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第69話 久しぶりにギルドへ来ましたよ


 僕達はロムロさん達と別れ、地下11階に下りると、此処からは森林エリアになるようだ。


 見慣れた光景を進んで行き、お目当ての初見の魔物を見つけたので喜んだ。


 しかも、ハーピー種だ! どうやらハーピーの上位種族でハーピーホークと言うらしい。


 この魔物が<高速飛翔>スキルオーブをドロップするなら、<幸運>スキルを習得したソフィアさん達でもドロップするかもしれない。



「んふふ、意外と早く見つかって良かったわね」


「これも日頃の行いかな?」


「フフ、そうだと思います」


「あれれ、ヨウ君が好きな事しか、してないよーな・・・」


「何も言い返せなかったりします。確かに毎日が幸せですからね♪」


「でも、皆の為になってるから、やっぱり日頃の行いも良いんだよ?」


「えへへ♪ ツドイさん、ありがとう」


「フフ~、好きな事ばかりして人助けにもなってるんだから、ヨウ様は凄いです~」


「あはは、たまたまなんだけどね、そういえば帰りにギルドに寄っても良いですか?」


「分かってるわよ、ロムロさん用の<鑑定>スキルオーブを渡しに行くんでしょ?」


「ありゃ、バレてましたか。どうやって自然に渡せるか考えたんですけど、今回は交換って形で行こうかと思ってます」


「フフ、良い手だと思います。交換なら<鑑定>スキルオーブの出所も隠せますし<風斬>スキルの価値も高いですから」


「リラさんのお墨付きを貰えたら安心しました」


「ところでヨウ君? 何時の間にか皆の呼び方「さん」付けに戻ってない?」


「・・・ヒュー、ヒュー」


「も~、下手な口笛で誤魔化さないの」


「ええと・・・ごめんなさい。僕やっぱり「さん」付けじゃないと呼びづらいんです、勘弁して下さい」


「にひひ、呼捨てはベッドの中だけで良いんじゃない?」


「もう、何やらしい事言ってんのよ」


「でも二人切りの時、呼捨てにされたら僕キュンときちゃうかも?」


「「「「「・・・・・・・」」」」」


「それも良いわね」


「二人切りの時でも、呼捨ては照れますよ~」


「ん~、私達は嬉しいんだけど。本当に駄目?」


「・・・分かりました。二人切りの時だけですよ?」


「あはは、ちょっと楽しみね♪」



 思わぬ所で話こんでしまったけど、狩りを再開しハーピーホークを倒してみるとタマゴじゃなくて羽がドロップした。


 ハーピーフェザーと言うらしい、防具の良い素材になりそうだった。


 それからも<気配感知>を広げ探し回り、ようやくスキルを持っている個体を発見し倒してみると、予想通り<高速飛翔>のスキルオーブをドロップした。



「よし! やったね」


「意外と早く見つかって良かったわね。タマゴをドロップしないせいか、人も少ないのも良いわ」


「はい。でも、ソフィアさん達には今後の為にも防御系のスキル取りを頑張って貰うとして、守護さん達に試して貰いましょうか」


「良いんではないでしょうか。守護さん達も<高速飛翔>スキルは欲しいと思われますので」


「そうだよ気持ち良いもんね。でも、コトエちゃん達にも都合があるから聞いて見ないと?」


「はい、今日会った時に聞いて見ますね。守護さん達も頑張ってたから有用なスキルも、かなり習得したでしょうし」


「コトエちゃん達もヨウ君と同じで頑張り屋さんだもんね」


「皆<高速飛翔>スキルを習得したら、またお空の散歩しましょうか?」


「あはは、良いですね。皆で飛んだら面白そうです」


「それも面白そうですけど、今度ピクニックでも行きませんか? 飛んで行ったら富士山とかも直ぐ行けちゃうかも」


「なにそれ、面白そうじゃない?」


「僕も賛成だね、どれぐらいスピード出せるかやってみよ♪」


「んふふ、じゃ複数スキルの練習もしとかないとね」


「そっか、流石に人目に付いたら降りれなくなっちゃうしね。頑張りますか~」


「大丈夫ですよ? 頑張ったら10個ぐらい同時発動出来ちゃいますから」


