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第24話 そう言えばバルコニーだったな


 僕は串に刺さった肉の塊を豪快に被り付くと、アッサリと噛み切る事が出来るほど柔らかく肉の旨味が口の中いっぱいに広がる。


 女性陣にはキングサーモン・伊勢海老・ボタンエビ・ホタテといった魚介類や、パパイヤ・マンゴー・パッションフルーツといった各種のフルーツに人気があるようだ。


 僕は次にスペアリブに噛り付く。


 それぞれが、好きな物を食べているところもカメラマンの方が写真に撮ってくれる。後で見るのが楽しみだ。


 一通り食べ終わり、少し休憩するためお酒の入ったのトロピカルジュースを持って、ビーチチェアーに各自座って行く。


 美しい女性達が大きなサングラスに幅広の帽子を被りビーチチェアーに座っているのは、とても絵になる。


 水着の上にパーカーを着ているだけなので、長い素足に視線を奪われそうになるのを我慢するのが辛い。


 休憩が終わる頃にはリラさんがバランスボールぐらいの大きさがあるビーチボールを用意してくれていたのでビーチボール大会になった。


 料理人さん達も参加して貰い全員で遊ぶことになった、料理人さん達の水着はシッカリとリラさんが用意してくれていた。


 どこまで先を読んでいるんだろうか。恐ろしい人だ。



「あの、料理人の私達まで水着を着て遊ばせて貰うなんて気が引けるのですが・・・」


「私も水着でカメラ持つのは初めてですよ?」


「まあ、お気にせず。皆で遊んだ方が僕も楽しいので」


「そ、そうですか。では、お言葉に甘えますね」


「はい、せっかくですし楽しみましょう♪」



「ヨウ君~、写真撮って貰おうよ」


「狡いわアヤメ、私も入る~」


「はい、喜んで!」



 アヤメさんとナギサさんは僕の左右に別れ、腕に抱き着いてくれたので大きな胸の感触が心地良い。


 今はパーカーを脱いでいるので目のやり場にも困ってしまう。


 その後もリラさんとノノさんやツドイさん、また料理人さん達とも写真を取って貰い、それぞれが好きな事をして貰った。


 驚いた事に夕方になると夕日が海へ傾いていき、辺りは夕日の色に染め上がる。


 いったいどんな技術なんだろう・・・



「ねえ、お姉ちゃん綺麗な色をありがとう。今日まで生きて来て本当に良かったわ」


「ノノ、今までごめんなさいね。これからはヨウ様と共に楽しい事を沢山しましょうね」


「うん、この景色をくれたヨウ様には感謝しかないわ」


「でも、ヨウ様って何者なんだろうね?」


「フフ、私達にとっては神様ですよ」


「ウフフ、その通りだわ♪」



 楽しかった日も終わり料理人さん達は調理道具を片付けて帰って行った。


 料理人さん達は仕事なのに楽しい思いをさせて貰ってありがとうと、何度もお礼を言ってくれた。


 今はお風呂がわりに皆でジャグジーに入っている。


 丁度ツドイさんと話したい事があったので声を掛けてみることにした。



「ツドイさん少し話があるのですが、良いですか?」


「はい、なんでしょう?」


「ツドイさんには、ある程度ぶっちゃけますが、これから僕と居たら危険な目に遭うかもしれないんです。


それで、お世話になっているツドイさんに迷惑が掛かるかもしれないので、先に伝えておこうと思って。


僕の専属運転手を辞めたくなったら何時でも言ってください。自由に辞めれるように言っておきますので」


「あはは、三日月様。いや三日月君。


君の様なお金持ちなら多かれ少なかれ敵が居るのは当たり前なんだよ?


僕はそんなお金持ちの運転手をずっとやって来たんだ。


つまり今更な問題なんだよ? 多少危険があっても君の運転手を辞める気はさらさら無いよ。


たかが、お抱えの運転手にこんなにも良い思いをさせて貰えて、また僕の身まで案じてくれるんだよ?


