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山田浅右衛門 吉睦〜斬痕見立て帖〜  作者: やはぎ・エリンギ
第二章 影斬りの刀

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療養・作戦会議

町医者の診療所。

 夜明け前の冷たい空気と、薬草の匂いが漂う。


 吉睦は肩に包帯を巻いたまま目を覚ました。

 すぐ横で、録之助が布団に寝転んでいる。

 腕に分厚い包帯を巻き、天井をじっと見つめている。


 「……しぶといな、お前も」


 録之助がぽつりと言った。


 「お互い様だろう。ひでえやられ方だったな」


 吉睦が苦笑する。


 「小森の剣、ちょっと次元が違ったな……型の通りに斬られて、何もできなかった」


 「動きも読まれてた。素人相手の斬りじゃねぇ。……油断したのが悪かった」


 二人はしばらく黙り込んだ。


 「けど、このまま引き下がるわけにはいかねぇだろ」


 録之助が体を起こして、きつく言う。


 「また誰かが斬られる。今度は、こっちから仕掛けるしかない」


 吉睦もうなずく。


 「……“型”の執念があいつを動かしてる。次は誘い出して、止めを刺すしかないな」


 「やるしかねぇな。今度こそ、決着つけようぜ」



---


 春の兆しが江戸の町に忍び寄っていた。

 二人は、最後の勝負に向けてゆっくりと立ち上がった。

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