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第6話 スライムハンターって・・・

本日は第10話まで投稿します!


 スライムを狩り続けて、今日で12日目になった。


 僕はスライムを相手に、何度も何度も繰り返し回避や防御訓練を続けていった。


 今ではスライムが1メートル以内に居ても、余裕で攻撃を回避出来る様になった。


 流石にそろそろ戦闘にも慣れてきたから、スライムを卒業して地下2階に挑戦しても良いかもしれない。


 SPオーブでステータスを上げて、コツコツと体を慣らしながらいったお陰で、僕も結構強くなってきたと思う。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【STATUS】


HP 120/120→300/300

MP 110/110→300/300


STR 10→30

VIT 12→30

DEX 10→30

INT 11→30

AGI 12→30

LUK 26→30


skill:<ウィル><虚空界>New!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 改めてステータスを見ると、目標だった30を綺麗に揃える事が出来た。


 ステータス上では元の3倍ほど強くなっただけに見えるけど、体感ではとんでもない力とスピードで、慣れるのが大変だったぐらいだ。


 <虚空庫>も驚く事に1日に1個ペースで入手する事が出来て、今ではストックが8個もある。


 そしてまた新たな発見があった。


 なんと、同じスキルは重ね掛け出来る事が分かった。


 <虚空庫>スキルを取得してから<虚空庫>スキルオーブを手に取った時、何となく出来るような気がした。


 最初の<虚空庫>では、若干の時間遅延がある程度だったのが1回重ね掛けすると時間停止になり、2回重ね掛けしたら時間停止のまま容量が無限になった。


 それに伴い、名前も<虚空界>に変わった。


 売ればどれぐらいの値段になるか分からない<虚空庫>を3つも使ったのは、おそらく人類で僕が初めてじゃないだろうか。


 時間停止って事は<虚空界>に入れた物は腐らないし、劣化しないって事は、とんでもない事だ。


 そんな、とんでもない機能は聞いた事がない。


 いや、情報が出回ってないだけかもしれないか・・・


 そりゃこんな凄い事を知ったら、誰でも秘密にするだろうしな。


 容量も無限になったと言っても、予備のSPオーブ1個と<虚空庫>8個。


 後は食料が少し入ってるだけなのだが、これから何でも持ち歩けるのが嬉しくてニヤニヤしてしまう。


 アヤメさんも、僕が毎日大量にスライムボールを持ち込むので半ば呆れられているようだ。


 僕が元気だから許容してくれてるみたいだけど。


 そして今日もダンジョンに潜るためにギルドへ足を運んでいると、前方に防具をレンタルしたとき対応してくれた、フランクな喋り方をする男性と目があった。



「よう、スライムハンターじゃないか、頑張ってるみたいだな」


「ブッ!? な、何ですかその呼び名は?」


「あはは、自分、毎日大量のスライムボールを持ち込んでるんやろ? 職員の中じゃ有名やぞ」


「えっ? そ、そうなんですか?」


「まあ、俺ならスライム君かスライムキングって仇名の方が似合ってると思うんやけどな~」


「や、やめて下さいよ。恥ずかしいじゃないですか」


「何言うてるんや? 皆褒めてるんやで? 単調な攻撃しか、してけえへんスライム相手に、黙々と戦闘訓練出来る奴は中々おらへん。何れは大物になるかもしれへんって、言うてな」


