第263話 眼福って良い言葉ですよね
「コウタも気を付けなさいよね?」×ナギサ
「分かってるよ」×コウタ
「んふふ、コウタが秘密を守れなかったら、私が始末して上げるからね~」
「こ、怖い事言うなよ、ナギ姉?」
「言っとくけど冗談じゃないからね? 人の欲や妬みを甘く見ちゃ駄目よ?」
「ああ、分かったよ」
「話しは終わったか? でっ、私が武器を作るのは誰なんだよ?」×ミナミ
「お待たせしてすみません。鷹匠さんです」
「えっ? まさか、腕の良い鍛冶師って?」×鷹匠
「はい、紹介しときますね。クレセントの専属鍛冶師をしてくれてる、ミナミさんです」
「よろしくな!」×ミナミ
「わざわざ来てくれてありがとう。アダマンタイトを加工出来る鍛冶師が居なくて困ってたんだ」
「あれは難儀な素材だからな、まあ私に任せとけ」×ミナミ
「しかし、驚いたな・・・こんな綺麗な女性が鍛冶師だなんて」
「おいおい、そんなに褒めても無料には成らねえぞ?」
「あっ! 代金は僕が払いますねー」
「なんだよ、えらくサービスが良いな?」
「あはは、ちょっとした交換条件を飲んで貰ったんですよ?」
「なるほどな、だが、ヨウから金なんて取れるかよ、無料でやってやんよ」
「ありがとう。また、お礼に素材渡しますね」
「それが、一番ありがてえ♪」
「さっ、そうと決まれば鷹匠だったか、脱いでくれ!」
「はっ?」
相変わらず、ミナミさんの言葉にリーダーさんは困惑してたけど、説明するとちゃんと分かってくれた。
少し恥ずかしそうにしてたけど男なら良いよね。
「ほほ~ 左利きの盾持ちか、アダマンタイトの盾は初めてだな」×ミナミ
「な、なんで、分かるんだ?」×鷹匠
「そんなもん、筋肉を見たら分かるんだよ。
利き腕で盾を持ってる奴は珍しいけど、理由は分かった。シールドバッシュを多様してるだろ? 棘付きの盾とかにしたら面白そうだな?」
「そこまで、分かるもんなのか?」
「それだけじゃねえぞ? 右腕は槍を使ってるんだろ? えらく攻撃的な盾持ちだな」
「・・・参った。全部当たってるよ」
「あはは、よし! じゃ、形状を決めようか」
ミナミさんと鷹匠さんは、槍と盾をアダマンタイトで制作することになり、詳細な打ち合わせに入った。
打ち合わせが終わると、ミナミさんは早速制作に入るらしく、直ぐにクレセント本部へ帰っていった。
僕達もメイデンガーデンにも行かないとだから、早めにお暇することにする。
皆、神妙な顔つきになってたけど、もしもの時の為に言う事は言っとかないとね。
「フゥ~ 最後に釘を刺されまくったな?」×鷹匠
「あれは、三日月さんの優しさだぞ?」×レイ
「そうだな、此処に居る皆は信頼しているが、十分気を付けてくれよ?」
「ああ、事の重大さは分かってる」
「それだけの価値があることだもんね。命が掛かってると思ったら少し怖いけど」
「まあ、しょうがないさ。国が動くような案件だからな」
「でも、あんな凄い少年に気に入られたなんて、リーダーを少し見直したわ」
「おいおい、今まで俺を何だと思ってたんだ?」
「俺もナギ姉が選んでくれたクランだけど、凄いなって感心しました」×コウタ
「いやいや、レイを射止めたコウタも大したものさ♪」
「誉めなくて良いぞコウタ。こっちに飛び火しただろ?」×レイ
「あはは、俺もレイさん目指して頑張りますよ」
「コウタは、十分凄い男だよ?」
「うわ~ レイが惚気た~♪」
「ば、馬鹿野郎! 揶揄うなって」
「しかし、レイが年下の彼氏を選ぶなんてな~」×鷹匠
「よーし、よーし! 久しぶりに模擬戦でもするか?」
「じょ、冗談だ! お、落ち着けよ?」
「ボコボコにしてやる・・・」
「ま、待て~~~」
「あはははは♪」×全員
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
僕達は続いて、事前に連絡を入れておいたメイデンガーデンに到着すると、また盛大に出迎えをしてくれている。
恐縮しながらも、最上階にある談話室に通してくれたので、早速本題に入る事にした。
「どうですか、ゴールドスライムの効果は?」
「とんでもない効果だったわ。皆、目の色を変えてダンジョンに潜りまくってるんだもの」×レンカ
「あはは、それは良かったけど、あまり無理はしないで下さいね」
「しかし、SPオーブどころか、スキルオーブや魔法スクロールまでドロップするので、驚きを隠せないわ」×リン
「順調そうで良かったです」
「レンカさんとこも、ゴールドスライムを回収しないで良さそうですね~」
「もちろんよ。今取り上げられたら泣いちゃうわ」×レンカ
