第267話 今日は人助けの日みたいです
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盛大に開いてくれた冒険者ランクSS達成パーティもお開きになり、招待した皆さんも帰っていった。
当然、お礼として招待した皆さんには、本物のビューティーポーションを、その場で飲んで貰った。
おそらく、その効果を実感するのは自宅へ着いてからだと思うけど、それぐらいのサービスはしとかないとね。
そして最後に、らあ君だけ残って貰った。そう言えば、直接此処へ連れてきたから靴もないんだったよね。
「今日は来てくれてありがとう。そろそろ送りましょうか?」
「うんん。呼んでくれて嬉しかったわ。しっかし、本当にとんでもない人だったのね?」×らあ
「にしし、何てったって神様だもんね~」×イスズ
「そんな訳、無いじゃないですか?」
「私にとっては、神様なんだもの?」
「何言ってんだかと思ってたけど、神様って言われても納得するしかないわよ?
まさか、こ~んなに彼女が居るとは思わなかったけど?」
「・・・あはは、僕は果報者です」
「唄姫でさえ、普通に思えるぐらい超絶美人揃いだし、果報者ってのは間違いないわね」
「ねーねー、らあ君も此方側に来ない?」
「な、何言ってるのよ、この爆弾娘は・・・」
「だって、らあ君もヨウ君に惹かれてるでしょ? 私も、らあ君の事が好きだしさ」
「駄目ですよイスズさん? そんな安易に誘っちゃ?」
「ヨウ君も好みのタイプでしょ?」
「そりゃそうですけど、僕は特殊過ぎですから?」
「んふふ、ヨウ君にも自覚があったんだね~」×ナギサ
「何か僕の事を誤解してるでしょ?」
「あはは、そんな事ないけどさ、その娘ほっといたら病んで自殺しそうだから、本人が望むなら良いんじゃない?」
「ほらほら~ ナギサさんもこう言ってくれてるし? 後は、らあ君次第だよ?」
「本気で言ってるの?」
「本気だよ~ 考える様な事じゃないよ、本能に従わなきゃ?」
「あ、貴女って娘は・・・でも、そうね。何故か私もそんな気がするわ。
ねえヨウ君? 私も奴隷で良いからさ、ハーレムに入れてくれない?」
「えええっ! ど、奴隷って?」
「こんな、凄い人達の前じゃ、私なんてモブもいいとこだしさ。
ヨウ君って、どう考えても私の理想の相手なのよね・・・
どんな事でもするわ。言われたとおりにするから、どうか、どうか。
おなしゃす!」
「んふふ、今世間で大人気の芸能人から、ここまで言われるなんて男冥利に尽きると思わない?」×アヤメ
「思いますけど、良いのかな?」
「もっと、単純に考えたら? 好きなの? 好きじゃないの?」
「もちろん好きですよ? 驚いた時の表情がとっても可愛いです」
「えっ! も、もう、言っとくけど、私を驚かせる事が出来るのはヨウ君ぐらいなんだからね?」
「それじゃあ、OKって事で良いんだよね、ヨウ君?」×イスズ
「はい、もちろんです!」
「やったー、良かったね、らあ君♪」
「ありがとう! や、やだ、泣けてきちゃう・・・」
「らあ君。これから宜しくね~」
「ちょっと待って下さい! ちゃんと言わせて下さい。
コ、コホン!
