第257話 本格的に墜としに掛かりますよー
<シュアン視点>
「フゥ~ 何か落ち着かないわね?」×シュアン
「今日は、音沙汰無しか・・・」×ソンイ
「私達は大人しく待ってたら良いだろ? 向こうから来るって言ってたんだから」×ソヒョン
「だからって、ジッとしとくのも暇よね?」×フィ
「もう夕方だし、食事にでも行く?」×ギュリ
「わーい♪ 私お寿司が食べたいな~」×テユン
「もう、テユンは呑気なんだから、色々と考えておくこともあるでしょ?」×シュアン
「何を考えておくんだよ?」×ソヒョン
「次にヨウ君に会った時の応対とか?」×ソンイ
「あの人達と駆け引きなんて、無理じゃない?」×フィ
「そうね、ヨウ君が言っている事が本当なら、どう頑張っても掌の上よ?」×ギュリ
「うふふ、心のままに行動したら良いんじゃない?」×テユン
「もう、テユンったら♪」
次の瞬間私達は、言葉では表せない違和感を感じた。
「「「「「「えっ?」」」」」」
何時の間にか私達が座っているソファーに、1人の可愛い少年が座っていた。
み、三日月陽・・・い、一体どうやって?
どうやったら、私達が誰も気付けない様に同じソファーへ座る事が出来るの?
こんな事が平然とできる人なのだと、改めて思い知ることになった。
私達は驚愕の表情で、ヨウ君を見つめだした。
「えっと、こんにちわ?」
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
「じょ、女性の部屋に無断で入ってくるのは、お勧め出来ませんよ?」×シュアン
「すみません。インターホンが無かったものですから?」
「鍵を掛けておいたのに、どうやって・・・」×ソンイ
「あはは、愚問だろ? 日本に居る限り私達にプライバシーは無いって事だよな?」×ソヒョン
「そんな事ないですよ? まあ僕達と敵対したら、そうなりますけどねー」
「うふふ、遅いお迎えだったわね?」×テユン
「すみません。少し用事があったんで遅くなりました。今日は観光? それともダンジョンですか?」
「・・・言わなくても、知ってるんじゃないの?」×ギュリ
「知りませんよ?」
「監視は付けてないの?」×フィ
「付ける必要がありませんから?」
「はぁ~ どうやって、此処が分かったのか、聞くのは野暮なのかな?」×シュアン
「あはは、それは内緒です。どうしても、聞きたいですか?」
「「「「「「結構よ!」」」」」」
「あはは、綺麗にハモりましたね。今から、何かご予定ありますか?」
「・・・食事にでも行こうとしてたとこよ?」
「なら丁度良かった、エスコートさせて貰っても?」
「私、お寿司が食べたいわ♪」×テユン
「皆さんも、お寿司で良いですか?」
「もう、テユンには勝てないわね」
「わーい、お寿司だー♪」
「あはは、良いですね、テユンさん」
「ヨウ君は、私みたいに太ってる女性にも優しいのかな?」
「テユンさんは、太ってなんかいませんよ?
