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第70話 しかし良く絡まれますね

誤字報告ありがとうございます。


 先程からギルド内なのに、男性冒険者の3人がアヤメさん達に声を掛けてくる。


 流石に少し気分が悪くなってきた。



「ヨウ君は手だしちゃ駄目よ? 大事になるんだから」


「貴方達、いい加減にしないと怒りますよ?」


「いいね~、君達になら怒られたいかも?」


「しかし、本当に皆美人だよね? 冒険者やってるって事は彼氏いないのかな?」


「本当にモテない男って、しつこいわね? 早くどっか行ってよね。シッシッ」


「弱そうだし、貧乏そうだし、顔も悪くて、臭くて、身の程知らずで、永遠に脈もないナンパするって悲しくならないのかな?」


「フフ、頭が悪いので分からないのでしょう・・・哀れですね」


「でも、何も無いって可哀そうだね?」


「別に、何も無いのが悪いんじゃないわよ? 人に迷惑を掛けてる所がクズなのよ」


「クズって何も無い奴が多いのよね、あっ! あんまり言いすぎると喜ばせちゃうかな? 気持ち悪い生き物だから」


「おいおい、黙って聞いてたらメチャクチャ言ってくれるな?」


「こっちは褒めてやってるのに、幾ら何でも言い過ぎだろうが?」


「えっ? なにか誇れるようなものがあるのかな?」


「どうせ仕事にもありつけないから、危険な冒険者になったけど、それでも魔物が怖いから稼げもしないんでしょ?」


「だから、言い過ぎだって言ってんだろうが、もう許せねえぜ?」


「本当にバカよね・・・ちょっと言い返されたら次は暴力なの? 私達相手に暴力でも敵う訳ないでしょ?」


「うるせえ、こっちへ来い」



 僕は我慢の限界だったので、手を伸ばしてきた男に<麻痺眼>スキルを使った。



「グッ・・・ガッ!」


「もう無理です、これ以上我慢出来ません」


「お、お前何をした?」



 一緒に絡んできた2人の男も同じ様に<麻痺眼>スキルを使い、動けなくしてやった。



「う、うぅぅ 」


「リラさん? 此奴等は、もう見たくないんですけど、出来ますか?」


「畏まりました。私にお任せ下さい。この男性3名を訴えます。


私達の行動を阻害したのですから最低でも損害賠償として3000億円請求しましょう。


当然、賠償金が払えなければ、死ぬまで刑務所暮らしになるようにしてみせます」



 僕は絡んできた3人の男に激怒していたが、ギルドの中なので穏便にすませようと我慢した。


 リラさんに、任せようとする最中に、先ほど話をしていた部長さんが走ってきてくれた。



「み、三日月君、一体どうしたのですか?」


「フゥ~、すみません少し激昂してしまいました。


実は此処にいる3人の男に、ウチのメンバーがしつこくナンパされたんです。


断っていたら暴力まで振るってきそうで困ってたんですよ。


後は、リラさんに処理を任せようと思います」


「はい、ギルドにも責任はあります、このような者達を冒険者にしたのですから、最高の弁護士に依頼しておきます」


「ま、待ってくれ、この3人の処分は任せて貰えないだろうか、必ず三日月君が満足するようギルド長と相談しますので、どうかそれで勘弁して貰えないだろうか」


「岩永部長。ギルド内において、このような行為が頻繁に行われているのであれば、これは明らかにギルドの不手際と思われます。


ヨウ様を不快にさせれば、どうなるかギルドにもお見せしましょう」


「待ってくれ、この3人は必ずギルドカードを抹消し、二度と此処には来れない様にすると約束する。


三日月君の気分を害するような事は、今後一切しないよう警備も強化しよう。


素行の悪い者は、冒険者の資格を与えないよう基準も強化する。


三日月君、どうかそれで許して欲しい」


「ヨウ君、私とナギサからもお願い、私とナギサもギルド職員なんだから、どうにかするべきだったわ」


「いえ、僕もお世話になっているギルドに、そこまでする気はありません。


リラさんも僕の頼みを聞いてくれただけですから。


ですが、次にウチのメンバーが迷惑を掛けるような輩がいたら、ギルドに迷惑が掛かっても容赦出来ませんからね?」


「分かりました、ありがとうございます」


