第71話 2回目のお給料日ですよ
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僕達が初級ダンジョンから出て帰ろうとすると、ギルドの偉い方が揃っており大勢の職員が並んでいた。どうやら僕達を待っていたそうだ。
「三日月君、話は部長から聞いたよ。ギルド内で不快な思いをさせてしまった事には深くお詫びする、どうか許して欲しい。このとおりだ」
久しぶりに会う社長さんだけではなく支部長から部長さん、大勢の職員が僕達に頭を下げて謝ってくれている。
激昂していたとはいえ、少し言い過ぎた事に反省した。
「いえ、此方こそ少し言い過ぎました部長さん、すみませんでした」
「本当に申し訳ありませんでした。
あの者達は処罰として冒険者資格を剥奪しギルドから正式に告訴することにしました。
もう二度と、冒険者資格を取る事もギルドに入る事も出来ません。
約束したとおりギルド内での監視を増やし、迷惑行為があれば即、対応出来るように致します。
また、冒険者資格を取得する際には適性診断を新たに追加するように決定しました。
素行の悪い者は今後、冒険者資格を取る事は出来ません。
また、ダンジョン内においても高ランクの冒険者に監視を依頼し、犯罪防止に努めていきたいと思いますので、どうか今回の事はお許しください」
「そこまでしていただけるなら僕も満足です。何時も即時対応していただきありがとうございます。今回の事は忘れますので、これからも宜しくお願いします」
「フ~、冷や汗をかいたよ、これからも誠心誠意で対応するので何でも言って欲しい、それからアヤメ君にナギサ君、部長を庇ってくれてありがとう。礼を言うよ」
「いえ、私達が上手く対応するべきでした。部長申し訳ありませんでした」
アヤメさんとナギサさんは丁寧に頭を下げて謝ってくれた。
僕が軽々しくリラさんに頼んでしまったのが悪いのに、申し訳ない気持ちになる。
「私も言い過ぎたことを謝罪致します。部長すみませんでした」
「いや、良いんだ。リラ君も引き続き、三日月君を優先して行動して欲しい」
「頼み事した後なのに無茶言ってすみませんでした。流石に申し訳ないんで今度、何かお詫びを持ってきますね」
「いや、気にしないで欲しい。それよりも許してくれて嬉しいよ」
こうしてギルド職員が立ち並ぶ中、ギルドを後にした。
その場に居た冒険者達に注目を浴びてしまったが仕方ない。
僕達は先に部屋へ戻り、皆と寛いでいる。
帰りに気になっていたケーキを買って来たので、おやつタイムだ。
「ん~、美味しいですね~」
「んふふ、ヨウ君は、お酒飲みなのに甘党さんだからね」
「でも、此処のケーキ良いわよね、私も大好き」
「やっぱり女性はケーキ好きですよね」
「フフ、女性は甘党が多いですから」
「ケーキを食べると幸せな気分になれちゃいます」
「僕も好きかな、美味しいしね」
「皆も甘党で良かったです。都会は色々なケーキも売ってるから良いですね、もう田舎暮らし出来ないかもです」
「うふふ、これだけ贅沢しちゃったらね。でも、たまには良いかもよ?」
「ヨウ君の実家にも行って見たいしね、メチャクチャ田舎なんでしょ?」
「そうですね、無人駅だし信号も少ないような所なんで」
「うわ~、凄い所ねコンビニも無いとか?」
「流石にコンビニはありますよ? 自転車で40分ぐらい行ったところに・・・」
「本当に日本なの? 異世界じゃないよね?」
「ブッ!? 言っときますけど僕、本当に地球人ですからね?」
「「「「「あはははは♪」」」」」
「あっ! そうだ忘れてました。えっと、パンパカパーンです♪ お給料日になりました」
「ふえっ? ちょっと早くない?」
「えっと、この間二回目のエリクサーを出品したときのお金が沢山入ったので先に払っときますね」
「そう言えば、色々出品したんでしたね。アヤメとナギサ以外行かなかったから忘れてました」
「んふふ、今回凄かったのよ~、何と何と総額3兆円を超えちゃいました!」
「何かもう、分からないね?」
「フフ、世界中のお金が大阪に集まるかもしれませんね」
「そう言う訳で、前回と同じ金額なら少なすぎるので、全員に1000億円渡したいと思います!」
