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第23話 プールで歓迎会と行こう


 僕は初めてパーティを組んでダンジョンに来たが、やはり一人で黙々と戦闘しているのとは大違いで、メチャクチャ楽しかった。


 会話があるって良いよな~♪ しかも美人のお姉さんが2人だもんね。


 これからも、ずっと3人でパーティを組めるのかと思うと少しニヤニヤしてしまう。


 おっと、こんな顔してちゃ嫌われちゃうな。気を付けないと。


 今日は遅くなっちゃったので食事は何か買って帰ろうかと話をすると、リラさんが直ぐに手配しますと言ってくれたので、何か分からなかったが真っすぐ家に帰る事にした。


 部屋へ着くと直ぐに誰かが来たと思ったら、リラさんが手配してくれた料理人だった。


 それからあっと言う間に分厚いステーキに、美味しそうな料理がテーブルに並んで行き、ワインで乾杯をしてからいただく事になった。


 家に着いてから未だ30分も経ってないんだが、相変わらずリラさんの力は凄まじい。



「うわ~♪ 凄く美味しそう」


「ゴクッ! 僕、お肉大好きです♪」


「フフ、それは良かったです。さあ、いただきましょうか」



 僕は分厚いステーキにナイフを入れると、とても柔らかい事に驚いた。


 大き目に切った一切れを口へ放り込み、ワインで流し込む度に幸せな気分になった。


 あ~、美味しい♪ 疲れた体に力が戻って行くような感覚を味わいながらパクパクと食べて行く。


 殆どの料理を食べ終わると、料理人は直ぐに食器を片付け帰って行った、改めてお金の力って凄いなと思う。



「美味しかった大満足です♪ でも、予め段取りしてくれてたんですか?」


「いえ、事前に何店か直ぐに段取り出来る料理を依頼しておりますので、後は連絡を入れれば用意してくださいます」


「ふあ~、なるほど。流石ですね」


「フフ、ありがとうございます」


「私も美味しかった~♪ やっぱり目で見ながら食べる料理食べるのって最高ね」


「ノノもこれから沢山美味しい物食べましょうね」


「ありがとう、お姉ちゃん」



 ノノさんの言葉に僕は苦労してきたんだなと思うと目頭が熱くなる。


 これからは、沢山楽しんで貰おうと心に誓う。


 食べすぎて少し休憩しているとアヤメさん達から連絡が入り、これから素材の買取りに来てくれるそうだ。


 本当に専属の受付嬢として、アヤメさんとナギサさんを付けてくれた事に感謝する。


 特にアヤメさん達は人気があるので並ぶのも大変だもんね。



「こんばんはヨウ君。今日は遅かったのね」


「こんばんは~ヨウ君。毎日頑張るよね~」


「「えっ? ええっ?」」


「リラさんが二人? 嘘~? リラさんって双子だったの?」


「うわ~、良く似てますね」


「あはは、紹介しますね♪ こちらリラさんの妹さんでノノさんです。今日から僕の護衛をしてくれる事になりました」


「初めましてノノです。宜しくお願いします」


「そうなんだ、良かったわねヨウ君、美人なお姉さんが増えて?」


「どんどん、美人さんが増えてくねヨウ君?」


「えっと、あはは、喜ばしい限りです。そーだ、素材渡しときますね」


「も~、ヨウ君ったらデレデレしちゃって~」



 僕は話題を変える為に魔物素材をゴソゴソ取り出しテーブルへ並べていった。



「えっ? これってひょっとしてオークキングの牙じゃない?」


「うわっ! ヨウ君もうボス倒しちゃったんだ? かなり強いみたいなのに怪我しなかった?」


「えっと、リラさんとノノさんが手伝ってくれたので大丈夫でした」


「そっかー、リラさん達も強いのね」


「でも良かった。ヨウ君ソロだから心配だったのよね」


「僕も初めてパーティ組みましたけど、今までで一番楽しかったです」


「んふふ~、美人だし強いし良いパーティ組めたわね。今だけなのが残念でしょ?」


「その件なのですが、私とノノはヨウ様とずっとパーティを組む事になりました。

なので、コンシェルジュも護衛もヨウ様専属となりますので契約の見直しをしないといけませんね」


「そうなんだ、ヨウ君が口説き落としたの?」


「ブッ!? く、口説いてなんていませんよ」


「いえ、私達の方から無理にお願い致しました」


「・・・何か事情がありそうね?」


「リラさん。アヤメさん達なら事情を伝えても大丈夫ですよ?」


「分かりました。ヨウ様がそうおっしゃるなら」


「なに、なに?」



 リラさんは、アヤメさんとナギサさんにノノさんの事情やエリクサーの事を伝えた。


 勿論とんでもなく驚いていた。



「うは~! 呼吸するのも忘れそうだったわ」


「・・・ヨウ君ってホントとんでもないわね? もう既に、神か悪魔かってレベルよ?」


「でも怪我の話が本当ならエリクサーの存在も信じられますよね~。だってノノさんすっごく綺麗な目してますもん」


「ありがとうございます。これも、全てお姉様とヨウ様のお陰です」


「まさか、本当に実在していたとはね~。驚きだわ」


「見たいですか?」


「「えええっ」」


「ヨウ君、今なんて?」


「えっと、これがエリクサーです。内緒ですよ」


「ま、まだ持ってたの? 渡さなくて良いわよ持つのが怖いわ」


「それに内緒って、相変わらず軽いわね・・・あのねヨウ君? これのために戦争が起きるかもしれない程の物よ?」


「僕もこれが、とんでもない物って事は今日思い知りましたよ。でも、この事は今居る4人にしか話しませんので大丈夫だと思います」


「んふふ、そこまで信じて貰えるのが嬉しいじゃないアヤメ」


