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デスゲームっていうらしい〜VRのゲームにプレイヤーが人質に取られたというニュースを見た時、無意識にお隣の家に目を向けた。そっか、巻き込まれちゃったか〜

作者: リーシャ
掲載日:2026/03/30

 VRのゲームにプレイヤーが人質に取られたというニュースを見た時、無意識にお隣の家に目を向けた。

 親友の彼は、最近友人にどうしてもと言われてやっているゲームはその名前だった筈。

 2日程見てないけど普通だったから別になにかを思ってなかったが、不気味なくらい静かだと気づいたら嫌な予感がした。


 確認するとやはりルールミ家で問題が起きていたらしい。彼の妹も同じく囚われているらしい。


「そう。そうか」


 すでに犯人は特定されており、捕まっているが黙秘しているらしい。


「ハナス、シャアリン」


 閉じ込められた幼馴染達を思い浮かべる。彼女達は私に普通を教えてくれた。生活を教えてくれた。


「恩返しする番」


 空間内に存在してなかった杖を手に出す。


「本当の現実を教えてあげなきゃ」


 犯人の写真を不敵な目で見る。ゲームは魔法の世界をもとにされているらしい。

 ハナスは、現実でも見てるのにゲームの中まで見るのは飽きそうだとぼやき、シャアリンはゲームで見た魔法を再現してくれと強請ってきた。


 目はとてもキラキラ、純粋。私は彼らを絶対に助ける。偽物の魔法になんて負けない。


「今行く」




 ====




「く!」


「兄さん、逃げて!」


 ハナスは現在命の危機に瀕していた。ゲームからログアウトできないと知って2日、シャアリンを見つけたと思えば襲われていた。

 身を挺してまえへ出たは良いが、ランクもレベルも高いモンスターに苦戦。彼らは別にやり込みゲーマーでもないライトユーザー。


「くそっ」


 刀を抱え直すが上手くいかない状況にシャアリンへ逃げろと伝えるが首を横に振る姿に舌打ち。あと少し攻撃を喰らえば、本当の意味で死ぬだろう。


「いくしかないな」


 皮肉げに笑い相手に向かう。シャアリンの呼ぶ声が聞こえるが最後だと笑う。




「デミートー」


 ユルユルな声音と共に天から光がモンスターを包む。ごおごおと風圧がハナスを押しやる。目を開けてられずシャアリンのいるところまで下がる。


「やっほう。助けに来たよー」


 ハナスはその声を聞いた途端安心で力が抜ける。彼女がいればここから出られる。確信にも似た希望にシャアリンを見た。


「お姉ちゃんッ」


「シャアリン、頑張ったね。えらい偉い」


「よく来れたな」


「ほぼ生身だよこれ」


「凄すぎて逆に分からん」


 ハナスは肩透かしにシャアリンも笑う。


「さあ、帰ろうか」


「え、私たちだけ?」


「シャアリン、贅沢言うな」


 他の人たちのことを考えてシャアリンは顔を暗くする。


「ん?ああ、大丈夫大丈夫。みーんな一緒に帰るんだよお」


 彼女はにっこり笑い、杖を掲げる。


「このゲームのクリア条件はあの塔のモンスター討伐」


 女の周りにゲームの魔力と現実の魔力が混ざる。


「全てを無に──サンダーラーニング」


 天地が光る。ハナスとシャアリンのゲームの中の最後の光景は真っ白な光だった。





 チュンチュン、チュンチュン。


 朝の鳥が今日も元気に鳴いている。納豆をぐるぐる回してテレビを眺めていた。


『現在もVRゲーム事件の内外の捜査は続けられております』


 事件から既に三か月。ハナスもシャアリンも病院の検査が落ち着き、普段の生活を取り戻しつつある。


「ねえお姉ちゃん。全部消えたんだよね」


 隣で、ネギを口に入れたシャアリンが尋ねるので菩薩の笑みを浮かべた。


「そうだよ。ありとあらゆるデータが消えた」


「なんだって全部消した?」


 向かいに座る、お茶を置くハナスも聞いてきた。


「みんなの安全の為。今後同じような事件を起こされたくないし、プログラムを悪用されたくないもん」


 むだに作り込められていたゲーム。


「それに、私がムカついて全部消したくて」


「本音はそれだ」


「お姉ちゃんかっこいい」


 2人はマスコミが家に来るので、隣の私の家に避難している。


「犯人はあのゲームが人生の全てだったらしいからザマァって感じい」


 せいせいする。


「この世界に完全に染まったな」


 ハナスに染み染み言われて笑みを向ける。

 私は過去、この世界ではない異世界で生きていたが事故でこの地球に飛ばされ、幼児になった。


 そんな私を2人は熱心に気にしてくれた。勿論彼らの両親も大変お世話になった。

 18までは施設に居たが頻繁に来てくれて色々教えてくれた。

 施設を出た後は隣に住んだ。魔法で建てた。


 楽に出来たのでお披露目して魔法も使うことを仄めかし、かけがいのない家族である。その2人を事件の渦中に巻き込んだやつは私にとって敵だ。


 異世界でかなりの腕の魔法使いと謳われた私からしたら赤子のように感じたけど。


「それにしても、2人は事件のトラウマ大丈夫?」


「うん。たった2日だけだったし」


「ああ。おれも平気だ。命の危機は感じたが、お前が来てくれた」


 照れる。


「フフフ。褒め殺して」


「だが、お前は知られずに良いのか」


 私のウケ狙いを無視して聞いてくる。


「いやいや、言ったら実験施設行きっしょ」


「ヤダヤダ。お姉ちゃんが居なくなるなんて」


「だよね。お兄ちゃんは相変わらずだ」


「お兄ちゃん言うな」


 お兄ちゃん呼びを嫌がられる謎。ネギを食べながらいつもの兄妹たちを眺めた。

⭐︎の評価をしていただければ幸いです。

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