第234話 オークキャッスル訓練開始です
僕達は昨日、階層争奪模擬戦に出場してくれたメイドさん達を迎えに、一度部屋へ戻ることにした。
そう、せっかくメイドさん達が取得してくれた権利なんだから、一緒に行くことを提案してみた。
もちろん、メイドさん達は快く快諾してくれた。
「お待たせしました。ごめんね、待たせちゃって」
「いえ、私達もシドニーを観光していましたので、お気になさらず」×カンナ
「フフ、階層争奪模擬戦は如何でしたか?」×リラ
「はい、シドニーは冒険者のレベルが高いとお聞きしていたのですが、意外にも勝ててしまいました」
「んふふ、カンナさん達も強くなったわね~」×アヤメ
「そんな、私達はマダマダですので・・・」
「体感的には、日本に来たばかりのアールさん達ぐらいの実力だったかな?」×ツドイ
「そ、そうだったんですか・・・では、私達も強くなったんですね」×アール
「にひひ、だって、ヨウ君の支援を受けて鍛えて貰ったんだから当然の結果だよ?」×ナギサ
「フフ~ ネックレスの効果でステータスも高いですからね~」×ノノ
「まだ実感は湧きませんが、強くなったのなら嬉しいですね」×カンナ
「あはは、今日行く上級ダンジョンで、良い訓練出来るとこがあるんですよ、最後の方に行きましょうか」
「えっ? ひょっとしてアレの事?」×アヤメ
「ですです♪」
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
「あ、あの、そんな目で見られると不安になるのですけど?」×カンナ
「まあ、ヨウ君も居るし大丈夫かな・・・」×ナギサ
「アヤメさん達にも、良い訓練になると思いますよ?」
「そうなの?」
「はい、アヤメさん達5人は、カンナさん達にアドバイスをしてあげて下さい。
戦況を読んで出来るだけ的確にね♪ 僕は全体のサポートに回りますから」
「なるほどね~ ヨウ君が考えそうな事だわ」×アヤメ
「・・・・・・・・・・」×メイド達
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ? きっと楽しいからさ」×ツドイ
「は、はい」
「であであ、行きましょうかダンジョンへ」
「ヤー♪」×全員
僕達は皆で外へ出て、上級ダンジョンへ向かうことにした。
流石にこれだけ大勢のメイド服は目立ちまくったけど、どうせ外国なので気にしないで良いよね。
カンナさん達は初めてのダンジョンなので、地下1階からスタートした。
久々にカンナさん達の戦闘を見ると、また格段に成長しており戦いが非常に綺麗だ。
やはり、リッカさん達に指導を受けたので、動きに無駄が無く連携がスムーズに行われている。
これなら、上級ダンジョンでも安心して見てられるな。
クレセントメンバーは何時も魔法サーフィンで遊んでいるので、湿原での移動も楽なもんだしね。
魔物が密集しているモンスターエリアも難なく突破し、地下10階のボスも撃破した。
人数が多いので2回に分けて行ったが、安心して見ていられた。
地下11階からはカンナさん達が獲得した階層なので、説明しながら皆でダンジョン探索を楽しんだ。
そして、いよいよオークキャッスルがある地下15階へ辿り着いた。
カンナさん達には道中、簡単に説明し戦略を立てて貰うことにした。
かと言っても、全体の数ぐらいしか伝えていないんだけどね、訓練だから言い過ぎたら駄目だよね。
「えっと、大体分かってくれたかな?」
「はい、頑張ります」×メイド達
「んふふ、皆楽しそうな顔しちゃって、スッカリ戦闘狂なんだからさ」×アヤメ
「うふふ、そうでしょうか? 確かにワクワクするような気持ではありますね」
「私はドキドキします。だってオーク3000体なんですよね?」
「あはは、全力でいかないとだしな~ 頑張るぞ~」
「あ~ 久しぶりに落ち着かない気分です」
「うふふ、少し前ならオーク3000体と戦うなんて自殺行為でしたが、なんでしょう今の気持ちは?」×アール
「皆さん。日頃の訓練成果を発揮する絶好の機会です。楽しみましょうか」×カンナ
「はい♪」×メイド達
「ではでは、僕の全体攻撃<スタン>からスタートです!
