第53話 今日もダンジョン明日もダンジョン
日々、読者が増え続けているのに驚くばかりです。
評価やブックマークを付けて下さった方、ありがとうございます。
「その様子じゃ、ゆっくり出来たみたいねヨウ君?」
「はい、ずっとツドイさんと遊んでました」
「えっ? 遊ぶって何してたの?」
「鬼ゴッコですね~」
「ほえっ? ヨウ君相手じゃ勝負にならないじゃない?」
「ん~、僕負けちゃいました・・・」
「あはは、どうせ騙されたんでしょ?」
「な、なんで分かるんですか?」
「だって、私だってそうするもん」
「んふふ、ヨウ君なら負けてって頼んだら負けてくれそうだし、そもそも勝負には成らないのだよ」
「そう、僕の騙し勝ち! あとね・・・僕もちゃんと好きって告白出来たよ」
「「「「おーーーーーー」」」」
「おめでとうツドイさん」
「ありがとね、今日は良い日だったよ」
「え、えっとね・・・私もちゃんと言っとくね、私もヨウ君の事が大好きだよ♪」
「私は、とっくにヨウ様に心酔しております。大好きですヨウ様♪」
「もちろん、私も大好きですヨウ様。私に奇跡を見せてくれたときからずっとね♪」
「ナギサさん・・・リラさん・・・ノノさん・・・嬉しいです」
「僕も皆が大好きです、でも僕は1人を選ぶ事なんて、とても出来ません・・・」
「えっとね、そこは気にしなくても良いのよヨウ君♪」
「そそ、そこは私達で話はついてるんだよね♪」
「えっ?」
「つまりハーレムって事だよ♪」
「えぇえええっ?」
「そ、そんな事って許されるんですか?」
「1人選んで4人捨てられるより良いんじゃない?」
「それともヨウ君は嫌なのかな?」
「い、嫌じゃないです」
「それじゃ決まりね♪」
「「「「「これから宜しくね♪」」」」」
「は、はい・・・良いのかな・・・」
こうして僕は一気に5人の彼女が出来て戸惑いまくったが、みんな大好きなのは間違いないし素直に喜ぶことにした。
こんな事が許されるのかと思ったけど。
誠心誠意、皆の気持ちに応えて行こうと心に誓う。
「ねーねー? それよりさ皆同じハーレムなんだし、「さん」付けも止めよっか?」
「私は賛成よ」
「僕も良いよ」
「私には難しいですが善処致しますね」
「私はお姉ちゃんを呼捨てしにくいですよ~」
「ん~、リラあね・・・リラ姉ちゃん・・・リラ姉で良いんじゃない?」
「フフ、私は呼捨てで良いですよノノ」
「じゃ、リラ姉って呼ぶね」
「言っとくけどヨウ君もよ? ヨウ君は敬語も禁止ね」
「えええっ! 僕には無理ですよ~」
「駄目! 禁止! 全員呼捨てね決定よ! 試しに呼んでみて」
「ええ~、アヤメ・・・・・さん」
「だーめ、リピート」
「うぅ・・・アヤメ」
「・・・ちょっと照れるわね」
「次々♪」
「あぅぅ・・・ナギサ・リラ・ノノ・ツドイ」
「「「「・・・・・・・」」」」
「あはは、みんな顔が赤いわよ♪」
「じゃ、これから呼捨てね」
「ず、狡いですよー! 僕も呼捨てでお願いします」
「・・・旦那様を呼捨てにしちゃ駄目でしょ?」
「ヨウ様、それだけは御勘弁を・・・」
「んふふ、諦めなさいヨウ君」
「り、理不尽だああああああ」
「「「「「あはははははは」」」」」
こうして今日から呼捨てで呼ばないといけなくなってしまった。慣れるのかな~
そうこう話をしていると守護さんからメールが届き、どうやら順調にオーブや魔法スクロールがドロップしているらしい。
今日はSPオーブ3つと<身体強化>スキル1つ、<水属性魔法>を1つドロップしたようだ。
凄く感激しているのがメールでも分かる。僕も嬉しくなるぐらいだ。
「へええ~! 頑張ってるわね、あの子達も」
「ちゃんと初級ダンジョンで頑張ってるのが感心ね」
「フフ、これでヨウ様の心配事も1つ減りましたね」
「そうですね、でも他人事ながら僕も嬉しいです」
「あっ、そういえば守護さん達と倒したキラースパイダーの素材があったじゃない?」
「はい、銀色魔糸でしたっけ?」
「あれって、億単位で売れそうよ。凄く良い物なんだって」
「へええ~! 守護さん達が喜んでくれそうですね~」
「んふふ、きっと大喜びしてくれるわ」
