第47話 やっぱり死なせたくないしな
皆様のお陰で見るたびにランキングが上昇し、驚きの毎日です。
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趣味で書いていたものですが、誤字が多くて恥ずかしい限りです。
優しい読者様の誤字報告に助けられ感謝しています。
無事レア種で現れたボスも討伐し、守護さん達と共に地下11階に訪れた。
正直僕が手を出していないから、スキルとか宝箱が出なかったのが残念だったけど、何とか素材で良い物が出たから良しとするかな。
皆で忘れないようにクリスタルに触れたから、これで守護さん達も地下11階に来れるようになった。
「よっしゃ、これで当初の目的は完了や、三日月はんおおきにな」
「いえいえ、お安い御用でしたけど、この階層の魔物を倒せるか試してみますか?」
「いえ、そこまでお世話になると申し訳ないですから、ボス戦以外なら逃げる事もできますし」
「う~ん、実は守護さん達に言うかどうか迷ってる事があるんですよ、一度守護さん達の戦闘を見せて貰っても良いでしょうか?」
「そら、かまへんけど・・・どんな事やの?」
「それが、まだ言えないんですよ」
「・・・まあ、良いんじゃないかしら、恩もある事だし?」
「せやな、何か分からんけど行こか」
「ありがとう、一番近い魔物ならこっちですね」
「えっ?そ そんなのも分かるんですか?」
「フフ、さあ行きましょう」
「・・・怖い人達やな~」
それから一番近い魔物まで歩いて行くと、そこにはオーク3体がいるようだった。
「本当に居たよ・・・」
「じゃ、コトエ準備するよ」
「・・・待ってえな、あれはあかん・・・なんや嫌な予感がするさかい違う魔物にしよや」
「・・・分かったわ、三日月君違う魔物でも良いかしら?」
「はい、もちろんですよ」
それからも魔物を探索し2回程遭遇したが、どれも戦闘を回避するようだった。
「フゥ~、あかん、この階層はウチ等には未だ早いようや、嫌な予感が止まらへん」
「そう、ごめんなさい三日月君。どうしても私達の戦闘が見たいなら上の階層になるけど良いかしら?」
「ちょっと待って下さいね、どうですかアヤメさん」
「そうね、少し驚いてるわ、コトエちゃんの勘ってノノさんに匹敵するかもね」
「もし、戦闘してたらどうなってます?」
「ん~、私の予想なら勝っても誰かが死ぬか重症ってとこね」
「なっ? そんな事まで分かるんかいな?」
「フフ、アヤメさんがそう言うなら先ず間違いありません、それだけに驚きの能力ですね」
「コトエちゃん達なら信用できそうだし、力に溺れる事も無いんじゃないかな?」
「このまま死なすには惜しいね」
「ウ、ウチ等が、このままやと死ぬって言いたいんか?」
「このままなら間違いなくそうなるわ、コトエちゃんの勘なら分かってるんじゃない?」
「「「「・・・・・・・・」」」」
「ウチ等にどないせー言うんや?」
「その事なんですが僕に提案があります。でも、此処では話せないので一度僕の部屋に遊びに来てくれませんか?」
「三日月君の部屋って、1人で行くの?」
「な、なんで1人なんですか全員でですよ」
「にひひ♪ ヨウ君に襲われたら1人でも4人でも結果は変わんないけどね~」
「ブッ!? 何て事言うんですか? 誤解を招くような事言わないで下さいよ」
「・・・ウチ等誰も経験無いから、おもろないと思うで?」
「コ、コトエ貴女も何言ってるのよー」
「恥ずかしい事言わないで」
「あぅぅ」
「・・・ナギサさん?」
「じょ、冗談だって、そんなに怒らないでよ~」
「フフ、私達もちゃんと居ますから大丈夫ですよ?」
「あはは、冗談や、こんな綺麗なお姉さんに囲まれてる三日月はんが、ウチ等を相手するわけあらへんしな。
