第85話 黄色SPオーブもカンストしました
「あ~ アダマンタイトを加工するのに金もいるが、それよりも三日月陽に抱かれてえ」
「ええっ? 冗談でしょ?」
「フフ、ミナミさん冗談が過ぎますよ?」
「おいおい、殺気が出てるぞ? 落ち着けよリラ。もちろん冗談じゃねえよ、俺は男性経験なんてねえが、抱かれるなら三日月陽のような超人に抱かれてえ」
「抱いてくれるなら何でもする。俺は自分の人生に満足して死んでいきてえんだ」
「・・・全てはヨウ様次第ですよ?」
「分かった、ありがとなリラ」
「つー訳だ、三日月陽頼む、俺を抱いてくれ!」
ミナミさんは真剣な眼差しで僕に訴えかけ、頭を下げてくれた。
僕はアヤメさん達に目を向けてから返答する事にした。
「分かりましたミナミさん。でも、僕は武器製作の報酬としてミナミさんを抱きたくありません」
「武器の報酬は、それ以外でキッチリお支払いしますので、武器が完成してミナミさんが満足いったとき、気持ちが変わらなければ改めて僕の部屋に招待しますね」
「そっか、分かった! それで良い。しかし、良い男だよな惚れたよ」
「も~ なんて言うか豪快な人ね。まあ、ヨウ君が認めるなら私達は良いけどさ」
「フフ~ ヨウ様を少しでも裏切るような事をしたら、私達が殺しに来ますよ?」
「今日の事は、全て内緒だよ?」
「そそ、でも貴女みたいな人、嫌いじゃないわ」
「おいおい、怖い事言うなよ・・・だが、ありがとな。全身全霊を掛けて武器は作らせて貰う、楽しみにしといてくれ」
「それに、俺は裏切るような真似はしねえし、職人ってなあ口も堅い。安心してくれ」
それから各個人の武器注文を子細に説明したが、問題もあるようだ。
「う~ん、やっぱり弓は難しいな・・・」
「そっか~ アダマンタイトって硬い鉱石だから弓には向かないもんね」
「そうなんだよな・・・そうだ! 他に良い素材持ってねえか?」
「あっ! それなら色々ありますよ」
僕は今まで売らずに取っておいた、キラースパイダーの銀色魔糸やアルマイトの鎧皮、マンティコアのタテガミ、それにとっておきの地龍素材をドカドカと出していった。
「・・・ちょ、ちょっと待ってくれ。何かスゲエもんまで出てきてねえか?」
「あはは、地龍素材とかは市場にも出て無いし、珍しいかもしれませんね」
「地龍って、冗談だろ? 龍まで倒したのか? 市場に出したらどれぐらいの値がつくか分からねえぞ?」
「僕達はお金持ちだから大丈夫ですよ、此処に出した素材は好きに使って下さい」
「流石、俺が認めた超人達って事か・・・分かった。遠慮なく使わせて貰う」
「あっ! それとですね、僕達と懇意にしてくれる職人さん達にはスキルもプレゼントしてるんですよ、これも受け取って下さい」
僕は<鑑定><虚空庫><追加防御><身体強化><腕力強化><適温効果><温度感知><精密動作><魔石><魔水>と言った、鍛冶師に役立ちそうなスキルもドカドカ出していき、ミナミさんに手渡した。
「・・・なあリラ? 確かスキルオーブって高額なんじゃないのか?」
「フフ、もちろん高額ですよ♪ これだけのスキルなら数千億円は下らないかと思います」
「数千億だと? それをこんなに簡単にくれて良いのかよ?」
「それと、前金として100億円ほど渡しておきますから足りないときは言って下さいね、幾らでも追加しますから」
「・・・・・なあリラ? とんでもねえ客を連れてきてくれたんだな? 抱き締めて良いか?」
「フフ、遠慮しておきます」
「相変わらず連れねえ奴だ。よーし、気合も入りまくったぞ。後は任せてくれ」
リラさんからスキルの説明をして貰う度に、ミナミさんは驚愕の表情をしていたが、スキルに慣れるのには時間が掛かるだろう。
ようやく、全ての説明を終えたので、僕達はミナミさんの作業場を後にした。
女性だけど鍛冶師らしい豪快な人で、僕はとても気に入ってしまったようだ。
しかし、鍛冶師さんまで女性だとは、リラさんが僕を喜ばす為に選んでくれたんだろうと思う。
感謝の気持ちを忘れないようにしないと。
部屋に戻り今日は、無性にスキヤキが食べたくなったので、マナバイソンやサンダーバイソンの肉を薄切りにして、皆で協力しながら作る事にした。
タマゴはもちろんハーピーのタマゴを使い食べて見ると、とんでもなく美味しかった。
皆も気に入ってくれたようで、パクパクと大量に食べていった。
スキヤキの後の食器洗いは、何時も大変だった記憶があるんだけど、今は<クリーン>で直ぐに終わるから便利この上ない。
そして、いよいよ寝る時間になり、僕の部屋にリラさんが来てくれた。
「失礼しますヨウ様。今日は宜しくお願い致します」
「僕の方こそ、宜しくお願いしますね」
「フフ、まさかこのような日が来るとは、想像出来ませんでしたわ」
「それは僕のセリフですよ? 皆もそうですが、リラさんと初めて会った時は何て綺麗な大人の女性なんだろうって思いましたもの」
「フフ、私は今度の主人は、とても初々しい冒険者と思っておりました。ヨウ様に会って始めて、私が年下好みだと気付かされましたわ♪」