「ありがとうございます。でも、ようやく戦闘にも体が慣れてきたので今日から地下2階に行って見ようと思ってるんです」


「そかー、ニードルラットやな? スライムと同じような体当たり攻撃やけど、あの針がシャレにならへんから気ぃつけや」


「はい、ありがとうございます。じゃ、行ってきます」



 僕は男性職員にお礼を言ってからトテトテとダンジョンへ向かう。


 何時もの様にダンジョンの入口でギルドカードを提示し中へ入る。


 でも、今日はダンジョンの入口に設置してある大きなクリスタルから地下2階へ直接行く事にした。


 そう、ダンジョンの階層は一度行った事がある階なら自由に選べるようになっている。


 僕もスライム狩りの時に一度だけ地下2階に下りて、転送クリスタルと呼ばれる大きなクリスタルに触っておいたから行ける筈だ。


 僕は転送クリスタルに手を置いて地下2階をイメージすると、視界が歪み一瞬で地下2階に来れたようだ。


 初めての経験にメチャクチャ驚いたけど、これから慣れていかなくちゃいけない。


 早速ニードルラットって言う魔物を探しに行く。


 少し歩くと直ぐに見つける事が出来た。


 聞いていた通り、確かにハリネズミみたいな形をしている。


 しかし、思ったより大きいな・・・


 バレーボールぐらいありそうだ。


 とりあえず、単体みたいだし戦って見よう。


 僕は慎重にニードルラットの後ろに回り込み、背後から針だらけの背中をサバイバルナイフで攻撃してみる。



「ギャリッ!」


「うわっ! 硬っ!」



 思ったより針が硬くナイフで斬れなかった。


 力も上がったから全力でやれば斬れるかもしれないけど、ナイフが痛みそうだし困ったな。


 ニードルラットの攻撃は、体を丸めて針を立て体当たりをしてくる。


 だが、スピードはそれほど速くないため、躱すのは簡単だった。


 どうやって倒そうかと少し考えたが、ステータスを上げた今のスピードなら攻撃を回避した後、着地を狙えるかもしれない。


 早速試しに攻撃を回避し、着地のため体を広げるのに合わせ頭部目掛けてナイフを突き刺した。


 流石に頭部まで針はないので問題なく倒せたようだ。


 ニードルラットは粒子となって消えて行き、針がドロップしたようだ。


 う~ん、これは敬遠されるのが分かるような魔物だな。


 以前の僕なら間違いなく苦戦していたはずだ。


 ちゃんとスライムでステータス上げ頑張っておいて良かった。


 ドロップ品も高く売れそうじゃないし、光ってる魔物以外はスルーして行こっと。


 僕はマッピングをしながらドンドンと進んで行き、SPオーブを持ってる淡く発光しているニードルラットのみ狩って行った。


 やはり人気がない階層なのか魔物の数も多いけど、その分SPオーブを持っている個体も多かった。


 オーブ目当てならニードルラットの方が稼げるかもしれない。


 そして、ついにスキルオーブを持ってそうな強く発光している魔物を発見した。


 速攻で倒したら、やはり地面にはクリスタルの形状をしたオーブがドロップされている。


 僕は「よしっ」っと、心の中で喜んだ。


 周りに魔物が居ない事を確認しスキルオーブを手に取った、これは<追加攻撃>のスキルらしい。


 僕の知らないスキルだ・・・


 売るかどうか迷ったけど此処なら、また取得出来そうだから習得する事にした。


 <追加攻撃>のスキルオーブを手に取り意識すると、粒子となって僕の体に入って来る。


 よし、習得する事が出来たようだ。


 別に変った所はなさそうだけど、<追加攻撃>って言うくらいだから魔物に攻撃してみたら分かるかな。


 僕は試しに近くのニードルラット相手に攻撃してみることにした、ナイフが痛まないように刺突攻撃を何回かしてみる。



「バシッ、バシッ、バシッ!」



 お~! 確かに攻撃の後、遅れて追加攻撃が入っているようだ。


 しかも、頑丈そうな背中を突いたのに3回攻撃しただけで倒す事が出来た。


 ひょっとしたら<追加攻撃>は防御貫通ダメージなのかな?


