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第73話 高速飛翔で遊びにいっちゃいました

評価やブックマークを付けて下さった方、ありがとうございます。


 新たに入手した<闇属性魔法>は2つドロップしたため、アヤメさんと僕が習得する事になった。


 これから検証していくのが楽しみでもある。アヤメさんも嬉しいのかニコニコしていた。


 今日はボス部屋で待つ事も無かったので、サクッとボスを倒してからドンドン進んで行き、地下14階に辿り着いた。


 この階層で出会った初見の魔物はスプリットと言う幽霊みたいな魔物? だった。


 どうやらスプリットは物理攻撃無効のようだが、魔法剣ならスパスパ斬れるので、僕達には他の魔物と同じように一撃で倒して行く。


 魔法が使えないと実質倒せないので厳しい階層なのだろう。



「・・・・・」


「どしたのヨウ君、何か言いたそうね?」


「いや、そう言う訳じゃないんですが、みんな幽霊みたいな魔物なのに怖くないのかなと思いまして」


「あはは、倒せなかったら怖いかも知れないけど、風船だと思えば可愛いものよ♪」


「んふふ、そうね、まるでカモ撃ちだわ」


「みんな頼もしいですね、嬉しい限りです」



 今日は遊びに行く予定なので、サクサクとスプリットを倒して行きドロップアイテムを回収していく。


 ちなみにドロップアイテムは魔札ってのがドロップしたけど、使い方が良く分からない。


 スキルの方は<精神強化>のスキルオーブがドロップした。


 精神が強くなるってのは大体分かるんだけど、どう有効に働くのか今は分からなかった。


 なので<鑑定>してみると、回復系魔法が強化され洗脳系魔法の耐性が格段に上がるらしい。


 思ったより凄く良いスキルだったので、小躍りしそうなぐらい嬉しかった。


 魔物を探索しながら結構、時間が掛かったので地下15階に下りて今日は帰る事にした。


 今日は、富士山に遊びに行くため、急いで移動したので、まだ昼にもなってない。


 せっかく富士山に行くのだから、景色の良い所で昼食を食べる事にした。


 完全に姿を隠さないと、富士山は人が多いので大変な事になる。


 従って僕達は<気配遮断>と<隠蔽>を発動させ<高速飛翔>スキルを使った。


 もちろん、全員冒険者服から洋服に着替え、お出かけの準備は万端だ。



「ん~、気持ち良いね~」


「あはは、これで隠蔽使ってなかったら、もっと気持ち良いと思うんですけどね」


「フフ、何時になるかは分かりませんが、何も隠す必要が無くなれば、それも可能になりますね」


「それって、もっと強くなったらって事かな?」


「ん~、それでも難しいわね、妬みや嫉妬があるからね~」


「僕は今でも満足だよ、1人じゃないしね」


「そうですね、守護さん達やソフィアさん達も、その内飛べるようになると思いますし」


「んふふ、お空友達ね、あっ! もう着いちゃったね」


「うわ~、やっぱり凄い景色ですね、富士山って大きい~」


「ウフフ、こんなに上空から富士山を見る事なんて、ないだろうしね♪」


「あ~、やっぱり登山道は人でいっぱいですね・・・」


「これじゃ、下りて昼食って訳にはいかないわね」


「フフ、昼食は、とても景色が良い所がありますので、そこへ行きましょうか?」


「流石リラさん、予想済みでしたか」


「はい、私もどこか眺めの良い所でと思ってましたが、やはり人が多過ぎますね」


「ですよね~、じゃそっち行きましょうか」


「「「「「了解です」」」」」



 僕達は富士山の上空から移動し、リラさんお勧めの場所へ移動し人気ひとけの無い場所で隠蔽を解いた。


 そこは大きな湖で湖面には富士山が映っており、話のとおり素晴らしい景色だった。



「へええ~、良い所ね、これが逆さ富士ね」


「あっ! それ聞いた事あります。だから、逆さ富士って言うんですね」


「綺麗な場所だね、さっきまで富士山の頂上に居たのに、やっぱり空を飛べるって凄いや」


「ウフフ、空を飛べるって最高よね~、早いし、気持ち良いし、景色が最高!」


「ん~~、最高に贅沢気分だわ♪」


「フフ、気に入って下さって良かったです、さあ昼食にしましょう」



 今日は、メチャクチャ天気も良かったので、逆さ富士も綺麗に映っており、昼食も何時もより美味しく感じた。



