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第42話 喜ばれるとサービスした甲斐がありますね


 僕達は部屋で全員Aランクにランクアップした、お祝いをしている。


 今日はフランス料理の出張料理人呼んで、色々と料理を作って貰った。



 自宅なのにコース料理のように次々と料理が運ばれてくる、それを皆で夜景を見ながら食べているので贅沢極まりない。



「う~ん、セレブな気分ね♪」


「んふふ、最高よ♪」


「フフ、お祝いですから」


「フフ~、綺麗な物を見るって最高です」


「僕フランス料理初めてかも」


「僕も初めてです、一緒ですね」


「後、私から提案なんだけど、違う中級ダンジョンにも行って見ないかな?」


「そういや、人気のある中級ダンジョンってのも見てみたいよね」


「僕も見てみたいですが大丈夫かなリラさん?」


「はい、オークションから日も経っておりますので、色々なダンジョンへ行かれるのもカムフラージュになって良いかと思われます」


「でも、他の冒険者が居ると、アヤメさんが魔法使い難くなるんじゃないかな?」


「それはあるわね・・・」


「1種類の魔法だけにする? たぶん僕達って嫌でも目立つよ?」


「フフ、一応全員に顔が目立ちにくくなるフードマント・帽子・眼鏡・マスク等を用意してありますので、それを装備していただければ大丈夫かと思われます」


「うわ~、流石お姉ちゃんだ」


「どこまで先の事を考えてるの? 恐ろしい人ね」


「リラさんには何時も感心しちゃいますね」


「ありがとうございます」


「じゃ、明日は天王寺中級ダンジョンだね」


「はい、そうしましょうか最近午前中だけダンジョン生活が慣れて来てるんで、明日もそうしましょうか昼から好きな事が出来ますし」


「んふふ、そうね」


「お昼からの予定は決まってるんですか?」


「ん~、未だ考えてないんですよね」


「ヨウ様、それでしたらフィットネスクラブにでも行って見ませんか?」


「面白そうですねテレビでしか見た事ありませんけど、色々と器具があるんですよね?」


「はい、最近出来たばかりのフィットネスクラブがありますので、色々楽しめるかと思います」


「私も行った事ないから、一度見てみるのも良いわね」


「私は何回か行ったけど、続かないのよね~」


「僕も行った事ない」


「お姉ちゃんあるの? 私無いよ」


「お勧めしておいてなんですが私も行った事は無いのです、ですが色々と調べておきましたので御説明は出来るかと思います」


「じゃ、決定ですね。明日の午後から行って見ましょうか」


「畏まりました。では、そのように予約しておきます」



 こうして明日の予定も決まったので、其々の時間を過ごし眠りについた。


 翌朝、何時も通りツドイさんの運転で人気のある天王寺中級ダンジョンへ訪れた。


 まだ時間は早い方だけど結構人が居るようだ。



「うわ~、やっぱり人が多いわね、今までのダンジョンとは大違いよ」


「へええ~、人気があるダンジョンは活気が違いますね」


「フフ、では行きましょうか一応顔は隠されますか?」


「そうね、私は一応フードマントで隠しておこうかな」


「おー、魔法使いっぽくなりましたね、僕もマスクとキャップで隠しときます」


「んふふ♪ 結局、みんな隠して行く事になるのね」


「ん~、無難かな?」


「目立ちそうですもんね」



 途中から顔も分かりにくくしようとは思っていたけど、最初からある程度隠して行く事になった。


 アヤメさんとナギサさんは受付嬢してたから、知ってる人も多いしね。


 この天王寺中級ダンジョンは初めて来たので地下1階からのスタートになる。


 もう結構並んでいるので最後尾に回った。



「まだ、朝早いのに並ぶなんてね」


「受付嬢やってても、ダンジョンまで来ないから分からなかったわ」


「う~ん、やっぱり目立ってますよね?」


「フフ~、此方をチラチラ見ながら、何か言ってるみたいですね」


「にひひ♪ ハーレムパーティなんだもんね、気にしちゃ負けよ」


「僕、背が高いから慣れてる」


「皆さん美人だから一人でも見ちゃうと思います」