多少危険なぐらいで辞める馬鹿が居たら見てみたいね」


「ありがとうツドイさん。もう少しぶっちゃけると、以前大阪オークションで出品された目玉商品3点は、僕が出品したんです」


「えっ? ちょ、ちょっと僕の想像の斜め上をいったね?


確か落札価格は5000億とか途方もない値段だったはず? なるほど・・・理解出来たよ。


事が公になれば各国が君を奪いに来るね、しかも大物から小物まで選り取り見取りだ。


ますます、君の運転手を辞めれなくなったね? 自慢じゃないけど僕の腕が要るんじゃないかな?」


「危険ですよ?」


「もう聞いちゃったし、今更だよ?」


「内緒ですよ?」


「あはは、僕が今聞いた話を誰かに喋ったら、確実に後ろの二人に殺されそうだね? 結構な殺気が出てるよ」


「あっ? 駄目ですよリラさん、ノノさん」


「「・・・畏まりました」」


「じゃ、引き続き、僕の御主人様で宜しくね」


「分かりました。ありがとう」


「じゃ、アヤメさん、ナギサさん、ツドイさん、これを渡しておきますね」



 僕は<虚空界>から<追加防御>のスキルを3つ取り出し其々に渡した。



「それってスキルオーブじゃない? まだ持ってたの? どんな強運してるのよ」


「ごめんなさいアヤメさん。ちょっと言い難くて・・・」


「スキルオーブって、私にもなの?」


「僕にも?」


「はい、それは<追加防御>って言うスキルで使っている内は、たぶん銃弾ぐらいなら防いでくれます」


「ま、また高そうなスキルね・・・」


「ひえ~、そんな良い物をどうして?」


「なるほど、僕達の命の保険って訳だね」


「そうです。念のために僕の身近に居る方には渡しておこうと思ってます」


「既にリラさんとノノさんには習得して貰いました。それを手に取って使用する事をイメージして下さい」


「も~、断れないじゃない」


「うあ~、私何かには勿体ないけど、貰っちゃうね」


「運転手を引き受けたんだから僕も断れないね・・・」



 若干の戸惑いはあったものの、快く3人は<追加防御>のスキルを習得して貰った。


 それから使い方を簡単に説明すると皆使えるようになったようだ。



「アヤメさんとナギサさんは大丈夫とは思うけど、一応毎日確認して下さいね」


「分かってるわよ、ありがとねヨウ君」


「はーい、ありがとヨウ君」


「僕、大丈夫じゃない?」


「あはは、ツドイさん素の喋り方の方がずっと良いですね♪ 運転手さんは流れ弾が飛んで来るかもです」


「なるほど、僕の喋り方って変わってるから、気に入ってくれたなら楽で良いよ」


「へえ~、私のステータスってこんなのなんだ」


「そっか、ナギサさん初めてのオーブなんですね」


「そうよー、だって高くて買えないよ」


「当然僕も初めて見るよ」


「冒険者以外ならそんなもんよ?」


「フフ、ヨウ様は特別ですから、そろそろ部屋へ入りますか?」


「そうですよね、そういえば今も満天の星空だから忘れてたけど、ここってバルコニーなんでしたね」


「そうね、私も忘れてたわ旅行気分だったもの」


「あはは、私もハワイ気分に浸っちゃった」



 それから皆シャワーを浴びて部屋に入る事にした。


 もちろん、元々着ていた服はクリーニングされていたが、リラさんが用意してくれた部屋着に着替えお酒を飲む事にした。


 今度は夜景を見ながら綺麗な女性5人とワインを飲む。


 大阪に来てから贅沢しまくりだ♪



「僕、お酒って久しぶり」


「職業柄そうなるわよね」


「そっか、普段飲めないのは厳しいよね」


「そうでもないかも? 今は飲みたい時は毒消しポーションあるからね、飲みすぎない限り大丈夫だよ」


「なるほど。毒消しポーションって、そんな使い方もあるんだ」


「じゃ、今日は皆気兼ねなく飲んで下さいね、泊っていってくれても良いですし」