ぽっちゃりさんタイプって言うのかな? とっても可愛いです♪
頬っぺた、突きたくなりますねー」
「あはは、突いて良いよー♪」
「わーい♪ ツンツン」
「あはは、擽ったいですー♪」
「あはは、マシュマロの妖精さんみたいですね?」
「突き返しちゃうぞー」
「むぎゅ、ひゃべりにくいれすよー」
「あはは♪」
「・・・私達は何を見せられてるの?」×ソンイ
「SSランクなんだよな?」×ソヒョン
「うふふ、私達を一瞬で皆殺しに出来る生物なのは、間違いないわ」×ギュリ
「私は気に入っちゃったな、ヨウ君」×フィ
「あ~ん、中国へ持って帰りたーい」×テユン
「逆ですー、僕が皆さんを持って帰えりますからね?」
「ねーねー、私にも抱っこさせてよ?」×フィ
「もう、しょうがないなー」×テユン
「あはは、可愛い~♪」
「むぎゅ! なんか幸せかも♪」
「もう、貴女達いい加減にしなさい。食事に行くわよ?」×シュアン
「ではでは、案内しますねー
あっ! そうそう、この部屋にあった盗撮・盗聴器・ボイスレコーダーは潰させて貰ったんですけど、後で弁償しますからね」
「・・・参ったわ。降参よ」×シュアン
「ソヒョンさんのピアスも良いですか?」
「・・・どおりで昨日から何も映ってないと思ったら、バレバレかよ。
恐ろしい男だな?」×ソヒョン
「いや~ 照れちゃいますね」
「誉めてねえよ?」
「あれ~」
「あはは、悪かった。もう小細工はしねえよ」
「助かります」
私達はヨウ君に連れられ、品の良いお寿司屋さんに入っていく。
ヨウ君はお店の人と話をして、何かを頼んでいるようだ。
それから出て来るお寿司に、私達は感嘆の声を上げる事になる。
「美味しい~ なにこれ美味し過ぎる~」×テユン
「でしょでしょー、僕がダンジョンで取ってきたマグロなんですよー」
「マグロって、釣ってきたの?」
「いえいえ、海に潜って倒してきました」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「もしかして、水中?」
「水中ですねー」
「なんでもありかよ?」
「詳しくは言えないんですけど、聞きたいですか?」
「そんなに頑張らなくても、気持ちは傾いてるよ?」
「うわ~ 本当ですか?」
「そんなに喜ぶ事か? メチャクチャ、モテてんだろ?」
「自分でも信じられないぐらいモテてます。何故でしょう?」
「強さだろ?」
「可愛さよ?」
「両方だね♪」
「あはは、冒険者になって良かったです」
「でも、ソヒョンさん良いんですか?」
「・・・本当に何でもお見通しなんだな?」×ソヒョン
「えへへ、照れますね」
「誉めてねえよ、恐ろしいんだよ」
「あれ~ でも、ここら辺が、分水嶺になりそうですね? 僕ちょっと席を外しますから頑張って下さいね、ソヒョンさん?」
「心底、参ったよ。ありがとな」
「いえいえー♪」
ヨウ君が席を立った後、ソヒョンの話しを聞くことにした。
「・・・どういう事、ソヒョン?」×シュアン
「あ~ もう、大体分かったかもしれないけど、私はギルド以外にも諜報員をしてるんだわ」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「何時からなの?」
「冒険者になる前からさ、私の家系がそうなんだよ。
信じて貰えるか分からねえが、皆と一緒に高ランクの冒険者に成れたのは本当に唯の偶然なんだ。
もちろん、皆に迷惑が掛かるような事はしてねえよ」
「それ、私達に言って良かったの?」
「あはは、良い分けないだろ?
彼らは本当に恐ろしいぞ? 何から何までお見通しみたいだからな?
普通、諜報員って分かってて勧誘するか?
まして、同じパーティも知らない事なのによ?
そっちとはキッパリ縁を切って、来てくれって事だ。
皆に説明する時間までくれる徹底ぶりだ。呆れを通り越して笑えるよ♪」
「簡単に縁を切れる訳じゃないんでしょ?」
「そりゃそうさ、普通ならな? でも、今後私達に手を出したら、どっちが潰れると思う?」
「そ、そこまでなの?」
「ああ、間違いなく叩き潰されるだろうな?
なにせ分からない事が無い上に、あの恐ろしいまでの強さだからな。
彼等には絶対手を出さないと誓って、国へ帰る手もあるが。
どう考えても悪手だよな?
