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第81話 スズカさん、お久しぶりです


 ダンジョン攻略部隊と別れた後に僕達は、いよいよ地下20階のボス戦に挑む事にした。



「ようやくボス戦ですね~そろそろ、凄い魔物が出て来ちゃったりして」


「「「「「・・・・・・・・・」」」」」


「や、やめて下さいよ、唯の冗談ですから?」


「・・・ヨウ君って、フラグ立てるの好きだよね?」


「もう駄目、すっごい魔物が出てくる気しかしないわ・・・」


「フフ、そこはヨウ様ですから♪」


「フフ~ でも問題なく倒しちゃうんですから、ヨウ様は凄いです」


「えっと、ドラゴンとか?」


「ちょ、ちょっと! ツドイもフラグ立てないでよね、ドラゴンなら昨日見たでしょ?」


「あっ!」


「「「「「・・・・・」」」」」


「ちょっと皆さん、どこ見てるんですか?」


「・・・あはは♪ ま、まあ、ボス部屋に入りましょうか、どうせ入ったら分かるしね」



 僕達はアヤメさんの言う通りボス部屋に入り、部屋の中央を見てみると凶悪な様相の魔物が鎮座していた。



「「「「「「・・・・・・・」」」」」」


「アースドラゴンが現れた?」


「アヤメ・・・ドラ〇エじゃないのよ?」


「フフ、流石ヨウ様です。見事な慧眼でしたね」


「うわ~ 凄いね~ 本物の龍だ」


「・・・ちょっと似てるかも?」


「「「えええええええええええっ!!!!!!」」」


「そ、そんな訳ないでしょ、唯の例えなんだからね?」


「ククッ ごめん冗談だよ♪」


「・・・少し安心しました」


「ちょっと、ありえるかと思っちゃいました」


「やめてよね~ 幾ら何でも壊れちゃうよ~」


「あの~ 何の話か分かりませんけど、ドラゴンを前にして余裕ですね?」


「んふふ♪ 何でもないわ、作戦は何時も通りかな?」


「はい、そうですね。リラさんとノノさんは両足、アヤメさんは魔法で頭、ナギサさんは弓で翼にしましょうか、魔法は弱点属性の風で行きましょう」


「ブレス系の攻撃が怖そうなので、正面には注意です!」


「「「「「了解!」」」」」



 僕達は何時もの通り、対ボス戦用の作戦でアースドラゴンに先制攻撃を仕掛けることにした。


 開幕はアヤメさんの<エアボール>がアースドラゴンの頭部に炸裂し、結構なダメージを与えたようだが怒らせてしまったようだ。



「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!」


「ノノ、行きますね」


「うん、リラねえ」


「てりゃああああ! パッキーーーン!!!」


「「ええっ?」」


「クッ! 流石に硬いですね」



 いつも通りリラさんとノノさんが両足に斬りつけると、硬い鱗に弾かれ二人の刀は砕け散っていた。


 やはり、もうミスリル製の刀ではドラゴンには通じない様だ。


 お返しとばかりに、アースドラゴンも鋭く尖った鱗に覆われた尻尾で凪払いを仕掛けてくるが、二人は上手く回避している。


 ナギサさんの弓矢も翼に刺さる事なく弾かれている。


 流石ドラゴン。今までの魔物とは段違いに強いようだ。



「皆さん魔法攻撃に切り替えましょうか。僕が行きます!」


「「「「「了解!!!!!」」」」」



 皆は<風属性魔法>の<エアカッター>で放ち、アースドラゴンの注意を引いてくれている。


 僕は短剣を収納し<身体強化><敏捷強化><腕力強化>を発動し、<看破>スキルを使った。


 アースドラゴンの弱点は、胸にある心臓のようだ。


 そこを目掛けて<硬質化>と魔法拳(風)を纏わせた右拳を全力で叩き込んだ。


 そういえば最近は、手加減ばかりしていたから全力を出すのは久しぶりだ。


 右拳を放った僕は、あまりの手応えの無さから空振りしたのかと思ったが、アースドラゴンを見ると胴体に大穴が開いていた。


 前のめりになって倒れていくアースドラゴンは、やがて光の粒子となって消えていった。