「んふふ、良いわね♪ でも、明日仕事だから着替えに帰らないと」


「替えの洋服なら御用意しておきました。勿論皆さんのも御座いますよ」


「「「えっ?」」」


「僕のもかい?」


「はい、私の目測ですがサイズも合っていると思います」


「噂には聞いてたけど凄い人だね? 僕、背が高いから中々サイズが無いんだけど」


「うは~、リラさん超人ですー」


「全くね、恐れ入るわ」


「流石、お姉ちゃんね♪」


「じゃ?」


「「「「「「乾杯~!!!」」」」」」


「あ~、美味しい♪ でもこんなに豪華な夜景を見ながら高級ワインを飲むなんて優雅ね~」


「にひひ、セレブ気分だね~♪」


「フフ~、今までの生活が信じられないかも♪」


「フフ、全てヨウ様のお陰ですね」


「お金持ちって、こんな感じなんだね」


「僕には分不相応ですよね」


「んふふ、ヨウ君も慣れないとね♪」



 その日は皆で楽しくワインを飲み、全員泊っていって貰った。


 翌朝、目が覚め1階へ下りると、リラさんとノノさんが朝食を作っていてくれた。



「おはようさんです、早いですね」


「おはようございますヨウ様」


「おはようヨウ様。今日もダンジョンですよね?」


「はい、皆で朝食を取ったら行きましょうか」


「「はい」」



 しばらくすると、皆起きてきたので朝食を取りながら話をした。



「いや~、ベッドまで凄いね? フカフカでとても気持ち良かったよ」


「三日月君は、今日もダンジョンかい?」


「はい、リラさん達と3人で行ってきます」


「僕は思うんだけど各国の人達も<鑑定>スキルの情報を得る為に動いてる筈だよね?」


「そうね、実際上級ダンジョンに外人が増えてるらしいわ」


「でも、三日月君は初級ダンジョンばかり行ってるからノーマークだと思うんだ」


「まあ、私達以外なら誰も想像もしないでしょうね」


「そう、だから三日月君が少し離れた初級か中級のダンジョンにも行くようにすれば、更に分かりにくくなるんじゃないかな?」


「なるほど。確かにこの先、陽動にはなるかもしれないわね」


「分かりました。でも、もう少しだけ此処の初級ダンジョンに潜りたいので、その後に違うダンジョンに行って見ようかな」


「その時は僕に声を掛けてくれたら良いよ、大阪のダンジョンなら全て記憶してるから」


「うわ~、凄いですね分かりました。その時はお願いします」


「この部屋ってギルド所有だったじゃないですか? 


 僕みたいなのがこんなに良い部屋貰っちゃったから、ここから<鑑定>のスキルを僕が出したのってバレないのかな?」


「それはおそらく大丈夫かと思われます。


 このマンションのセキュリティーシステムに認識阻害効果もありますので、誰が最上階へ続くエレベーターに乗ったのか分かりにくくなってますので」


「なるほど、何から何まで凄いマンションですね~」


「メチャクチャ高いだけの事はあるよね、私も噂には聞いてたけど驚きっぱなしよ」


「だよね~、トイレにも驚いたわ。もう、トイレットペーパーなんて感触がタオルなんだもの、流しても良いのか迷っちゃったわよ」


「あ~、分かる! ウォッシュレットも凄いからトイレに行くたびにお風呂上りみたいな気分になるわ」


「あはは、僕も未だに驚きますね」



 それから皆は、各自仕事へ戻り僕達はダンジョンに向かう事にした。


 僕は確実に出ると分かっているエリクサーをもう少し集めておきたかったので、もうしばらくだけ此処の初級ダンジョンに潜る事にした。


 それから3日間、初級ギルドへ通いエリクサーを5本確保出来た。


 そろそろ良いかなと思いツドイさんが言うように、少し離れたダンジョンへ行く事にした。



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