第68話 何か清々しい人達でしたね
評価やブックマークを付けて下さった方、ありがとうございます。
守護さん達は、ソフィアさん達に防御系のスキルを取得して貰う為、色々と指導して貰う事にした。
そして、僕達は今日も中央区本町上級ダンジョンに向かう事にする。
出来れば、上級ダンジョンに<高速飛翔>スキルをドロップするハーピー系が居れば良いんだけど。
上級ダンジョンの情報は流石にギルドでも出回ってないため、自分達で探さないといけないので大変だった。
それでも広範囲の<気配感知>が使える僕は、楽な方だと思う。
昨日は、地下11階まで行ったけどハーピーは確認出来なかったので、今日は地下10階のボス戦からスタートする事にした。
ちなみに、前回のボス戦では<風斬>スキルと竜肉・宝箱・黒宝箱がドロップした。
宝箱は、何時も通りエリクサーが入っており、黒宝箱からは姫種と言う植物の種だった。
新たに習得した<風斬>スキルは風魔法の<エアカッター>みたいなもので、武器や手刀でも空気の刃を放つ事が出来る様だ。
最近スキルも結構習得したので、久しぶりに確認して見る事にする。
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【STATUS】
HP 2600/2600→6000/6000
MP 1300/1300→1500/1500
STR 130→150(300)
VIT 130→150(300)
DEX 130→150(300)
INT 130→150(300)
AGI 130→150(300)
LUK 130→150(300)
【skill】
<ウィル>☆
<返還>
<鑑定>
<虚空界>★
<追加攻撃>
<追加防御>★
<敏捷強化>☆
<腕力強化>☆
<身体強化>★
<気配感知>★
<魔力感知>★
<温度感知>
<気配遮断>★
<魔力操作>★
<MP吸収>★
<HP吸収>★
<HP増大>
<威圧>
<状態異常耐性>
<隠蔽>★
<言語理解>★
<幸運>★
<超回復>★
<硬質化>★
<鋼糸>★
<風斬>New!
<高速飛翔>
<麻痺眼>
<適温効果>
【Magic】
<生活魔法>
<回復魔法>★
<解毒魔法>★
<快癒魔法>★
<水属性魔法>
<土属性魔法>
<風属性魔法>
<火属性魔法>
<氷属性魔法>
<雷属性魔法>
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ステータスはネックレスの効果で、既に300に成っている。
今は調整出来るようになったが大変だった。
そりゃ、これだけ上がれば慣れるのにも苦労する訳だ。
2段階強化の☆印は、取り合えずそのままで、今回初めて回復系魔法を3段階まで上げ★印になった。
そのお陰で古傷まで治せるようになったが、まだまだエリクサー程の効果は無い様だ。
4段階目にも強化出来るのだが、今はその必要もないので温存している。
アヤメさん達にも僕のステータスを伝えると、何故か感心してくれた。
「やっぱり、ヨウ君のステータス凄いわね」
「うんうん、でも<鑑定>スキルは、なんで重ね掛けしてないのかな?」
「してないって言うか、できないんですよ」
「そうなんだ?」
「はい、いくつかのスキルは重ね掛け出来ないみたいですね、これから先に出来るようになるかは、分からないですけど」
「なんか不思議だよね~」
ナギサさんの言う通り、未だに僕にも分からない事が多くて謎だらけなんだけど、困って無いから今は良いとする。
そして、今日も頑張ってダンジョン探索をすることにした。
地下10階の道中を駆け抜けボス部屋の前に着くと、今日は何時もより時間が遅かったせいか誰かが順番待ちをしているようだった。
とりあえず後ろに並ぶ事にし声を掛けてみようと思ったら、どうやら外国人のようだ。ブラジルの方かな?
「すみません、少し良いですか?」
「えっ? お、驚きました。貴方ポルトガル語が話せるんですね」
「はい、少しだけですが♪ 貴方達は、ボス部屋の順番待ちですか?」
「いえいえ、とても流暢ですよ。私達の英語より、よっぽど上手いです」
「ボス部屋の順番待ちには間違いないのですが、一緒に攻略してくれるパーティも探していました」
「なるほど、良かったら僕達と御一緒しますか?」
「えっ? すみません、貴方達もボス戦の為に来たのですか?」
「はい、そうですけど?」
「失礼しました。貴方はとても若く見えたので、それに美しい女性ばかりでボス戦に挑むとは思いませんでした」
「よく言われるんですよね・・・それに僕のパーティの女性達は、とても強いですよ?」
「そうでしたか、それは本当に失礼しました。是非、御一緒にお願いします」
「はい、宜しくお願いします。僕は三日月って言います」
「ありがとう、私はロムロと言います」
「えっ? どこかで見た事があると思ったら、ブラジリア本部のロムロさんですか?」
「私を御存知なんですか?」
「うわ~、本物ですか♪ 会えて嬉しいです。僕ダンジョンが好きで各国の有名な冒険者は覚えてるんですよ」
「あはは、私達が有名なのは母国だけと思っていました。日本にも名前を覚えてる人がいるなんて嬉しいですね」
「どうして日本のダンジョンに来られているんですか?」
「私達は今、日本で多く出ている<鑑定>スキルを取得しに来ました」
「おい、ロムロ喋って良かったのか?」
「ああ、別に隠してる訳じゃないからな、それに言葉の分かる日本人は貴重だ。是非、情報も教えて欲しいからな」