とりあえず、今まで黙ってて悪かったな謝っとくよ」
「別に私達を裏切った訳じゃないでしょ? 言えない事なんだから仕方ないじゃない」×ソンイ
「私達もギルドに何も言えなくなるし、一緒だよ」×フィ
「これからは、普通の冒険者って事で、良いんじゃない?」×ギュリ
「うふふ、普通かどうかは分からないけどね~」×テユン
「・・・ずっと、怒られると思ってたんだがな?」×ソヒョン
「うふふ、そんな事ぐらいじゃ、ソヒョンの信頼は無くならないわよ」×シュアン
「これまで、罪悪感たっぷりだったのが馬鹿みてえじゃねえか?」
「「「「「あはははは♪」」」」」
「とりあえず、皆の考えは決まったみたいね?」×シュアン
「「「「「ええ♪」」」」」
「では、魔境に飛び込みますか」
「「「「「あはは♪」」」」」
「話は終わりました?」
「「「「「「おわっ!」」」」」」
「き、聞いてたんじゃないだろうな? タイミング良すぎるだろ?」
「やだな~ 盗み聞きなんてしませんよー、意味がありませんし?」
「・・・ホント、怖いよな?」
「可愛いって、言ったじゃないですか?」
「可愛い奴は、怖いって事が分かったよ?」
「あはは、では、そろそろクレセント本部にお連れしたいんですけど良いですか?」
ゴクッ! 「いよいよね?」×シュアン
「そんなに構えなくても良いですからね? 普通の本部ですから?」
「うふふ、普通かどうかは怪しいわね?」
「どんなとこだと思ってるんですかー、まあ良いですけど・・・
ところで言い難いんですけど、服を着替えて貰って良いですか?」
「えっ?」
「下着も全部交換して欲しいんですよ?」
「なるほど、GPS対策か?」×ソヒョン
「それだけじゃないですよ、匂いとか繊維とかでも辿ることが出来ますからね?
服を全部脱ぐ→お風呂に入る→新しい服に着替えるって感じでどうですか?」
「それじゃあ、スマホとか持ち物も駄目なのかな?」×テユン
「はい、置いて行って貰います」
「ほら、普通の所じゃないんじゃない?」
「あはは、そうかもしれませんね」
「分かったわ。でも代わりの服はどうしたら良いの?」
「既に皆さんのサイズで、用意してあったりします」
「「「「「「・・・・・・・」」」」」」
「ご、誤解ですよ? リラさんの目測で計らせて貰っただけですからね?」
「まあ、良いわ・・・でっ、どこで着替えたら良いの?」
「お連れしますね~」
次の瞬間、私達は確かにお寿司屋さんに居たのにも関わらず、全員湯気が立ち上る温泉の前にいた。
「「「「「「はあっ?」」」」」」
「噓でしょ・・・転移魔法?」×シュアン
「違いますよー、ここは僕が亜空間に創った温泉です」
「亜空間? 創った?」×ソンイ
「詳しく聞きたいですか?」
「・・・怖いから良いって」×ソヒョン
「あはは、じゃ1時間後ぐらいに迎えに来ますね、新しい服は此方にありますからごゆっくり。
分からない事があったら、メイドさんに聞いて下さいね~ ではでは」
「お、おい・・・冗談だろ?」
「うふふ、冗談ではありませんよ?」×カンナ
「「「「「「なっ!」」」」」」
「い、何時の間に・・・」×シュアン
こ、このメイドさん達も只者じゃない・・・一体こんな人達が何人いると言うの?
