第33話 さて大事な問題ですよ
評価やブックマークして下さった方、ありがとうございます。
とても嬉しいです♪
「あっ? そうだ、大事な問題を忘れてました」
「なになに?」
「パーティを組んだのですから報酬の分配です! お給料ですよ」
「要らないわよ? 全部、ヨウ君の力じゃない?」
「そう言う訳にはいかないですよ、パーティなんだし公平にしないと」
「・・・ちなみに三日月君は幾らぐらいと思ってるのかな?」
「えっと、今回のオークションだけなら2兆2000億円だからギルドに払う1割抜いてから6等分すると・・・」
「一人3300億円ですね!!!」
「「「「ブッ!!!!!」」」」
「リラさん僕のギルドカードから皆に振り込んで貰って良いですか?」
「畏まりま・・・」
「ちょっと待ったーーー! ストップ! 駄目、駄目、駄目、何考えてるのよー」
「私も無理よ? そんな額、無理、無理、無理!!!」
「僕も無理だよ?」
「私とノノの所有物はヨウ様の物なので、お預かりするみたいなものですね」
「お姉ちゃんの言う通りです」
「だって、パーティなら分配するのが基本じゃないですか?」
「て、程度って物があるでしょーーー、もっと減らして」
「・・・じゃ3000億円で」
「ブッ!? もっともっと、ずーーーーと減らして」
「え~・・・じゃ、2000億円で」
「三日月君、100万円ぐらいが妥当じゃないかな?」
「少なすぎますよー」
「フフ、ヨウ様。皆様に渡したオーブやスクロールの価値を換算致しますと3300億円程度ではありませんので、今回は不自由なく贅沢な人生を送れる程度。つまり100億円で宜しいのではないでしょうか?」
「う~ん、めちゃくちゃ少ない気がしますけど、リラさんがそう言うなら・・・」
「リ、リラさん? それでも多すぎるんだけど?」
「どこかで落とし所を作りませんと、話が終わらないかと」
「わ、分かったわよ。う~、とんでもない事になっちゃった・・・」
「わわわ、100億円って本気なの?」
「僕使い切れるかな・・・車代で預かった100億円も、いっぱい車買ったけど全然減らないんだけど?」
「じゃあ、今回は僕が預かっておきますけど、足りなかったら何時でも言って下さいね」
「も~、これでも貰いすぎなんだからね?」
討論の末、今回の報酬は100億円に決まり、皆のギルドカードに振り込ませて貰った。
皆スマホで現在額を確認して貰ったら、桁を数えるのが大変みたいだった。
「ねえ、アヤメ? 聞きたいんだけど買いたい物ってある?」
「そりゃー、いっぱいあるけど・・・今のお給料でも買えるのよね」
「私もそうなのよ・・・そう考えると100億円って何に使うのか分かんないんだけど?」
「う~ん、ツドイさんは何に使うのかな?」
「僕、もう欲しい物全部買っちゃったよ」
「ああ、ヨウ君の車だよねツドイさんの欲しい車って無いの?」
「僕、色んな乗り物に乗るのが好きだから、乗れたら満足かな」
「って事はツドイさんも無いって事か」
「リラさんとノノさんは、買いたい物って何かな? 言っとくけど自分の物よ」
「「・・・・・・・」」
「お姉ちゃんは、ある?」
「・・・今考えてるのですが、思い付きませんね」
「あれっ? 私も思い付かないや・・・」
「結局は皆100億円あっても使い道が分からないのね、お金使うのって意外と難しいのかな」
「あはは、そう言えば、僕も大した物買ってないですね♪」
あっ? そういえば、そろそろ実家にも仕送りしないとだ。リラさんに相談しなきゃ。
「リラさん、リラさん! そういえば、僕そろそろ実家に仕送りしなきゃいけないのですが、どれぐらいが妥当でしょうか?」
「・・・本来ならば御自身の負担にならない程度なのですが、ヨウ様は個人では世界一の富豪に成られましたので難しい所ですね。
普通であれば月10万円でも年間120万円、平均年収が400万円程度と考えますとギリギリの生活となり、ご両親様が心配なさるでしょう」
「稼ぎの良い冒険者だとしても仕送りは月20~30万円が限度かと思われます」
「そっか・・・いっぱい送って上げたいけど、30万円にして稼ぎが良かった事にします」
「フフ、それが宜しいかと」
「そうよねー、何億って子供から送られてきたら、悪い方向に人生変わっちゃいそうですもんね」
「ヨウ様ぐらいの年齢で、これだけの大金があれば自堕落な生活になりそうなものですが、ヨウ様は立派なお方ですね」
「えっ? 凄く豪遊してると自分では思ってるんですが?」
「まあ、豪遊・・・よね」
「間違いないよね・・・」
「豪遊・・・間違いないよ」
「豪遊って、お酒に女性に素敵な場所・・・揃ってるよね?」
「フフ、そうですね♪」
「良かったです♪ じゃ、僕豪遊しながら素敵な女性達と好きな冒険者やって幸せ者ですね」
「んふふ、褒めすぎよ! そうね私達も幸せよ♪」
「そうだ、明日ダンジョンの帰りに、キャバクラって店に皆で行きませんか?」
「えっ? ヨウ君、キャバクラってどんな所か知ってるの?」
「はい、この間トールさんって言う先輩冒険者の方に連れて行って貰ったんです」
「・・・アヤメなんか返答に困るわね?」
「フフ、ヨウ様はキャバクラで働いていた、田舎から出て来てキャバ嬢になった女性と話がしたいのだと思われます」
