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第54話 僕弱そうに見えたでしょ

評価やブックマークを付けて下さった方、ありがとうございます。


 僕達はスカッドの奴等を見つけたので潰しに行こうとしたら、向こうから此方に来るようだ。


 まあロクな用事じゃないのは分かってるんだけどね。



「バカよね~、自分から近づいて来てるわ」


「まあ、バカだから群れて好き放題してるんだろうけどさ」



 前回は3~40人程、潰しておいたのに今日も20人ぐらい居るようだ。


 争いたいなら魔物が幾らでもいるだろうに、どうして態々同じ冒険者に絡むのか理解に苦しむ。



「なんだ~? ガキが良い女ばかり連れやがって」


「先に聞くことがあるだろうが、先輩にしばかれるぞ?」


「ケッ、おい、お前達、2日前此処でスカッドのメンバーを見なかったか?」


「スカッドってあのバカの集まりよね? どうしてバカ達の事なんて覚えてなきゃいけないの?」


「なんだと?」


「あはは、バカなのにバカにした事が分かる知能があるんだ?」


「初対面の人にどうして、そう高圧的に喋れるのか理解に苦しみますね・・・」


「・・・・・死んだぞお前ら」


「お、おい、やめろ」


「うるせえ、死ねえ~」


「よっと、ドガッ」


「ギャアアアアアアアアア 足が、俺の足がああああああ」



 話かけてきた頭の悪そうな男が短剣を抜いて斬りかかってきたので、とりあえず回し蹴りで両膝を砕いてやると、みっともないぐらい喚き散らしながら痛がっている。



「あはは、全然我慢も出来ないんですね♪ 話の最中に斬りかかって来ましたけど、反撃される事は考えなかったんでしょうか?」


「ね~? 弱い犬でも吠えるだけなのに、スカッドって本当にバカばかりよね」


「あれっ? まだキャインキャイン言って逃げないの?」


「・・・・・お前達だな? 2日前ウチのメンバーをやってくれたのは?」


「そういえば、縄張りゴッコしてる馬鹿が居ましたっけ? 誰も帰らなかったんですか?」


「おかしいわね? 両足潰して上げただけだから、這いずって帰れた筈なんだけど?」


「此処はダンジョンだからね~、魔物にでも襲われたんじゃないかしら?」


「て、てめえ等・・・おい全員呼べ」


「はい」



 僕達の方に来ていた5人の男達は後ろに居る仲間を集めているようだ、人数が居たらどうにかなると思っているのだろうか・・・



「・・・おい、まさか、こんな奴等にやられて俺を呼んだんじゃねえだろうな?」


「違いますよ、見つけたんです。2日前俺達の仲間をやったのは此奴等なんですよ」


「なに? バカか手前? 3~40人居たウチのメンバーを此奴等がやったって言うのかよ?」


「ほ、本当です。自分で言ってましたから間違い無いです」


「・・・・・おい、女共ウチのメンバーをどこへやった?」


「さっき、そこのバカに言ったわ。貴方がバカ達のリーダーなの? 一番のバカって事よね?」


「クククッ、威勢の良い事だな。俺達にそこまで言えるんだ、そこそこ強ええんだろうが運が悪かったな、この雑魚共のお陰で俺まで駆り出されたんだからよ」


「キッチリ、借りは返させて貰うぞ」


「えっと、僕が怖いから避けてるんですか? それとも僕が弱そうだから避けてるんですか?」


「・・・悪いなガキより、そっちの姉ちゃんの方が強そうだったからよ」


「やっぱり、そっちですか・・・人は見かけで判断しちゃいけないんですよ?」


「あはは、面白いガキだな♪ 良いぜ、お前からでもよ」


「ヨウ様、私がやります。以前と同じように両足だけで宜しいですか?」


「良いよ、ちょっと遊びたいしね」


「フフ、畏まりました」


「あはは、本当に自分の方が強いと思ってるんでしょうね。哀れな奴よね~」


「まあ、分かる頃には、もう遅いんだけどね」


「・・・大した信頼だな? ガキなのによ」


「そのガキに敵わないんですよ貴方は?」


「御託はもう良いだろう?」


「はい、何時でもどうぞ」



 男は笑みを浮かべながら大剣を掲げ振り下ろしてきた。


 とんでもなく遅い動きだ・・・こんな攻撃が本当に当たると思っているんだろうか?


