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第83話 ついでに買っちゃいましょうか

評価やブックマークを付けて下さった方、ありがとうございます。

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 第83話 ついでに買っちゃいましょうか



 そしてスズカさん達が帰った後、僕達も早めに寝る事になった。


 そして翌日、今日も気持ちの良い朝を迎えている。


 今はノノさんが僕の隣で可愛い寝息を立てている。


 少しだけ布団を捲りたい衝動にかられ持ち上げてみると、当然のようにノノさんは全裸の様だ。


 僕は一気に顔が赤くなり体温が急上昇したが、何とか理性を保つことに成功した。


 昨夜にもっと凄い光景を見ているので、照れる事も無いかと思うけど、僕が慣れるには、まだ当分時間が掛かりそうだ・・・



「おはようございます。ヨウ様♪」


「わわっ! 起こしちゃいましたか?」


「うふふ♪ ヨウ様が布団を捲っちゃったので照れちゃいました」


「お、起きてたんですか? すみません、つい・・・」


「フフ~ 謝らなくても良いんですよ?」


「じゃ、もっかい・・・」


「えっ? あわわ!」


「あはは、冗談ですよ♪」


「ブ~ ヨウ様意地悪です~ やはり恥ずかしいですね」


「ノノさんは、僕にとても丁寧な対応をしてくれるからかな? どうしても甘えちゃいますね」


「うふふ、嬉しいです♪ 私にはドンドン甘えちゃって下さいね♪」


「許してくれます?」


「Hな事考えてますか?」


「・・・ちこっとだけ?」


「ちょっとだけなら?」


「んあっ!」


「ちょっとじゃないですぅ~」


「あはは、ごめんなさい♪」


「もう、でも許してあげます♪」



 僕は照れて赤くなったノノさんを抱き締め、少しイチャイチャしてからリビングに下りる事にした。当然ノノさんを抱っこしている。


 当然の様に皆から揶揄われたけど、ノノさんはとても幸せそうな表情をしていた。


 それから何時もの様に上級ダンジョンへ行き周回を済ませた後、予定通りリラさんと二人でスズカさん達との待ち合わせ場所へ向かった。


 僕達が待ち合わせ場所へ向かうと、スズかさん達は既に待っていてくれたので、早速4人で不動産屋に向かう事にした。


 不動産屋さんはリラさんが選んでくれており、歩いて行く事になる。



「ヨウ君、私朝起きて顔を洗うために鏡を見て、また驚いちゃったよ」


「あはは、スズカさん元々可愛いから、そこまで変わってないと思うんだけど?」


「えっ? もう、揶揄わないでよ~ メイクも凄く楽だったんだから」


「ウフフ、確かにメイクが簡単でしたね、私なんて年甲斐も無くニヤニヤしてしまいましたわ♪」


「ママさんも、元々綺麗じゃないですか」


「ウフフ、お上手ですわね三日月様は、何十年も女をやってきたんですもの、まるで生まれ変わったような肌の質感には驚きを隠せませんわ」


「そこまで喜んで貰えたら僕も嬉しいですね」


「フフ、美しくなりたいと思うのは女性の性ですからね、ヨウ様は女性に対して圧倒的な武器を持っていると思って宜しいかと」


「ん~ 出来たら交渉事には使いたくないですね、僕の身内の人達に喜んで貰えたら満足ですよ」


「それって余計に価値が上がりそうなんだけど?」


「ウフフ、私達は幸運でしたね」



 昨日の出来事を絶賛されながら歩いていると、どうやら不動産屋さんに着いたようだ。


 僕達は立派なビルにある不動産屋さんのテナントに入り、店員さんに声を掛けられた。



「いらっしゃいませお客様、本日は住居をお探しですか?」


「いえ、高級クラブを経営するに見合った物件を探しに来たんですよ」


「・・・失礼ですが冒険者とお見受け致しますけど、店をお間違えではありませんか?」


「ピクッ」


「当店では億単位の物件しか扱っておりませんので、お客様でしたら少々厳しいかと存じますが?」


「いい加減にしなさい! 私は昨日電話を入れた天満リラです。直ぐに社長を呼びなさい」


