第255話 神棚を作って貰わないとですねー
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<コウタ視点>
緊張しながらレイさんとコーヒーを飲んでいると、俺の携帯に電話が入った。
「あ、ナギ姉? う、うん、分かった。レイさん、もうすぐ着くらしいって」×コウタ
「分かった。リーダー全員玄関で出迎えるぞ?」×レイ
「分かったよ。よし行くか、皆」×鷹匠
「ええ」×クランメンバー
俺達は皆でグランドクロス本部の前で待機していると、メチャクチャ目立つ高級車が目の前に停車した。
その車からナギ姉達が下りてきて、何故かメチャクチャ緊張してきた。
「んふふ、コウタ久しぶりね♪」×ナギサ
「あ、ああ、久しぶり~」×コウタ
「ちょっと、逞しくなったんじゃない?」×アヤメ
「そ、そうかな?」
「おはよ、レイさん」×ツドイ
「お、おはようございます」×レイ
「なんか余所余所しいね?」
ゾクゾクッ!
「だ、駄目ですよ、ツドイさんーーー」
「くくっ! 大丈夫だよ。取ったりしないからさ?」
「ツドイさんは、唯でさえ危ないんですからね?」
「フフ~ レイさんも、また綺麗になってるね」×ノノ
「あ、ありがとうございます」
「フフ、そんなに緊張なさらないで」×リラ
「は、はい」
「ちょっと、レイが借りてきた猫みたいになってるわよ?」×小声
「馬鹿黙ってろ、後で怒られるぞ?」×小声
「フフ、そうね。でも、とんでもない美人揃いね・・・息を飲んじゃったわ」×小声
「ああ、とんでも無いな・・・」×小声
「お久しぶりですね、リーダーさん」
「き、君は、あの時の・・・そうか、なるほど。君だったのか。
あの時はアダマンタイト鉱石とアースドラゴン素材をありがとう」×鷹匠
「いえいえ、でもアダマンタイト鉱石を加工出来なかったみたいですね?」
「ああ、すまないね、せっかく貰った物なのに」
「いえいえ、お気にせず」
「し、知ってる、あの時の少年・・・あっ! ご、ごめんなさい」
「あはは、皆さんもお久しぶりです」
「さあ、皆入ってくれ」
「はい、お邪魔しますね」
俺達は緊張しながらも最上階にあるリビングへナギ姉達を案内し、用意していた茶菓子とコーヒーを出していった。
「んふふ、ありがとうコウタ」×ナギサ
「なんか変な感じだよな?」×コウタ
「コウタに接待される時が来るなんてね。レイさんに迷惑掛けてないでしょうね?」
「た、たぶん・・・」
「コウタには過ぎた彼女なんだから、大事にしなさいよ?」
「あっ! ナ、ナギ姉・・・」
「彼女?」×鷹匠
今までレイさんと付き合っている事は、クランでは内緒にしてたんだけどナギ姉にアッサリとバラされてしまった。
レイさんの方を見ると手を額に当てて、空を見上げていた・・・
「ほほ~ 付き合っていたのかレイ?」×鷹匠
「な、なんか悪いのかよ?」×レイ
「そうか~ レイが年下の彼氏とはな~♪」
周りを見るとクランメンバーもニヤニヤとしていた。
俺も少し照れてきたが、良い機会だと思って開き直る事にした。
「あれ、内緒だったのかな?」×ナギサ
「あ~ もう良いから、ナギ姉」×コウタ
「んふふ、ごめんなさい♪」
「それにしても、まさかあの女性達と同じパーティだったなんてな。
強さを考えたら、変に納得してしまったよ?」×鷹匠
「あはは、確か下見で来たんでしたよね」
「ああ、あの2人の強さには驚いたよ?」
「あら、あの時はナギサの強さしか見てないでしょ?」×アヤメ
「見なくても、同程度の実力の持ち主って事は察しが付くよ?」
「んふふ、なるほど、流石ヨウ君が気に入った人ね」
「アダマンタイト鉱石を飾ってるんですね?」
「ああ、どうにも出来なくてな」
「もし、良かったら腕の良い鍛冶師さん紹介しましょうか?」
「それは助かるな。でも加工代が払えるかどうか相談させて貰いたいな?」
「なるほど・・・素材持ち込みだから大丈夫じゃないかな?」
「相場で考えますと1/10を加工代としても数百億と言ったところでしょうか?」×リラ
「ぶはっ!? ゴホッゴホッ!」
「ありゃ! 結構高いですね?」
「現状最高の素材ですから、オリハルコンになればもっと高くなるかと?」
「えっと、無理っぽいです?」
「む、無理だ・・・とても払えんよ?」
「なるなる、じゃ取引といきませんか?」
「ほほ~?」
「僕の頼みを聞いてくれたら、加工代もサービスしますよ?」
「・・・内容次第になるな?」
「ん~ ハイリスク、ハイリターンってとこですか?」