「あはは、僕は昔から年上好みです♪」
「でも、今はとても年下と言うイメージは無くなりました。この短期間で見るみる内に凛々しく、そして逞しく成られる様は息を飲む思いでした」
「きっと、ノノの事が無かったとしても、生涯お慕いしたと確信しています」
「ありがとう。少し過大評価だと思うけど、僕はリラさんがコンシェルジュとして来てくれて一緒に居られることが唯々、嬉しかったです」
「僕はダンジョンに感謝しないといけませんね、冒険者に憧れて大阪に来てから僕の人生は一変しましたから」
「ウフフ、では私もダンジョンに感謝しましょう」
その日、リラさんと過ごした一夜は、とても静かで幸せなものになった。
リラさんの匂いや柔らかい感触、表情に至るまで僕の記憶に刻まれ一生消える事は無いだろうと思った。
僕が愛した5人の女性と結ばれたかと思うと、何故だか自然に涙が溢れ出し止まらなくなった。
ああ、これが感涙って言うんだなと思いながら、リラさんの大きな胸に顔を埋め眠りに落ちてしまった。
翌朝、目が覚めるとリラさんが、僕の頬を指でツンツンしていた。
「フフ、おはようございますヨウ様。そろそろ起きる時間ですよ」
「おはようございますリラさん。起こすのを理由に僕の頬で遊んでましたね?」
「フフ、申し訳ありません。あまりに可愛かったものですから」
「いいえ、看過出来ません。仕返しに移らせて貰います」
「えっ? み、耳は擽ったいです」
それからしばらくの間リラさんとイチャイチャし、本当に起きないといけない時間になったのでリビングへ下りる事にした。
「キャ! あ、足が動きません」
「あはは、リラさんもですか? 朝リビングに僕が皆を抱っこしてた理由がこれなんですよ」
「んっ・・・駄目ですね、ようやく理由が分かりました。皆さん凄かったんですね」
こうして、皆と同じようにリラさんを抱っこしてリビングに下りる事にした。
リラさんも少し恥ずかしいのか、顔が赤くなっている。
「おはよー、ヨウ君」
「にひひ、リラも足腰が動かないんでしょ?」
「・・・恥ずかしながら、ようやく皆さんの気持ちが分かりました」
「最初吃驚するよね? だって動かないんだもの」
「フフ~ リラ姉。おめでとうです♪」
「も、もうノノったら、普通この事で祝福の言葉なんて言わないですよ?」
「でも、今だから言えるけど、ヨウ君って初心者にはハードだよね?」
「「「「激しく同意します!」」」」
「あぅ~ すみませんです・・・」
「アヤメがドラゴンに例えたのが良く分かるわ」
「ア、アヤメさん~~~~~~~~~!!!!!」
「ごめんってば、だって本当にそう思ったんだもの」
「「「「あはははははは♪」」」」
それからは何事も無くダンジョンへ潜る日々が続き、10日の月日が過ぎていった。
上級ダンジョンの地下21階は火山フィールドになっていたが、僕達には<適温効果>スキルがあるので何の問題も無く進んで行けた。
コツコツ上げていたステータスも、黄色のSPオーブの上限が300だったのか、遂にカンストしたようだ。
僕達はネックレスの効果でステータスが倍になるから実質600なんだけどね。
久しぶりにステータスの確認をするため、ステータスを開いて見る事にした。
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【STATUS】
HP 6000/6000→12000/12000
MP 6000/6000→12000/12000
STR 150→300(600)
VIT 150→300(600)
DEX 150→300(600)
INT 150→300(600)
AGI 150→300(600)
LUK 150→300(600)
【skill】
<ウィル>☆
<返還>
<鑑定>
<看破>New!
<虚空界>★
<追加攻撃>
<追加防御>★
<敏捷強化>☆
<腕力強化>☆
<身体強化>★
<精神強化>New!
<気配感知>★
<魔力感知>★
<温度感知>★
<気配遮断>★
<魔力操作>★
<MP吸収>★
<MP増大>New!
<HP吸収>★
<HP増大>
<威圧>
<状態異常耐性>
<隠蔽>★
<言語理解>★
<幸運>★
<超回復>★
<硬質化>★
<超振動>New!
<縮地>New!
<鋼糸>★
<風斬>★
<投擲>New!
<高速飛翔>
<麻痺眼>★
<適温効果>
<精密動作>New!
<魔石>New!
<魔水>New!
【Magic】
<生活魔法>
<回復魔法>★
<解毒魔法>★
<快癒魔法>★
<水属性魔法>
<土属性魔法>
<風属性魔法>
<火属性魔法>
<氷属性魔法>
<雷属性魔法>
<闇属性魔法>New!
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う~ん、こうやって久しぶりにステータスを見ると、かなり強くなってきたのが実感出来るな~
スキルも増えて来たし便利にもなってきた。
もちろんこれぐらいで満足してたら駄目だよね、もっともっと頑張ろうっと。