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第92話 続いて武器も出来ちゃったみたいです


 昨日はスズカさん達の高級クラブビルも完成し、僕がしたかった事も出来たので満足している。


 店舗代も要らないと言ったけど、律儀にも払ってくれるそうなので無理のない値段を受け取ると、快く了承しておいた。


 そして、今日は待ちに待ったアダマンタイト製の武器も完成すると言う連絡が入ったので早速、ダンジョン帰りにミナミさんの所へ行く事になった。


 以前来た時と同じ様に、重厚な扉を潜り作業場に入るとミナミさんは、酷く疲れたような表情で椅子に座っていた。



「おお、来たか。待ってたぜ」


「ミナミさん。酷く疲れている様子ですが、大丈夫ですか?」


「確かに疲れたが、気にするな。私が早く作りたかっただけだからな」


「まったく、後から輝石や紅蓮石とか持ってくるから、<鑑定>したら、えらい性能が良いんで組み合わせるのに時間くっちまったぜ」


「だが、そのお陰で満足のいく仕事が出来た。さあ見てくれよ」



 ミナミさんは、そう言うとテーブルの上に被せてあった布を取ると、美しい武器が並んでいた。


 アダマンタイト鉱石から作られた武器は深い青色をしており、淡く光っていた。



「うわ~ 二本とも綺麗なサバイバルナイフですね、ありがとうございます」


「ああ、注文通り以前使ってたミスリルナイフも素材として使ってるぞ。それに幅広のナックルガードも付けておいた、これなら格闘武器としても使えるだろう」


「はい、二本とも長さも形状も文句無しです」


「私達の刀も見事な出来栄えですね」


「ちゃんと、鞘まで作ってくれたんだ?」


「ああ、鍔は無しで柄は長めだったな。刀は同じ様に見えるが、ちゃんと重心をリラとノノに調整してるから、間違えんなよ」


「僕の薙刀も恰好良いね」


「それが一番加工に時間が掛かった、アダマンタイトを使って、でけえ武器を作るのは骨が折れたが、一番攻撃力はあるだろうな」


「うわ~ 私のロングメイスも凄く装飾に凝ってくれたんですね」


「見栄えだけじゃねえぞ? 唯一、紅蓮石を使った武器だからな」


「私の弓もメチャクチャ、カッコイイじゃないですか♪」


「弓は作るより考えるのが疲れたよ、鉱石から魔物素材まで色んな物を使って作り上げた」


「それから皆、魔法は使えるんだろ? 自分の武器を持つ前に最初に触って魔力を流してみてくれ。たぶんだが、それで完成になるはずだ」



 僕達はミナミさんの言う通りアダマンタイト製の武器に魔力を注ぐと、深い青色だったものが半透明になり淡く輝きだした。



「よしよし、思った通りだ<重量軽減>効果が付いたな。もう持って良いぞ」



 僕は何の事か分からなかったが、二本のサバイバルナイフを左右に持つと信じられない程、軽く手に馴染む。



「うわ~ メチャクチャ軽いですね、これが<重量軽減>効果なんですね」


「僕の薙刀も大きいのに凄く軽いよ」


「元々綺麗な刀でしたが、魔力を流すと神秘的な程、美しいですね」


「ああ、元々このアダマンタイトは凄く重い性質があってな、実際持ち上げれない程の重量があるんだ」


「だが、予想通り魔力を流したら軽くなると思っていたら、<重量軽減>効果が付くなんて予想以上だった」


「しかも、もう個人を認証した筈だから専用武器になったと思う。本人以外には持ち上げる事も出来ないだろうな」


「うは~ 凄い武器ですね」


「・・・私のロングメイスに<火属性魔法>威力上昇ってのがあるんだけど?」


「ああ、紅蓮石を素材に使った効果だろうな」


「全員の武器にある<自動修復>ってのは?」


「それは輝石から精製して作ったインゴットを使ったら付いたんだ。しかし、<鑑定>スキルって便利だよな」


「役立ってくれたなら嬉しいですが、それにしても色々と凄いですね」


「皆満足してくれたか?」


「「「「「「最高です(だね)♪」」」」」」


「フゥ~ 良かった。頑張った甲斐があったよ」


「それから、あれだ・・・あのよ・・・そのなんだ・・・・・最初に出した条件なんだがよ」


「我ながら厚かましい願いだったって言うか・・・こんな綺麗な女性達を連れてる奴に頼む事じゃなかったよな」


「男になんか興味も無かったしよ、良く考えたら俺みたいなガサツでゴツイ女に抱いてくれって言われたら困るよな」