「はい、僕と一緒で高校を卒業して直ぐに大阪に来て働いてるそうなんだけど、冒険者の話が好きみたいだから、皆とも話をしたらきっと喜ぶと思います」
「つまり、ヨウ君みたいな新人の女の子を応援して上げたいんですよね?」
「はい、きっと喜ぶから皆で行きませんか?」
「僕もあまり知らないけど、たぶんキャバクラって女性が行く所じゃないよ?」
「えっ? そうなんですか?」
「う~ん、普通は男性が行く所だと思うわよ?」
「ヨウ君が知ってる訳ないよね、キャバクラって男性が綺麗な女性とお酒を飲む所よ」
「そういえば、女性のお客さん居なかったかもです・・・」
「フフ、ヨウ様。そう残念がらなくても絶対に女性は駄目と言う事は無いと思われますので、私とノノの3人ではどうですか?」
「そうよね、流石に女性5人で行ったら迷惑かもしれないですし、2人ならカップルみたいですからね」
「・・・普通男性がキャバクラ行くなら、私達に隠して行くと思うんだけど、まさか誘われるなんてね」
「んふふ♪ ヨウ君純粋だもんね、1人で行くなら騙されそうだけど、リラさん達と一緒なら良いんじゃない?」
「良かった、アヤメさんとナギサさんとツドイさんは、次回にでも順番に行って貰っても良いでしょうか?」
「まあ、良いけど・・・ちょっと見てみたいしね」
「あはは、まさかキャバクラに行く時が来るなんてね、面白そうじゃない」
っと言う訳で、明日はダンジョン帰りにスズカさんの居るキャバクラに行く事にした。
翌日すっかり慣れて来た何時もの中級ダンジョンへ行き、地下1階からの攻略開始する。
人気の無い所なので最初からツドイさんにジープを出して貰い、僕の指定した魔物に移動していく。
高低差のある山林でも、広ささえあればグイグイ進んでくれる車なので、機動力は以前の比では無くなっている。
あっと言う間に地下10階のボス部屋まで到着し、スケルトンキングに挑むが6人パーティになった僕達には攻略は簡単だった。
今日も<言語理解>のスキルオーブと魔石やエリクサー3本が手に入った。
「そういえば魔石って高く売れますけど、何に使ってるんでしょうね?」
「う~ん、私もハッキリとは分からないわね、中級ダンジョン以降なら結構ドロップするみたいなんだけど」
「今日もエリクサー3本出ちゃったね・・・」
「これは幾らでも欲しい物ですから助かりますね」
「売ったら6兆円か、全く現実感が無いんだけどね」
「あはは、僕もです」
それからもサクサクと階層を攻略していき、オーブを回収していく。
高く売れる素材としては、地下14階に居るアップルバードがドロップするアップルミートが30万円で売れる。
高額なだけはあり、メチャクチャ美味しい鶏肉だ! 鶏肉の濃厚な旨味に加えリンゴのような爽やかな酸味が後を引く。
これは売らずに結構な量をストックしている。もちろん、僕達用なんだけどね。
地下16階のキラービーからは高級ハチミツがドロップし、10万円で売れるそうなんだけど甘党の僕は売らずに全てストックしてたりする。
朝トーストに塗って食べると最高に美味しいので、僕のお気に入りになってたり。
地下19階のマナバイソンからドロップする牛肉は、50万円の高値で売れるだけあり、魔力を帯びた最高級霜降り肉だった、もちろん全てストックしてます。
地下20階のゴーレムからドロップするコアは何と500万円で売れたりします。
どうやら魔力を蓄積する素材の様で様々な装備の材料として重宝しているらしい。
これはアヤメさんの装備に使えるんじゃないかと思いストックしている。
今度、武器屋さんと防具屋さんに聞いて見る予定になってます。
そして、今日いよいよ地下20階のボスに挑む事になった。
アヤメさん達のステータスも全て60を超え、スキルの使用にも慣れて来たので安全マージンは十分取れたかと思う。
一応ノノさんにも聞いた所、脅威は感じるけど命の危険まで感じないらしいので大丈夫だと判断した。
大きなボス部屋の扉を潜りボスの姿を見てみると、スケルトンキングより大きな巨体が部屋の奥に佇んでいた。
丸太のような太い腕には大きなハンマーが握られており、広い攻撃範囲に攻撃力の強さが伺える。
「トロルキングって言うみたいよ、強い再生能力を持っている魔物だって」
「相変わらずアヤメさんの<鑑定>って便利ですよね、再生能力持ってるならそれを上回る攻撃をしないとですね」
「はい、作戦を考えましょう」
僕達は皆で作戦を考え実行に移した、先制攻撃はアヤメさんの<ファイアボール>がトロルキングの顔面に炸裂した。
バランスボールぐらいの大きさに練られた、その威力は激しい衝撃と共にトロルキングの上半身を炎に包み込んだ。
続くナギサさんが放つ矢は大きなハンマーを持っている肩へ何本も突き刺さり攻撃力を半減させていく。
リラさんとノノさんは両足を攻撃し、僕は背後に回り延髄を攻撃した。
止めの一撃はツドイさんの振るう薙刀の一閃だった。
振り被られた長い薙刀はトロルキングの肩口から袈裟斬りに入り、トロルキングが大きな音を立てて崩れ落ちる。
トロルキングが光の粒子となり消えていくのを確認し、僕達はハイタッチをして喜びを分かち合った。