「そういえばアヤメ××オークションの時出なくても良いんですか?」
「んん?なんか誤魔化したわね・・・」
「そ、そんな事ないですよ」
「・・・まあ良いわ、よっぽど高額な品じゃないかぎり出なくても良いみたいよ」
「なるほど、そろそろ<鑑定>スキルもオークションに出さなきゃですね。欲しい人が多そうですし」
「そうね、定期的に出してくれたらギルド長も喜んでくれるわ」
「でっ? スキル検証の方はどうだったの?」
「はい、問題なく<敏捷強化>と<腕力強化>を2段階にして制御出来ました」
「えっ? <腕力強化>も上げちゃったの?」
「それが不思議な事に簡単に制御出来たんですよ、3段階でもいけるかもしれませんね」
「なるほどね。どうやら昨日の進化って、相当な事だったんでしょうね」
「フフ、流石ヨウ様ですね」
新たに習得した<返還>スキルの事も皆に説明すると、とても驚いていた。
「へええ~! 何か凄いわね。<鑑定>スキルを使ったら、どんなスキル持ってるか分かるしね」
「そっか、何故<鑑定>スキルがキーポイントだったのか分かったような気がしますね」
「これから先も同じようなスキルがありそうですね」
「はい、これから先どんなスキルがあるのか楽しみです」
「ところでヨウ様、今日は私の番なんです」
「良いんですか?」
「もちろんです♪」
今日はノノさ・・・ノノが膝枕をしてくれるらしい。
僕は少し恥ずかしいけど、ソファーに座っているノノの太腿に頭を乗せた。
「フフ~、何か良いですね♪ こういうのも幸せな気分になれます」
「それを言うなら僕の方ですよ? とっても気持ち良いです」
「ところでヨウ様、膝枕した女性にはキスの特典が付くという情報があるんですが?」
「ブッ! そ、そんな事は・・・アヤメ・・・ツドイ?」
「情報共有は大事なのよ? こんな時は照れずに呼捨て出来るんだから」
「平等は大事なんだよ」
「フフ~、ヨウ様からして下さいね♪」
「あぅ~! て、照れますね・・・」
僕は皆が居るので少し恥ずかしかったが、ノノに自分からキスをして、また顔が真っ赤になった。
そして大阪に来てから初めての休みが終わり、明日からまたダンジョンへ行く事になる。
翌朝ベッドから起きると昨日よりも体調が良い様だ。
完全に治ったと思っていたけど、やはり皆が言う通り休んでて良かったのかもしれない。
しかし、<ウィル>スキルが進化してから、やたらとお腹が空くようになり、朝食からパクパクと食べるようになった。
そして、今日は色々とスキルも欲しいので、地下10階からスタートしボス戦もやる事にした。
地下10階の魔物は、これといったスキルもドロップしないので、サクサクと歩を進める。
ツドイさんが遠距離から弓で魔物を倒してくれるので、僕は戦闘することもなくボス部屋に辿り着いた。
ボス部屋の前に着くと誰かがボス戦をやっているようだが、運の良いことに誰も並んでいなかったので大人しく終わるのを待つ事にした。
すると、直ぐに他のパーティが来て僕達の後ろへ並んで来たようだ。
本当に人気があるダンジョンだな。
「すみません次に並ばせて頂きますね」
「はい、誰も来てなかったので大丈夫ですよ」
「ありがとう、君がリーダーなのかな?」
「えっと、そう言えばリーダーって決めてませんでしたね」
「そんなの当然ヨウ君じゃない」
「はい、ヨウ様しかありえません」
「当然です」
「当然だよ」
「にひひ、諦めなさい」
「・・・すみません、僕がリーダーみたいです」
「あはは、面白いパーティだな♪ 綺麗な女性ばかりのハーレムか~。君やるね?」
「ハーレムって言葉には抵抗があるんですが・・・」
「あはは、冗談だよ♪ でも失礼かもしれないけど、ボス戦って結構強いらしいけど大丈夫?」
「はい、2回目ですから大丈夫ですよ」
「いや、失礼な事言ってすまないね。でも、レアボスとかも出る時があるから、十分余裕持っといた方が良いって聞くけど?」
「はい、1回目がキラースパイダーって言うレアボスだったんで大丈夫です」
「えっ? 凄いじゃないか。君達強いんだね」
「そちらは初めてですか?」
「偉そうな事言っちゃったけど実はそうなんだ、俺達はCランクなんだけど情報が欲しくてね」