 僕は何度か躱して冷めた目付きで男を見る。



「まあ、躱すのだけは上手いようだな。だが、それじゃあ何時まで経っても勝てねえぞ?」


「ハァ~、ちょっと呆れますね・・・そんな攻撃当たる訳ないでしょ? 動きは遅い力も弱い・・・良いとこ全然無いじゃないですか? 中級ダンジョンに来るのはまだ早いですよ」


「・・・頭にくるガキだな、殺してやる」


「まだ分からないんですか? バカでも分かるようにしてやりますよ」


「うるせえ~~~、オラァ」



 僕は振り下ろされた大剣を左手で受け止めた。


 念の為に左手に<硬質化>スキルを発動させていたが、その必要も無かった・・・



「なっ、なんだと? う、動かねえ・・・」


「素手で受け止めやがった。あ、あのガキヤベエんじゃ?」


「なんか武器も大きいだけで、柔いですね・・・バキッ! ほらっ、簡単に折れちゃった」


「ば、化物め」



 男は大剣が折られた瞬間に逃げ出そうと踵を返し走りだすが、もう遅すぎた。


 僕は一瞬で回り込み、男の前に立つ。



「逃げれる訳ないでしょ? さて、覚悟は良いですか?」


「ま、待て、参ったもうお前達には手は出さねえ」


「あはは、笑わさないで下さいよ? 仲間達がドンドンやられてますけど助けないで良いんですか?」


「た、頼む許してくれ。もう、お前達は探しもしねえって誓うからよ」


「探すか・・・そうですね。僕達も残りのスカッド探して潰しておこうかな、まだ居るんでしょ?」


「く、くそう」



 男は懲りずにまた逃げ出そうとしたので、今度は最初の男のように両膝を砕いてやった。



「ぎゃああああああああああああ」


「えっと、残りのスカッドって何処に居るんですか?」


「言う、言うからもう勘弁してくれ」



 それから男は聞いた事に何でも応えてくれた。


 この男はこれでもスカッドの幹部らしい・・・



「全部話した、これで許してくれ」


「あはは、弱い者虐めが好きな貴方達なら分かるんじゃないですか? 今まで自分がやって来た事を思い出してみて下さいよ」


「そ、そんな」



 残りの居場所も分かったし、ついでに上げているステータスを<返還>スキルでSPオーブに戻し、全て回収する事にした。


 驚く事に<腕力強化>のスキルまで持っていて、この弱さだったようだ。


 当然、許してやる訳も無くスキルも回収し一般人レベルに戻してやった。


 また、両足を切り落としてやろうかと思ったが、<ヒール>してやるのも面倒くさいのでポーションを使っても元に戻らないぐらい、グチャグチャに両足を踏み潰してやった。


 どうやら痛みに耐えられなかったらしく、泡を吹いて気絶しているようだ。


 残っているスカッドのメンバーも、リラさん達が掃討し終わっていた。


 おそらく逃げ出そうとしたんだろう。



「そっちも終わったみたいですね」


「フフ、随分と勝手な人達ですね。暴力を振るわれるのはお嫌いみたいです」


「どうして威張れるんだろうね? 不思議だわ」


「そうだ、スカッドの本部を聞いといたんで帰りに潰しに行って良いですか?」


「その方が早いね」


「しかし、ダンジョンの中の様にはいかないかと?」


「そうですね、<隠蔽>と<気配遮断>を発動して潰しときます」


「うふふ、二度と悪い事が出来ない様に徹底的に潰してやろっか」


「僕一人で行って来ますよ?」


「駄目よ? 私達も行くわ」


「あぅ~、すみませんです」


「こいつ等はどうするの? オーブが近いから流石に帰れると思うわよ?」


「良いですよ、どうせ両足が無いんですから悪い事も出来ないでしょ」


「フフ、少し噂になった方が抑止力になって良いかもしれません」


「なるほどね、スカッドみたいな事してたら私達が潰しに来るぞ~、って所ね」



 全員一致でスカッドは今日潰れて貰う事に決定した。


 ようやく探索に戻り、ここでは是非<高速飛翔>スキルとタマゴを取っとかないとね。


 そして、本日1体目のハーピーを倒しタマゴを確認すると、不思議な事に2つドロップしていた。