「そうね、ありがとうヨウ君。私は絶対に口外しない事を約束するわ」


「ちょっと、そこは私達って言ってよね」


「でも、それで納得したわ。パーティおめでとう」


「えへへ! ありがとうございます」


「「ありがとうございます」」


「ねーねー? それじゃーさ。パーティ結成のお祝いと、ノノさんの歓迎会しよーよ」


「良いですねそれ、やりましょう」


「妹のためにありがとうございます。それでしたらプールでバーベキューは如何でしょう?」


「うわ~、良いわね。アヤメ明日休みでしょ? 明日やろーよ」


「じゃ、明日の昼からなら、どうでしょうか?」


「私は良いわよ、ナギサも大丈夫だからリラさん達次第ね」


「私達も大丈夫です。ありがとうございます」


「あの、私の歓迎会なんて良いのですか?」


「僕もしたいと思ってたんで丁度良いですね。そうだ、運転手をしてくれているツドイさんも呼びましょうか」


「分かりました。私から連絡しておきますね」


「あっ? そういえば水着なのよね・・・」


「今度は明るい場所だから注意しないとね、にひひ」


「ナギサもちょっとは気にしなさいよね」


「失礼な、ちゃんと手入れしてますー」


「こ、こらっ! ヨウ君の前で何てこと言うのよ」


「あらっ? ヨウ君、照れちゃった?」


「ぼ、僕は何の事だか・・・」


「んふふ~、惚けちゃって♪ じゃ、明日はヨウ君のためにも皆気を付けるって事で!」


「私は、薄いからだい・・・」


「ノノ、そこまでです」


「あはは、ヨウ君顔が真っ赤よ?」



 何故か汗を掻く羽目になっちゃったけど、そういう訳で明日はノノさんの歓迎会をすることにした。


 ダンジョンは僕だけ朝行って来ようと思ったら、反対されリラさん達もお供して貰う事になった。


 翌朝、簡単な朝食を食べ速攻でダンジョンを踏破し、昼前には部屋に戻る事が出来た。


 バーベキューの用意は既にリラさんが色々と電話で連絡してくれていたので、早速バルコニーで料理人達が手際よく段取りをしてくれている。


 料理人さん達は部屋に入り、更にバルコニーのプールを見ると、バルコニーとは思えない光景に、驚きのあまり口をポカンと開けているのが実に面白かった。


 今日は女性陣がみんな水着になるためか、料理人達も全員女性だった。


 料理人達の段取りが終わる頃、アヤメさん達とツドイさんが来てくれたようだ。



「こんにちは~」


「手ぶらもなんだからケーキ買ってきちゃった♪」


「わ~♪ ありがとうございます。僕、甘党なんで嬉しいです」


「本日は私まで御招待していただき、ありがとうございます」


「うわ~、凄く髪が長かったんですねツドイさん。来てくれてありがとう、今日は楽しんでいって下さい」


「はい、何時もは帽子の中に髪を纏めていますので、お言葉通りにさせていただきます」


「ツドイさんも敬語は無しで楽にいきましょうか?」


「分かりました、そうさせて貰いますね」


「はい」



 こうして全員揃ったので皆水着に着替えてプールのあるバルコニーへ集まる。


 確かに皆、水着みたいだけど全員薄いパーカーを着ているので、どんな水着なのか分からなかった。



「にひひ♪ そんなに残念そうな顔しなくても、泳ぐとき脱ぐじゃない?」


「ざ、残念そうな顔してました? ナギサさん」


「バレバレです~♪」


「あ、あはは・・・今日はせっかく外なのに天気に恵まれませんでしたね」


「そうよね~、晴れだと良かったんだけどね。まっ、良いじゃない」


「それでしたら問題ありません。ここは一見外に見えますが部屋にあるガラスと同じ素材でドーム状に囲われていますので、こういう事も出来ます」



 リラさんが、そう言ってから何かリモコンの様な物を操作すると、今まで居た2500㎡程の広いバルコニーが一瞬にして南国の海の様な風景に切り替わった。


 今まで曇り空だったのに高い空、白い雲、サンサンと輝く太陽があり、周りにはヤシの木が立ち並び、真っ白な砂浜にどこまでも青い綺麗な海が見える。


 どこから、どうみてもハワイのビーチに居るようにしか見えなかった。


 これには料理人達どころか僕達も驚き、口をポカンと開けて固まってしまった。



「リ、リラさんこれは?」


「はい、ドーム型に覆われたガラスに映像を流しております。


水温や空調も適した温度になるよう調節してありますので1年中泳ぐ事が可能になっており、もちろん外からは此処を見る事は出来ません」


「皆さんも、このバルコニーの外はガラスで覆われているので御注意下さい」


「嘘でしょ? 波の音まで聞こえてくるんだけど?」


「うはぁ~! 凄いわね。なんてリアルなのよ・・・映像なんて信じられないわよ」


「最上級の部屋だと聞いてましたが、ここまでとは・・・」


「お、お姉ちゃん、私の目まだおかしいのかな?」


「フフ、私も最初に此処の説明を受けたときは驚きましたので、その気持ちは分かります」


「うわ~! 凄すぎますね」


「本日はカメラマンも来ていただきましたので、記念にどうぞ。コテージの方で料理を初めていただきますので、御自由にお取りください」



 リラさんと言う通り南国に溶け込むように設置されたコテージには、既に串に刺さった肉や野菜が焼かれており、様々なフルーツが彩りよく並べられている。


 魚介類も豊富に揃えてあり、料理人にお願いすれば直ぐに焼いてくれるらしい。


 ここは天国かと思えるほど素晴らしい光景だった。




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