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第34話 やっぱりリラさんって凄い人


「やったー♪ 皆凄いわ」


「くぅ~、冒険者って楽しいー」


「ふぅ~、倒せて良かったよ」


「フフ、皆さん強くなりましたね」


「バランスの良いパーティになりましたよね」


「やっぱり6人だと安定感がありますよね、すっごい楽な戦闘でした」


「んふふ♪ ドロップ品の確認も楽しみなのよね。良いわね冒険者も」


「そーそー、特に初見のボスだもんね、たっのしみ~♪」


「じゃ、確認しますね」



 僕はトロルキングがドロップしたスキルオーブを地面から拾って手に持つと、頭の中に浮かび上がってくるのは<超回復>のスキルだった。



「<超回復>ってスキルみたいです」


「・・・これって言葉通りのスキルなんだよねアヤメ?」


「そうね、自然治癒力が格段に上がるみたい。ただね・・・手足が千切れても再生するみたい・・・」


「「「「「はい?」」」」」


「僕達、段々人間離れしてくるね?」


「まあ、良いスキルなのは間違いないですよ♪」


「フフ~♪ 魔物素材は・・・これなんだろ?」


「えっと、キングトロルの舌みたいね、錬金術系の調合素材かな?」


「私も調べてみたけど、素材買取りリストにも無いみたいね」


「まだ未知の素材なんですね? じゃ、僕が持っときますね」


「それが良いと思います、最後が宝箱ですね」


「ん~、罠は無いみたいね」


「じゃ、ヨウ君開けちゃって」


「はい、ええっと・・・あれっ? またエリクサーかな」


「・・・ええっ~~~~~~~~~」


「なによ、アヤメ? エリクサーじゃないの?」


「こ、これって、エーテルって言う名前らしいんだけど」


「お~! 良く聞く名前ですね、回復薬なのかな?」


「・・・ちょっと信じられないんだけど聞いてね、「限界を極めた者が手にしたとき光り輝き、服飲を以って人と言う種の位階が上がり超越者としての道が開かれる」だって?」


「・・・うん、人間やめちゃう薬だね」


「フフ、ではヨウ様。どうぞお試し下さい」


「待って! ちょっと待って! 僕、人間じゃ無くなっちゃう?」


「とりあえず手に持ってみたらヨウ君?」


「・・・何かちょっと不安なんですけど、まあ持つぐらいなら・・・あわわ」



 宝箱に入っているエーテルを手に持ってみると、エーテルが輝き出し光を放っている。



「うわ~、やっぱりヨウ君って限界を極めてるんだ」


「おそらくヨウ様はステータスを最大まで上げているからでは無いでしょうか?」


「なるほどね、じゃ同じくステータスがカンストしてる、リラさんとノノさんも試してみよっか」


「そうですね、ヨウ様。お借りしても良いですか?」


「はい」



 やはり、リラさんの推測通り、リラさんとノノさんが手に持つと輝き、ステータスがカンストしていない者が持っても何も起こらなかった。



「どうやら、リラさんの言う通りみたいね」


「とりあえず保留しましょう、差し当たって困っていませんし」


「それが無難っぽいわね」


「分かりました。しかし、超越者ですか・・・フフ、ヨウ様に似合いそうです」


「そうですよヨウ様。何か恰好良いじゃないですか」


「いやいやいや、僕には全然似合わないですよ、何か怖いですし・・・」


「にひひ♪ その気持ちはちょっと分かるわ♪」


「んふふ、私達6人でも勝てない魔物が現れたら、皆で人間やめよっか♪」


「・・・それってフラグのような?」


「僕、人間やめる未来しか感じないよ?」


「ヨウ様となら喜んで」


「ヨウ様とお姉ちゃんが飲むなら、もちろん私も飲んじゃうかな」


「まあ、何があるか分かんないし、最低6本集めときましょうか」


「分かりました、それが良いですね」



 今度から、この中級ダンジョンの周回はキングトロルを倒すまでになった。


 この日は、これで帰る事になり昨日言っていた通り、僕とリラさんとノノさんはキャバクラへ行くので、その前に皆と外食してから一端別れる事になった。


 アヤメさん達は先に部屋へ戻っているそうだ。



「ヨウ様、洋服を用意しておきました。キャバクラへ行くなら此方の方が良いと思われます」


「ありがとう、リラさん」



 リラさんが用意してくれた洋服は背の低い僕でも似合いそうなカジュアルな服装で、特にジャケットがお洒落で僕もかなり気に入った。


 着替えは<虚空界>からの出し入れで簡単に出来るようになったので、凄く便利だ。


 リラさんが用意してくれた洋服に着替えリラさん達を待っていると、驚いた事にリラさん達も着替えていた。


 何時もの冒険者スタイルとは違い露出が多い訳でもないのに、凄くセクシーなワンピース姿だった。


 細くて長い脚から続く縊れた腰に大きな胸が強調されており、何処から見ても大人の女性の魅力に溢れた姿だ。



「うわ~! 二人とも凄くセクシーですね、見惚れちゃいました」


「フフ、ありがとうございます」


「フフ~♪ 新鮮で良いでしょ?」


「はい、凄く素敵です」


「ありがと、さあ行きましょうか」


「はい」



 後ろを歩くリラさん達を見たいので、歩きながら後ろを振り返りつつトールさんに連れて行って貰ったキャバクラに着いたので中へ入る。