最初会った時から、とっても可愛いと思ってました。
僕は秘密が多いので色々と隠してきたんですけど、そんな気遣いもせず、僕の能力を見せても普通に接してくれたのが嬉しかったです。
僕は彼女が多いですけど、全員平等に愛する事を誓ってます。
僕からもお願いします! 栗生らあさん。僕の彼女としてクレセントへ入って下さい」
「はい、喜んで♪」
らあ君は、五十鈴さんと共に目に、涙を浮かばせながら喜んでくれた。
それを、見ていると僕も貰い泣きしてしまった。
「ぐすん! らあ君良かったね♪」×イスズ
「ありがとう。全部、爆弾娘のお陰よ」×らあ
「こんな時ぐらい、名前で呼んでよー」
「あはは、本当にありがとう。五十鈴♪」
「これから、もっと仲良くなれるね?」
「貴女、友達まで狙ってたんじゃないでしょうね?」×アヤメ
「えっ! いやいや! やだな~ 誤解ですよ?」×イスズ
「怪しいな~」
「そんなジト目で見ないで下さいよ~ あはは」
「どういう意味なの?」×らあ
「そ、そうだ、クレセント本部を案内してあげる、いこいこ♪」
「あん、もう待ってよ、ヨウ君これからよろしくね」
「はい、こちらこそ」
らあ君は、五十鈴さんに引っ張って行かれた。
クレセントに入るなら、色々と説明があるんだけど、それはまたゆっくりで良いか。
なんやかんやで、芸能人も2人になり、新たなクレセントメンバーを迎え喜ぶ事にしよう。
「んふふ、モテるわね。プレイボーイさん?」×アヤメ
「アヤメさん達ほどじゃ無いですよ?」
「あはは、明日はどうするの?」
「えっと、近場で、まだ行って無いダンジョンに行こうかな、って思ってます」
「なるほどね、『グランドクロス』や『メイデンガーデン』の為にでしょ?」
「それもありますけど、クレセントメンバーのSPオーブ集めの為にも、新規開拓しとかないと」
「そっか、それもあったわね」
「はい、大阪6区にあるダンジョンは隈なく行って貰うとして、堺市の方も行ってみようかと思ってます」
「なるなる、ヨウ君も色々考えてるんだね~」
「あ~ 僕が何も考えてないと思ってたでしょー」
「んふふ、ダンジョンの事を考えてると思ってたわよ?」
「間違ってないから、何も言い返せないじゃないですか?」
「ヨウ君は、ブレないからね~」
「たまには、私達も構ってね」
「もちろんですよ」
翌日、僕達は堺市にあるダンジョンに足を運ぶことにした。
どうやら、堺市にも初級、中級、上級ダンジョンが幾つかある様だ。
僕達はまず、堺市堺区にある初級ダンジョンへ行くことにした。
ツドイさんに車を出して貰い到着すると、やはり大きなビルの中にある様だ。
ビルの中に入ってみると、カウンターに多くの受付嬢がいる。
もはや、当然の様に美人揃いだ! なんで受付嬢さんは皆美人なんだろうと思いながらも、慣れてきている自分もいる。
そして、これも当然の様に、僕達は注目を集めている様だ。
その場に居る全員が、僕達と言うかアヤメさん達を見ている。
僕は少し優越感に浸りながら、受付嬢の所へ行き手続きをすることにした。
受付嬢を選ぶ素振りを見せたら、またアヤメさん達に突っ込まれそうなので、一番近くの受付嬢さんにした。
「すみませーん! 初級ダンジョン、入ダン手続きをお願いします」
「はい、6名様ですね。ギルドカードを御提示下さい」
僕は予め集めておいた皆のギルドカードを、受付嬢さんに渡した。
「えっ?」
予想通り受付嬢さんは、僕のSSランクとアヤメさん達のSランクに驚いている。
僕は人差し指を口に当て、内緒ですよとジェスチャーをした。
受付嬢さんは分かりましたと言う様に、首をコクコクとしている。
その仕草が可愛くて、僕も笑顔になってしまう。
「し、しばらくお待ち願えますか?」
「上司への顔合わせは結構ですから、手続きだけ済ませて下さい」
「か、畏まりました・・・私、怒られないでしょうか?」
「あはは、大丈夫ですよ」
受付嬢さんは手早く処理をしてくれ、ギルドカードを返してくれたので、お礼を言ってから初級ダンジョンへ向かうことにした。
「ちょっと、幾ら綺麗な人達だからって何を驚いてたのよ?」
「だ、だって、ちょっと耳を貸して」
「えっ? えええっ、マジで?」
「マジマジ」
「うはー、言われてみたら納得かも?」
「でも、あの可愛い少年が・・・そりゃ、今まで誰も分からなかった訳だわ」
「でしょー? 私、一応上司へ報告に行ってくるね」
「その方が良いわね。いってらっしゃい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
