第232話 ゴミ掃除は得意なんですよ
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<時間は少し遡りヨウ視点>
「さってと、次はゴミ掃除だよね?」×アヤメ
「はい、サクッと行ってきますね」
「そう言うと思ったけど、駄目よヨウ君?」×ナギサ
「フフ、当然、私達もお供致します」×リラ
「そうですよヨウ様、1人でなんて行かせませんからね?」×ノノ
「・・・あんまり皆には見せたくなかったんですけど?」
「僕は清濁併せ呑むのが、妻ってものだと思うよ?」×ツドイ
「・・・僕の性格は我ながら極端だと思いますよ?
変えようとは思いませんけど、変えようと思っても無理だと思います」
「私達は、ヨウ君が全て正しいなんて思ってないわよ?」×アヤメ
「そそ、ヨウ君、悪人には容赦ないもんね~」×ナギサ
「僕は人間らしくて良いと思うよ?」×ツドイ
「フフ~ 私達が駄目だと思ったら、遠慮なくヨウ様を止めますから」×ノノ
「フフ、ヨウ様が心のまま行動するなら、私達も自身の心が命ずるまま行動するだけです」×リラ
「・・・僕、皆に嫌われたら泣いちゃいますよ?」
「「「「「ありえませんね!」」」」」
「あはは、その逆はもっとありえないですからね? みんな、ありがとう愛してます♪」
「も、もう、こんなとこで言わないでよ照れるでしょ?」×アヤメ
「あはは♪」
「ではでは、ゴミ掃除に行きますか?」
「「「「「ヤー♪」」」」」
僕は感涙を誤魔化すように<隠蔽>で姿を隠し、空へ飛び立った。
目指すは『ソーリー』本部、少し暗くなってきたし静かに終わらせよう。
僕達は『ソーリー』本部へ到着すると、出会った者全てを<亜空界>へ閉じ込めていった。
一応全員を確認してみたが、見事に殺しても心も痛まない様な悪人ばかりだった。
まあ、その方が遠慮する必要がないので気が楽なんだけどね。
「あれれ? ヨウ君、こんなところなのに善人が居るんだけど?」×ナギサ
「えっ? 見た目は兎も角、そうなんですか?」
「うん、何度か質問したから間違いないわよ? たぶん、騙されて連れて来られた新人冒険者じゃないかなー」
「うはー、それは悪い事しちゃったな。全員悪人だと思ってたから、少し<威圧>しちゃった」
「それは、お気の毒に♪」
「ん~ とりあえず、後で謝るとして。悪人達とは別の<亜空界>に入ってて貰いますね」
「そだね、全部終わってから謝っちゃおうか」
「よっと、ヨウ君、次が最後の部屋みたいよ?」×アヤメ
「了解です!」
僕は最上階にある部屋に入ると、そこには眼鏡を掛けた男性が豪華な椅子に座っていた。
「誰だ、お前達は?」
「えっと、貴方が『ソーリー』のボスさんですか?」
「ふざけたガキだな、此処は女性を連れて遊びに来るとこじゃないぞ?
チッ! ウチの馬鹿共は何してやがる。どうやって、此処まで来た?」
「えっと、説明するのも面倒なんで、仲間が居るところへ招待しますね」
「なんだと?」
僕は問答無用で、ボスの様な男を<亜空界>へ放り込んだ。
「さてと、じゃあ、悪事の証拠になりそうなものと、金目の物を回収しちゃいましょうか」
「そうね、悪人達だけあって、色々と持ってそうだし全部没収よ♪」×アヤメ
僕達は手分けして回収していき、最後にはビル丸ごと<虚空界>へ収容した。
綺麗に掃除が済んだところで、<亜空界>へ閉じ込めた者達に会いに行くことにした。
適当に作った<亜空界>なので全て真っ白な部屋であり、『ソーリー』の面々は怯えている様だった。
「て、てめえ、俺達をどこに連れてきやがったんだ?」
「ん~ 何も分からないままじゃ反省も出来ないだろうから、少し説明して上げますね。
そっちで、手足を折られて転がってる奴らに、ダンジョンで僕達の獲物を横取りされたんですよね。
だから、叩きのめして帰らそうとしたんだけど、復讐するって言うから始末しようとしたんですよ?