「怖いね? 内容を聞かせて貰っても?」
「はい、それなんですけど。此処に居る人達は信用出来ますか? 今から喋ることは、僕達にとっても機密事項なので」
「ふむ・・・」
「リーダー軽く考えちゃ駄目だぞ、ちょっとでも不安な者は聞かない方が良い」×レイ
「ん~ それなんですけど、クラン単位での返答になるんで、それは無理なんですよ?」
「今、此処に居るのってグランドクロスの主要メンバーなんだよね?」×ナギサ
「ああ、その通りだ」
「じゃ、少なくとも此処に居る全員が、信用できる人じゃないと話せないのよね」
「間違いなく信用出来る者ばかりだが、確認を取らせて貰っても?」
「はい、どうぞ」
「どうだ皆? 今からする話は他言無用だ守れるか?」
「もちろん!」×クランメンバー
「即答ですか? やっぱり良いクランですね~」
「では話しますけど、今からする話を誰かに喋ったら身の安全は保障は出来ません。それでも良いですか?」
ゴクッ! 「は、はい」×クランメンバー
<ヨウ視点>
僕がそう言うとリーダーさんは皆を一別してから確認を取り、了承してくれた。
「良いだろう!」
「もう、後戻りは出来ませんけど、本当に良いんですね?」
「・・・大丈夫だ!」
「ではでは、実はこれをクランに置いて欲しいんですよ」
僕は<虚空界>からゴールドスライムの置物を取り出し、皆に見える様にテーブルへ置いた。
「こ、これは?」
「これは、あるダンジョンの地下30階のボスからドロップした、宝箱のアイテムです」
「地下30階? 上級ダンジョン最下層の宝箱か・・・」
「しかも、白金宝箱でした。レア中のレアですね」
ゴクッ! 「また凄そうなアイテムだが、まさかこれを守れと?」
「いえいえ、これは設置型のアイテムなんですが、効果が凄すぎるんですよ。その肝心の効果なんですが鑑定結果は、こんな感じです」
【ゴールドスライム:これを設置した建物内に一定時間いるとレアドロップ率上昇、ドロップ数上昇の恩恵が賜れる】
「はああああああああああああああああああああっ?」×クランメンバー
「僕達で体感したところスキルオーブや魔法スクロールがドロップしやすくなるし、少なくともドロップ数は倍になります」
「ぐはっ!」×クランメンバー
「と、とんでもないアイテムじゃないか?」
「それだけに、争いの種になりそうでしょ?」
「た、確かに・・・」
「だから僕達も、誰にも言えなかった物なんですけど、余らしておくのも勿体なさすぎるんで、冒険者の底上げに一役かってもらおうかなと思ったんですよ。
それで、まず信用のおけるクランとして、『グランドクロス』さんに話を持ってきた訳です」
「それは光栄だが、いくらなんでも手に余る品物だね? もし盗まれたら俺達では責任が取れないよ?」
「ですよね、余程信用のおける人達じゃないと、管理が大変だと思います。なので、もちろん少しサポートしますよ?」
「盗まれない手があると?」
「はい、リーダーさんに<虚空庫>スキルオーブを進呈しますから、出掛けるときは<虚空庫>へ入れておけば安心かと」
「進呈って、まさか<虚空庫>スキルを無償でか?」
「それぐらいしないと僕達も安心出来ないので、サービスと思って貰えれば良いですよ」
「だが、君達にメリットがあるとは思えないのだが?」
「メリットとしては冒険者の底上げですかね?」
「でも、悪人に手を貸したくないんで、人選はお願いしたいんですよ?
現状のクランメンバーと、新規でのクランメンバーさんの見極めですね。
どうです、そんなに悪い話じゃないでしょ?」
「それはそうだが、またとんでもない爆弾だよ、これは?」
「あはは、もし持て余す様なら回収しますんで、お試し期間として10日間程どうですか?」
「分かった。少し皆と相談させてくれるかな?」
「分かりました。此処で待ってますね」
「コウタとレイさんも行って良いわよ、私達はお茶菓子を貰っておくからさ」×ナギサ
「すみません。では」×レイ
「ナギ姉、コーヒーのお替り置いとくな」×コウタ
「ありがと♪」
鷹匠さん達は下のフロアで相談するらしく、皆階段を下りて行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「と、とんでもない話だったわね?」
「私もこんな凄い話とは思わなかったよ・・・」×レイ
「どうすんだよ、リーダー?」
「どうするもこうするも、こんな良い話蹴れるわけないだろ?
あのゴールドスライムには計りしれん程の価値があるぞ?