僕達は初級ダンジョンへ入ると、オーブを持っている魔物を重点的に狩りながら進んで行く。
途中、なんどか他の冒険者にも出会ったが、流石に初級ダンジョンだけあり皆初々しい。
「んふふ、皆お辞儀をしてくれるのが初々しいわね」×アヤメ
「僕もそう思ってました」
「言っとくけど、ヨウ君も新人冒険者なんだからね?」×ナギサ
「もちろんですよ?」
「ククッ! ヨウ君は超ベテランで良いんじゃないかな?」×ツドイ
「フフ、確かに」×リラ
「フフ~ ヨウ様には、初級ダンジョンは似合いませんもんね」×ノノ
「そんな事ないですよー、僕まだ初々しいでしょ?」
「んふふ、顔だけはね?」
「えー」
「だって、新人冒険者がヨウ君みたいに、良い装備持ってる訳ないでしょ?」
「そっか、僕もレンタル装備を卒業してから随分経ちますからね」
「フフ、例えSランク冒険者でも、この装備は手に入れるのは難しいでしょう」
「僕は、恵まれてますね」
「何言ってんのよ、ヨウ君と居れる私達が恵まれてるんだよ?」
「まーねー、全部ヨウ君の恩恵だもんね~」
「照れますね♪」
「フフ~ ヨウ様。あの子達ちょっと危ないかも?」
「あっ! ホントですね~ ちょっと聞いてみます」
ノノさんが言う通り、前方でオーク2体と戦っている冒険者が苦戦している。
4人パーティみたいだけど、1人が頭から血を流して倒れている。
「助っ人は要りますか?」
「えっ? お願い、助けて!」
「了解です!」
僕が返事をし終わると同時に、アヤメさん達がオーク2体の首を斬り飛ばした。
そのあまりの早さに、冒険者達は茫然としている。
ノノさんが、倒れている冒険者を治して良いか目で訴えかけてきたので、僕はコクンと頷いておいた。
もう、<回復魔法>を隠す必要もないからね。
ノノさんは、直ぐに頭から血を流して倒れている冒険者に<ヒール>を掛けた。
傷はみるみる内に塞がり、どうやら大丈夫そうだ。
「か、回復魔法? 高位の冒険者がなんで?」
「馬鹿! お礼が先でしょ?」
「あっ! 助けていただいて、ありがとうございました」
「いえいえ、自力で帰れそうですか?」
「はい、まだポーションも残ってるし大丈夫です」
「無理しちゃ駄目よ? じゃ頑張ってね」×ノノ
「あっ! 待って下さい。回復魔法のお礼を」
「良いの良いの、サービスしとくわ♪」
助けた冒険者はペコペコと頭を下げ、お礼を言ってくれたので僕達も気分良く、その場を後にした。
「・・・それにしても、綺麗な女性達だったよな?」
「馬鹿ね、あの可愛い少年が目に入らなかったの?」
「それにしても、何か凄い人達だったな、絶対高位の冒険者だろ?」
「当たり前でしょ? あっという間にオークを倒して、<ヒール>してくれたんだもの」
「俺、<ヒール>初めて掛けて貰ったよ、もう全然痛くねえ」
「うふふ、ちょっと羨ましいわね」
「私達も<回復魔法>が取れるよう、頑張りましょうか?」
「おう」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その後、何度か他の冒険者を助けた後、地下10階のボスを倒し終わったので次のダンジョンへ行くことにした。
何度か助っ人していたので、1時間程掛かっただろうか、最初の頃に比べたらメチャクチャ速いんだけどね。
思えば、僕も強くなったもんだ。
帰りしなに、また受付嬢さんと目があったので、軽く挨拶しにいった。
「もう、お帰りになるんですか?」
「はい、終わりましたから、次は中級ダンジョンですね~」
「終わった? 終わったとは、どういう意味ですか?」
「ちゃんと、地下10階のボスを倒してきましたよ」
「うはー、ダンジョン制覇? ま、まだ1時間程しか経ってないのに・・・あっ! ドロップ品の買い取りはよろしいのですか?」
「ごめんね、また今度お願いします」
僕は受付嬢さんに、手をブンブンと振り別れの挨拶をした。
「凄いわね~ SSランクともなると、初級ダンジョンなんて1時間掛からないんだ」
「どうしよー、直ぐ上司を呼んだけど間に合わなかったよー」
「しょうがないわよ、あっ! 来たみたいよ」
「待たせたね、どこだね?」
「課長すみません。引き留める事も出来ずに、帰ってしまいました」
「そうか・・・いや気にしなくて良いよ。私も途中で帰るとは思わなかったからね」
「いえ課長。制覇したそうです」
「なにっ? まさか地下10階のボスをかね?」
「はい、次は中級ダンジョンに行くと言ってました」