そしたら、俺達を殺しても『ソーリー』の仲間達が僕達に復讐するって言うから組織ごと潰しに来たって訳です。理解して貰えたかな?」
「こ、この馬鹿野郎、そんな下らねえ事で、俺まで巻き込みやがったのか?」×ボス
「す、すみませんボス・・・で、ですが、何時もの俺達のやり方なんで・・・」
「チッ! こんな見た目だったとしても、それだけ雁首揃えて打ちのめされておいて、相手の力量も分からねえのか、ボンクラ共!」
「ヒッ! お、お許しを・・・」
「こんな真似が出来るって事は、高位の冒険者か? あ~ 分かった。俺達の負けだ謝罪する。迷惑料も払おう、それで手を打ってくれないか?」
「無理ですね」
「なに?」
「色々と悪い事をしてきたんだから、それで許して貰おうなんて虫が良すぎるんじゃないですか?
まあ、恨むんなら、そこに転がってるボンクラ共を恨んでください♪
そいつらが、僕達に絡んでこなかったら『ソーリー』が無くなる事も無かったかもですね」
「ヒッ! ヒィィ!」
僕がそう言うと、ボスは最初に僕達に絡んできた男を睨みつけていた。
でもまあ、今更何をしても手遅れなんだけどね。
「・・・俺達をどうする気だ?」
「サクッと殺そうかと思ってたんですけど、それで許すには甘すぎるかな?
善良な冒険者を何人も殺してますよね?」
「そ、それは、俺が指示したんじゃねえ、こいつ等が勝手にやったことだ」
「あはは、ボスさんも殺してるじゃないですか?」
「ぐっ! 俺は誰も殺してなんていない」
「うわ~ よく、そんなバレバレの嘘がつけるわね~」×ナギサ
「嘘じゃねえ、本当だ信じてくれ」
「ボス。それはねえよ、俺達を見捨てる気か?」
「うるせえ、お前らは黙ってろ!」
「醜い言い争いだね?」×ツドイ
「フフ、良い事を教えて上げましょう、私達は<真偽眼>と言う嘘を見破るスキルがあるのです」×リラ
「フフ~ どんな嘘をついても無駄なんだよね~ 分かったかな?」×ノノ
「そ、そんな、スキルがある訳ねえだろうが・・・」
「それがあるんだよね~ 空を飛ぶスキルとか色々とね♪」×アヤメ
僕達は<高速飛翔>スキルで空へ飛びあがり、僕達の言葉の真実味を理解させてあげた。
「なっ! に、日本のフライングマンは、お前達だったのか・・・」
「どうやら、信じて貰えたみたいですね?」
「そこで罰を考えたんですけど、こんなのはどうです?」
僕は近くにいた1人の男に、9つも重ね掛けした<麻痺眼>スキルを全力で使ってみた。
男は目を見開いたまま硬直し、身動きどころか瞬きも出来なくなったようだ。
ドサッ!
「て、てめえ・・・一体何をした?」
「ちょっと、全身を麻痺させてみました。たぶん、死ぬまで治らないんじゃないかな?」
「うわ~ それって死んだ方がマシじゃない?」×ナギサ
「ヨウ様が全力で麻痺させたのなら、一生治らないでしょうね」×リラ
「うわ~ 可哀そ♪ 意識があるのに死ぬまで動けないなんてね」×ノノ
「でもまあ、自業自得だよね」×ツドイ
「ではでは、全員同じようになって貰おっかな?」
「う、うわああああああああ!!!!!!」
「そ、そんなの嫌だ、ゆ、許してくれーーー」
「お、俺は、ボスに従っただけだ、ゆ、許してくれーーー」
ソーリーの男達は泣き叫び許しを乞うてきたが、当然そんな言葉を聞くわけもなく次々と麻痺させていった。
ボスさんも泣き叫びながら罵詈雑言を言っていたが、醜い表情のまま麻痺状態になった。
「貴方で最後ですよ、アニキさん?」
「お、俺が悪かったよぉ、横取りしたのは謝るから。ゆ、許してくれよぉ・・・」
「ヨウ君が最初に見逃してくれたのに、アニキさんが余計な事を言ったからでしょ?」×アヤメ
「もう取り返しはつかないよ、死ぬまで反省するんだね」×ツドイ
「アニキさんって、私が今まで会った中で一番の馬鹿だったわ、お気の毒様!」×ナギサ
「自業自得とはいえ、哀れな人でしたね」×リラ
「貴方には何の同情も湧かないわ」×ノノ
「うっ! うああ! うあああああああああ!!!!!」