「ちょ、ちょっと。前回は100億円よ? 何で10倍になっちゃうのよ?」
「えっと、昇給です! だって皆にも貰って貰わないと使いきれませんよ? 皆に1000億円渡しても5000億円だから<鑑定>スキルオーブ1つ分ですよ?」
「まあ、そうなんだけど・・・前月貰った100億円も全然使ってないのに」
「不思議だよね~、あれだけ色々欲しい物があったのに、実際買えるようになると欲しく無くなっちゃったのよね」
「僕は車いっぱい買ったよ? でも、あれは自分のお金じゃなかった・・・あれっ 僕も使ってないかも?」
「皆も、もっと欲しい物じゃんじゃん買って下さいね、贅沢しちゃいましょう」
「ん~、この部屋で過ごしてるだけで、メチャクチャ贅沢気分になれるんだよね・・・」
「そうなのよ、プールサイドで寝ながら読書してても、<虚空庫>から飲み物や読んでない本も直ぐ取り出せるし」
「フフ、私もヨウ様の要望に応えるだけの資金は潤沢にありますから満足ですね」
「私は健康な体が一番の贅沢なんだけど、今では古傷までヨウ様が治してくれたからね」
「ヨウ君は、何か欲しい物って無いのかな?」
「僕は壊れない武器が欲しいですね、売ってないから買えないんですが」
「あはは、もうヨウ君は、ダンジョンの事ばかりなんだから」
「フフ、近場のダンジョンを制覇したら、各地のダンジョン巡りしても良いですね」
「うわっ! それ面白そうじゃないですか、旅行とダンジョンって最高ですよ」
「んふふ、今の上級ダンジョン制覇したら旅行しよっか?」
「「「「「賛成~~♪」」」」」
「そーなると、旅行用の服とか靴とか欲しくなるわね」
「あはは、やっぱり目的があると良いですね、僕も長距離移動用に自家用ヘリとか買っちゃおうかな」
「ん、あるよ? 自家用ヘリも自家用ジェットも、飛べるようになったから使わないと思ってたけど」
「えっ? ツドイさんてヘリも飛行機も運転出来るんですか?」
「もちろん、何でも運転出来るよ」
「うわ~、凄いですね、でもあるんだ・・・じゃ、何買おうかな」
「ヨウ君なら豪華客船とか? でも使わないか・・・」
「そういえば、ヨウ君。高級クラブ作るんだよね? スズカちゃんに頼んでなかったっけ」
「あっ! スッカリ忘れてましたね・・・でも、もっと時間掛かるかな~」
「私達が何回も、お店に行くのも迷惑だからさ、一度此処へ招待して上げたらどうかな?」
「そうですね、今度頼んで見ます」
「おっと、なんか話が脱線しましたね、リラさん1000億円送金お願いします」
「も~、忘れてて良いのに」
「駄目です! お金の事だからキチンとしとかないとね」
ようやく全員説得出来てリラさんに送金して貰った。
皆、遠慮するから大変だけど、遠慮された方が渡し甲斐があるよね。
「うわっ! もう桁が凄すぎて読めないよ」
「もう笑うしかないわね、投資でもしよっかな・・・」
「バカね~、多少増えて喜ぶような金額じゃないでしょ?」
「だよね~、まさかお金の使い方で悩む日が来るなんて予想出来なかったわ」
色々と話をしていると約束していた通り、守護さん達から電話が入り部屋に来て貰った。
ソフィアさん達は、借りているホテルへ帰ったそうだ。
「いつ来ても凄い部屋やな~、ええ景色やし最高やな」
「いらっしゃい、どしたの? 皆モジモジして?」
「あはは、ヨウ君忘れたの? さっ、コトエちゃん達は早く着替えてね~」
「あぅ~、やっぱり水着ですか・・・お姉さん達みたいにスタイル良くないんですけど?」
「何言ってるのよ? 皆スタイル良いじゃない?」
「レ、レベルが違いますよ~」
「駄目よ! 治療なんだからさ。みんな女の子なんだから、キッチリ診て貰いなさい」
「ヨウ君も水着にしときなさいよ」
「あれっ? アヤメさん達は来ないんですか?」
「私達まで行ったら恥ずかしがるでしょ?」
「ウチはええけど皆はそうやろな。じゃ、三日月はん着替えてくるわ」
「うん、プールで待ってるよ」
守護さん達は恥ずかしがりながら着替えに行った、僕は着替えるのは簡単なのでプールで待っていると守護さん達も来たようだ。
「三日月はん、お待たせやけど・・・これ、凄いビキニやな?」