「さり気なく褒められてるわ・・・ヨウ君。肩揉んであげようか?」


「思わず腕に抱き着いちゃうとこだったわ」


「あはは、でも最近皆さん、また綺麗になったような気がします」


「フフ、ステータスを上げた効果かもしれませんね」


「そう言えば、あの寝具のお陰で睡眠時間たっぷりだし運動してるし、で化粧のノリが良いような? ステータスも関係してるのかな?」


「僕もステータスを上げて体が引き締まったから、その影響もあると思いますよ?」


「お姉ちゃんも、ウエスト細くなったよね?」


「フフ、ノノもですよ? 今日フィットネスで皆さん確認して見ましょう、楽しみが出来ましたね」


「そっか、丁度良いわね」



 話をしているうちに僕らの順番が回って来て、ダンジョンに入る。


 地下1階に下りると今までの中級ダンジョンと同じで森林エリアのようだ、前に居たパーティは違う階層に行ったのか姿は見えなかった。



「此処は人が多いからジープでって訳には行かないけど、急ぐ必要も無いしゆっくり行こっか」


「ん、残念だけど仕方ないよ」


「じゃ、軽くジョギング程度で行きますね」


「「「「「了解!」」」」」



 <気配感知>を使いながら何時ものようにオーブやスキルをドロップする個体を優先的に倒して進んでいく。


 初見の魔物は低階層には居ないようだ。


 進むにつれ他のパーティを見かけるようになってきた。


 オーブやスキルをドロップする所を見られる訳にはいかないので注意しないといけないが、意外と何とかなるもんだ。


 あっ? そうだ、ドロップアイテムも<隠蔽>スキルで隠せないかな・・・



「皆さん、ちょっと良い事思いついたんで見てて下さいね」


「ん? うん」



 僕は皆が驚かないように声を掛けてノーマルの魔物を倒すと同時にドロップアイテムに<隠蔽>スキルを使った。


 僕が倒した魔物は絶対に素材を落とすから、これで気付いてくれる筈。



「えっ? あっ、なーるほどね」


「フフ、考えましたねヨウ様。これなら人が居ても、後でゆっくり回収出来ますね」


「えっ? どういう事なのよ?」


「フフ~、ナギサさん、ほらほらドロップアイテムですよ」


「何も出てない? そっか隠したんだ」


「正解! ちょっと試して見たけど大丈夫っぽいね」


「でも、僕達では離れたドロップアイテムに<隠蔽>スキルを使うの難しいかも?」


「そうね、ちょっと無理ね、手に触れてたら出来そうなんだけど」


「大丈夫、人が見てる時は僕がやるようにします」


「これなら懸念材料が1つ減ったわね」


「贅沢な懸念材料だけどね」


「あはは、ホントだ♪」



 これで人が居るところでも、オーブやスクロールを持っている個体も倒し易くなった。


 魔物の種類は今まで出てきた奴が殆どだったけど、色々な種類が出てくるのでスキルオーブ集めも楽だ。


 高値で売れる魔糸や虹糸とかも中級ダンジョンは上質な物が出るみたいだ、此処が人気があるのも頷ける。



「おい、見たかよ?」


「ああ、綺麗な姉ちゃん達だろ? 皆すげえスタイル良かったよな」


「違う、何見てんだよ」


「あの人達の強さよ、どうせ胸ばかり見てたんでしょ?」


「全ての魔物を一撃だぞ? オークまで居たんだぞ? 俺は初級ダンジョンのオークでも、あんな真似出来ねえぞ」


「それに全員ハッキリと顔が見えなかったわ、近づかない方が良いわね」


「だがよ、そんなに強いなら噂にぐらい上るだろ? 女ばかりのパーティでそんなの知らねえぞ?」


「あ~、お前は何も見てねえな、男も1人居たんだよ。小せえ奴だったが動きが早すぎて、どうやって魔物を倒したのかさえ分からなかった」


「あっ! 思い出した・・・」


「あいつ等、知ってるのか?」


「話を聞いただけなんだけど、此処とは違うダンジョンで男性1人女性5人パーティで、怖くて誰も近づけないって聞いた事があるわ」


「一番怖いのが、その男性って話しよ?」


「・・・いや、あの動きを見た限りじゃ、女共全員恐ろしく強いぞ・・・とりあえず俺達はあの強さが見れて運が良かった。知らずに絡んだらヤバかったな」


「近づかないほうが賢明ね」


「そう言うこった」



       ◇     ◇     ◇


 <ヨウ視点>