「リラさん、ごめんね? 僕の為に言い難い事言わせちゃって」


「いえ、私はヨウ様の頼みとあれば、何でも致しますので」



 部長さんは僕達が立ち去るまで、ずっと頭を下げていてくれていた、部長さんには少し悪い事をしたな・・・・


 絡んできた冒険者は、本気で<麻痺眼>を使ったので、いつ麻痺が治るのか僕でも分からないが、それはどうでも良いか。



「ヨウ君、ごめんね嫌な思いさせちゃったね」


「ごめんなさい、さっさと殴っとくべきだったわ」


「いえ、僕の方こそさっさと黙らせておくべきでした、リラさんもごめんね」


「いえ、ヨウ様こそ良く我慢して下さいました。あの場で<威圧>スキルを使っていれば大変な事になっていたと思います」


「あはは、そうですね<威圧>スキルは使いませんが、もう我慢なんてしないようにします」


「じゃ、僕も我慢するのやめよっと」


「フフ~、私もです~」


「あはは、これから変な奴に絡まれたら、即ブッ飛ばしますか♪


ところで、少しだけ初級ダンジョンに行って、<虚空庫>とか<鑑定>スキルを補充しとこうかと思うんですけど」


「ここまで来たんだから、私達も行くわ」


「あっ! 僕、初級ダンジョン初めてかも?」


「そっか、ではスライムからやりますから、ちゃちゃっと行きますか守護さん達にも会えるかもしれませんしね」



 こうして僕達は久しぶりに、初級ダンジョンの地下1階から探索する事にした。


 今の僕達なら2時間ぐらいあったら制覇出来るかもしれない。


 速攻で階層をクリアして行き、地下8階で守護さん達とソフィアさん達を発見した。流石に攻略速度が速い。


 だが、此処でも男ばかりの冒険者に、守護さん達がナンパされているようだ。


 今のソフィアさん達や守護さん達をナンパしたい気持ちは分からなくも無いが、今日はタイミングが悪すぎる。



「ええ加減にしいや、しつこいでホンマに」


「そんな事言わずに、食事だけでも付き合ってくれよー」


「そんな暇はありません。邪魔ですから、どっか行ってください」


「別にお前達をナンパしてる訳じゃねえだろ? こっちの外人さんの通訳で来てくれたら良いからよ」


「失礼な奴ね・・・」


「いやいや、姉ちゃん達も十分可愛いんだけどよ、金も払うから一緒に来てくれよ?」


「姉ちゃん達も、あんまり逆らわねえ方が良いんじゃねえか? こんな初級ダンジョンまで追いかけてきて俺達も疲れてんだよ」



 ・・・どうやら此方もかなりのクズ野郎に絡まれているようだ、しかも15人程群がっているし。


 僕達はもう我慢なんてしないと誓った所なので、守護さんに声を掛けに行った。



「おいおい、またとんでもねえ美人が増えたぜ? 今日はどうなってんだ?」


「三日月はん、来てくれたんか?」


「何か今日は、クズ共が多い日みたいですね~」


「なんだと? この生意気そうなクソガキめ」


「・・・僕達は今日ちょっと機嫌が悪いんですよ、さっさと消えろクズ共」


「ギャハハハハ、すっげえ生意気」


「先によ、このガキ痛めつけようぜ、そしたら女もビビッて付いてくるだろ?」


「ああ、ムカつくガキめ、死ねおらっ」



 僕は殴り掛かって来た男の右拳に合わせ、こちらも右拳で迎え撃ってやった。


 男の右拳は砕けるどころか弾け飛び、千切れて肩口まで無くなっていた。



「ギャアアアアアアアアアアアアア!う、腕が・・・俺の腕がああああああ」


「ああ、煩い・・・しかし、割り箸みたいな腕ですね? ナンパなんてしないで少し鍛えた方が良いですよ?」


「て、てめえ何しやがった? 無事で帰れると思うなよ」


「あはは、クズ共こそ生きて帰れると思うなよ? 僕の大切な友人に迷惑を掛けた事を死ぬほど後悔させてやる」


「ヨウ様、お手伝い致します」


「ああ、悪いけどゴミ掃除しよっか」


「そうね、私は止血して行くわ<ヒール>なんて勿体ないから、焼くか凍らすかして上げるね~」


「運が悪いよね、自業自得だけど」


「んふふ、私は格闘にしよっと」


「私とノノも、武器は使わないでおきましょう」


「了解です、リラ姉」



「て、てめえ等ふざけんなよ・・・」



 それからしばらくの間、汚い悲鳴が響き渡る・・・