「うわ~、珍しいね。素材が2つもドロップするなんて」


「あはは、ラッキーでしたね」



 たまたまかなと思っていたら、その後のドロップも常に2つになっている・・・



「・・・これってやっぱり、ヨウ君の進化?」


「う~ん、そうなのかな?」


「フフ、スキルも2つドロップすると嬉しいですね♪」


「あはは、まさか?」


「「「「「・・・・・・・」」」」」


「・・・そう言い切れないのがヨウ君なのよね」


「あぅ~」



 そしてリラさんの予想通り、オーブやスクロールまで2つドロップした。



「さ、流石、ヨウ君?」


「留まる事をしらないわね・・・・・」


「そういえば地下10階のボスは、どうだったのでしょうか?」


「あっ! 忘れてました。確認してみますね」


「ええと・・・新しいスキルだ! <鋼糸>スキルオーブが2つ、鋼魔糸が2つ、宝箱(エリクサー3つ)も2つ・・・」


「・・・凄いね、三日月君」


「効率が倍になっちゃったわね」


「ねーねー? ちょっと気になってたんだけど、SPオーブってこんな色だったっけ?」


「・・・黄色になってるわね?」


「白っぽかったよね?」


「白だよ」


「ひょっとして?」


「フフ~、ヨウ様。お試しですね」


「やっぱりそういう事なのかな? えっと・・・」


「うわ~! 正解ですね。STRが100に成りました」


「「「「「おお~~」」」」」


「えっ? って事はせっかくステータスに慣れて来たのに?」


「あはは、もちろん全員上げて貰いますよ?」


「・・・もう、人間超えちゃうよ~」


「何言ってるのよ、もうとっくに超えちゃったわよ」


「フフ、どこまで強くなるのか楽しみですね♪」


「リラ姉は、もう十分強いと思うよ?」


「ノノも同じぐらいじゃないですか」


「皆超人だね」


「うふふ、それも良いじゃない?」


「僕は嬉しいです。まだまだ、強く成っちゃいますよ」



 こうしてカンストしていたステータスも伸ばしていく事になった。


 本当に<ウィル>スキルの進化で此処まで変わるとは・・・


 本当に不思議なスキルだなと、改めて思い知った。


 地下11階を狩り尽くし、地下12階ではケルピーを狩りまくった。


 そして、初めて地下13階で初見の魔物に出会う。


 サーペントって言う大きなヘビの魔物だった。



「私ヘビ苦手なんだけど不思議と魔物なら平気みたいね・・・大きすぎて実感ないのかな?」


「大きな蜘蛛より全然可愛いじゃない?」


「でも大きいですね~、ドロップする素材は皮かな?」


「ヘビ皮ならバッグ?」


「財布の方が多いんじゃない?」


「靴とかもあったと思いますよ」


「ベルトで見たかもです」


「ハンドルかな」


「あはは、皆逞しくなりましたね~♪ すっかり冒険者です」


「も~、誰の影響と思ってるのよー」


「そーだ、そーだ、凄く楽しくて感謝してるぞー」


「ちょっとナギサ文句になってないわよ、それ」


「アヤメもそうでしょ?」


「間違いないわ♪」


「「「「「あはははは」」」」」



 こうしてサーペントも狩りまくった。


 素材は予想通り、皮でスキルは<温度感知>スキルだった。


 感知系のスキルは有用なので、これも良いスキルだと思う。


 地下15階はハイオークだったので特に欲しい物も無く、黄色のSPオーブだけ集め、今日は地下16階に下りた所で帰る事にした。



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― 新着の感想 ―
サイコパスの集団にしか見えない、、、女性陣がただのyesマンになって個性が薄れてきてる気がする ハーレムの人数が増えて一人一人掘り下げた話がし辛いのかもしれないけど、最近の話では乗り物好きの姉ちゃん以…
エーテル使わなくても限界突破するんか……
強さがインフレしすぎて戦闘がつまらなくなってます。
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