「そんなことできるのヨウ君だけだよ~、3つ同時でも難しいのに」


「フフ~、練習あるのみですね♪」



 僕達は新たな楽しみの為にも、スキル同時発動の練習をしながら地下12階に向け歩き出した。


 僕も皆に負けないように色々と練習しないとね。


 上級ダンジョンに来てから魔物が少し強くなっているのは、たいして問題じゃないんだけど、群れで出て来る事が徐々に増えてきた。


 今では軽く2~30体の魔物が群れをなしている。


 なので、ドロップ率の為に僕は先制攻撃していたが、これだけ居ると大変なので<水属性魔法>を使い雨を降らしている。


 これなら魔物が何体いても簡単に攻撃判定が出るので楽だし、アヤメさんの<雷属性魔法>とも相性が良い。



「あっ! そうだ。ちょっと<風斬>も試してみますね」


「そういえば、まだ見て無かったわね・・・分かったわ、やってみて」


「はい、行きまっす」


「シュバババババババババババババババババ!!!」



 僕は短剣の二刀流なので、左右の短剣に<風斬>スキルを乗せ、魔物の群れに攻撃した。


 刃から放たれた斬撃は、名前の通り風を斬り裂き、魔物に襲い掛かった。


 地上にいた魔物や、空を飛んでいた魔物もお構いなしに、射線に入った魔物が2度3度と斬り裂かれていく。


 少し<風斬>を放った数が多すぎたのか、とっくに息絶えている魔物がバラバラになるまで繰り返された。



「「「「「「・・・・・・・」」」」」」


「ちょっと、やりすぎじゃない?」


「うわ~、仲間が居るところでは使えませんね」


「見事にバラバラになっちゃうね」


「フフ、木も切り倒されて見通しが良くなりました」


「ひゃ~、おっとろしいスキルね~」


「あわわ、1回か2回で良かったですね、このスキルは殲滅用にします」


「もしくわ、飛んでる魔物用にしたら? 空に向けて撃つなら大丈夫よ」


「そうですね、危ないんでそうします」


「6人共<風斬>を習得して一斉に放ったら、凄い光景になりそうね」


「あはは、魔物に同情しますね。でも、全員習得して貰いますよ」


「分かってるわよ、何があるか分かんないしね」



 とりあえず<風斬>スキルの有用性が分かったのだが、使いどころが難しそうだ。


 無事<高速飛翔>スキルも確認出来たので、他のスキルも集めつつドンドン進んで行き地下12階に下りた。


 地下12階の初見の魔物は、どこかで見たことがあるような大きな目玉の魔物だった。


 どうやって飛んでいるのか分からないが、フヨフヨと浮かんでいる。


 一応<鑑定>スキルを使い、危険な攻撃がないか確認してから倒してみると、ドロップ品も目玉だった。


 錬金術の素材らしく、今のところは何に使えるのか分からなかった。


 難なくスキルを持っている個体も発見出来たので、お楽しみのスキル確認をしたところ<看破>と言うスキルだった。


 <鑑定>スキルと似ているが、<看破>スキルは魔物の弱点が分かるようだ。


 また、人間に使うと、体の悪い所が簡単に診断する事が出来た。


 これで、病気や怪我をしている人の治療も捗るだろう。


 丁度、回復系の魔法を優先的に練習していたので、良いタイミングで入手出来たと思い、喜んでいた。



「へええ~、良いスキルじゃない。えっ? ちょっとまさか?」


「えへへ♪ 正解です! アヤメさん、口を開けて下さい。口内炎があるでしょ?」


「もう、勝手に見ちゃ駄目よ? それに、口の中見せるのなんて恥ずかしいじゃない」


「駄目です! アヤメさん早く早く、あ~んですよ」


「分かったわよ、早くしてよね」



 僕はアヤメさんの口の中を覗き込み、真っ白で綺麗な歯や可愛らしい舌を見ている。


 あんまりジッと見ていたので怒られたが、ちゃんと口内炎は<ヒール>で治しておいた。



「駄目よ? 私は、見ちゃ駄目だからね」


「んふふ、諦めなさいナギサ♪ ヨウ君、全員見ちゃって」


「僕も駄目、自分でも知らない事、知られちゃいそう」