 さっきまであんなに偉そうにしていたのに、圧倒的な力で殴り続けてやると泣きながら許しを請うなんて切り替えが早いよね。



「ギャアアアアア! ゆ、許してくれ」


「あれっ? 寝言ですか?」


「わ、悪かった、もう許してくれ」


「あはは、嫌ですよ♪ 大体、喋れるほど元気があるのが気に入りませんね」


「そ、そんな・・・ゲホッ! ぐああああああ」


「フフ~、喋れなくなったら、許し何て請えないですよ?」


「そりゃそうですね、でも聞く気なんて無いから同じですね♪」



 それからも、蟻でも踏み潰すかのように、絡んできた冒険者を叩きのめし地面へ転がしていった。


 ほんの2~3分ほどで、既に全員戦闘不能になっている。


 特に逃げようとした者は、リラさんとノノさんにボコボコにされていた。



「おっと、ポーションとか使われたら気分が悪いんで、装備品は全部燃やしちゃおっと」


「<ファイアボール>!!!」


「ヒッ、ヒィィィィィ! 助けてくれ、死にたくない」



 久しぶりに使った僕の<火属性魔法>は、直径10メートル程の大きな球体になり、まるで太陽のように頭上に浮かんでいる。



「ちょ、ちょっとヨウ君。大きすぎだって・・・そんなの使ったら骨も残らないわよ?」


「おっと、久しぶりの魔法だから加減が難しいですね」


「な、なんて大きさなの・・・魔法まで規格外なんて」


「だから言ったでしょソフィアさん、ヨウ君は超人だって」


「ん~、駄目ですね、これ以上小さくならないや・・・アヤメさんお願いして良いですか?」


「任せて、焼いちゃうね~」



 流石にアヤメさんの<ファイアボール>は慣れたもので、器用に装備品だけを燃やし尽くしていく。


 僕もせっかく作った魔法を消すのも勿体ないから、この広い空間にいた魔物に向けて放つ事にした。


 かなり広い部屋にいたので遠くの方にクロウラーが複数いたのだが、僕の<ファイアボール>に飲み込まれていき、消し炭になって消えて行った。


 僕の最小限の<ファイアボール>だったけど、ソフィアさん達や守護さん達を怯えさすには十分の魔法だったようで、少し悪い事をしたかも。



「さてと、大体片付いたみたいですね、ついでに同じような仲間が居たら潰しておきたいんですが?」


「畏まりました。全員のギルドカードを回収しておきましたので、調べておきます」


「流石ですね♪ じゃ、お願いします」


「三日月はん、ありがとな、助かったわ」


「ありがとうございました」


「いえいえ、さっきアヤメさん達もナンパされて機嫌も悪かったんで、丁度良かったですよ」


「まあ、男達の気持ちも分からんでもないけどな~、そりゃアヤメ姉さん達やソフィアさん達ならナンパしたあもなるわ~」


「守護さん達もですよ?」


「あはは、ありがとさん♪」


「ところで守護さん、ドロップしましたか?」


「それが此奴等に邪魔されて、まだやったんや」


「本当に迷惑な奴等ですね・・・」


「ん、さっき三日月君の<ファイアボール>で倒したクロウラーがドロップしてたから拾っといたよ」


「あっ! すみません。横取りしちゃいましたね、じゃ<追加防御>スキル2つ渡しときますね」


「えっ? 2つも良いんですか?」


「はい、聞いてると思いますが、1日1個しかドロップしないのでサービスで渡しときますね」


「ありがとうございます。そうだ、下の階層でSPオーブが驚く程ドロップしたんですよ♪」


「おっ! 早速<幸運>スキルが役に立ってますね、この調子で頑張って下さい」


「守護さん達は、今西区北堀江中級ダンジョンを攻略中でした?」


「そや、三日月はんが行っとった人気のないとこや」


「なるほど、あそこのボス結構強いから、やるなら声掛けて下さいね」


「おおきに、もう直ぐ行けるさかい、お言葉に甘えるわ」



 僕達は余計な事に時間が掛かったが、スキルの回収も出来たし、先に帰る事にした。



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― 新着の感想 ―
公表されてない主人公は兎も角、Sランクのソフィアにちょっかい掛けるとか馬鹿すぎて。
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