準備は良いかな?」
「お願い致します」×カンナ
僕は<スタン>を放つと、しばらくして怒り狂ったオークの大群がメイドさん目掛けて突進してきた。
普通なら恐れる様な、この光景にメイドさん達は果敢に迎え撃っていた。
迫りくるオーク達の勢いを止める為、最初は魔法で迎撃するようだ。
無数に放たれる魔法に出足を止められたオークは、メイドさん達の大剣により切り裂かれていった。
見ている僕も、拳に力が入る程の激戦になる。
約1時間程経過しただろうか、遂に城の外へ出てきたオーク達は全て殲滅された。
「やったーーーーーーーーーー♪」×メイド達
「フ~ とりあえずは一段落ですね」×カンナ
「喜ぶのは早いですよ皆さん。此処からが本番です!」
「城の中に残っているオークは格上だと思います。パーティ単位で撃破しますよ?」
「了解!」×メイド達
流石カンナさん。僕達がアドバイスする必要もなく息を整えてから、戦場は城の中へ移っていった。
カンナさんの予想通り、城の中にはオークジェネラルがハイオークを従えており、更なる激戦になっていった。
それでも次々と撃破していき、いよいよ最奥で待ち構えていたオークキングとの戦闘になった。
カンナさん達は2パーティずつの波状攻撃に切り替え、後方から魔法で援護している。
見事な戦術だなと、感心しながら見ることが出来た。
パッキーン! 「ええっ! そんな? 私の大剣が・・・」
「武器が折れた者は下がって支援に回って、予備の武器を全て出します」
「<硬質化>スキルと魔法剣で、限界まで強度を上げましょう」
「了解!」
「やあああああああああああああああ!!!!!!!!!」
やはり、オークキングクラスになるとミスリル製の武器では強度不足なのだろう。
次々と武器が破損していったが、予備の武器と魔法で何とかごり押せそうだ。
最後には全員大剣は折れていたが、折れた大剣のままオークキングを見事に葬り去った。
オークキングの巨体が大きな音を立て地面に倒れると、光の粒子となって消えていく。
「か、勝ったーーーーーーーーーーーー♪」×メイド達
「ハァーハァー、もう駄目、腕が上がらないわ」
「フーフー、た、倒した。私達でオークキングを倒したんだ♪」
「うふふ、ギリギリだったけどね♪」
「せっかく、ミナミ様に作って貰った大剣がボロボロね?」
「ミナミ様には謝らなければなりませんね、ですが皆さん良く頑張りましたね私達の勝利です♪」×カンナ
「ヤッホーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪」×メイド達
メイドさん達は立ち上がる元気も無いのか、地面に寝転がったまま腕を上げて勝利を喜んでいた。
この激戦による心地良い疲れを簡単に取る訳にもいかず、僕達はもうしばらく時を上げる事にした。
「ヨウ様、お待たせ致しました」×カンナ
「しばらく、休んでて良いですよ?」
「いえ、ヨウ様の前でだらしない姿を見せてしまい、申し訳ありませんでした」
「いやいや、全力を振り絞った良い戦いでした。皆さん見事です!」
僕達は拍手でメイドさん達を称えると、まだ疲れているだろうに、皆立ち上がり丁寧なお辞儀を返してくれた。
皆照れた様な、清々しい笑顔で、メチャクチャ可愛い顔をしていた♪
「フフ、少し感動してしまいました。皆さんご苦労様でした」×リラ
「メッチャ強くなったよね~♪」×ナギサ
「武器や防具はボロボロになっちゃったけどね」×アヤメ
「もう、僕達のクランメンバー以外では、勝てないかもだね?」×ツドイ
「フフ~ そりゃー、ヨウ様が鍛えたメンバーだもんね」×ノノ