「良かったら試しに戦ってみますか? 駄目そうならサポートしますけど」
「本当かい? 俺達は助かるけど」
「はい、そちらだけで倒せたらドロップ品はそちらの物で、僕達がサポートしたらドロップ品は僕達が貰うって条件でどうでしょう?」
「良いのかい? 俺達には願っても無い条件だけど?」
「皆もそれで良いかな?」
「「「「「了解よ(です)」」」」」
「ありがとう恩にきるよ」
僕達はサポートは誰にするか決める為にジャンケンをした結果、僕が勝ったのでサポートする事になる。
「・・・君達サポートって一人で大丈夫なのかい?」
「あっ! レアだったら念の為に2人にしますので安心して下さい」
「何か凄いね。ひょっとして高ランクなのかな?」
「私達は全員Aランクよ♪ リーダーは謙遜してるけど、レアでもリーダーだけで余裕だから安心しといて」
「「「「「「Aランク!」」」」」」
「凄い! パーティに声掛けちゃったんだね。驚いたよ」
「すごーい! 私Aランクの人初めて見たかも」
「あっ、扉が開きましたね準備は良いですか?」
「はい、お願いします」
準備も整ったみたいなので2パーティで扉を潜ると、どうやら鬼蜘蛛って言うノーマルのボスらしい。
「ふぅ~、レアじゃなくて良かったよ。行くぞ皆」
「「「「「おーーー!」」」」」
僕は何時でもサポートに入れるように戦闘を見守る事にした。
最初は中々善戦していたが鬼蜘蛛が出した糸に2人が捕われ、一気に形勢が傾いてしまったようだ。
「クッ! すまん頼む」
「了解です」
僕は<身体強化>に加え、2段階に上げた<敏捷強化>と<腕力強化>を発動し、魔法剣で斬りかかった。
あまりに体のキレが良いため、調子に乗って鬼蜘蛛がバラバラになるほど斬りつけた。
もちろん、ドロップ品は全て<隠蔽>で隠し、密かに回収しておいた。
「「「「「「はい?・・・・・・・・」」」」」」
「い、一瞬で? 何回斬ったんだよ・・・」
「ひえ~! おっとろしいな」
「あわわ! これがAランクなのか。すっごいね~」
「見えなかったよ?」
「流石だね、恐れ入るよ」
「あはは、ありがとう。でも惜しかったですね? 糸さえ躱せてたら勝ってましたよ」
「いやいや、俺達では単独撃破は無理そうだね、誘ってくれて助かったよ」
「いえいえ、あっ、そうだ! 下の階層にスカッドって言う、質の悪い者達が居るかもしれないから注意して下さいね」
「聞いた事がある名前だね。分かったありがとう」
「では、またどこかで会いましょう」
僕達はサポートしたパーティと別れ、地下11階の探索に乗り出した。
此処ではハーピーがドロップする<高速飛翔>スキルとタマゴが是非欲しい所だ。
「しっかし、凄かったよヨウ君。メチャクチャ強く成ってるじゃない?」
「そそ、動きなんて殆ど見えなかったよ?」
「フフ、一体何回ほど斬ったのですか?」
「えっと・・・15~20回ぐらいかな? 本気でやったらもっと行けそうです」
「あれで手加減してたんですか・・・」
「うん、未だ3割ぐらいってとこですね」
「3割? ウソでしょ?」
「ホントですよ?」
「今日は、凄く調子が良いみたいです♪」
「・・・もう完全にヨウ君には敵わなくなっちゃったのね」
「フフ、元々敵いませんでしたけどね」
「ねーねー? ちょっとだけ本気で動いてくれないかな?」
「良いですよ。じゃ行きますね」
「「「「「ゴクッ・・・ええっ!」」」」」
「うわ~! 消えちゃった・・・」
「ヨウ君、隠蔽使ってないよね?」
「使ってませんよ」
「うわっ! 何時の間に後ろに回ったのよー? 吃驚するじゃない」
「あはは、動いて直ぐですよ♪ 見えませんでしたか?」
「見えないわよ、全く恐ろしいスピードね」
「<気配感知>に集中したら分かるかもですよ? <気配遮断>してませんし」
「なるほどね、スキルも使いこなして行かないとか・・・」
「あっ・・・あれってスカッドの奴等じゃない?」
「また、湧いてきたの?ヨウ君潰しとく?」
「はい、ダンジョンは危ない所だって事を教えて上げますよ」
「あはは、そうね♪ いつも奴等がやってる事だしね」