それに、ここが亜空間だとしたら、敵対するのも馬鹿らしくなる。
駄目、絶対に何をしても勝てないわ。
「初めまして。私はクレセントでメイド長をしておりますカンナと申します。
以後、お見知りおきを。では、此処の使い方を説明致しますね」
「あ、ありがとう、お願いするわ・・・」×シュアン
クレセントのメイドさん達は、私達の髪や体まで洗ってくれ、今は絶景が見える温泉に浸かっている。
何が何だか分からないけど、とても気持ち良い気分になっていた。
「あはは、私、人に体まで洗って貰ったの初めてかも?」×テユン
「もう、テユンは呑気なんだから」×ソンイ
「・・・なあ、あのメイドさん達って只者じゃねえよな?」×ソヒョン
「ええ、間違いなく私達より遥かに強いわ・・・全く抵抗出来なかったもの」×シュアン
「凄いわね・・・クレセントではメイドさん達でさえ、Sランクのシュアンより強いんだもの」×ギュリ
「どうやら、魔境ってのも間違いじゃなさそうだね?」×フィ
「そうね、この亜空間も信じられないわ」×シュアン
「何も無い亜空間に閉じ込められたら、脱出は不可能だろうな?」×ソヒョン
「やめてよ、怖くなるじゃない?」×ソンイ
「あはは、敵対しようと思わなければ大丈夫だよ? もう、お手上げなんでしょ?」×テユン
「今回ばかりは、テユンの言う通りね」×シュアン
「あはは、全くだ♪」×ソヒョン
「そんな事よりさ、この温泉を堪能しようよ」
「うふふ、そうね、本当に気持ち良いわ」
「ねえカンナさんも、クレセントのハーレムメンバーなの?」×テユン
「はい、分不相応とは思いましたが、ヨウ様は快く受け入れて下さいました」×カンナ
「え~ カンナさん達も、凄い美人さんなのに?」
「ありがとうございます。ですが、元々こうだったわけではございません。全てヨウ様が綺麗にして下さいました」
「うはー、やっぱり神様みたいなんだね?」
「私達メイドにとっては、本物の神様です」
「・・・やっぱり怖いな~」
「うふふ、テユンさんも中々掴みどころの無いお方ですね?」
「そかな?」
「私から言えることは、何か目的があるのでしたら、素直にヨウ様に伝えるのが宜しいかと?」
「あはは、カンナさんも怖いね~♪」
「誉め言葉として受け取っておきますね?」
「皆さん、そろそろ宜しいですか? ヨウ様がお待ちですので」
「分かりました」
メイドさん達は私達に<クリーン>の魔法を掛けてくれると、体から髪の毛まで水気が綺麗に無くなった。
生活魔法1つにしても、どこまで使いこなしているのか・・・
なにより恐ろしいのがソンイの<鑑定>スキルでは、メイドさん達もスキルや魔法は何も取得していないそうだ。
驚いた事に、私達が着ていた洋服は既にクリーニングされており、綺麗に畳まれて置いてあった。
そして、新しく用意してくれていた洋服は、下着に至るまで完璧にサイズがピッタリだった。
「あはは、もう笑うしかないわね♪」×シュアン
「高そうな下着に洋服よね?」×ソンイ
「着てきた下着よりシックリくるのは、どういう訳なんだよ?」×ソヒョン
「あはは、まさか下着のフィッティングまでしてくれるなんてね」×ギュリ
「ふあ~ ちょっと胸が大きく見えるかも?」×テユン
「目測で自分より完璧にサイズ合わせちゃったの? ねえ信じられる?」×フィ
「フフ、リラ様の目測は完璧です! ミリ単位で把握されている筈ですから」×カンナ
「何から何まで恐ろしい人ね?」×シュアン
「うふふ、さあ、こちらへお進み下さい」
私達はゲートのような黒い空間へ恐る恐る潜ってみると、そこには多くのメイドさん達が整列して出迎えてくれていた。
なにより恐ろしいのは1人1人が私達より遥かに強いと言う事がヒシヒシと伝わってくる事だ。
三日月さん達には何も感じなかった圧力に、自然と汗が出てくる。
「・・・魔境ってのは、例えじゃなかったみたいだな?」×ソヒョン
「ええ、せっかくサッパリしたのに汗が止まらないわよ」×シュアン
「ね、ねえ、どれだけ強いと思う?」×フィ
「・・・ここに並ぶメイドさん1人にも絶対勝てないわ。
<鑑定>スキルなんて使わなくても、これだけハッキリ分かるんだもの。
更に強い人達も大勢居るみたいだしね?」×ソンイ
「・・・やっぱり、勘違いじゃないんだね」×ギュリ
「こ、これで敵意を向けられたら、おしっこチビりそうなんだけど?」×テユン
「私には美し過ぎる微笑も怖いんだけど?」×フィ
「怖がる必要はありませんよ? 仲間になるかもしれない方達なのですから」×カンナ
「何故か、投げ込まれた餌の様な気分なんですけど?」×シュアン
「うふふ、気のせいですわ♪」
ゾクゾクッ! シュアン達
「絶対、気のせいじゃねえ・・・」×ソヒョン