「申し訳ございません。社長は多忙なため今日は誰も取り次がない様、伺っておりますので」



 どうやら僕はダンジョン帰りだから、服を見て場違いな貧乏人の冒険者に見えたのだろう。


 気持ちは分からなくもないけど、失礼な店員なのは間違いなさそうだ。



「ヨウ様。申し訳ありませんが、違う店に御案内させていただいて宜しいでしょうか?」


「そうですね。僕もこの店で買物はしたく無くなりました。行きましょうか」



 僕達は踵を返し不動産屋さんを後にした。


 リラさんは早速、次の不動産屋さんに連絡を入れてくれているようだった。


 リラさんは電話を終えると、直ぐに次の不動産屋さんに案内してくれるそうだ。


 一体どれぐらいの伝手を持っているのか感心してしまう。


 幸い次の不動産屋さんも近くにあったので、早々に到着し店に入る事にした。


 この店は先ほどの店とは違い、従業員が大勢出迎えてくれた。



「先ほどの店とは大違いの対応ですね~」


「大変申し訳ありませんでした。同じ過ちをしないよう念を押しておきましたので御安心下さい」


「リラ様、お久しぶりで御座います」


「お久しぶりです。今日は宜しくお願いしますね」


「畏まりました。此方へどうぞ」



 僕達は直ぐにモニタールームの様な場所へ案内された。


 どうやら物件をモニターで映写してくれるらしい、流石に高額物件は一味違うようだ。


 ママさん曰く高級クラブなら北新地が良いらしく、色々なテナントを紹介してくれている。


 その中でも目に止まったのが、新築物件で地上20階建、地下2階の普通のビルだが地下2階がかなり深く、地上から100mも地下にある。


 まるで核シェルターのようだ。


 大きさも、かなり広く高級クラブを開くには十分だろう。



「へええ~ 自分が住んでいる所が地上50階のせいか、地下に店があるのも面白いと思っちゃうね」


「三日月様、ここですか?」


「ヨウ君・・・確かに変わってて面白いと思うけど、メチャクチャ賃貸料が高いみたいよ?」


「フフ、すみません。この物件を一度見せていただきたいのですが、よろしいですか?」


「畏まりました。直ぐに車を用意致しますのでお待ちください」


「おっ! 現地も見れるんですね、皆で一度見てみましょうよ」


「ウフフ、分かりましたわ」



 僕達は現地も見れるらしいので車で移動し、新地にある新築のビルを見る事にした。


 新築工事は既に終わっており、テナントで経営する人を募集しているらしい。


 僕が気に入った地下を見学させて貰うと、まだ内装が出来ていないのでコンクリートの打ちっぱなしのままだったが、かなりの広さがあるようだ。



「うん、僕は気に入ったけどスズカさんとママさんは、どうですか?」


「ウフフ、新地の地下深くにある高級クラブなんて、話題にもなって良いと思いますわ」


「でもヨウ君。私も色々勉強してるんだけど、このテナントって賃貸料が凄く高いから採算取れるか心配なんだけど?」


「申し訳ありません。オーナーの意向で地下の2階層は深く設計致しておりますので、通常よりかなり高くなっております」


「ん~ なるほど・・・じゃ、買っちゃいましょうか?」


「ハハハ。お客様はお若いのに豪儀な方ですね、買取りでしたら地下だけでも数十億円になりますので現実的ではないかと」


「なるほど。では、地下1階と2階の階層を買い取らせて貰いますね」


「はっ? お、お客様・・・御冗談を?」


「ヨウ様、それですと地上のテナントがどんな用途になるか分かりませんよ?」


「あっ! そっか。地下が高級クラブなんだから地上のテナントも同じような用途の方が良いですね~」


「じゃ、ついでにビルごと、買っちゃいますか」


「「ええっ」」


「ヨ、ヨウ君、幾ら何でもビルごと、買っちゃうなんて・・・」


「三日月様、確かに良い物件ですが」


「ついでに買っちゃいますよ? リラさん1000億円程預けときますね、足りるかな?」


「はい、それだけあれば十分かと存じます」


「いっ、1000億円ですと? 即金ですか・・・し、しばらくお待ち下さいませ、上の者と相談させていただきたいのですが」