 何にせよ、これでニードルラットも倒し易くなった。


 硬い魔物には有用なスキルになりそうだ。


 ステータスを上げたお陰で疲れにくくなったし、ドンドン奥へ進んで行くと、早くも地下3階に下りる階段を見つけてしまった。


 少し考えたが地下3階に下りる事にした。


 地下3階の魔物は情報がないので調べておくのも悪くない。


 これからは情報無しの魔物にも対応していかないとだしな。


 地下3階に下り、次に転送出来るように転送クリスタルに触っておく、これを忘れるとまた地下2階からになっちゃうしね。


 この階はどんな魔物だろうと慎重に探していると、直ぐに見つける事が出来た。


 どうやら、この階はコウモリの魔物らしい。


 2体程天井に張り付いているので、どうやって倒すんだろうと思っていたら、僕を見つけたのか急降下して攻撃してきた。


 大した速さでもないので、急降下に合わせサバイバルナイフで斬り付けると、一撃で倒せたようだ。


 コウモリは、光の粒子となって消えていく。


 ドロップ品はコウモリ羽のようだ。


 売値は分からないけどしっかりと回収しておく、これならニードルラットより倒すのは楽なので地下3階を進んでみる事にした。


 真っすぐに向かって来てくれるので非常に倒し易いが、上空から攻撃には慣れてないので良い訓練になる。


 サクサクと無双状態を楽しんでいると、ニードルラットに引き続き強く発光しているコウモリを発見した。


 やった、本日2つ目のスキルオーブだと喜んだが、まだ倒してもいないのにタヌキの皮算用だと思い反省する。


 それでも、慎重に倒して地面を見ると、確かにスキルオーブがドロップしている。


 僕は喜びを抑え込み、周りに魔物がいないか確かめてからスキルオーブを手に取った。


 どうやら<敏捷強化>のスキルらしい。


 これは知ってるスキルだ。


 僕は早速これを習得し、体感してみることにした。


 うわっ!? 凄いなこれ・・・試さなくても何となく分かる。


 先ずは軽くダッシュしてみるか・・・



「わわわっ! おっとと!」



 ひゃ~、驚いた! こりゃ想像以上の効果だ。


 自分の体じゃないみたいに動けるな、また慣れるまで練習しないといけない。


 よし、今から少しずつ頑張ろう。


 体捌きの練習がてらSPオーブを持っている魔物を討伐していき、SPオーブを取得する度にステータスを上げて行った。


 ふ~、今なら何かの漫画で読んだ事があるような、自分で投げたボールを自分で取れるかもしれないな、スキルって凄いや。


 あっ! 地下4階に下りる階段見つけちゃった。


 ちょっと早いけど、地下4階の魔物をチェックしてから帰ろうかな。


 僕は地下4階に下りて転送クリスタルに触り、慎重に魔物を探していると直ぐに魔物を見つけた。


 しかも何か強く光っている。


 魔物はスケルトンだ。


 本当にガイコツが歩いてるや、いやいやそんな事よりも・・・


 あれって、どう見てもスキルオーブ持ってる魔物だよな? 凄いな本日3つ目のスキルオーブだ。


 丁度単体でいるみたいだし倒すしかないな。


 でも、スケルトン相手にナイフは相性が悪い。


 <追加攻撃>頼りに背後から連続攻撃してみよう。


 僕は慎重に強く光ってるスケルトンの背後に回り込み、スピードを生かして連続攻撃に出た。



「シュバババババババ! ドカッ!」



 スケルトンの胴体はスカスカなので頭蓋骨である後頭部に、連続でナイフでの突きを入れ、おまけに腰部に蹴りを入れてみた。


 予想通り蹴りでも<追加攻撃>が入る様で、難なくスケルトンを撃破する事に成功する。


 ふぅ~、良かった。そんなに強くないみたいだ。


 さてさて、お楽しみのオーブは・・・あったあった。


 地面に転がっているスキルオーブを丁寧に拾い上げ確認してみると、えっ? か、 <鑑定>スキルだ!


 うわわ!? と、とんでもないスキルが出ちゃった・・・


 これって、確か日本では1つしか確認されてない超レアスキルだったような。


 東京にあるダンジョンギルド本部の誰かが所有してたはず。


 と、とりあえず大事に<虚空界>へ収納しておこう。


 う~ん・・・どうしようかな・・・


 自分で覚えて謎スキルである<ウィル>を調べてみたいような気がするけど、謎スキルだからそれで分かる保証もないしな。


 かと言って今のところ僕が<鑑定>スキルを習得しても、あまり役に立たない様な気がするし。


 どうせ、知らないスキルを入手しても、手に取ったら分かるしな。


 売るにしても複数のスキルオーブ出すより、確実に高く売れる<鑑定>スキルを出す方が良いよな~


 よし、悩んでても仕方ない。


 また、アヤメさんに相談してみよう。


 流石にスキルオーブを出したら驚くかもしれないな♪


 でも、アヤメさんなら、きっと最適解を出してくれるだろう。


 とりあえず、アヤメさんに相談するために、今日は早めに帰る事を決めた。


 地下4階にある転送クリスタルに手を触れ1階に戻る事にした。


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売った鑑定スキルで自分を鑑定されたら~とか考えないのかなこの主人公。 最初は謎スキルを検索すらしないぐらい慎重だったのに 僕なんかやっちゃいました? 主人公にはならんでほしいが
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