「あ~、美味しかった♪ 次は動物園に行きましょうか」


「動物園か~、子供の時に行ったっきりだな~」


「フフ、私とノノは初めてですよ?」


「貧乏だったからね~、動物園どころか遊園地も行った事ないかも?」


「僕も動物園は初めてかも?」


「ひょっとしてヨウ君も?」


「僕も行った事あるかも知れないけど、覚えてないんですよ」


「うふふ、意外にも行く価値は、ありそーね?」


「楽しみですよ♪ じゃ、人気の無い所から飛びますね」


「「「「「了解です」」」」」



 僕達は例え、誰かが見ていたとしても不思議じゃない様に、建物の死角から<気配遮断>と<隠蔽>を使い空へ飛翔した。


 今まで居た所を、上空から眺めながら動物園に向けて飛び立つ。


 もちろん、あっと言う間に着いちゃうんだけどスーパーマンって、こんな感じなのかなと想像してしまう。



「よっと、んふふ、空を飛ぶって素晴らしいわ」


「僕も同感だね♪」


「さっ、皆行くわよ~」



 飛び立ってから、まだ5分も経ってないのに動物園に到着し、入口から入場料を支払い中へ入る。


 入口で貰ったパンフレットを見ながら皆で順番に動物を見ていく事にした。



「おい、ちょっと見て見ろよ。モデルみたいな別嬪さんが歩いてるぞ」


「本当だ! 芸能人じゃねーよな?」


「うは~、見れば見る程綺麗な女性達だな・・・いや、男もいるか羨ましい奴だな」


「あはは、すげーな、通行人が皆振り返って見てるぞ、仕事がなけりゃ後ろを付いて行くんだけどな」


「ストーカーかよ? でも、写メ撮らせてくんねーかな・・・」



 最近は動物園が流行っているのか、客が多いためアヤメさん達の注目度が凄い。


 通行人は動物も見ないでアヤメさん達を見ているようだ、まあ気持ちは分かるんだけどね。



「あ、あの、すみませんモデルさんですか?」


「ん? 違うよ」


「えっ? そんなに綺麗なのに・・・あの、良かったら私達と写真撮らせて貰って良いでしょうか?」


「三日月君。写真撮らせて欲しいんだって?」


「ん~、僕は入ってないですよ・・・ツドイさん達、女性陣じゃないです?」


「あっ! 可愛い、お兄さんも一緒にお願いします」


「か、可愛いお兄さんって・・・」


「ウフフ、まあ良いんじゃない?」


「ありがとうございます♪ みんな~、良いって~」



 何故か中学生の女の子達が10人程集まってきて、キャーキャー言い出す事になった。



「うわわ! 綺麗~~~♪ 芸能人じゃないんですか?」


「あの、どうやったらそんなに綺麗に成れるんですか?」


「腰細~い、メチャクチャスタイル良いんですけど?」


「胸おっき~~~、良いな~」


「えっ? ハイヒール履いてない・・・どれだけ足長いんですか」


「ちょ、ちょっと待ちなさい。私達はモデルでも芸能人でも無いって、普通の社会人よ?」


「勿体ないですよ~、お姉さん達モデルさんより、ずっと綺麗です」


「んふふ、ありがと♪ みんな制服だけど学校から来てるのかな?」


「そうなんです。動物園なんて嫌だったけど来て良かったです~」


「皆さん同じ職場なんですか? 美容関係ですよね? 男の子でもこんなに可愛くなれちゃうなんて」


「・・・可愛いって言われても、素直に喜べないんですが?」


「ええ~? 可愛いけど、とっても素敵です。彼氏になって欲しいぐらいに」


「こらこら、駄目よ? ヨウ君は私達の彼氏なんだから」


「えええ~~~~~」×女子中学生


「ハーレムなんだ~」


「ナギサ、初対面の中学生に言う言葉じゃないでしょ?」


「んふふ、いくら中学生でも駄目なものは駄目!」


「すご~い、愛されてる~、お兄さん何者なんですか?」


「僕は普通の冒険者ですよ? それにハーレムはやめて下さい・・・その言葉には抵抗があるんですよ」


「冒険者なんだ! 美容関係とは無縁の仕事じゃない?」


「こんなに綺麗なのに強いんだ、うわーうわー」



「た、大変だ~~~、誰か来てくれ!!!!!!!」


「ヨウ様?」


「はい、皆ごめんね何かあったみたいだから行ってみるよ」


「えっ? は、はい」



 僕は何があったのか分からないが、大声で叫んでいた男性の所へ皆で向かった。


 すると、どうやら掘り下げて作ってある虎のエリアに、小学生ぐらいの男の子が柵を乗り越えて落ちてしまったようだ。