アニキさんは、鳴き声が断末魔になり静かに沈黙した。
「さてと、こいつ等をソーリー本部があったとこに放置して帰りましょうか」
「ヨウ様。スキルを抜き取っておきましょう、この者達には無用のものですから」×リラ
「あっそっか! 忘れてた。丁度良いや間違って威圧しちゃった男性にプレゼントしちゃおうかな」
「なーるほど、お詫びとしては最高なんじゃない?」×ナギサ
「その男性は、カデルさんと言う名前みたいよ? 今<亜空界>に入って貰ってるんだよね、どうするの?」×アヤメ
「ん~ パニック状態だったから、眠らせてあるんですよね。とりあえず、自宅へ送って明日にでも謝罪に行きます」
「それならさ、誰かに喋っちゃうかもだから、部屋から出られなくしとかないとだよ?」×ナギサ
「それもそうですね、じゃ悪いけど部屋に<結界>を張って出れなくしときます」
「起きたら慌てるだろうから、早めに行ってあげないとだね」
「それと、今日模擬戦を頑張ってくれたカンナ達も労ってあげないと駄目よ?」×アヤメ
「もちろんです! さあ帰りましょうか」
「「「「「お疲れ様~♪」」」」」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<カデル視点>
ん、うんん・・・
ガバッ! こ、ここは・・・
俺の借りてる部屋? そ、そんな馬鹿な、昨日あったことは夢だったのか?
いや、そんな筈はない・・・昨日着てた服のままだ・・・
一体何がおこったんだ・・・
俺は状況確認の為に、スマホを探したが見当たらない・・・
とりあえず、テレビをつけてみることにした。
【今朝のニュースです、昨晩シドニーに本部を置いていたギャング集団『ソーリー』が壊滅したようです】
「はああ?」
【不思議な事に『ソーリー』本部があった建物が一晩で跡形も無く消え去っているそうです。
現在警察が状況を調査している様ですが、大掛かりな工事も無く目撃者も居ないようです。
しかも、その本部があった敷地内に構成員とみられる人物が、多数倒れていたそうです。
全員命に別状は無いようなのですが、まるで石化でもしたかのように誰も動かないと言う情報が入ってます。
皆一様に恐怖を感じたような表情をしており、殆どの者が目を開いた状態とのことです】
【『ソーリー』と言えば悪名高きギャング集団ですが目撃者も無しに、そんなことが可能なのですか?】
【分かりませんが、まるで悪魔にでも会ったかのようですね】
【不思議な事があるものですね、詳しい情報が入り次第またお知らせいたします】
そ、そんな・・・『ソーリー』と言えば、昨日俺が連れていかれたところじゃないか?
壊滅? そ、それよりも、悪名高きギャング集団ってなんだ?
俺は騙されてたのか・・・そ、そうだ。
昨日、恐ろしい少年に会った。あの少年は誰だったんだ?
まてよ? 俺もあそこに居たんだ。ひょっとしたら、俺も始末されるんじゃないか?
「お、俺は、何も悪い事はしていない!」
・・・だ、だが、こんな強面の男を誰が信じるんだ?
拙い・・・どう考えても拙い! は、早く逃げないと俺も同じ目になるんじゃないか?
う、嘘だろ扉に触れない? な、なんだこれは、一体どうなってやがる・・・
「ふふ、あはは、こんなことってあるのか? どう考えても普通じゃない。
俺は自宅に帰ったんじゃない、閉じ込められているんだ!
うわあああ! うわああああああああああああああ!!!!!
ハァーハァーハァー、壁を叩いても大声を出しても、誰も気づいてくれない・・・
そういえば、外の音が全く聞こえない。完全に音も漏れないように閉じ込められているのか。
こんな不思議な事が出来る奴等から、逃げれるわけがない。
俺は終わりなのか? せっかく冒険者になるために田舎から出てきたとこなのに・・・
俺は悪人と一緒に始末されるのか? だ、駄目だ、そんなことになったら、送り出してくれた両親が悲しむ。
貧乏なのに、俺に金まで用意してくれた両親を失望させる訳にはいかない。ぜ、 絶対にだ!