おまけに<虚空庫>スキルだ。
ゴールドスライムの保管以外にも役立つ事請け合いだ。
まあ、問題が幾つもあるんだがな・・・
良いか良く聞いといてくれよ」×鷹匠
「あ、ああ」×クランメンバー
「まず、この話は今此処に居るメンバー以外口外禁止だ。
しばらくはゴールドスライムの設置は夜間だけにする。
夜間ならそんなに人も残ってないだろう。
それから、クランメンバーの面接をやり直す事にする。
当然、これからの面接も厳しくする。
とりあえず、これで行こうと思うんだが。
何か意見はあるか?」×鷹匠
「盗難も怖いけど、これでグランドクロスが劇的に活躍しだしたら襲撃もあるぞ? スパイみたいな奴が絶対に来ると思うしな」
「確かにそれの対策も今後の課題だな」
「なに簡単な事さバレる前に、襲撃が問題なくなるぐらい強くなるしかないだろ?」×レイ
「あはは、レイさんらしい強気な発言ですね」×コウタ
「わはは、これから忙しくなりそうだな。皆もこのチャンス生かしてみるか?」
「当然だろ?」
「うふふ、もちろんよワクワクするわ♪」
「では、決まりだな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鷹匠さん達は、僕達の下へ戻ってくると同時に、丁寧なお辞儀をしてくれた。
「三日月君。この依頼受けようと思う」
「そう言ってくれると信じてましたよ」
「これを受けない冒険者が居たら、見てみたいよ。
それとだね、この依頼は俺達にとって徳しかないと思うんだ。
そこでどうだろう、俺達グランドクロスがクレセントの傘下に入るというのは?」
「えっ! 傘下ですか?」
「ああ、クレセントで何か人手が必要な時は、グランドクロスが全力で協力するよ。こんな、お礼しか出来ないが、どうだろうか?」
「ん~ 皆さんはどう思います?」
「私は賛成よ」×アヤメ
「私も賛成かな」×ナギサ
「私も宜しいかと思います」×リラ
「もちろん、私も賛成だよ」×ノノ
「僕も賛成かな」×ツドイ
「ふむふむ、ではこれから宜しくお願いします」
「ありがとう。きっと希望に添えられるよう努力するよ」
「はい、一応冒険者の底上げが目的ですから、スキル等は販売より使用を優先していただけると嬉しいです」
「ああ、分かった。強くなれば、金なんて後から幾らでもついてくるさ」
「んふふ、ヨウ君に迷惑掛ける様な事したら、ブチ殺すからね。コウタ」×ナギサ
「ブッ!? 怖え事言うなよ、ナギ姉・・・」×コウタ
「あはははは♪」×クレセントメンバー
「わ、笑えないって」×コウタ
「そだそだ! 今度ヨウ君のランクアップお祝いパーティするからさ、コウタもレイさん誘って来なさいよね」
「へっ?」
「義兄さんって、Sランクだったんじゃ?」
「かはっ! コ、コウタ・・・最近、驚く様な発表があっただろうが?」×レイ
「えっ! 驚く様なって、あのSSランク? ええっ?」
「Sランクの人が、ランクアップって言ったら、それしかねえだろ?」
「に、義兄さんSSランクになったんですか?」
「えへへ、照れますね♪」
「ええええええええええええっ!!!!!」×全員
「え、SSランク? マ、マジで?」×コウタ
「冗談だと思う?」
「思わない・・・」
「もうナギサ。あんまりコウタ君を虐めちゃ可哀そうでしょ? コウタ君、レイさん、是非来てね」×アヤメ
「「は、はい」」
「アダマンタイトの件はちゃんと伝えておきますので、そろそろお暇しますね」
「ああ、今日は本当にありがとう。感謝するよ」×鷹匠
「いえいえ♪ あっそうそう、忘れてた。はい<虚空庫>のスキルオーブです」
「本当に良いのかい?」
「遠慮なく、どぞどぞ」
「では、頂くよ・・・ははは、手が震えるね」
約束の<虚空庫>スキルオーブを、鷹匠さんに習得して貰ったので部屋を後にする。
僕は手をブンブンと振りながら、グランドクロスの皆さんに別れの挨拶をした。
「き、緊張した~~~~~~~~~」×全員
「フゥ~ 今回も一気に疲れたな・・・」×レイ
「すみません、レイさん」×コウタ
「いや、謝る様な事じゃねえよ、しかし相変わらず凄い人達だな」
「まさか、SSランクとはな、レイが緊張してたのも納得だ」×鷹匠
「なあ、可愛い顔した少年だが、数秒でグランドクロス本部を更地に出来るって言ったら信じるか?」
「い、いくら何でも冗談だろ?」
「いや、おそらくコウタの姉さん達も、それぐらいなら出来る力を持ってると見てる。優しい人達なんだが、恐ろしい力を持った人達なんだよ?」
「・・・・・・・・・・」×クランメンバー
「揶揄って悪かったよ。レイは全力で応対してたんだな」×鷹匠
「いや、彼に気に入られたんだ。リーダーも大したもんだよ」
「ありがとよ」
「コウタ君は大型新人だと思ったら、お姉さんの影響だったのね?」
「ナギ姉も凄いけど、義兄さんが更にとんでもない人なんですよ?」
「まさか、世界で初めてのSSランクに会えるなんてな・・・」
「気軽に傘下に入るって言っちまったが、大丈夫だったか?」×鷹匠
「傘下に入ろうが入るまいが、怒らせたら終わりなのは一緒だぞ? まあ、誠意は伝わったと思うけどな」×レイ
「そう言って貰えると助かるな、さてゴールドスライムだが神棚を作らないとな?」
「あはは、毎朝感謝を込めて拝むとしようか」×レイ
「そうしよう♪」×全員




