第254話 さてさて、こっちも進めておかないとですよね
「なんか喋ってると、SSランクには見えねえな?」×ソヒョン
「自覚が無いですからね? ではでは、サクっと倒してきますね~」
僕は<虚空界>から愛用の短剣を取り出し、左右に持った。
「まさかメインの武器は短剣なの?」×シュアン
「ですです、短剣って言っても少し長めなんですけどね♪」
今日は武器に施すエンチャントは氷属性にすると、左右の短剣が冷気を帯び青く輝いていく。
そして、無造作にレッドキングトロルへ近づいて行くと、猛然と丸太の様な腕が振り下ろされた。
「あ、危ない!」×シュアン達
「大丈夫ですよ♪」
振り下ろされたレッドキングトロルの腕は、細切れになりながら地面へ落ちていく。
そして僕の間合いに入ると同時に足元から積み木の様に崩れ去り、レッドキングトロルは光の粒子となって消えて行った。
「こんな感じですね~ どうでした?」
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」
「・・・身の毛もよだつってのは、こういう事か?」×ソヒョン
「怖い人ね・・・」×シュアン
「・・・私達の時は口紅で良かったわ。あの短剣の前には絶対対峙したくないもの」×ソンイ
「さ、寒い・・・」×フィ
「こんなに冷たい汗を掻いたのは初めてよ・・・」×ギュリ
「凄すぎて、言葉も出ないんだけど?」×テユン
「・・・なんか思ってた感想じゃないんですけど?」
「しょうがないでしょ? もう人のレベルなんて軽く超えちゃってるんだから」×シュアン
「自分では、マダマダのつもりなんですけどね~」
「どんだけ強くなる気なんだよ?」
「ん~ 特級ダンジョンを制覇出来るぐらいかな?」
「あんなの無理に決まってるでしょ?」×フィ
「一度だけ挑戦したんですけどね、危うく死ぬところでした」
「「「「「「ええっ!」」」」」」
「って事は、特級ダンジョンからの生還者なの?」×ソンイ
「あっ! 内緒ですよ?」
「「「「「「おいーーーーーーー!」」」」」」
「それって、言っちゃ駄目な事だったんじゃないの?」×ギュリ
「あはは、そでした♪」
「・・・情報を得るために日本へ来たのに、何故危機感が募っていくの?」×シュアン
「誰にも言っちゃ駄目ですよ? たぶんギルドにも迷惑が掛かると思うんで?」
「わ、忘れる事にするわ・・・」
「なんか頭が痛くなってきたぞ・・・」×ソヒョン
「大丈夫ですか?」
「君のせいだって事、分かってるよな?」
「心外だな~ サービスですよ?」
「分かった。ちょっと私達で相談する時間をくれないか?」
「そうですね。じゃ、また明日にでもクレセント本部に招待しますね。
ゆっくり考えてみて下さい。じゃ、帰りましょうか」
「待って、どこに連絡したら良いの?」×シュアン
「また、僕から会いに行きますから連絡しなくても良いですよ?」
「・・・私達がどこに居ても分かるって事ね?」
「木星ぐらいまで行ったら分かんないかもですよ?」
「ハハ、嘘でしょ?」
「どうでしょう?」
僕は中級ダンジョンを出ると、シュアンさん達に手をブンブンと振り別れの挨拶をした。
「・・・参ったな」×ソヒョン
「ええ、お手上げよ」×シュアン
「私達は、いったいどうしたら良いの?」×ソンイ
「何が正解か判断付かないわよね・・・」×フィ
「凄い人達だったね?」×テユン
「凄いなんてものじゃないわよ・・・」×ギュリ
「ねーねー、ちょっと聞きたいんだけど」×テユン
「なに?」×シュアン
「クレセントってハーレムクランなんだよね?」
「・・・そうね」
「って事は、そういうこと?」
「き、聞かなくても分かるでしょ?」
「うわ~ 私達全員、同じ彼氏って事になるんだね~」