「えっと、ごめんね視認出来ないと綺麗に治せないから」
「じゃ、守護さんから診るね、他の人は座って待ってて下さい。
お~、守護さんもスタイル良いですね、流石冒険者やってるだけありますね~」
「あはは、そない見られると恥ずかしいわ。でも、褒められると嬉しいもんやな」
「ふむふむ、古傷がいくつかと、左肩ずっと痛かったんじゃないですか?」
「うは~、そこまで分かるんかいな?」
「えっ? コトエそんな事全然言ってなかったじゃない?」
「お金入ったさかい特級ポーションでも買って、次の休みの日に治そうと思ってたんや」
「ん~、時間が立つと特級ポーションでも治らなかったですよ? ずっと痛かったでしょ?」
「コートーエー、無理しちゃ駄目って、いつも言ってるでしょ?」
「三日月はん、バラしたらあかんて、みんな心配性やねん。でも特級ポーションでも治らんかったらしゃーないな」
「じゃ、ちゃちゃっと治しちゃいますね」
「「「「えっ?」」」」
「ひょっとして、ウチらの体の傷を治すために水着にさせたんかいな?」
「そうですよ? 言ってませんでしたっけ?」
「聞いてへんで、綺麗に成る食事を御馳走してくれるってのと、水着になれとしか・・・」
「ありゃ、すみません説明不足でしたね。でも、それなら何故水着になってくれたんですか?」
「そりゃー、三日月はんに言われたら水着ぐらい披露するで?」
「ウフフ、三日月さんが私達の体も見たいのかと思っちゃいました♪」
「そ、そんな訳ないじゃないですか。そりゃ、見れたら嬉しいですけど・・・」
「あはは、三日月はんも、やっぱ男やな~♪」
「健康男児です! ささっ、ここにうつ伏せになって寝て下さい」
「はいな~、よろしゅー♪」
「動いちゃ駄目ですよー、<ハイエストヒール>!!!」
僕は守護さんの左肩に掛けた<回復魔法>は光の粒子となって左肩を包み込み、やがて消えていった。
「どうです? まだ痛いですか?」
「嘘やろ? 特級ポーション以上の<回復魔法>も使えるんかいな、痛くなくなってもうたわ」
「良かった。古傷も消しちゃいますね」
僕は<看破>スキルを駆使して、見えている古傷を片っ端から治していった。
目に見える所は全部治したと思うけど、見えない古傷は<看破>スキルでも分かり辛い。
「あっ! 盲腸の手術痕も消しちゃって良いですか?」
「これも消せるんかいな? 凄いな三日月はん」
「よしっと、うん綺麗に治りました。癒着とかも治ってると思いますよ」
「次が最後なんですが・・・たぶん左胸ですよね?」
「あちゃ~、バレバレやな・・・女は度胸やんな、お願いするわ」
守護さんは胸の水着を脱ぎ、僕の前に豊満な乳房を曝け出してくれた。
左胸の乳房には動物に噛まれた跡が残っていたが、そんなものは気にもならないほど綺麗な胸に感動してしまう。
「さ、流石に恥ずかしいな・・・醜いやろ? これ中学んときに野良犬に咬まれたんや、お陰でスッカリ犬嫌いになってもうたわ」
「いえ、このままでも、とても綺麗な胸ですけど、やっぱり勿体ないんで治しちゃいますね」
僕は直ぐに<回復魔法>を掛け左胸の古傷を跡形もなく綺麗に治していく。
もう、どこに傷があったのか分からないぐらい綺麗になった。
「あ、ありがとな、嬉しすぎて涙が出てきよったわ・・・」
「いえいえ。でも、あんな傷があったとしても凄く綺麗ですよ?」
「じゃ、今はもっと綺麗になったわけやな?」
「・・・流石にジックリ見て無いですよ?」
「じゃ、ジックリ見はる?」
守護さんは大きな胸を開けたまま、後ろ手を組んで可愛い笑顔でそう言って来る。
「えっ? いや、あの、その・・・」
「こらっ! コトエ! 姉さん達に怒られるわよ?」
「そやな、ありがとな三日月はん」
「・・・・・・・・いえいえ」
「ちょっと残念そうね? そんなにコトエの胸見たかった?」
「そりゃ、僕も男ですから・・・って、何を言わせるんですか? 次はユウカさん行きましょうか」
「ウフフ、はい、お願いします。三日月先生♪」
それからユウカさん、ナホさん、マユさんを順番に、痛いところや古傷を治療していった。
少し際どい場所に傷があったりしたけど、何とか自制心を保つことが出来た。




