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第273話 生活が掛かってる男の根性は一味違いますよ

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。


 パチッ! キョロキョロ・・・


 朝、目が覚めて辺りを見回すと、一応全員シーツを被っていたのでホッとする。


 何気に正面を見ると、ギュリさんと目が合いギョッとしてしまった。



「おはようございます・・・」×ギュリ


「おはようございます。早いですね?」


「目が覚めると凄い光景だったので、シーツを掛けてました」


「あ、あはは、何時も朝起きると、吃驚しちゃうんですよね」


「朝は、正気に戻っちゃうんですか?」


「い、一応、夜も正気のつもりなんですけど?」


「獣さんでしたよ?」


「ある程度は、仕方ないんですよ?」


「うふふ、冗談です♪」


「でも、不思議な感覚です。頭が真っ白になりました」


「痛かったですか?」


「それ、聞きます?」


「気になるんで?」


「・・・女に生まれてきて良かったですよ?」


「解釈に困る返答ですね?」


「うふふ、貴方は凄い人です。何から何まで超人なんですね?」


「僕は、普通の田舎者ですよ」


「田舎って、魔界の事ですか?」


「そんな訳ないじゃないですか? そんな事言う人には、こうしちゃいますよー」


「ひゃ! シーツを引っ張っちゃ駄目ですよ?」


「ギュリさんが釣れました!」


「あ、明るいと恥ずかしいですね?」


「恥ずかしがるとこが、可愛いんですよ?」


「意地悪ですね?」


「気のせいです!」



 しばらくギュリさんと朝の一時を過ごし、全員キスをして起こしていった。


 全員メチャクチャ照れていたけど、皆一緒なので明るい笑顔を見せてくれた。



「えっ? あ、足に力が入らない?」×シュアン


「くっ! む、無理みたいだな」×ソヒョン


「最初は何故か皆そうなるんですよね、僕が連れて行きますから大丈夫ですよ」



 僕は、シュアンさんとソヒョンさんを抱き抱えた。



「は、恥ずかしいんですけど?」×シュアン


「まさか、このまま運ぶ気か?」×ソヒョン


「お気にせず?」


「「気になるってーーーーー!」」



 皆を抱っこしてリビングへ連れて行くと、案の定、皆から冷やかされてしまった。



「アヤメ姉さん達も立たれへんかったらしいから、皆一緒やで?」×コトエ


「コトエー、何バラしてんのよ? 恥ずかしいでしょー」


「あはは、堪忍やって♪ しゃーけど足腰立たんようなるって言葉、ホンマやってんな~」


「イーノォちゃん、大丈夫だった?」×ナギサ


「何か、うわ~ってなって、ぶわ~でした?」×イーノォ


「ヨウ君。やりすぎよ?」×アヤメ


「ちょっと待ってください! 今の説明で何が分かったんですか?」


「ぶわ~は、やりすぎ?」


「そ、そんな~」


「あはははは♪」×全員



 照れまくるシュアンさん達は、今日ダンジョンはお休みし、スキル訓練をするそうだ。


 なので、僕達は武蔵を鍛えに行くことにした。


 武蔵とは何時もの堺市西区のギルド前で待ち合わせをしており、僕達が行くと既に待っていてくれた。



「おはようございます。早いですね~」


「子供じゃねえんだから、待ち合わせの時間に遅れたりしねーよ」×ムサシ


「ではでは、行きましょうか」


「・・・・・・」


「どうしたんです?」


「いや、朝だってのに、凄え目立ってんなと思ってよ」


「あはは、私達? 何時もの事だから気にしなくて良いわよ?」×アヤメ


「あんまり気にしてなかったけど、改めて見ると綺麗な人達だよな?」


「んふふ、そんなお世辞言うタイプには見えないけど?」×ナギサ


「いや、ちょっと、異常なぐらいだろ?」


「言っときますけど5人共、僕の大事な奥さんですから手を出したら殺しますよ?」


「ぶ、物騒な事言うなよ・・・それにしても5人共ってか? モテるんだな。まっ、俺には関係の無い話しだが」


「女性に興味が無いのかな?」×ツドイ


「そんな事ねーけど、今はそれどころじゃねーんだよ」


「フフ、今時には見ない立派な方ですね」×リラ