「ま、まだ、そうなるとは限らないでしょ?」×フィ
「でもさ、パーティでの回答になるの? それとも個人?」
「まさか、意見が分かれたらパーティ解散とかにならないよね?」
「「「「「・・・・・・・」」」」」
「フゥ~ まさか、こんな展開になるとはね」×シュアン
「とりあえず、現時点での皆の意見を聞いて良い?」
「YESよ」×ソンイ
「YESね」×フィ
「YES」×ギュリ
「YESだね」×テユン
「YESだ」×ソヒョン
「ちょっと皆分かってるの? ハーレムよ?」×シュアン
「そういうシュアンは、どうなんだよ?」
「うふふ、YESよ♪」
「「「「「「あはははは♪」」」」」」
「皆、正気とは思えないな♪」×ソヒョン
「あれだけ規格外なんだもの、こんな事があっても良いんじゃない?」×ソンイ
「私はヨウ君の可愛さかな~」×フィ
「圧倒的な強さだろ?」×ギュリ
「可愛いのに強いギャップ萌えだよ~」×テユン
「それはあるわね」×シュアン
「でもね、私は祖国の為にも受けるべきだと思うわ」
「うふふ、私達が親善大使になるのね」×フィ
「確かに彼には、それだけの価値があるわ」×ギュリ
「一番の理由は『彼に惹かれた』これじゃない?」テユン
「確かに♪」×全員
「二番目の理由は『彼女達に惹かれた』かな?」×シュアン
「シュアンも?」×全員
「うふふ、もう性別を超えてるよね?」
「まあね、彼女達に迫られたら抵抗する自信が無いわ」×ソンイ
「いや~ 誰も抵抗出来ないと思うな~」×テユン
「なんか、とんでもない事になっちゃったわね?」×フィ
「これからどうなるんだろうね~ ちょっと楽しみだけどさ」×ギュリ
「うふふ、とりあえず、明日を待ちましょうか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
僕はシュアンさん達と別れクレセント本部へ帰ると、何時もの様にメイドさん達が出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ。ヨウ様」×カンナ
「おかえりなさいませ」×メイド達
「ただいま~ 何時も出迎えありがとう」
「いえ、当然の事ですから」
「そだ、ゴールドスライムの効果ってどうです?」
「素晴らしいの一言ですね。
全てのドロップが2倍になり、スキルやスクロールも良くドロップする様になりました」
「やっぱりですか~ こりゃ毎日拝まないとですね?」
「うふふ、神棚を作ったぐらいですからね」
「それに伴って私達の収入も、とんでもない金額になってきているのですが?」
「駄目ですよ? 貰いませんからね?」
「うふふ、そう言われると思いました」
「親孝行するか、自分の趣味に使うかですね?」
「既に両親には家をプレゼントしましたし、転移先開拓のため海外旅行にも行かせて貰ってますので・・・」
「あはは、お金の使い方って難しいものですよね」
「はい、まさか、こんな幸せな事で悩むとは思いませんでした」
「アールさん達も、ちゃんと贅沢してますか?」
「はい、ヨウ様のお陰で、夢の様な毎日を送ってます。
私達には親がいませんので、親孝行は出来ないのですけどね」×アール
「そっか、じゃ、主にお金の使い道はどうしてるんです?」
「そ、それが・・・食事はシオ様が最高ですし、服はフミ様が用意してくれますし。
武器防具、アクセサリーに至るまで、お金を取ってくれませんから・・・」
「ありゃ? ひょっとして、お金使って無いです?」
「逆に、どうやったらお金を使えるのか、お聞きしたいぐらいです?」
「ん~ 読書とか?」
「クレセント本部にある図書館凄いですよ? 最新刊まで全て揃ってますから」
「映画とかスポーツとか?」
「全て揃ってますよね?」