 落ちた小学生の近くには、二頭の虎が横たわっており落ちた男の子を見ている。


 高低差が5メートルぐらいありそうだけど、幸い男の子は大した怪我はしていないようだ。


 少し傾斜になっているので、滑り台のように落ちたのだろう。


 いくら危険な虎だと言っても、今の僕達なら噛まれたとしても怪我もしないのが分かっていたので、急いで男の子を助けにいった。



「ふぇっ、ふぇぇん」


「よっと、大丈夫助けに来たよ、どこか痛いとこないかな?」


「ふぇっ? ど、どこも痛くないです」


「大丈夫みたいね?」


「えっ? 皆来ちゃったんですか?」


「フフ、もちろんですヨウ様」



 アヤメさん達は僕が男の子の様子を見ている間、虎の様子を見ていてくれたようだ。


 それどころか、虎が近寄ってきていたのかナギサさんが虎の頭を撫でていた。



「んふふ、虎って言っても大きな猫みたいね~、ゴロゴロ言ってて可愛いわ」


「この子達、ゴロゴロ言って頭を擦り付けてくるんだよね」


「よしよし、虎って可愛いじゃない? 飼いたくなるわね」


「フフ、動物園の虎ですから人間に慣れているのでしょう」


「キャ! メチャクチャ舐めてくるよ~」


「うわ~、全然襲ってきませんね、アヤメさん達が自分達より強者だって分かるのかな?」


「ヨウ君、か弱い女性に何てこと言うのよ?」


「んふふ、アヤメが猛獣使いなんて言いすぎよ?」


「誰もそんな事言ってないでしょー」


「あはは、さっ、男の子も無事みたいだから上に上がりますね」


「虎ちゃん達またね~」


「ん、ゴロゴロ終わりだよ」



 僕は男の子を抱き抱えたまま、傾斜になっている壁を駆け上がり、安全な場所へ男の子を下ろした。


 アヤメさん達も同じ様に駆け上がり、僕の後ろに居てくれている。



「無事で良かったけど、柵を乗り越えたら危ないよ?」


「ごめんなさい、ありがとう。お兄ちゃん」


「良いよ、でもこれからは気を付けるんだよ?」


「うん、もう柵を登ったりしないよ約束する」


「約束だよ、じゃあね」



 僕達は既に大勢のギャラリーに取り囲まれていたが、気にせず動物園巡りを続ける事にした。



「あ~、膝がベタベタになっちゃったよ」


「あはは、ノノさんの足が美味しそうだったのかな?」


「<クリーン>!!!」



 僕は舐め回されたノノさんを綺麗にするために、<クリーン>を使った。



「ヨウ様、ありがとうスッキリしました」



「すげ~、魔法だよな?」


「ああ、俺も初めて見たけど光るんだな魔法って」


「って事は冒険者なのか? だから虎も怖くなかったんだな」


「凄いわね~、魔法って便利そう」


「うわ~、うわ~、私も冒険者に成ろうかな~」


「無理よ~、魔物と戦うんだよ?」


「でも、カッコイイよね~、皆凄く綺麗だし一気に冒険者に憧れちゃった」


「俺は絶対冒険者になるって決めた! カッケーしよ」


「よし、俺も冒険者になる! 冒険者になって彼女作るんだ」



「・・・なんか不純な声が聞こえてくるわね?」


「あはは、正直で良いじゃないですか、僕もそんな感じでしたし?」


「へええ~、ヨウ君はダンジョンマニアだと思ってたわ」


「もちろん、それは否定しませんけどね♪」


「あの、お名前聞いても良いでしょうか?」


「さっきの中学生よね? まだ着いて来てたの?」


「えへへ♪ ストーカーしてます♪」


「また、可愛いストーカーも居たものね・・・そうね、クレセントって言っておこうかな」


「クレセントですか? パーティ名ですよね?」


「んふふ、パーティ名みたいなものかな?」


「ヨウ様、人も増えて来ましたし次に行きますか?」


「そうですね、動物園も一周しちゃったし、次は遊園地にでも行きましょうか」


「じゃあね、お嬢さん。また、どこかで会いましょうか」


「えっ? ええっ! 消えた? す、すごーい」


「どうなってんの?」


「分かんないけど、遊園地に行くって言ってたわ」


「視界から消える事も出来るんだ・・・冒険者って、何て凄いのかしら」


「あっ! しまったー、どこのギルドか聞いとくんだったな」


「やっぱ東京じゃないかな?」


「そうよね、調べてみよっと♪」


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