でっ? その提案ってのを聞く権利は手に入れたって事でええんかな?」
「そんなに上から言ってる訳じゃないんですが、一つだけ約束して欲しいんですよ」
「・・・言ってみて」
「僕の部屋に来た事や、そこで聞いた話は絶対に口外しないで下さい、それだけですよ」
「口外したらどうなるんや?」
「どうもなりませんよ? 僕の見る目が無かったって事です」
「分かったわ、いつ行けば良いのかしら?」
「今日でも良いですよ、良かったら食事でもどうですか?」
「了解や、今日の18時にギルド前でええか?」
「良いですよ、じゃ僕達はもう少し探索してから帰りますね」
「ウチ等も上の階層へ戻るさかい、よろしゅーな」
「はいですー」
守護さん達はクリスタルを使って戻っていった、守護さん達にする提案は既に皆には説明してあるので直ぐに理解してくれたようだ。
今日は早めにダンジョン検索を切り上げ、守護さん達を迎える段取りをすることにした。
守護さん達を迎えにツドイさんが行ってくれるそうなので、僕達は部屋で待つ事になる。
食事は聞かれたら拙い話をするのでビュッフェ形式にして貰った。
数人の料理人達が用意してくれ様々な料理がテーブルを彩っている、食事が終わればまた片付けに来てくれるから言う事なしだね。
<守護視点>
「ねー? なんの話なんだろうね?」
「ん~、私にも分からないけど三日月君なら信用出来そうだから、騙されるって事は無いんじゃないかな」
「私男性の部屋に行くの初めてかも?」
「な、なんでそんな話になるんや?」
「コトエは行った事あるの?」
「ウチも無いけど皆と行くんやし、あの別嬪さん達もおるんやで?」
「あはは、そだよね~、でも三日月君モテモテだよね」
「あれは、モテモテってレベルやあらへんで・・・」
「どういう事?」
「あれや、部屋に行く事も内緒にしてって話や」
「別に口外しても三日月君の信用を失うだけじゃないの? まあそんな事しないけどさ」
「そんな甘ないで、三日月はんは許してくれても、あの別嬪さん達は許してくれへんやろな。寒気がするほど怖かったわ」
「・・・三日月君を裏切る者は、許さないって事か」
「なんにせよ、この話を誰かに言うだけでもヤバいで。でも、この誘いを断ったら一生後悔する気がするんや」
「今までコトエの勘で助かって来たんだもんね、今回もそれに乗るわ」
「どうせ今日死ぬ覚悟までしたんだしさ、それに比べたらどうって事ないよ」
「あはは、ナホ分かりやすくて良いわ、私も今日が人生の転機だと思うよ」
「まあ、驚くような話なんは間違いあらへん、三日月はんの秘密もちょっと分かるやろしな」
「うふふ、そんな事より初めて行く男性の部屋よ? もっと楽しもうじゃないですか」
「マユには、かてへんなー」
「「「「あはははは」」」」
私達はダンジョン探索を早めに切り上げて、三日月はんの家に行く用意をし待ち合わせの場所へ向かった。
「さって、そろそろ時間やな」
「あ~、なんかドキドキして来ちゃった・・・」
「ひゃ~、すっごい車が走ってるよ、お金持ちだ~」
「凄い車ね・・・どれだけ長いのよ」
「えっ? こっち来るわよ? ギルドに用事なのかな」
「うわ~、目の前に止まっちゃった。私達邪魔じゃない?」
「かまへん、かまへん、こっちが先に居たんや文句言われる筋合いはあらへんで」
高級車に驚いていたら目の前で止まり、運転手が出てくるようだ私達は興味津々で見ていると、何か違和感がある。
「おまたせ致しました。どうぞ車の中へお進み下さい」
「「「「ええ?」」」」
「あ、貴女、三日月君の?」
「そう僕だよ、忘れちゃった?」
「やっぱり・・・見違えちゃったわ」
「どぞ、三日月君が待ってるよ」
「・・・はい」
私達は恐る恐る車の中に入ると、そこはもう車の中とは思えない豪華な部屋だった。