「武器や防具の事は心配しないで下さい。僕からミナミさんへ新しい武器を頼んでおきますから」
「ありがとうございます」×メイド達
「さてさて、お楽しみは此処からだよー、皆で宝探しだーーーーー♪」×ナギサ
「おーーーーーーー♪」×全員
僕達は前回同様、城の隅々まで検索し、複数の宝箱と宝物庫を探し当てた。
特に宝物庫の中を見たメイドさん達は、見ていて面白いぐらい驚いていた♪
「うわぁーーーーーーーーーーーーー♪」×メイド達
「なにこれ?」
「うふふ、そう言いたい気持ちは分かるわ♪」
「海賊が、お宝を見つけた気分?」
「あはは、何よそれ?」
「金銀財宝ってこういうのを言うのね」
「お金持ちになった気分ね」
「もう十分、お金持ちじゃない?」
「でも、メイドとして働いている時が一番贅沢してるような・・・」
「・・・間違いないかも」×メイド達
「あはは、それ分かるわ~」×アヤメ
「にしし、まあ使わないなら、部屋のオブジェクトにしたら良いよ」×ナギサ
「えっ?」×メイド達
「言っときますけど、今日ダンジョンで稼いだものは、全部メイドさん達の物ですよ?」
「えええええええええええっ?」×メイド達
「ヨウ様、いくら何でもそれは貰いすぎかと・・・」×カンナ
「カンナ、駄目ですよ?」×リラ
「・・・はい、ヨウ様。ありがとうございます」
「ところでさ、この金貨って1枚どれぐらいの値段がするんだろうね?」×ノノ
「グラム計算なら30万円ぐらいですが、アンティークの金貨では1枚100万円を超える物もありますから」×リラ
「ダンジョン産だと、オークションに掛けないと価格は判断出来ませんね」
「試しに何枚かオークションに掛けてみるのも面白そうですね」
「畏まりました。では10枚程オークションに出してみましょう」
「金貨だけでも小山になってるからね~ 何枚ぐらいあるんだろ・・・」×ナギサ
「やっぱり、金貨風呂にするのが良いかな~」
「あはは♪」
「じゃ、皆疲れてるところ悪いけど、もう少しダンジョン探索しても良いかな?」
「はい、大丈夫です」×カンナ
2つ目の彫金師スキルもゲットし、引き続きメイドさん達を連れて地下16階に行き、ピンアップルの収穫に精を出した。
やはり、人数が居ると非常に楽だったので、味見をしながら収穫を終え、次の階層に行くことになった。
着々と歩を進め、地下18階へ辿り着くと、地面に巨大なクレバスを発見した。
「うわ~ なんか、見てて怖いぐらいのクレバスね?」×ナギサ
「大きすぎて底が見えないぐらい深いわね」×アヤメ
「面白そうな所ですね~♪」
「えっ?」×全員
「・・・ヨウ君、キラキラモード入ってるね?」×ツドイ
「ええ~ こんな怖そうな所に行くの?」×ノノ
「フフ、ヨウ様が行かれる所が、私達の行くところですよ?」×リラ
「一応聞いてみるけど、ヨウ君このクレバスの下へ行きたいの?」×アヤメ
「はい♪」
「・・・・・・・・・・・・」×全員
「怖かったら、待っててくれても良いですよ?」
「ヨウ君が行くなら、行くに決まってるでしょ?」
「あはは、ありがとうございます。メイドさん達も大丈夫かな?」
「も、もちろんです」×カンナ
「・・・あはは、本当に行くんだ、流石ヨウ様ですね?」×マドカ
「いくら空を飛べるとは言え、少し身構えてしまいますね」
「うふふ、でもワクワクしますね♪」
「あはは、それ少し分かるかも」
「メイドさん達も逞しいんだから」×アヤメ
「あはは、ではでは、行きましょうか」
「ヤー♪」×アヤメ達
「はい♪」×メイド達
僕達は<高速飛翔>スキルで空を飛び、ゆっくりとクレバスへ下りて行った。
何か吸い込まれて行くような感覚に、背筋がゾクゾクする。