 店内に入ると依然と同じ様にママさんが出迎えてくれた。



「良く来てくれました三日月様、あらっ? 今日は女性をお連れですか?」


「うわ~! 良く名前を覚えてくれてたんですね、ありがとうございます。女性が一緒でも大丈夫ですか?」


「ウフフ、大丈夫ですよ。それにしても、綺麗な方達ねウチで働いて欲しいぐらいだわ」


「あはは、駄目ですよ? 僕の大事なパーティメンツですから」


「あらっ? こんなに綺麗な女性が冒険者なのね。ウフフ、今日もスズカちゃんで良いかしら?」


「はい、お願いします」



 ママさんは僕達を席まで案内してくれて、しばらくするとスズカさんが来てくれた。



「初めましてスズカと言います、今日は宜しくお願いします」


「こんにちわスズカさん、今日はパーティメンバーのリラさんとノノさんにも来て貰ったんだ」


「そっかパーティメンバーだったんだ、私よりずっと綺麗な女性連れて来てくれたから吃驚しちゃったわ」


「ごめんね、こういう店があまり女性客は来ないって聞いたんだけどスズカさんが喜ぶと思って来て貰いました」


「うふふ、ありがと、ダンジョンの話も聞きたいけど、どうやったらそんなに綺麗に成れるのかも聞きたいわ」


「フフ、御上手ですね私達から聞かなくてもヨウ様から聞いていた通り、貴女とても可愛いですよ」


「ありがとうございます、双子なんですか?」


「いいえ、私は1才違いの妹です」


「へええ~ 双子じゃないのに凄く良く似てますね」


「あれ、ママどうしたんですか?」


「い、いえ、何でも無いわ。それより、お飲み物はどうされます?」


「何かお勧めってありますか?」


「ウフフ、私にそんな事聞いたらドンペリって言いますよ?」


「じゃ、それでお願いします」


「えっ? ヨ、ヨウ君。ドンペリってとっても高いのよ?」


「多少高くても良いですよ」


「ちょっとヨウ君、この店のドンペリって1本10万円よ? 大丈夫なの?」


「あはは、大丈夫ですよ♪ スズカさんも飲むでしょ? 2本お願いします」


「は、はい、ありがとねヨウ君」



 ママさんが黒服の男性に注文すると直ぐに持って来てくれ、スズカさんが丁寧な仕草でシャンパングラスに注いでくれる。



「じゃ、乾杯」


「「「「乾杯!!!」」」」


「うん、美味しいシャンパンですね」


「実はドンペリって初めてなの、嬉しかったりして♪」


「でも、本当に無理しないでね、今日は儲かっちゃったのかな?」


「いや・・・あはは、まあそんな感じです」



 僕はリラさん達と苦笑しながら美味しいシャンパンを傾けた。



「ヨウ様、少し席を外しますね」


「はい」



 リラさんは、お手洗いに行ったのか後ろの方へ歩いて行った。



「ノノさん達ってヨウ君のパーティメンバーなんですよね?」


「はい、そうですよ?」


「何故ヨウ君を様付けで呼んでいるんですか?」


「私とお姉様はパーティメンバーですが、ヨウ様にお仕えさせて貰ってますので、そうお呼びさせていただいてます」


「えっ? ヨウ君が雇ってるの?」


「そういう訳じゃないんですが、僕は呼捨てでも良いんですが、中々様付けをやめてくれなくて」


「ウフフ、駄目ですよヨウ様♪ これだけは、お譲りできませんよ」


「ふ~ん、こんな綺麗な女性2人に仕えて貰っちゃってるなんて、ヨウ君って実は凄い人だったり?」


「あはは、普通の新人冒険者ですよ」



       ◇     ◇     ◇

<リラ視点>


「フフ、私に何か御用でしょうかシノさん?」


「ごめんなさい、貴女ひょっとして天満リラさんなのでは?」


「流石に此処で店を構えているだけあって情報通ですね」


「・・・やはりそうでしたか。また、大物が来てくれましたね・・・最高のコンシェルジュと言われている貴女が何故冒険者に?」


「フフ、これでも元冒険者だったんですよ?」


「まさか、今の雇い主があの少年って訳じゃないんでしょ?」


「誤解の無いように言っておきますがコンシェルジュは引退致しました。ヨウ様に雇われている訳でも御座いません、お仕えさせていただいております」


「・・・貴女が仕えているなんて、一体あの少年は何者なのですか?」


「フフ、そうですねヨウ様への対応を間違えない様に、1つだけ言えるとしたらヨウ様はSランク冒険者です」


「・・・ま、まさか冗談にしか聞こえませんが、日本に一人しか居ない筈のSランク冒険者ですって?」


「いえ、そう言えば最近2人目が現れたのよね・・・それでも日本にたった2人。しかも、2人目は正体不明の謎の人物だったのに、あの少年がそうだなんて・・・」


「本来なら簡単にお伝えする事は出来ませんが、ヨウ様は日本で2人目になるSランク冒険者です。


このお店を気に入ってらっしゃいますので、くれぐれも対応をお間違えない様にお願い致します」


「・・・まだ誰にも認知されていない2人目のSランク冒険者だったなんてね、分かりました御忠告ありがとうございます。やはり大物が仕えている方は超大物でしたか・・・」


「ウフフ、やはり人生は危ういものですね・・・大変な過ちを犯すところでした」


「御察しありがとうございます。ですが、ヨウ様の御気に入りでしたので差し出がましい事をしたまでです、どうかお気にせず」



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