「悪かったな、あの話は忘れてくれ」


「あはは、な~んだ、そんな事気にしてたんだ♪ ミナミさんも意外と乙女なんですね」


「お、俺だってな一応女なんだよ。でもよ、化粧どころか髪もボサボサのままで手入れ何てしたこともねえんだから、やっぱ悪いと思ってよ・・・」


「フフ、ヨウ様。しばらくの間ミナミさんを私達がお借りしても宜しいでしょうか?」


「ん~ 僕は今のままでも可愛くて魅力的だと思うんですが。リラさん達がそう言うなら」


「いったい何の話をしてるんだよ?」


「あはは、リラさん達に任せておいたら分かりますから」


「それと、ミナミさん少しお疲れのようだから、魔法掛けさせて貰っても良いですか?」


「ああ、何か分からねえが良いぞ」


「ちょっと待ってヨウ君、ミナミさん。服を脱いじゃおうか?」


「イイッ! ちょ、ちょっと待て。幾ら俺でも男の前で服が脱げるかよ」


「まーまー、ビキニの水着貸して上げるから」


「えっ? ちょ、本気かよ」



 ミナミさんはアヤメさん達に僕の見えない所へ連れて行かれ、帰って来た時には赤いビキニの水着だけになっていた。



「うわ~ 凄く良いスタイルしてますね、鍛冶師って力がいるせいか見事な筋肉だし」


「ま、待て、こんな品定めみたいな事、幾ら何でも恥ずかしいぞ?」


「フフ、いつも依頼者の服を脱がしているじゃありませんか?」


「あ、あれはだな・・・」


「すみません。ちゃちゃっと、治しちゃいますね」



 僕は水着姿のミナミさんを見ると、やはり鍛冶の時火花が出るのか、腕や太腿に火傷跡が沢山あった。


 まず、それから<ハイエストヒール>を掛けて治していった。


 それから、全身の見える範囲にある古傷を、手の先から足の先まで治していく。



「ん~ これで見える範囲は大丈夫みたいね、後は私達でチェックしとくわ」


「古傷まで治せるのかよ? それに疲れも嘘みたいに吹き飛んだし、魔法ってスゲエんだな」


「火傷跡なんて気にした事もなかったが、治してくれてありがとな」


「いえいえ、僕もミナミさんの素敵な体見せて貰ったから嬉しいですし」


「馬鹿野郎!」


「も~ そんな事言ったらミナミさんも照れるでしょ? じゃ、ミナミさんを私達の部屋に連れて行くから、ヨウ君は2時間ぐらいしたら帰ってきて」


「分かりました。しかし、皆さん嬉しそうですね?」


「フフ~ そりゃ~遣り甲斐ありまくりですから、ヨウ様も楽しみにしといて下さいね~」


「あはは、では、ミナミさん後ほど会いましょう」


「ああ・・・何がなんだか・・・」



 ミナミさんはツドイさんが運転する車で連れて行かれ、僕は適当に時間を潰す事にした。


 時間潰しと言っても何をするか考えた所、やっぱりダンジョンに行く事にした。


 最近言ってない初級ダンジョンで<鑑定>スキル等を補充しておこうと思い、久しぶりにダンジョンギルドへ向かう。


 こんな少しの時間潰しでもダンジョンを選んでしまう僕は、自分でもダンジョンマニアなんだなと自覚してしまう。


 少し苦笑しながらダンジョンギルドへ入って行くと、アメリカのアリーシャさんが、一人でカフェに座っているのを発見した。


 アリーシャさんも僕に気付いたのか、席を立ち、僕の所まで来てくれた。



「こんにちわアリーシャさん」


「Hi、ヨウ君。この間はありがとう助かったわ」


「いえいえ、大した事じゃ無いので良いですよ」


「良かったら、少し時間をくれないかしら? 話でもしたいんだけど」


「ん~ あんまり時間無いんですけど、1時間ぐらいなら良いですよ」


「ウフフ、ありがと♪ 場所移しても良いかな?」


「良いですよ」



 アリーシャさんは、どこに行くのかと思ったら、日本に居る間借りているホテルの部屋に招待してくれた。


 まあ、誰にも聞かれない個室だとは思ったけど、まさかホテルの部屋にアリーシャさんみたいな美人の女性と、二人ってのも緊張しちゃうな・・・


 一応念のために<鑑定>スキルで部屋を調べてみると、ボイスレコーダーが2つも設置されているようだ。


 こっそり、プチファイアで潰しておこう、僕の言質を取られるかもだしね。



「どうぞ、飲み物はビールで良いかしら?」


「はい、ありがとうございます」


「ところで、世間話って訳じゃ無いですよね?」


