく和紗さんを見送る、僕と高野。

何やら今日は急いで帰って、薄い本用の原稿を書くとか、言ってたねそういえば。



「……マジで、あれが好きなの……?」



黄昏ていた高野が、ぽつりとつぶやく。

僕はゆっくりと頷いて、口端を引き上げた。



「いつかお前立場キャラを、和紗さんに変えてみせる!」



ビバ、下剋上!!!



そう言って拳を振り上げた僕の隣で、高野が両膝を地面について項垂れました。


ネタが思いついたら、次話投稿します。

今はこれにて、完結ボタンをぽちりとな。

ありがとうございました^^

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