「・・・あはは、分かんないですね♪ まー、僕も最近お金使ってないんですけど・・・
何か面白いお金の使い方を見つけたら、教えて下さいね?」
「うふふ、分かりました。色々と考えてみます」
メイドさん達と色々と、お喋りしてからリビングへ行くと、アヤメさん達が寛いでいた。
「あっ! おかえり~」×アヤメ
「にしし、どうだったの、ヨウ君?」×ナギサ
「ん~ 頑張りましたけど、どうなんだろ?」
「フフ、焦ることもありませんので、ごゆっくり口説かれては?」×リラ
「フフ~ 私は勝ち確定だと思うけどな~」×ノノ
「ヨウ君に口説かれるなんて贅沢だね」×ツドイ
「ホントだね~」×ナギサ
「あはは、そんな事ありませんよ? そだそだ、例の件なんですけど?」
「ゴールドスライムの事かな?」×アヤメ
「ですです、最初はグランドクロスに行こうかと思うんですよ」
「ナギサの弟である、コウタ君が居るとこだよね」
「あっ! ヨウ君。そんなにコウタに気を使わなくても良いよ?」×ナギサ
「気なんて使ってませんよ。リーダーさんも良さそうな人でしたから」
「ヨウ君がアダマン鉱石譲って上げた人だよね?」×ツドイ
「ですです、人を見かけで判断しない人格者さんでしたから」
「じゃ、コウタに連絡しとこっか?」×ナギサ
「はい、明日の午前中でどうです?」
「OKよ、グランドクロスクランに居る様に言っとくわ」
「どもども、では皆で行きましょかー」
「「「「「ヤー♪」」」」」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ええっ! マ、マジで? う、うん、分かったよ」×コウタ
「どうしたんだよコウタ。なに焦ってるんだ?」×レイ
「た、大変ですレイさん・・・明日、ナギ姉達がクランに来るんだって?」
「はあああああああああ? クランってグランドクロスだよな? 大変じゃねーか?」
「ですよね?」
「当たり前だろ? それに姉達って、姉以外も来るのかよ?」
「はい、義兄さん達と来るって」
「うはっ! 超人全員かよ? しかも明日って。
コウタ! お前なんかしたんじゃねーだろうな?」
「な、何もしてませんよー」
「とりあえず、リーダーの鷹匠に連絡しとかないとな」
「やっぱり、その方が良いですか?」
「ああ、クランリーダーに用事があるのかもしれねえだろ? 主要メンバーも全員揃ってないと機嫌を損ねるかもしれねえしな」
「義兄さんは、そんな事で怒らないと思うけど?」
「馬鹿野郎! お前の姉達も怒らないと思うか?」
「・・・あはは、怒るかも?」
「『ふ~ん、ヨウ君が来たのにリーダーさん居ないんだ?』なんて言われたらどうすんだよ?」
「うわ~ 言いそう・・・義兄さんに迷惑掛けたら、俺がナギ姉に殺されるかもだし?」
「コウタに連絡してきたんだし、私も気の回らない奴だと思われたくねえぞ?」
「あわわ! 茶菓子とかも用意しといた方が良いですよね?」
「ああ! 言っとくけど、最高のやつにしろよ? 金が掛かっても良いから大量にな」
「は、はい、今から調べて予約しときます」
「私は鷹匠に電話しとくな」
「はい」
プルル~ 「はい鷹匠です。珍しいなレイから電話なんてよ?」
「リーダー良く聞いといてくれよ。明日の朝、早めに主要メンバーを揃えてクランで待機しといてくれ」
「な、なんだよそりゃ?」
「良いか? 何があっても絶対に呼び出しといてくれ。何があってもだ?」
「おいおい、穏やかじゃねえな?」
「ああ、明日とんでもない人達がクランへ来るんだ。槍が降ろうがミサイルが降ろうが絶対に来い! 体調不良なんかで来なかったら、私が止めを刺しに行くからな?」
「だ、誰が来るんだよ?」