「ウフフ、そうね。ヨウ君に少し・・・いえ、かなり興味があるわね」


「あはは、こんな田舎者の新人冒険者が、アリーシャさんのような美人に興味を持って貰えるなんて喜んじゃいますよ?」


「ウフフ、田舎者は兎も角、新人冒険者には見えないんだけど?」


「あれっ? 初めてダンジョンに入ってから、数ヶ月経っちゃったから新人とは言えないのかな?」


「・・・ヨウ君は、いえヨウ君達は、たった数ヶ月で私達を遥かに超える程、強くなったって言うの?」


「あはは、僕達がアリーシャさん達より強い訳ないじゃないですか」


「・・・って、言っても無理ですか?」


「ウフフ、どうせ隠す気なんて無いんでしょ? あんなに圧倒的な力を見せてくれたんだから」


「えっ? あれでも、やり過ぎだったんですか? 手加減って難しすぎますね」


「冗談よね?」


「まあ、アリーシャさん達みたいな、Sランクパーティなら気付いてくれるだろうとは思ってましたけど。圧倒的でしたか・・・他のパーティも見学しといた方が良いのかな~」


「でも、おかしいですね。僕達が圧倒的な強さに見えたんなら、どうして僕とまた接触したんですか?」


「仕方ないでしょ? 私達も遊びに来てる訳じゃないんだもの」


「なるほど。大変ですね国の代表ってのも、僕に警戒されないようにアリーシャさん、一人で来たんですか?」


「ヨウ君女性には甘そうだから、最初は女性3人でって話だったんだけど、怖いからって言って二人に断られたのよ・・・信じられる?」


「あはは、僕、見た目は弱そうに見える筈なんだけど、えらく警戒してくれたんですね~」


「それに誤解してますよ、僕が女性に甘いなんて事は全くありませんし」


「ゾクッ! ご、ごめんなさい」


「あっ! そんなに怯えなくても大丈夫ですよ、僕はアリーシャさんのファンですから」


「それで、僕に何を聞きたいんですか?」


「普通に聞いても何も答えてくれないのは分かってるわ。これでどう?」



 アリーシャさんは椅子から立ち上がり、徐々に着ている服を脱ぐと下着も付けておらず、僕の目の前に全裸になった。



「ええっ? ちょっと、体張り過ぎじゃないですか?」


「し、仕方ないでしょ。これぐらいしか思いつかないんだもの」


「そんな事されたら、少しサービスしたくなっちゃうじゃないですか」


「それじゃあ?」



 僕はアリーシャさんの体を<看破>スキルを使い診断したところ、驚く事に心疾患を見つけた。


 思ったより重い症状の病気の様だ。今、僕が見つけなければアリーシャさんは近いうちに死んでいたかもしれない。


 僕は他の古傷を後回しにして先に、心疾患を治して上げることにした。



「動いちゃ駄目ですよ」


「どういうこと?」


「<ハイエストメディカル>!」


「よし! 念のためにっと」


「<ハイエストヒール>!!!」



 僕はまず心疾患を治した後、体中にある古傷も綺麗に治して上げた。


 全裸なので完璧に治したと思う。


 しかし、やっぱりアメリカ人の女性の裸って見事なスタイルだな~


 足が長いって言うか腰の位置が高い、胸は大きいし腰の括れからヒップラインなんて素晴らしいな。多少見ちゃうのは仕方ないよね。


 治療が終わったので断腸の思いで、洋服をアリーシャさんに掛けて上げた。



「・・・やはり、こんな事ぐらいじゃ駄目だよね」


「ん~ アリーシャさんの裸を見せてくれた対価に釣り合うか分かりませんが、心疾患で結構重い症状だったので治療しておきました。それとついでに全身の古傷も治しておきましたよ」


「はっ? じょ、冗談よね? えっ? えええっ! 無い! 無くなってる。まさか、本当に治しちゃったの?」


「何故、私が心疾患なの知ってるの? それに手術も難しくてエリクサーでも無い限り完全に治らない筈なのに・・・」


「ちゃんと、対価は払いましたからね? もう何を聞いても答えませんよ?」


「こんなに動揺してるのに全然苦しくない・・・本当に治してくれたのね、ありがとう。本当にありがとう」


「でも、私の裸なんかじゃ全然釣り合わないわ、私に出来る事なら何でもするから言ってくれないかな?」


「本当に、何でも聞いてくれます?」


「ええ、私に出来る事ならね」



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