 最初ジョギングぐらいのスピードで走っていた僕達も、段々焦れて来て今は完全に走っていた。


 それでもステータスがカンストした僕達は疲れる事も無く楽しく会話する余裕まであった。



「私こんなに長く走ったの初めてかも、体が軽いって素敵だよ~」


「あはは、何ヒカリちゃんの真似してるのよ♪ ちょっと面白かったじゃない?」


「フフ~、明るい良い子でしたよね、流石にヨウ様の妹さんです♪」


「煩い奴だけど褒められると嬉しいもんですね」


「ヒカリ君、僕をテディーベアみたいに抱き着いてくるんだよね、可愛いよね」


「そういえば、良くツドイさんに抱き着いてましたね」


「・・・なーに? ヨウ君羨ましかったの?」


「えっ? そ、そんな事無いですよ・・・」


「ん、良いよ?」


「・・・ヨウ様、顔赤いです」


「ま、魔物が居ました、攻撃に移ります」


「フフ、畏まりました」



 僕達も魔物を色々倒したので素材も溜まっていった。


 これだけでも、かなりのお金になりそうだ。


 それに付け加えてオーブやスクロールがポロポロ出るので、此処は僕達にとっても最高に稼げるんだけど、人が多いのがネックなんだよね。


 今日はツドイさんのジープに乗れなかったから進むペースが遅いにも関わらず、午前中で地下8階まで辿り着いた。


 そろそろ帰ろうかと皆と話をしていると、僕の知っている気配を感じ取った。



「あっ? この階層に守護さん達が居るみたいですね」


「ヨウ様の同期の方達ですよね」


「う~ん、帰ろうかと思ったけど、少しだけサービスして上げても良いかな?」


「サービスって何するの?」


「えとですね、隠れて守護さん達が戦っている魔物に小石を当てるだけなんです」


「あ~、なるほどね♪ それだけでヨウ君のスーパードロップが発現しちゃうんだ?」


「スーパードロップって・・・」


「フフ~、優しいですね♪ ヨウ様」


「良かったら皆で行きますか? すっごく喜んでくれるので僕も楽しくって♪」


「あはは、なるほどね♪ まあ、気持ちは分かるわ」


「丁度、誰も居ないしね。でも、ヨウ君が<隠蔽>使ったら私達も分からなくなるわよ?」


「そうですね。じゃ、手を繋いで貰えますか?」


「にひひ♪ 上手く話しを持って行ったわね♪」


「えへへ! 役得です♪」



 こうして皆で手を繋ぎながら<気配遮断><隠蔽>を発動して守護さん達の所まで移動することにした。


 守護さん達を見つけると、丁度魔法スクロールとSPオーブを持っているコボルトと戦って居たので、少し距離があったけど片手で小石を当てて皆で見守っていた。


 守護さん達の戦闘を見守っていると、やはり中級ダンジョンのコボルトは少し強いのか苦戦しつつも何とか勝利していた。


 中々良いチームワークだと思う。



「コ、コトエ見て!」


「うはー、ちゃんと見てるで」


「あわわ、2つも出てる~~~♪」


「SPオーブと魔法スクロールじゃない?」


「ええっ? ホントだあああ♪」


「「「「やったあ~~~~~~!!!!」」」」


「でっ? 何のスクロールなの?」


「まあ、慌てんと・・・え~っと。き、来た<火属性魔法>や」


「嘘? 一番高いやつじゃない?」


「それ売ったら何億もするやつじゃない?」


「うっわ~、ねっ? どうする?」


「とりあえず、見られない内にカバンに入れましょ」


「そうね、見られたら危ないね」


「くぅ~、ようやく出たけど、まさか<火属性魔法>か~、夢が広がるやないの」


「ウフフ、習得したら戦闘がグッと楽になるわね、売ったら生活が楽になるわ」


「今日はもう帰って、部屋で考えよ?」


「そうよね、無くしたら大変だもんね、ナホの言う通り帰る?」


「せやな、まだ午前中やけど帰ってジックリ考えるのもええな、ユウカどないする?」


「ウフフ、じゃ帰ろっか♪」


「「「おーーーー♪」」」



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フィットネスクラブ、冒険者はまだしも、カンスト組に対応してるんかね? 見るの楽しみだけどギャグ時空になりそうw
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