「忠告しとくが、その人達に失礼な態度とったら、明日でグランドクロスがこの世から無くなると思えよ?」
「お、脅すなよ?」
「良いか? 神様が来ると思えよ? 機嫌を害したら悪魔にもなるんだからな?」
「分かった。分かったから落ち着けよ?」
「これが落ち着いていられるか。明日、早朝からクランで待機しとけよ? 絶対だぞ?」
「分かったよ」
「フゥ~ やれやれ。一体明日誰が来るって言うんだよ・・・」
俺はナギ姉から電話を貰ってから、レイさんと慌ただしく明日の段取りをしてから眠りについた。
翌朝もレイさんとイチャつく暇も無く、早朝から身嗜みを整えクランへと向かった。
早朝だというのに、既にクランリーダーである鷹匠さん達も待機してくれていた。
「おう、ちゃんと来てるな?」×レイ
「全く。ちゃんと説明してくれるんだろうな?」×鷹匠
「俺達なんて、事情も分からねえのに集まってんだぜ?」
「分かった分かった。以前、凄え女性が此処に来ただろ?」
「おいおい、まさかあの女性が来るって言うのか?」
「いや、あの女性達の主人が来るんだ」
「はあ?」
「この際言っておくが、あの女性達の1人は宮上渚って言うんだ」
「宮上って、まさかコウタの姉か?」
「はい、そうです」
「うはー、それじゃ、あの時はコウタの為に下見で来たのかよ?」
「ああ、そうだ! 宮上渚さんと藤崎綾萌さんだ。よく覚えとけよ? 幸いコウタをクランへ入れてくれたって事は、グランドクロスを気に入ってくれてるって事だ」
「んで、その主人ってのは?」
「私も一度会ったことがあるが、絶対に失礼な態度をとるな。
言動にも細心の注意を払え。
見た目は可愛い少年の様だが、格上の人だと思って敬語で話せよ。
皇后陛下や総理大臣より、ずっとずっと格上だと思え」
「そ、そんなにかよ?」
「これだけ言って生意気な口を叩きやがったら、勝手に死んどけ! 絶対に庇えないからな?
茶菓子は用意しといたが、念のために昼食も段取りしといてくれ。大量にだぞ?
それから、何て服装で来てやがる? 身嗜みを整えてこい! クランメンバーに掃除するように伝えろ、大急ぎでだ!」
「・・・大事だな?」
「ちょっと、レイ本気なの?」
「私が、こんな冗談を言うと思うか? クランメンバーの生存率を少しでも上げてるのが分からねえのか?」
「わ、分かったわよ。何なのよ一体、全然意味が分かんないんだけど?」
「私も何の用事で此処に来るのか分からないが、絶対に普通の話じゃねえ。まあ、間違いなくコウタ絡みだろうけどな」
「・・・なんかすみません」
「いやいや、悪い話だって決まった訳じゃないだろ? 無いよな?」
「た、たぶん・・・」
「クランでコウタの面倒を見てる、お礼かもな?」
「嘘だろ? 俺はなんもしてねえぞ?」
「コウタ君の面倒を見てるのはレイでしょ?」
「私に礼を言うならクランには来ねえだろ? それに私はコウタとパーティを組んだ時に挨拶に行ったからな」
「もし、見学に来るなら模擬戦の用意もしとく?」
「大馬鹿野郎! 言っとくがあのナギサさんより、ずっとずっと強えんだよ殺されるぞ?」
「えええええええっーーーーーーーーー!!!!!」×クランメンバー
「ナギサさんって、この壁にグランドクロスを刻んだ人でしょ? ど、どんな超人なのよ?」
「絶対に敵対したくねえ人だよ?
それより掃除だ掃除、私とコウタは<クリーン>を掛けてくぞ。
他の皆は片付けろ」
「お、おう」
こうして俺とレイさんは、クラン本部の1階から丁寧に<クリーン>を掛けて、ピカピカになるまで掃除を頑張った。
改めて思うけど、生活魔法って凄い便利だ♪
掃除が終わるとクランの主要メンバー全員で、緊張しながら義兄さん達を待つ事になった。
茶菓子も高級店のだし、紅茶もコーヒーもバッチリだ♪