「なんと・・・いやはや、流石はSSランクとは恐れ入るね。せめて、モニターで確認だけはさせてくれるかね」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
僕達が次に向かったのは、西区にある中級ダンジョンだ。
此処はあまり人気がないのか、閑散としていた。
でも、僕達は人が少ない方が都合が良いので、早速中級ダンジョンの中へ入ってみる。
やはり、中級ダンジョンは初級ダンジョンと違って、広大なフィールドなので気持ちが良い。
軽く流しながら走っていると、何かキラキラした物が落ちているのに気付いた。
「あれ何だろ?」
「なんかクリスタルみたいだね~」×ナギサ
「ヨウ様、あれは無色のクリスタルだと思います。現状では何の価値もありませんので、捨てられた物でしょう」×リラ
「私も知ってるわ、これがそうなんだ」×アヤメ
「<鑑定>しても、無色のクリスタルとしか出ないね」×ツドイ
「なるほどね、嵩張るから捨てられちゃったのか」×ノノ
「ヨウ君なら、何か分かるのかな?」×ナギサ
「いえ、全然分かりませんね~ でも、一応持って帰ってセツナさんに見て貰います」
「それならさ、私達でいっぱい集めとこうよ。何かに使えると思うんだよね~」×ノノ
「ここは、ノノさんの勘を信じて集めましょうか」
「ヤー♪」
僕達は目につく魔物を次々に倒していくと、面白い様に無色のクリスタルがドロップしていく。
っと言っても、僕にはドロップし易いのかどうか、分からないんだけどね。
「うわ~ 無色のクリスタルが沢山落ちてるね~」×ナギサ
「やっぱり、ドロップし易いみたいですね~」×ノノ
「ヨウ君と居ると、ドロップ率なんて分かんないからね」×アヤメ
「問答無用で、全部ドロップしちゃうからね」×ツドイ
「それって、誉めてるんですよね?」
「フフ、ヨウ様は最高って事かと」×リラ
「んふふ、それだけは間違いないわ」×アヤメ
「本当かな~」
「あはは♪」×全員
僕達は落ちている無色のクリスタルも拾い集め、ドンドン先へと進んで行く。
すると、珍しく他の冒険者を見つけた。人気が無いとはいえ全く人が居ない事はなさそうだ。
どうやら、ソロの若い男性みたいだけど、頬が腫れており、まるで殴られた後のようだった。
しかも、防具を着ておらず、武器を買うお金がないのか金属バット持っている。
僕は、どうしても気になったので、声を掛けてみることにした。
「こんにちは」
「うわっ! 驚かすなよ?」
「ごめんね、驚かすつもりは無かったんだけど」
「・・・おい、まさかダンジョンへ潜り込んだのか?」
「ブッ!? 言っとくけど、僕は18歳ですからね?」
「あはははは♪」×アヤメ達
「・・・そりゃそうか、俺でも18歳になるまで潜り込めなかったからな」
「そんなに、ダンジョンが好きなんだ?」
「馬鹿! 違うって、ダンジョンなら稼げるだろ? 俺には金が要るんだよ。
バイトするより、ずっと効率が良いからな。
お前みたいに綺麗な姉ちゃんに守られて、ダンジョンに遊びに来てる訳じゃねえんだよ」
「あのね~」×ナギサ
「良いから、良いから」
「もう、分かったわよ」
「ところで、その顔の怪我どうしたのかな? 魔物にやられたんじゃないよね?」
「ああ、これか。これは質の悪い知り合いに会っちまってな・・・
今日はツイてねえ。俺みたいな恰好をした、みすぼらしい奴はダンジョンに来るなとよ。
俺の恰好を見て笑ってから、ワザワザ殴っていきやがった。
お前も気を付けろよ? 訳、分かんねえ奴もいるからよ」
「知り合いって?」
「元同級生って奴だ、どこにでもいんだろ? 貧乏人を揶揄って遊ぶクズ野郎がな」
「なるほど・・・」
僕は沸々と怒りが湧いてくるのを必死で抑えた。
どうやら、アヤメさん達も同じの様だ。皆険しい顔付になっていた。
「回復ポーションは持ってないのかな?」
「こんな怪我で、ポーションなんて高級品使えるかよ。まあ、金持ちには分かんねえだろうがな」
「そっか、お金稼ぎでしたね。でも、ソロだと中級ダンジョンは危なくないですか?」
「そんなことは分かってんだよ。初級ダンジョンで弱い魔物倒しても、稼ぎになんねえだろ?」
「えっ?」
「スライム倒して稼げるのはヨウ君だけよ?」×アヤメ
「あっ! そうだった・・・」
僕は自分の能力が恵まれすぎている事を改めて自覚し、少し反省する気分になった。
「此処なら危ない時は木に登って逃げれるし、調子が良い時は2~3万稼げるからな」
「お~」×クレセントメンバー
「頑張ってますね」