思ってた以上に深いクレバスをドンドン下りて行くと、少しずつ温度が下がっていく。
ようやく底が見え始め歩けるような道になっている所まで辿り着くと、少し寒いぐらいだった。
「うわ~ 薄暗いし寒いわね?」×ナギサ
「見たところ、何にも無いよね?」×ツドイ
「ですね~ もう少し進んでみましょうか?」
「何にも無いのも寂しいもんね♪」×ノノ
クレバスの底へ着いてからも僕達は歩を進め、何か面白い物は無いかと探索していく。
結構歩いたけど同じような道が続くだけで、変わった物は何も無く少し残念に思っていると、どうやら行き止まりになってしまった。
こんなに深いクレバスの底なのに太くて短い樹木が生い茂っており、何か不思議な空間だった。
「ん~ 残念。何にも無かったみたいね~」×ナギサ
「変な形の樹木だけだね」×ツドイ
「でも、太短くて可愛い木ですよ」×ノノ
「そっか~ ちょっとワクワクしたんですけど、こう言う事もありますよね」
「・・・もう、皆<鑑定>してないでしょ?」×アヤメ
「フフ、流石ダンジョンですね、予想を裏切られます」×リラ
「えっ?」×全員
僕達はアヤメさんの言葉に、皆で樹木を<鑑定>してみた。
クラフトツリー:ビールの木 天然酒造クラフトビールが蓄えられており、下部に注ぎ口があり非常に美味である!
「ええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!」×全員
「こ、この木の中にビールが入ってんの?」×ナギサ
「そうみたいね、こんな木があるなんてリラの言う通り、ダンジョンって不思議だよね~」×アヤメ
アヤメさんは、氷属性魔法でビールジョッキを作ってくれ、僕に手渡してくれた。
「はい、ヨウ君とりあえず味見しなきゃね?」
「はい、えっと下部に注ぎ口が・・・あったこれか」
僕はまるでビールサーバーの様に突き出ている枝を下へ下げると、黄金色のクラフトビールがジョッキに注がれていく。
少し色は濃い目でキンキンに冷えており、キメの細かい泡が綺麗に蓋になっている。
僕は生唾が出そうになるのを我慢して、グビッと一口飲んでみると喉越しの爽快感が、あまりに気持ち良く飲み干してしまった。
「ぷはっ! お、美味しい~♪」
「うわぁ~~~~~~~♪」×全員
「んふふ、皆にもビールジョッキ作って上げるね」×アヤメ
アヤメさんからビールジョッキを貰うと、皆でクラフトビールの試飲を行っていく。
皆、僕と同じように一気に飲み干し、幸せそうな笑顔に包まれていく。
美人の幸せそうな顔を見ると、僕まで幸せになる。
「ぷはっ! お、美味しい~♪」×メイド達
「フフ、まだダンジョン探索中ですから1杯だけですよ?」×リラ
「ぷはっ! あ~ん、美味しい~ もっと飲みたいよ~」×ナギサ
「グビグビグビ・・・ぷはっ! これホント美味しいね」×ツドイ
「ぷはっ! ん~ 幸せ~」×ノノ
「ぷはっ! やだっ! 私も言っちゃったじゃない」×アヤメ
「あはは、皆の『ぷはっ』可愛かったですよ?」
「もう、恥ずかしかったんだから、そう言う事言っちゃ駄目でしょ?」×アヤメ
「リラ姉狡い~ 1人だけ我慢したでしょ?」×ノノ
「ノノ、言わないで下さい」×リラ
「リラさん可愛いですね♪」
「ヨ、ヨウ様・・・」
僕がそう言うとリラさんも照れてしまい、顔が赤くなってしまったが、皆の照れた顔が見れて非常に満足した。
「さて、今日はもう帰って、クラフトビールで乾杯といきますか」
「賛成~~~~~♪」×全員
僕達は大量にあるクラフトツリーを、全て<虚空界>へ収納し、ダンジョンを後にした。