「フフ~ 私もそう思うな~」×ノノ


「お金稼ぎも良いですけど、僕は冒険者を楽しんで欲しいですね~」


「・・・金に余裕が出来たら、両方考えてみるよ?」


「とりあえず、稼がないとですね。さっ、行きましょうか」


「ところで訓練って、どんな訓練するんだ?」


「ん~ 簡単に言うとですね、フォレストウルフを狩りまくって貰います」


「えっ、それだけか?」


「しばらくは、それだけになると思いますよ?」


「なんだ、脅すからどんな厳しい訓練かと思ったじゃねえか」


「そんなに厳しいわけ、ないじゃないですか?」


「とりあえず、これ飲んで貰えますか?」


「ポーション? 俺、怪我なんてしてねえぞ?」


「これはスタミナポーションです! ちょっと走りますから飲んどいて下さい」


「あ、ああ」


「・・・スタミナポーションまで用意するって事は、かなり本気なんだけどな?」×アヤメ


「ええ、精神的にキツイんだよね。大丈夫かな?」×ナギサ


「祈るしかないね」×ツドイ


「南無~」×ノノ


「フフ、縁起でもないですよ?」×リラ


「・・・・・」×ムサシ


「ほらほら、外野は気にしないで行きますよー」


「あ、ああ」



 それから、武蔵のウルフマラソンが始まった。


 ひたすら<気配感知>スキルオーブを持っている個体を倒し続ける。スキル持ち個体は倒したら直ぐにリポップするのでありがたい。


 武蔵は僕の指示通り魔物を倒すと、直ぐにダッシュで次の個体を目指し走り続けた。


 フォレストウルフは、そんなに強い魔物じゃないので武蔵の武器なら一撃で倒せるんだけど、スピードが速いので何度も武器を振るう必要があった。


 武蔵の武器は結構重たいので、連戦に次ぐ連戦はスタミナポーションを飲んでいても疲れが溜まって来る。


 もちろん、無傷と言う訳にもいかないので、僕は定期的に<ヒール>で治して上げた。


 そんな事を約3時間程続け、そろそろお昼になってきたので休憩に入る事にした。



「そろそろ、休憩がてら昼食にしましょっか。昼からペース上げますからシッカリ休んで下さいね~」


「ゼェーゼェー、ハァーハァー、マ、マジか・・・」


「あはは、疲れちゃった? スタミナポーション飲んでるからマシでしょ?」×アヤメ


「それ飲んでなかったら俺、心臓止まってるかも?」


「んふふ、でも武蔵君って根性あるわね~ 普通ならもうとっくに心が折れてるところよ?」×ナギサ


「うん、立派、立派♪」×ツドイ


「フフ、流石、男の子ですね」×リラ


「全然、泣き言を言わないもんね~ 凄いわ」×ノノ


「ありがとな。でも、思ったよりキチーって」


「あはは、本番はこれからですよー


昼からは走りながら魔物の気配を探って下さいね。魔物に奇襲されたら死ねますから?」


「わあったよ。それにしても一緒に走ってるのに、何で疲れねえんだ?」


「あはは、ゆっくりですからね」


「はあ?」


「ヨウ君の移動速度が、こんなに遅い訳無いでしょ?」×ナギサ


「ヨウ君は、新幹線より速いよ?」×ツドイ


「ぐはっ! ど、どんだけ規格外なんだよ?」


「あはは、頑張って強くなりましょうか」



 昼からの訓練はぶっ通しで5時間続いたが、武蔵は何とか食らいついて頑張っていた。


 流石に少しは根を上げるかなと思ったけど、やはり生活が掛かってる人間は強いな。


 残念ながら狙っていた<気配感知>スキルはドロップしなかったけど、まだ初日だから仕方ない。


 一週間程続けてドロップしなかったら、少し予定を変えなくちゃね。


 僕が少し手伝っているとはいえ、ほぼ自力でどこまで出来るか頑張って貰わないと。


 こうして、武蔵は頑張り続け今日で3日目となった。



「フゥ~ なんやかんやで慣れてきたな」×ムサシ


「貴方、呆れるぐらい根性あるわね?」×アヤメ


「そだよー、普通これだけ魔物と連戦したら体力は兎も角、精神的に疲れると思うんだけど?」×ナギサ


「疲れるとか言ってらんねえよ、俺なんかの為に鍛えて貰ってるんだからな。死に物狂いで頑張らねえとよ」


「漢だね~」×ツドイ


「フフ、流石にヨウ様が気に入る方なだけは、ありますね」×リラ


「そういうの、嫌いじゃないよー」×ノノ



 そろそろ、3日目が終わろうとしている頃、武蔵が倒したフォレストウルフが何か光る物をドロップした。