「分かりました。リラさん後は任せて良いですか? あんまり遅くなるようなら違う場所で検討しますから」


「畏まりました。時間が掛かるのでしたら他の不動産にも連絡を取っておきましょう」


「お、お待ちくださいお客様! 早急に連絡致しますので、どうか今暫くお待ち下さい」



 このビルに案内してくれた営業担当の人は、実際に此方の予算を提示すると慌てて上司に連絡を取って相談しているようだ。


 そりゃ~ ビルごと全て売れて、十分な儲けも出るなら慌てる気持ちも分かるけど、やはり必死になってくれると此方も嬉しいもんだな。


 僕達は不動産屋さんに戻ると、先ほど居たモニター室ではなく、豪華な応接室に案内された。


 やはり、お金の力は偉大だ・・・僕達への対応もガラリと変わり、重役そうな方達がペコペコしてくれている。


 しばらく待っていると、僕達が購入したいビルのオーナーさんとの話もついたらしく、550億円で買い取る事になった。


 思ったより安かったので、リラさんが頑張ってくれたのだろう。



「フフ、良い取引が出来ました。即金でお支払いしておきますね」


「そ、即金で御座いますか・・・三日月様。お買い上げありがとうございます♪ 今後も宜しくお願い致します」


「此方こそ。僕みたいな子供に丁寧な対応ありがとうございます。此処は良いお店ですね僕気に入りましたよ。是非、また機会があれば宜しくお願いします」


「ありがとうございます♪ 是非、またのご利用お待ちしております。連絡さえいただければ、何時でも全力で用意させていただきます」


「あはは♪ 大サービスですね」



 帰りも職員全員で深々と頭を下げ、見送ってくれた。


 気前よく買い物をしたとはいえ、ここまでしてくれると気分が良くなる。


 僕達は予想以上に良い物件を手に入れる事が出来たので、上機嫌で来た道を帰ることにした。



「550億円って・・・ヨウ君どれだけお金持ちなのよ?」


「あはは、まだまだ、内装はちょっと考えがあるんで、ドカドカお金注ぎ込んじゃいますよ」


「フゥ~ 三日月様のスケールの大きさには、流石に驚きましたわ」


「フフ、内装等の詳細を決めるために、何処かへ寄りますか?」


「そうですね、アイナさん達も呼んで決めましょうか」


「それでしたら、まだ開店前ですから私のお店で如何ですか?」


「分かりました。そうしましょうか」



 僕達は来た道を引き返していると、何か違和感を感じたが直ぐに違和感の原因に気付いた。



「あれっ? あそこって最初に行った不動産屋でしたよね? 工事してるのかな?」


「ゾクッ! ス、スズカさん・・・」


「えっ? ママどうしたの? 顔色が悪いですよ」


「フフ、フフフ、慌ただしい不動産屋ですね♪ 引っ越しでもするのでしょう。おそらく、もう見る事も無いと思いますけどね」



 僕達が最初に訪れた不動産屋さんは先程まで営業していたのに、今はまるで改装工事のように全ての内装が取り外されていた。


 おそらくリラさんが手を回したのだろうが、恐ろしい程に対応が早い・・・


 嫌な気分にさせられたけど、今は同情しかないな。


 とりあえず、ママさんがアイナさん達を呼んでくれたようなので、開店前のアドベンジャーに行く事にした。


 開店前で客が居ないせいか、何時もより広く感じる。



「こんにちわ三日月様、昨日はありがとうございました」


「いえいえ、いつも夜ばかり会ってましたけど、昼も皆さん綺麗ですね」


「そんな三日月様のお陰です♪ でも、リラさん達の美しさにはとても敵いませんよ」


「そうですよ、昨日から驚く程綺麗にしていただいたのに、リラさん達には比べ物になりません」


「ん~ リラさん達は特別ですからね~ でもアイナさん達もメチャクチャ綺麗ですよ?」


「・・・ヨウ様、褒めすぎかと。照れてしまいますので」


「ウフフ、妬けますね♪ ところで、高級クラブの方は決まったのでしょうか?」


「はい、中々良い物件があったので決めて来ました。スズカさんやママさんも気に入ってくれたんですよ」