 これには僕の攻撃を見慣れている皆も、流石に驚いたのか口をポカンと開けて固まっているようだ。



「あれっ?」


「・・・あれっ? じゃないわよ、今の凄い攻撃力だったわね~」


「流石ヨウ様です。ミスリルでも割り箸の様に砕かれたんですが・・・」


「うわ~ ヨウ様に掛かったらドラゴンの硬い鱗もクッキーみたいですね」


「もう、ヨウ君の動きも全く見えないわ」


「今の全力攻撃かな?」


「はい、久しぶりに全力を出しましたね~ 手応えが無かったんで空振りかと思っちゃいました」


「・・・次からドラゴンにも手加減しなくちゃだね」


「あはは、そうですね♪」


「あははって、ヨウ君の戦闘見てたら魔物に同情心が湧いてくるわ」


「ヨウ君が凄いのは分かってたけど、素手でドラゴンを倒しちゃうなんて驚いちゃうわ」


「えへへ♪ 褒めすぎですよ。久しぶりに照れちゃいます」


「ウフフ、全く軽いんだから~ さてお楽しみのドロップ品を確認しよっか」


「はい、えっと、まずスキルオーブは<超振動>って言うスキルですね」


「うわっ! それって、剣に使ったら何でもスパスパ斬れちゃうやつじゃない?」


「あ~ そうかもですね。使うのが楽しみですね~」


「素材も沢山ドロップしてますね。地龍牙・地龍爪・地龍鱗・地龍角・地龍の心臓・地龍の肉が2つずつ」


「いつもの宝箱2つの中は、エーテル3本ずつだから計6本ですね」


「銀色の宝箱も2つあるね、僕初めて見たかも」


「んふふ♪ 楽しみ~ 皆で開けようっか」



 僕達は初めて見る銀色の宝箱を皆で開けて確認すると、幻想的に青く明滅している鉱石が入っていた。



「これって、ひょっとして」


「んふふ、アダマンタイト鉱石だわ♪ やったねヨウ君」


「お~ やった! これで僕達が使っても壊れない武器が作れそうですね」



 僕達6人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。



「でもオリハルコンの加工でも大変みたいだったから、良い鍛冶師さん探さないとだね~」


「ひょっとしたら、リラさん?」


「フフ、はい既に良い鍛冶師さんを調べてあります。ですがアダマンタイト鉱石自体がありませんでしたので、現物を渡して検討して貰う形になると思います」


「なるほど、流石リラさん相変わらず段取りが完璧ですね」


「フフ、ありがとうございます」


「でも、綺麗な鉱石よね~。これが武器になったら、もっと綺麗に成るかもね」


「フフ~ 楽しみが増えましたね♪」



 ずっと探していた、僕達が使っても壊れない頑丈な武器の素材が見つかり、気分も良くなったので今日はこれで帰る事にした。


 でも、今日は何も予定を入れていなかったので、何をするか相談する事になる。



「そうね~ 急ぎの用事も無いしね」


「それでしたらキャバクラ(アドベンジャー)のスズカさんとママさんを自宅へ招待なさっては如何ですか?」


「あっ! そうか、最近は顔も出してないですし、一度聞いて見ますね」



 確かスズカさんとママさんには高級クラブを作らないかと言う話をしたよな。


 東京に高級クラブの見学と、人材確保のため軍資金を渡したきりだったので、今日その話も聞くことにしよう。


 スズカさんに電話を入れると久しぶりのせいか大層喜んでくれ、今日の都合を聞いて見ると、丁度お店が休みの日だから大丈夫と言う事らしい。


 なら丁度良かったので、ママさんといつも僕達に付いてくれている女性達を自宅の部屋へ招待することにした。


 スズカさんがママさん達に連絡し、予定を聞いてくれるそうなので返答を待つ。


 しばらく待っているとスズカさんから返答が入り、スズカさんとママさん。後はお店の№1~№5の女性が来てくれるらしいので迎えに行く事を告げた。


 まだ時間も早いので、プールで泳ぎながら遊んで行って貰おうと思う。


 迎えにはリラさんとツドイさんが車を出してくれるらしいので、申し訳ないけどお願いする事にした。



       ◇     ◇     ◇


 <スズカ視点>