「そうでしたか、オークションで幾つか出品されてますからね」
「そうなのです、日本の何処かのダンジョンで、ドロップし易い所があると思います。どんな小さな情報でも良いんですが、何かご存じありませんか?」
「すみません、僕達には分かりません」
「いえ、良いのです。気にしないで下さい、元々そんなに簡単に見つかるとは思ってませんので」
「それよりもボス部屋が空いたみたいですね、欲を言えば後1パーティ待って3パーティがベストですが、君達は必ず守りますので2パーティで挑戦してみますか?」
「はい、僕達は2パーティでも良いですよ」
「分かりました。では、行きましょうか」
ボス部屋の中に入ると、またボスはワイバーンの様だ。まあ、これもLUKの高さのせいだろうか。
「なんてこった・・・皆すまない。どうやら私の見通しが甘かったようだ」
「まあ、良いさ俺達は冒険者だ。何時でも覚悟は出来ている」
「おいおい、簡単に諦めるなよ? せめて、この子達を守らないとな?」
「ああ、まさか今日になるとはな・・・だが、これも冒険者か」
「簡単には死なんぞ?」
「あはは、さあ、派手にやるか♪」
「皆悪いな、だが全力を尽くそう」
「「「「「おう!」」」」」
「君達も巻き込んですまなかった。だが、安心して欲しい。ワイバーンは私達が命に代えても倒してみせるから、下がっておいてくれ」
「んふふ、貴方達って良い冒険者ね」
「にひひ、漢よね~」
「覚悟は良いよね、でも用心が足りないかな?」
「フフ、そうですね。負ける可能性があるならボス戦に挑むのは無謀です」
「フフ~、でも決断が早いのは良いわね、会ったばかりの私達まで守ろうとしてくれてるしね」
「僕もロムロさん達を気に入っちゃいましたね、皆で押さえておいてくれますか? 僕が行きます」
「ここは仕方ないわね。じゃ、私は二人押さえとくね」
「じゃ、残りは一人ずつ押さえとくわ」
アヤメさん達は、ロムロさん達の腕を掴み動けないようにしてくれた。
「お、おい、何のつもりだ?」
「クッ、動かねえだと?」
「君達?」
「ロムロさん、言ったでしょ? 僕のパーティの女性達は強いって、ワイバーンは任せて下さい、実は2回目なんですよ」
「「「「「「なにっ!」」」」」」
「一人で戦う気か?」
「んふふ、まあ見てて」
僕はワイバーンと戦うのは初めてだったけど、昨日ノノさんが戦うのを見ていたから大体の強さは分かっている。
先ず新しく入手した<麻痺眼>スキルを使うと、ワイバーンを麻痺させる事に成功したようだ、これ凄く便利かも。
次に<身体強化><敏捷強化><腕力強化>を発動し、右腕に<硬質化>スキルを使った後、雷属性の魔法を右拳に纏った。
軽く腰を入れて右拳から放ったスマッシュは、ワイバーンの胴体部に減り込み紫色の放電を放ちならが吹き飛んだ。
ダンジョンの壁に激突して、重力に従い地面へ落下した。
既にワイバーンはピクリとも動かず、光の粒子となって消えていく。
それを見ていたロムロさん達は、信じられない様な表情で消えていくワイバーンを見ていた。
僕は<風斬>のスキルオーブだけ残し、後のドロップ品は隠蔽で隠して回収しておいた。
「ありがとう、もう放して良いですよ」
「ウフフ、相変わらず凄いわね~」
「フフ~、ヨウ様最強です」
「ありがとです♪ じゃ、ロムロさん僕達は行きますね、ドロップしたスキルは命を掛けて僕達を守ろうとしてくれたお礼です」
「明日にでもギルドへ持って行ったら、他のスキルと交換してくれるかもしれませんよ?」
「では、またどこかで会いましょう」
「んふふ、またね」
ロムロさん達は衝撃的だったのか、まだ固まっていた。
今のうちに僕達は、地下11階へ下りて探索を進める事にした。
「な、なんて奴だ・・・」
「あいつ本当に一人でワイバーンを倒しやがったぜ?」
「しかも、一撃か・・・どんな化物なんだよ?」
「さっきのワイバーンだよな? 俺達でも死を覚悟したってのに」
「あの女性達も、かなりの実力者だろうな、掴まれた腕が離せなかったぜ?」
「あはは、あんな綺麗な女性達に、Aランクの俺達が見事に抑え込まれちまったな」
「それより、ロムロ。あの少年が置いていったスキルを確認しよう」
「そうだったな・・・まだ頭が混乱してるよ」
「・・・・・<風斬>ってスキルだな、聞いた事がないから未登録スキルだろう」
「ヒュ~、唯でさえ高額なスキルを、確認もせず置いていったのかよ」
「このスキルが安いって事は無いだろう、確認もせず置いていったって事は余程の金持ちって事か?」
「いくら金持ちでもスキルは簡単に譲らんだろう? 物によっては金を積んでも手に入らんしな」
「ギルドに持って行けって言ってなかったか?」
「・・・どういう意味か分からんが、確かに言ってたな交換して貰えると」
「しかし、不思議な奴等だったな、今思えば全員微妙に顔を隠していたしな」
「日本に来てからまだ日も浅いが、怖いとこだよな? あんな強者がゴロゴロいるのか?」
「いや、流石にそれは無いだろうが、他の冒険者も調べておこうか」
「そうしよう、あんなのばかりなら俺達は完全にお子様扱いだ」
「くそう、何か悔しいな、守るつもりが守られたか・・・世界の広さを思い知らされた気分だ」
「俺達もマダマダって事だ、頑張って強くなろうぜ」
「そうだな、しかし、国へ帰る前にあの少年にもう一度会いたいな、ギルドで聞いて見るか」
「さて、完全に不完全燃焼だし次の階も見ていくか」
「あはは、だが無理はしないでおこう、せっかく助けて貰った命だしな」
「それを言うなって」
「「「「「「あははははは♪」」」」」」