「あっ! ああ~~~~~~~~~」×クレセントメンバー


「んっ? なんだこれ?」


「そ、それ~~~~~~~~~~」×クレセントメンバー


「やたーーー!!!!!」×クレセントメンバー



 僕達は武蔵を胴上げし喜びを分かち合った。それもそのはず、ドロップしたのは<気配感知>スキルオーブだったからだ。



「お、おい、どうしたんだよ?」


「これよ! これ! これがスキルオーブなんだって」×ナギサ


「えっ? ええええええええええっ!!!」


「マジかよ? 本当にドロップしたのか・・・うわっ! 本当だ手に持っただけで<気配感知>のスキルオーブってのが分かる」


「あはは、おめでとうございます」


「おめでと~♪」×アヤメ達


「あ、ありがとう、本当にドロップするんだな~」


「私も普通にドロップするとこ初めて見たかも?」×アヤメ


「それはそうでしょう。かなり、低確率ですからね」×リラ


「ついてるね~ 武蔵君」×ノノ


「根性の賜物だね」×ツドイ


「武蔵ってLUK高い方だから、ひょっとしたらドロップするかもと思ってたけど本当にドロップしたね~」


「ありがとな、俺スッカリ忘れてたよ」


「あはは、無欲の勝利ですね」


「じゃ、早速、習得しちゃって下さい」


 ゴクッ! 「なー、これ売ったらメチャクチャ高く売れるんだよな?」


「駄目ですよ? 死にたくないでしょ?」


「あ、ああ、分かったよ・・・後ろ髪惹かれやがるな」



 武蔵は迷いながらも<気配感知>スキルを胸に抱えると、光の粒子となって武蔵の胸に取り込まれていった。



「おお~ ステータスが見えるようになった。凄え~な、これ?」


「おめでと~♪」×クレセントメンバー


「ありがとう。メチャクチャ嬉しいよ」


「さて、明日から次の段階に進みますね~」


「なんか怖えな・・・」


「明日は、地下13階に場所を移しますね」


「うはっ! 俺そんな深い階層入った事ねえぞ?」


「大丈夫ですよ! 僕達が付いてますから。それよりも、<気配感知>スキルの使い方を説明しときますね」


「ありがてえんだが、俺そろそろ帰らないとなんだわ」


「ん~ それなら、説明は武蔵の家でしましょうか?」


「はあ? 俺の家でかよ・・・」


「駄目ですか?」


「駄目ってことはねえけど、師匠達が家に来たら弟妹達がメチャクチャ驚くぞ?」


「面白そうじゃない? それなら一緒に外食にしよーよ」×ナギサ


「そういや、私達も外食は久しぶりね」×アヤメ


「・・・外食か、弟妹達は喜ぶだろうな」


「じゃ、決まりですね~ 行きましょうか」



 武蔵はダンジョンから出ると直ぐに妹へ電話し、僕達と一緒に外食に行くことを説明していた。


 案の定、メチャクチャ喜んでいた様だ。


 初めて会う僕達を嫌がらないかと思ったけど、武蔵から詳しく話を聞いているらしく、何故か歓迎ムードになっている。


 早速、ツドイさんが車を出してくれたので、武蔵の家に向かった。



「な、なんて車だよ? 車なんだよな?」


「あはは、もちろん車ですよ」


「なんで、車にテーブルがあるんだよ?」


「ん~ 飲み物を置くため?」


「あ、あれ、俺の常識がおかしいのか?」


「んふふ、大丈夫よ! 普通の車にはテーブルなんて付いてないからさ」×ナギサ


「だよな? しかし、金持ちの車って凄いんだな」


「ククッ! 武蔵君も車の免許取らないとだね?」×ツドイ


「そんな余裕ねえけど、車があったら弟妹達は喜ぶだろうな」


「僕も車の免許取ろうかな?」


「ヨウ君は車の免許なんて要らないよ? 一生僕が運転するからさ」×ツドイ


「ありがとう。ツドイさん」


「もう、武蔵君が居るのに惚気てるの?」×アヤメ


「そんなつもりで、言ったんじゃないよ?」


「僕も一生愛します。ツドイさん」


「あ、駄目・・・僕、事故りそう」


「駄目え~~~~~~~~~」×アヤメ達


「冗談だよ♪」


「何が冗談よ? 目がハートマークになってるじゃない?」×アヤメ


「フフ、少しツドイが羨ましいですね」×リラ


「もちろん、皆も一生愛します。僕の掛け替えのない大事な奥さんですから」


「も、もう・・・・・」×アヤメ達


「あのよ? 俺も居るんだけど?」×ムサシ