「あはは、でも『グランドクロス』にも言っといたんですけど、この秘密を守れない者がいたらどうします?」
「その時は、私が責任を持って始末するわ」
「・・・どうやら、事の重大さは分かってくれてるみたいですね?」
「もちろんさ。皆にもその件については重々伝えてある」
「ゴールドスライムは素晴らしいアイテムだが、それだけに命の危険が付き纏うだろ?」
「理解してくれてるみたいで安心しました。
でも、僕が持ち掛けた話しだし、その時はお手伝いしますよ?」
ゾクッ! 「・・・いや、私がキッチリと始末するから信用して欲しい」
「分かりました。流石レンカさんですね」
「その件については信用するとして、スキルオーブは結構ドロップしてます?」
「ええ、色々と手に入って嬉しい限りよ」
「それは良かったです」
「1つだけアドバイスしますけど、僕が数あるスキルの中で一番重要視してるのは<気配感知>スキルです!」
「それは意外ですね? ヨウ君なら、もっと凄いスキルを持ってるのでは?」×リン
「確かに色々と便利なスキルは持ってますけど、一番と言えば感知系のスキルですね。どれだけ有用なのか、ちょっとだけ説明しますね。
えっと、サワさん?」
「は、はい」×サワ
「ちょっと、僕と手の平をくっ付けてみて下さい」
「はい、えっと、こうですか?」
「はい、今、僕の右手とサワさんの左手の掌が、ピッタリとくっ付いてますよね?」
「はい」
「じゃ、上下左右に動かして、僕の手の平から外してみて下さい」
「はい、こうですか?」
「えっ? ええっ? は、離れない? どうして?」
「サワ。もっと早く手を動かしてみろ?」×レンカ
「は、はい」
サワさんは一生懸命左手を動かしているけど、僕の掌から全く離れる事が出来ない。
「だ、駄目です。全然離すことが出来ないです」
「まさか、サワの動きを先読みしているの?」×リン
「正解です!」
「ええっ?」×全員
「噓でしょ? そんな、神業みたいな事まで出来るなんて・・・」
「大体、僕の言いたい事が分かりましたか?」
「・・・<気配感知>スキルとは、何も索敵だけに利用する訳じゃないってことか?」
「その通りです。訓練したらあらゆる気配を読むことが出来ます。そう魔物が動く気配すらもね」
「うはーーー!」×全員
「ヨウ君は簡単そうに言うけどさ、これってメチャクチャ難しいわよ?」×アヤメ
「私達も少し分かるようになってきたけどね」
「私もやってみてくれても、良いですか?」×レンカ
「良いですよ? リンさんも一緒にしましょうか?」
「2人同時でも出来るの?」×リン
「はい♪」
僕は右手にレンカさん、左手にリンさんと掌を合わせ同時に動かして貰った。
「くっ! 駄目・・・どんなに手を速く動かしても、離すことが出来ない」×レンカ
「あはは、凄い! まるで、掌がくっ付いてるみたい」×リン
「参ったわ。降参よ」
「あはは、御覧の通りです」
「アヤメさん達も、こんなことが出来るんですか?」×リン
「2人同時は厳しいけど、1人なら出来るかな?」×アヤメ
「アヤメさん達でも難しいんだ・・・」
「ヨウ君は天才だからね~ 簡単に真似出来ないわよ?」
「じゃ、僕と勝負しよ」×ツドイ
「ツドイさん相手なら骨が折れそうですね~」
ツドイさんの利き腕に合わせ、僕は左手の掌をツドイさんの掌に、ピッタリと合わせた。
「行くよ、ヨウ君?」×ツドイ
「何時でも!」
次の瞬間! ツドイさんは超高速で手を動かしたので、僕でも追うのが大変だ。
「うはっ!」×全員
「嘘・・・2人の腕が見えない?」×サワ
「どれだけ手を速く動かしてるの? 私でも残像すら見えない・・・」×レンカ
「こんな超スピードの動きを、先読みしてるって言うの?」×リン
「触れていると、動きは読みやすいんですよ?」
「むっ? まだ喋る余裕まであるんだ?」×ツドイ
「スキルも使っちゃおう<敏捷強化>!!!!!!」
「うはっ♪」
「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」×全員
ツドイさんが<敏捷強化>スキルまで使ったため、僕達の腕の風圧が皆に襲い掛かった。
ブァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
「ちょ、ちょっと、ツドイ本気出し過ぎー」×ナギサ
「フフ、流石ヨウ様ですね」×リラ
「うわ~ まだ余裕ありそう」×ノノ
「ヨウ君に勝てる訳ないでしょ?」×アヤメ
「ハァーハァー、もう駄目。ヨウ君凄すぎ・・・」×ツドイ
「あはは、ツドイさん正直に動き過ぎですよ?