「ウソでしょ?」
「ひゃ~、豪華やな~」
「では、お嬢様方そろそろ発車するよ?」
「「「「は、はい」」」」
「これってシートなの? ソファーなの?」
「走ってる・・・よね? 全然揺れないんだけど?」
「まさか最初から驚かされるなんてね、ちょっと怖くなってきたわ」
「どこに連れて行かれるんやろな~、ちょっと楽しみでもあるで」
「そうね、その通りよ」
「ねー? もう着いたんじゃない、建物の中に入るみたいよ」
「こんなに近いのに車で迎えに来てくれたの?」
「三日月君のお客様だからね、当然だよ?」
確かツドイさんって言う背の高い美しい女性は、車から下りて私達の為にドアを開けてくれる。
「さあ、どうぞお嬢様」
「ありがとう、ツドイさん」
私達が全員車から下りると、何時の間にか車が消えて無くなっておりツドイさんの着ていた服もスーツからカジュアルな様相に変わっていた。
「ええっ? い、一体どうやって?」
「えええっ?」
「嘘でしょ? 私達ちゃんと車に乗って来たよね?」
「・・・幻なんてチャチなもんやないって事やない?」
「これぐらいで驚いてたら駄目だよ? 着いて来てね」
通路を歩いて行くと、どう見ても壁にしか見えない所が開いて行き、奥にあるエレベーターに乗り込んだ。
「階層表示が無いんだけど・・・」
「外が見えるんだけど、何このスピード?」
「いったいどこまで上がるんだろうね」
「ひゃ~、もうすっごい高さだよ?」
「さあ、どうぞ」
私達は靴を脱いで奥へと進むと、通されたリビングは言葉にならない程洗練されたデザインに驚いた。
そこには天井を支える柱すら無い・・・窓から見える景色は、見たこともないような絶景で唖然としてしまう。
「「「「・・・・・・・」」」」
「なんやこれ?」
「いらっしゃい守護さん達。どうぞ、ソファーに座って下さい」
「えっ、ええ」
「ツドイさん、ありがとう」
「良いよ、僕の仕事だしね」
「いらっしゃい、んっ? 景色が気になる?」
「ウチ等、一般庶民やさい」
「あはは、私達もだから緊張しなくても良いわよ?」
「ひょっとして、アヤメさんって受付嬢のアヤメさんだったの?」
「ああ、そっか顔見せて無かったもんね、ナギサもそうよ」
「私も何回か素材の引取りしたから覚えてるかな?」
「覚えてます! どうして受付嬢の方が冒険者を?」
「ん~、私達受付嬢って言っても今はヨウ君の専属なのよ、それで何時の間にか冒険者もやる事になっちゃってね」
「そそ、やってみると面白いよね冒険者って」
「とりあえず食前酒代わりにシャンパンでも良いですか?」
「ええ、ありがとう」
「しかし、ごっつい景色やな大阪の頂点に立ったみたいや」
「でも、やっぱり新人冒険者ってのは嘘だったのね?」
「フフ、ヨウ様は嘘などついておりません、ヨウ様は冒険者に成ってから財を築かれたのです」
「・・・そんな事って」
「僕、初めて守護さん達に会った時はワンルームに住んでましたよ?」
「・・・本当にたったこれだけの期間で稼いだって事やな? ちょっと分かったわ」
「どういう事コトエ?」
「ウチ等が冒険者に成ってから大阪でデカい事あったやろ?」
「オークション?・・・・ま、まさか?」
「それしか考えられへん、まさか三日月はんが<鑑定>スキルを取得したとは思わへんかったけどな。
どっかから<鑑定>スキルを習得している人をスカウトして来たと思ってたんやけどな、その麗人・・・いや魔女って人も大体分かったわ」
「フフ、何が分かったのか分かりませんが、続きは食事でもしながらでどうですか?」
「もちろん、勘ぐる気なんてサラサラあらへん、死にとうないしな」
「あはは、大袈裟ですね、さあ此方へどうぞ」
事前に用意していたビュッフェ形式に置かれた円卓に、守護さん達を案内した。