 た、大変な事になっちゃった・・・ヨウ君の自宅に招待って、どんな服着ていけば良いのよ~あっ! それより先にママに連絡しないと。



「プルル~ あっ! ママ? スズカです」


「どうしたの? スズカちゃんが休みの日に電話してくるなんて珍しいわね」


「それが大変なのよ、ヨウ君が自宅へ遊びに来ないかって言ってるのよ」


「それって、スズカちゃんだけよね?」


「ううん、私とママを招待したいって。後はヨウ君達に付いてた、お店の女性も呼んで欲しいって」


「た、大変だわ! 私から急いでアイナに連絡するから待ってて」


「うん、分かった。ママ、私どうしたら良い?」


「ウフフ、綺麗にしておきなさい。直ぐに連絡するわ」



 私は急いでお風呂へ入り入念に体を洗ってから出てくると、ママから連絡が入りヨウ君に7人で行く事を伝えた。


 それからは、嵐の様な忙しさで洋服を選び、徹底的にメイクを頑張った。


 ああ~ もう時間ないよ~ 急いで待ち合わせ場所に行かなきゃ。遅れたら大変だわ。


 とりあえず準備が終わったので、ママ達との待ち合わせ場所へ行くと、もう皆集まっていた。



「あわわ! すみません遅れました」


「大丈夫よ。まだ時間内だから遅れなくて良かったわ」


「スズカちゃん、本当に私達まで行って良いの?」


「はい、ヨウ君が是非来て欲しいって言ってたので」


「そうなんだ、今日は家にいて良かったわ」


「本当ね、今日遠出してたらヘリを呼んででも帰って来なきゃいけなかったわ」


「そんなにですか?」


「もちろんですよ。念のために言っておきますけど、三日月様の機嫌を損ねるような真似をしたら駄目よ? 最大限の注意を払ってね」


「あはは、NGは無しとかだったりして?」


「そんなものある訳ないでしょ? 体に触られたぐらいで嫌がったら殺し屋に電話しちゃいますよ?」


「ブッ!? ママ、冗談に聞こえないわよ?」


「冗談じゃないもの?」


「ママ、ヨウ君はそんな事しないよ」


「分かってますよ。例えの話ですからね」



 ママ達とそんな話をしていると、とんでもなく長い高級車が走って来て、私達の前に止まった。



「う、嘘でしょ?」


「相手は三日月様ですよ?」


「いくらなんでも・・・」



 まさかと一瞬思ったけど案の定、ヨウ君のパーティメンバーの女性が車の中から出てきた。


 お店の中で見た時にも思ったけど、私達とはレベルが違うような美しい女性で、とても同じ女性とは思えない。


 凛とした佇まいの、大人の女性といった魅力に溢れており、知的そうな顔立ち、ストレートで艶のある黒髪、スーツを着ているのに見事な双丘に縊れた腰回り、抜群のプロポーション。


 何て綺麗な肌・・・メイクなんて要らないんじゃないかしら、女性の私から見てもウットリするわ。



「お待たせ致しました、どうぞお乗りください」


「ありがとうリラさん、今日は宜しくお願いしますわ」


「フフ、此方こそヨウ様の招待受けて下さり、ありがとうございます」



 私達は恐る恐る車に乗ると、車内とは思えない豪華な装飾がされており、テーブルにソファーが設置されており、お店よりも豪華だった。



「・・・ねえ、私の笑顔引き攣ってないかな?」


「それは仕方の無い事だと思うんだけど?」


「あわわ、ここって車の中よね?」



 私達が全員乗るとドアが閉められたため、とても車内だとは思えない空間になる。



「・・・予想はしていましたが、驚くほど揺れませんね? まるで、走る高級クラブみたいですわ」


「フフ、車の性能もありますが、ツドイは一流ドライバーですから」


「この素晴らしい車に見合った見事な腕ですわ」


「ありがとうございます。5分程で到着致しますので御寛ぎ下さい」



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― 新着の感想 ―
龍じゃなくて竜じゃないかな所謂ドラゴンは、龍は東洋風の蛇みたいな方だから。
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