気配だけでフェイントを掛けるのも、手ですよ?」
「なるほど、今度やってみるよ」
「はい、頑張って強くなりましょか」
「どうです? 皆さんにも分かって貰えたかな?」
「・・・正直、凄すぎて理解が追い付かないのですが?」×レンカ
「何となく、相手の動きが分かるようになるとしか?」×リン
「今はそんな感じで良いですよ。訓練してたら分かりますから」
「分かりました。ありがとうございます」
「あっ! そう言えば、『メイデンガーデン』に襲撃してきたクランから連れて来た女性がいたよね?」×アヤメ
「はい・・・私です」
「そう言えば居たね~ もう悪い事してないかな?」×ナギサ
「も、もちろんです」
「レンカさん、この娘が迷惑掛けてない?」
「はい、とても良く動いてくれますし、魔力に敏感でダンジョンでも助けられてます」×レンカ
「やっぱり、良いセンスしてるわね」
「嘘もついてないようだけど、貴女がメイデンガーデンを裏切ったら、私が始末しに来てあげるからね?」
「はい、ぜ、絶対、裏切る様な事はしません」
「その時は、もう殺して下さいって、懇願させて上げるから覚えておきなさい」
ビクッ! 「はい、分かりました」
「んふふ、そんなに怯えなくても、悪い事しなきゃ良いだけよ? 貴女、良いセンスしてるんだから頑張りなさいね?」
「ありがとうございます。それと、『メイデンガーデン』を勧めていただき、ありがとうございました」
「いえいえ」
「後は気になってたんですけど、また何人か怪我してますよね?」
「ええっ? 本当に?」×レンカ
「はい」
「こらっ? 怪我してたら無理しない様に言ってるでしょ?
怪我してる人、前に出てきなさい!」
「す、すみません。ドロップが良すぎて、休めませんでした・・・」
「うふふ、気持ちは分かるけど、無理しちゃ駄目よ」×リン
「はい、すみません」
「にしし、丁度良いじゃないヨウ君。全員治療してあげたら?」×ナギサ
「別に良いですけど?」
「じゃ、温泉出して♪」
「えっ? 温泉ですか?」
「どうせなら、古傷も治して上げたいでしょ?」
「そ、そりゃそうですけど・・・」
「それって、以前言っていた温泉ですよね?」×レンカ
「今から温泉に行くんですか?」×リン
「そだよ~♪」
「にしし、ヨウ君にお礼したいんでしょ? WINWINの良い案じゃない」
「もう、ナギサは強引なんだから、いくら何でも恥ずかしいでしょ?」×アヤメ
「いえ、ヨウ君に喜んでいただけるなら、全員で行きます!