「・・・私は見ても良いですが、言わないで下さいね?」


「あっ! 私もそれが良い」


「あはは、分かりました。じゃ、順番に診ていきますね~」



 僕は早速メンバー全員を<看破>スキルで確認したところ、皆大した病気や怪我は無かったが、全員完璧に治しておいた。



「う~、恥ずかしかったよ~」


「すみませんです♪ でも、これで全員完璧に健康体ですよ」


「フフ、体の中まで視られるのは恥ずかしいものですね」


「フフ~、ヨウ様、御自分のは診たんですか?」


「自分のは何時でも診れるから良いですよ」


「んふふ、確か<看破>スキルオーブ2つドロップしてたよね? ほら、早く出して」


「えっ? 僕は自分で見るから良いですよ~」


「だ~め、自分だけ狡いわよ? 出しなさい。私が診て上げる♪」


「あぅ~、はい」



 僕はアヤメさんに診て貰ったところ、体中の古傷を言われて、自分で治す事になった。



「ほらね~、ヨウ君も色々あったでしょ?」


「意外とあるもんですね。でも、僕は男だから古傷ぐらい良いですよ?」


「駄目よ! ヨウ君も私達と一緒にやろーね」


「じゃ、これから週に一回、健康診断しましょうか」


「待って、女性は・・・毎月アレがあるでしょ? 知られたら恥ずかしいじゃない?」


「駄目ですよ。お腹が痛くなるって聞きますし、それなら尚更やらないと?」


「もう、その内にヨウ君には全部見られちゃいそうね」


「にひひ、アヤメも言い方がやらしいって」


「そう言う意味じゃないってば」



 今日は色々と話をしていたので、もう昼頃になっている。


 少し早いけど、上級ダンジョンで<高速飛翔>スキルをドロップする魔物が分かったので帰る事にした。


 そして、帰りには予定通りギルドへ寄り、久しぶりに部長さんに会いに行くと、またVIPルーム通してくれた。



「僕、ギルドへ来るの久しぶりですね」


「そうよね。私とナギサは、素材買取りとかで来るからね」


「そろそろ、アヤメさん以外にも鑑定人が居た方が良いですか?」


「う~ん、まあ今のペースなら、私だけでも良いけど遠出するなら必要になるかもね」


「なるほど。じゃ、念のために決定じゃないですけど、信頼出来る鑑定人候補者も考えて貰って良いですか?」


「分かったわ。でも、まだ私とナギサだけに止めとくわね」


「はい、分かりました」



 少し話をしていると、部長さんは直ぐにVIPルームに来てくれた。



「お久しぶりです」


「ああ、久しぶりだね。何時もオークションに出品してくれて助かっているよ」


「いえ、此方こそ色々と優遇して貰ってありがとうございます」


「あはは、当然の事だから気にしなくても良いですよ」


「今日は、少し頼み事があって来たんですが、少し時間を貰っても良いですか?」


「もちろん、お聞きしましょう」


「ブラジルのAランク冒険者であるロムロさんが、<風斬>と言うスキルオーブを持って来られたら、<鑑定>スキルと交換して上げて欲しいんです」


「ま、また<鑑定>スキルオーブを手に入れたのかね。三日月君には何時も驚かされるよ」


「それに<風斬>とは聞いた事がないスキルだね? 交換と言っても<風斬>と言うスキルオーブが本物かどうか確認が出来ないのですが?」


「そうですね。金額を考えると確認しておいた方が良いですね、それなら1日預かって貰えますか?」


「分かりました。では、ロムロ氏が来られたら連絡致しますね」


「あっ! ヨウ君。画像からでも<鑑定>出来るわよ?」


「そうなんだ? では、部長さん画像を送って貰えますか、此方で確認出来たら直ぐに交換して上げて下さい」


「分かりました、私が責任を持って承ります」


「すみません、ありがとうございます」



 僕は部長さんに<鑑定>スキルオーブを手渡し、VIPルームを後にした。


 帰りにギルド内を歩いていると、アヤメさん達5人の女性が目立つのか、かなり注目を浴びている。



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