どうすれば良い? そうだ! せめて事情を説明しよう。
俺の話を信じてくれるか分からないが、誠心誠意伝えるしかない。
どうして俺は、こんな強面に生まれたんだ・・・もっと可愛い顔に生まれてたら信じて貰え易かったのに。
しかし、俺は喋るのも上手くない。口下手だ・・・手紙だ! そうだ。文章にして伝えよう。
俺の拙い説明よりマシな筈だ。
た、頼む信じてくれ、俺は強面だが本当に何も悪い事はしていないんだ。
ソーリーには良い冒険者クランだと言われ、連れていかれただけだ。
く、くそう涙が出てきやがる、書け! 書くしかない! 両親の為にも信じて貰うんだ」
<ヨウ視点、念話での会話>
『『『『『『・・・・・・・・・』』』』』』
『どうするのよヨウ君? 凄い勢いで独り言を叫んでて、すっごく出て行きにくいんだけど?』×アヤメ
『あちゃ~ 泣きながら手紙書いてるよ?』×ナギサ
『ククッ! この男性は悪くないって、もう分かってるんだけどね♪』×ツドイ
『もうツドイ! 笑っちゃ悪いよ~ 清廉潔白な良い男性じゃない?』×ノノ
『フフ、ヨウ様と同じ18歳みたいですよ?』×リラ
『『『『『18歳?』』』』』
『うはー、僕と真逆ですね~ なんて羨ましい・・・』
『あはは、カデルさんは可愛い顔に生まれたかったみたいよ?』×アヤメ
『にひひ、無いものねだりだね~♪』×ナギサ
『カデルさんって、冒険者らしい精悍な顔立ちしてるのに、なんでだろ?』
『カデルさんがヨウ君を見たら、可愛い顔が羨ましいと思うだろうね』×ツドイ
『フフ、このまま放置するのも可哀そうなので、そろそろ事情を説明致しましょうか』×リラ
『そうですね』
僕は<隠蔽>を解き、カデルさんの後ろから肩を叩いてみる。
「うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!
ど、どうやって入ってきたんだ?」
「そりゃー、此処へ連れてきたんだもの、入る事も出来るわよ?」×アヤメ
「えっ! ええっ? き、君は、昨日の恐ろしい少年・・・
お、俺は、何も悪い事はしていないんだ。た、頼む信じてくれ。
俺はこんな顔をしているが悪人じゃない。昨日、田舎から出てきたばかりなんだ。
こ、この手紙を読んでくれ! た、頼む信じてくれ! 頼むから信じてくれええええええええ」
カデルさんは手紙を持ちながら、土下座の様な格好をして、懇願してくれた。
「はい、信じました! 顔を上げて下さい」
「た、確かに俺は強面だ! 悪人面かもしれない。だが、頼むから・・・えっ? 今なんて言ったんだ?」
「信じると言いましたよ?」
「こ、こんな、強面の俺を信じてくれるのか?」
「はい、もちろん♪」
「ほ、本当に、俺を助けてくれるのか・・・」
「んふふ、疑り深いわね~ 最初から信じてるわよ?」×ナギサ
「そそ、悪人ならとっくに始末してるしさ?」×ツドイ
「し、始末? やっぱり、あの連中を壊滅させたのは貴方達なのか? なのですか?」
「あ~ そっか。ソーリーを壊滅させたことは、知られちゃってるんだよね?」×ノノ
「俺は誰にも言わない! 絶対に言わない! いや、言わないです」
「そんなに、畏まらなくても良いですよ?
実は、僕達はカデルさんに謝罪しに来たんですから」
「えっ? 謝罪?」
「ですです。あんな所に居たからカデルさんも悪人だと思って、威圧しちゃったんですよね。
でも、騙されて連れて来られた人だと分かって、とりあえず自宅へ送り届けたんですよ。
誰かに、この事を喋られても拙いんで、<結界>を張って部屋から出れなくしてたのはごめんなさいです」
「そ、そうだったのか・・・よ、良かった・・・
俺は助かったのか・・・良かった。本当に良かった・・・うぅぅ」
「誤解させちゃったみたいで、ごめんなさいね」×アヤメ
「「「「「「すみませんでした!」」」」」」
僕達は誠心誠意、頭を下げて謝った。
「い、いや、分かってくれて嬉しいから、それは良いんだ。
それに、俺もあのままソーリーに居たら、騙されて悪事をさせられていたかもしれないし。
こちらこそ助けてくれて、ありがとう」
「そう言ってくれると助かります。でも、僕達の事は内緒にして欲しいんですけど、謝罪を含めて交渉させて下さい」
「えっ?」