もちろん、そんな事で、お礼になるとは思えませんけど・・・」×レンカ
「ほらほら、こう言ってるしヨウ君。出して、出して♪」
「ち、治療だけですからね?」
「はいはい♪」
僕はナギサさんの言う通り、亜空間の温泉にメイデンガーデンの皆さんを移動させた。
突然メイデンガーデンの談話室から、絶景が見える温泉に来たので皆驚いている様だ。
「ええええええええええええええええっ?」×全員
「こ、ここは?」×レンカ
「ここは、ヨウ君が亜空間に創った温泉だよ♪ 凄いでしょ?」×ナギサ
「うはーーーーーー!」×全員
「こんな事も出来るんだ・・・」×リン
「じゃ、皆脱いで脱いで!」
「きゃああああああああああああ♪」×全員
「あはは、何かもう、信じられないわね」×リン
「こ、心の準備が間に合わないな・・・」×レンカ
「うふふ、レンカが言い出した事でしょ?」
「イザとなると、私の身体は傷だらけだから恥ずかしいのだよ?」
「そうだと思ったから、温泉に誘ったんだよ?」×ナギサ
「えっ?」
「ほらほら、ヨウ君。レンカさんからやって上げて」
「は、はい、あんまり見ない様にしますね?」
「えっ? ええっ?」
それから、メイデンガーデンの皆さんの古傷を徹底的に治していった。
もちろん、皆の身体を全く見ない訳にもいかなかったので、眼福だったのは仕方ない。
結構、深い傷跡が残っている人も居たので、やって良かったとは思ってるんだけどね。
全員の治療が終わり軽く体を洗って、今はアヤメさん達も一緒に湯船に浸かっている。
「あ~ 気持ちいい~♪」×リン
「うふふ、恥ずかしかったけどヨウ君の回復魔法は、相変わらず凄いわね?」×レンカ
「ホント、何から何まで規格外なんだから驚き疲れるわ」×リン
「ぐすっ! 私の傷跡、もう諦めてたのに、う、嬉しいです」
「私の顔にあった傷もトレードマークになってたのに消えちゃったわ。もう慣れたと思ってたけど、嬉しいものね?」
「ええ、奇跡の様だわ」
「ありがとう。ヨウ君♪」×全員
「喜んで貰えたら、僕も嬉しいですね」
「ヨウ君には、借りばかり増えていくわね?」×レンカ
「いえいえ、僕も目の保養が出来ましたから?」
「もう、なんやかんや言って、ちゃっかり見てるんじゃない?」×アヤメ
「ご、誤解ですー、ちゃんと治療するには見ない訳にはいかないんです」
「今も眼福だったりするよね?」×ツドイ
「そりゃー、もう♪ あっ・・・」
「ギルティー!!!!!!」×アヤメ達
「ゆ、誘導尋問だー」
「あははははは♪」×全員
もう此処まできたら、徹底的にメイデンガーデンの皆さんを綺麗にしちゃおう。
お風呂上りには、全員にビューティーポーションを配り、飲んでもらう事にした。
ちょっと、人数が多かったけど、まあ良いかな。
これで僕達の目的は終わったので、これから定期的に連絡を取り合う事にし帰る事になった。
メイデンガーデンの皆さんは、全員で見送りに来てくれたので、僕は手をブンブンと振って別れの挨拶をした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「フゥ~ しかし、ヨウ君と会う度に驚かされるわね?」×レンカ
「うふふ、凄い少年ですね♪」×リン
「恥ずかしかったけど、メチャクチャ綺麗にして貰いましたね」×サワ
「ええ、ヨウ君は身内の女性を綺麗にするのが趣味だって言ってたけど、私達も身内に成れたのかしら?」
「とりあえずは、好感を持ってくれてるみたいだけど、これから次第よね?」
「彼とは誠心誠意で相対する事にしましょう。計りしれないほどの恩もありますからね」
「うふふ、でも、ヨウ君の身体凄かったですね?」
「ええ、サワなんて、ガン見してたから」
「ち、違いますー、誰だってあんな凄い筋肉してたら見ちゃいますよー」×サワ
「あはは、冗談よ」
「でもヨウ様って、やっぱり新人離れしてますよね?」
「ホント、見かけは少年みたいなのに、身体は超人レベルの筋肉だったわ」×リン
「一体どんな訓練したら、あんな身体になるのか考えたら恐ろしいわね」×レンカ
「アヤメさん達も、女神みたいだったわね?」
「女の私達でも、溜息が出そうだったわ・・・」
「世の中には、あんな凄い人達が居るんですね~」
「私達も眼福でしたね?」
「うふふ、違いないわ♪」