「えっと、ごめんなさい?」


「車の免許もだけど、彼女も作らないとですね?」


「俺にそんな余裕ねえって、まあちょっと羨ましいけどな?」


「フフ~ 頑張ってね武蔵君。強い冒険者はメチャクチャモテるんだから」×ノノ


「あはは、稼げるようになったら考えるよ」


「おっ! 着いたみたいだな。何にもない家だけどよ、茶ぐらいだすよ」


「じゃ、お言葉に甘えさせて貰おうかな」



 武蔵の家は小さいながらも、掃除が行き届いているのか綺麗な家だった。


 僕と同じ18歳なのに、この家の管理と弟妹達を養ってるなんて感心してしまう。



「ただいま~」×ムサシ


「おかえり~ お兄ちゃん、お客さんは?」


「ああ、来て貰ってるぞ」


「えっ! お、お兄ちゃん?」


「こいつが師匠の三日月陽だ! 後ろに居るのが同じパーティの女性達だぞ」


「こんにちはです」


「か、可愛い・・・」


「あはははは♪」×アヤメ達


「笑う事ないじゃないですかー」


「怒んないの♪ ヨウ君って中学生から見ても可愛いのね?」


「あっ! す、すみません」


「もう慣れてるから、気にしなくて良いですよ?」


「そ、それにしても芸能人? いえモデルさん?」


「あ~ 吃驚するのは分かるけど、兄ちゃんと同じ冒険者だぞ?」


「う、嘘・・・変だよ、綺麗過ぎるよ?」


「んふふ、ありがと♪ 貴女も可愛いわよ?」×アヤメ


「お、お兄ちゃん、私可愛いって」


「馬鹿、喜ぶなよ。レベルが違うだろ?」


「そりゃそうだけど~ 可愛いなんて言われた事無いんだもん」


「俺は、何時も可愛いと思ってるぞ?」


「お兄ちゃんに言われてもさ~?」


「あはは♪」×クレセントメンバー


「ほら、お客さんに、お茶淹れてくれよ」


「えっ! インスタントコーヒーしか無いよ?」


「・・・そっか、茶って結構高かったからな。悪い、コーヒーで良いか?」


「もちろんですよ」


「座っといてくれよ、直ぐ持ってくから」


「どもども」



 僕達は家の中に上がらせて貰い、居間に入ると武蔵の弟さんだろうか少年が座っていた。



「おかえり、兄ちゃ・・・ん?」


「こんにちは」×クレセントメンバー


「えっ! ええ?」


「んふふ、武蔵君と、よく似てるわね」×アヤメ


「うんうん、可愛い~」×ノノ


「に、兄ちゃ~~~ん」


「どした、亮?」


「な、なんか、えっ? 凄え、綺麗で一杯・・・」


「落ち着けって。お客さんが来るって言っただろ?」


「き、客? 客って凄えーーー」


「何、訳の分からん事言ってんだよ?」


「だって、兄ちゃん天使みてえだぞ?」


「馬鹿! それより兄ちゃんの師匠に挨拶しとけって」


「兄ちゃんの師匠って、女だったのか?」


「馬鹿! 目の前に居るだろ?」


「えっ? お、男?」


「・・・男ですよ?」


「ぷっ! あはははは♪」×アヤメ達


「ひぃ! だ、駄目お腹痛いぃ~」×ナギサ


「クッ! 駄目だよ、また怒られるぅ~」×ツドイ


「スゥーハァー、スゥーハァー」×リラ


「あはは、リラ姉、我慢し過ぎぃ~」×ノノ


「くぅ! も、もう駄目」×アヤメ


「こんな可愛い子が、兄ちゃんの師匠なのか?」


「ひぃ~! だ、駄目だって、もう許してぇ~」×ナギサ


「・・・5人共アウト~~~」


「ええっ!」×アヤメ達


「お、お尻バットは駄目だよ?」×ツドイ


「大晦日じゃないのに~」×ナギサ


「わ、私は、笑って何ていませんよ?」×リラ


「リラ姉狡い~ プルプルしてたじゃない?」×ノノ


「あんまり失礼な事言うなって亮、師匠は凄え冒険者なんだぞ?」


「へえ~ お前、可愛い顔してんのに凄えんだな?」


「くぅぅ~」×アヤメ達


「こ、この子に殺されるぅ~」×ツドイ


「ひぃ! ひぃぃ」×ナギサ


「こら亮! 年上に向かって『お前』ってなんだ? 謝れって」


「えっ? ごめんな。年上だったのか? すみませんでした」


「ひぃぃ~~~♪」×アヤメ達


「しょ、小学生に・・・こ、呼吸が、止めて! 僕、死んじゃう」×ツドイ


「ハハ、ツドイさん?」


「ゆ、許してーーー♪」



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