「へええ~ それは良かったですね、私達も見るのが楽しみです」


「えっと、その件もあってアイナさん達にも聞いて欲しかったんですけど、アイナさん達も高級クラブのママさんになりませんか?」


「「「「「ええっ!!!!!」」」」」


「あ、あの三日月様、それはどういう意味でしょうか?」


「実は良い物件を見つけたんですが、賃貸料が高いそうなのでビルごと買っちゃったんですよ」


「は、はい?」


「えっと、私が説明しますね。地下にあるテナントをヨウ君が気に入ったんだけど。


賃貸料が月300万円以上もして凄く高いから、私が採算取れるか心配してたんです。


それならとヨウ君がテナントごと買っちゃうって事になって。


それから三日月様が、地上のテナントで変な店をされたら困ると言いだして。


即座にビルごと購入を決められて、即金で買われたのです」


「ほ、本当にビルごと買っちゃったんですか? でも、そんな一体どれぐらいのお金が掛かるのか・・・」


「あ~ そこはリラさんが頑張ってくれたので、案外安く買う事が出来たんですよ」


「安いと言っても、ビルごとなんですよね?」


「フフ、土地建物込みで550億円程ですね、ヨウ様が内装に力を入れたいと申されておりますので、もっと高額になると思われます」


「「「「「ゴヒャクゴジュウオク・・・・・」」」」」


「め、目眩がするような金額ですね」


「そういう訳で、地上のテナントがいっぱいあるんですよ、そこでアイナさん達5人にも高級クラブのママさんをやって貰えないかと思いまして」


「し、しかし、私達はスズカさんのお店で働くのでは?」


「はい、基本そうして貰いたいのですが、普段は誰か代理の方に店を任せておいて、自分の店には日に何度か顔を見せるぐらいなら大丈夫じゃないでしょうか?」


「僕の構想では、とても綺麗で美人のママさん達が一挙に集う、超高級クラブとして、スズカさんに頑張って貰おうかと思ってます」


「ママさんはアドベンチャーや2号店、そして高級クラブ全体のグランドマザーに成って貰うってのはどうでしょうか?」


「あらら、私は一気にお祖母ちゃんですか」


「あはは、ちょっと言葉が拙かったかな?」


「ウフフ、冗談ですよ♪ 期待に応えられるか心配ですが頑張らせていただきますね」


「えっ? 私、2号店のママから、次は高級クラブのママにも成るの?」


「「「「私達も高級クラブのママですか?」」」」


「もちろん、見返りは用意しますよ。高級クラブのママに相応しい家と衣装は此方で段取りしますし、支度金としてママさんには3億円、アイナさん達には1億円で如何ですか?」


「「「「「や、やります! やらせていただきます!」」」」」


「ありがとうございます♪ スズカさんは間を取って2億円の支度金を用意しときますね」


「えええっ? ちょ、ちょっとヨウ君。私何かに2億円は多すぎるよ~」


「駄目ですよ、きっとお金が必要になると思いますので役立てて下さいね」


「アイナさん達は信用のおける代理の方を探しておいて下さいね、内装も被るといけないので皆で相談して決めるようにして下さい」


「スズカさんのお店だけは、僕も絡みたいです」


「それでは、細かい所はリラさんにお任せして良いですか?」


「はい、お任せ下さい」



 大まかな相談も終わり、僕とリラさんはアドベンチャーを後にし、帰る事にした。


 後は完成するまでの間に、人材確保と基本方針等を吟味する時間となりそうだ。



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― 新着の感想 ―
時々有るゾクが()内にあるのが気になる
最初行った不動産屋の末路が有ったのが良かった。 失礼な店員だけかと思ったら店ごとかよ!! まぁリラさんから話が来てるのに申し送りなりなんなりしてないんだから終わってたんだろうけど。
こんばんは。 いくつかビル『事』と有りますが、文章の流れ的に『ごと』のが適切かな?と思いますので、お暇な時にご確認宜しくお願い致します。
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