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第231話 綺麗な女性には秘密があるもんです

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。


 ルーカスさんの家は都心部から離れた静かな場所にあるようだ。


 どうやら到着したみたいで車から下りてみると、シドニー最強の男と呼ばれているわりには普通の一軒家の様だった。



「ここが俺の家だ、さあ入ってくれ」×ルーカス


「お邪魔します」×クレセントメンバー



 玄関の扉を潜ると、そこはリビングになっており綺麗な女性が食事の用意をしていた。



「ただいま、フィオナ」×ルーカス


「おかえりなさい、ルーカス」×フィオナ


「紹介するよ、妻のフィオナだ」


「そして、此方が電話で話してた、俺と同じ冒険者のリーダーである三日月君とパーティの女性達だ」


「ようこそ、お越しくださいました。妻のフィオナと申します」


「いきなり押しかけて、すみません」


「いえいえ、ルーカスが誰かを家に連れてくるなんて、初めてなんですよ?


それも、こんなに若い男性と美しい女性達だなんて、驚いてしまいましたわ。


冒険者って若い方が多いのかしら、ルーカスはもうおじさんね」


「おいおい、勘弁してくれよ。


他の冒険者を連れてきたのは初めてだが、おじさんはないだろう?」


「あはは、ルーカスさんは、シドニー最強って呼ばれてるんですよ?」


「うふふ、でもルーカスより、三日月さん達の方が強いのでしょ?」


「・・・参ったな、どうして分かったんだい?」


「だって、ルーカスが少し畏怖しているように見えるんだもの。


特に、そちらの背の高い女性にね」


「凄い観察眼だね?」×ツドイ


「フフ、ルーカスさん、とても浮気は出来そうにありませんね?」×リラ


「ああ、何時もフィオナには驚かされるんだ、感が鋭いのも考えものさ」


「うふふ、アナタが浮気するなんて思っていませんよ?」


「信用してくれて嬉しいよ」


「まるで、リラさんみたいですね~ 他に僕達を見て何か感じましたか?」


「そうですねアジア系みたいですが、間違いなく日本の方ですよね?」


「どうして、そう思うんですか?」


「うふふ、色々と理由はあるのですけど、女性達が美し過ぎますね。


冒険者をやっているにも関わらず、傷一つない体に瑞々しい肌や美しい髪、未知のダンジョン素材だとしか思えませんわ。


今、世界を賑やかせている日本の、それも高位の冒険者ではなくて?


女性達が抑えている魔力も揃い過ぎていますし、洋服も不思議な素材で出来てますよね?


他にもお聞きしたいですか?」


「いえ、参りました。御慧眼恐れ入ります♪」


「ウフフ、後1つ付け加えるとしたら、三日月さんから此処にいる女性達以外にも複数の女性の匂いがします。


本物のハーレムパーティとは思いましたが、三日月さんは女性にとてもモテるのですね♪」


「えっ? いや・・・あはは」


「うはー、凄いな~ 本当にリラ姉みたい」×ノノ


「んふふ、ルーカスさん。奥さんに嘘を付くのは不可能ね」×アヤメ


「冒険者をやっている俺でも、人の魔力なんて計れないのだがね?」


「んふふ、シドニー最強の男より、奥さんの方が素質があったりしてね?」×ナギサ


「全くだよ」


「ところで、娘さんは部屋に居るんですか?」


「ああ、少し待っていてくれ連れて来るよ」


「ルーカス、貴方まさか・・・」


「察しの通り、今日はピンアップルを採れなくてね、信用を得るために彼等を連れてきたのさ」


「・・・・・・・」



 ルーカスさんは奥さんには何も言っていなかったのか、奥の部屋に入っていった。



「そうですか、ルーカスは模擬戦に負けたのですね。そして、三日月さんに泣きついたといったところですか?」


「娘さん思いの優しい方ですよね」


「三日月さん、ルーカスは実直な男です。嘘をついてない事は分かっているはず。


何が目的で、娘に会いに来たのですか?」


「ん~ それを聞いちゃったら、フィオナさんの仕事に支障が出ませんか?」


「何のことでしょう? 私は仕事はしておりませんけど?」


「フフ、上手く隠しておりましたが、私達の顔を見た瞬間とても驚きましたよね? 私達の顔を御存じだったのではありませんか?」×リラ


「まさか・・・」


「えっとねー、1つだけ教えて上げるけど、私達に嘘はつけないんだよね」×ノノ


「調査対象が自分の家に訪れたら驚くわよね~」×アヤメ


「それでも、表面には全然出さなかったんだから見事だよね」×ツドイ


「んふふ、流石プロだね~」×ナギサ


「・・・・・・」×フィオナ


「フ~ どうやら誤魔化すのは無理のようですね・・・恐ろしい人達が居たものです。


ルーカスにバレない様にしてくれたことには感謝します。


ですが、嘘を見破るだけでは、私の素性は分からないはず。


私に会った時の反応から見ると、私のことを事前に調べていた訳では無いですよね?


そうすると、瞬時に素性まで探れるスキルまで所持している事になります。


もし、そんなスキルが存在するとすれば、その脅威は計りしれないと思うのですが・・・」



 フィオナさんと話の途中だったが、どうやらルーカスさんが戻ってきたようなので中断することになる。



 ガチャ!



「お待たせ、娘のセーラだ。セーラ、お客さんだよ」×ルーカス


「いらっしゃい、セーラ・・・で・・・す。


うわーうわー、すっごく綺麗なお姉さん♪


あっ! 可愛いお兄さんまでいる~」


「・・・僕って、小さい子から見ても可愛いって言われるんだ?」


「んふふ、誉め言葉よ?」×アヤメ


「そう思うしかないですね」


「ねーねー、どこの国の人なの? すっごく綺麗なんだけど?」


「んふふ、ありがとね。私達は日本から来たんだよ」×ナギサ


「へえ~ 日本人なんだ、私日本って好きよ。だって、アニメがあるんだもの♪」


「へえ~ セーラちゃんはアニメが好きなんだ?」


「うん、日本って一度行ってみたい国なんだよね~


この足が治ったら、パパとママに連れてって貰うんだ」


「足を怪我したのかな?」


「セーラの足は病気なの・・・」


「一度、お兄さんに見せて貰っても良いかな?」


「え~ ダメだよ~ セーラの足って気持ち悪いもの・・・」


「僕は絶対気持ち悪いなんて思わないから、ちょっとだけ見せて貰えないかな?」


「え~ 嘘ついたら、アニメ100本ぐらい買って貰うからね?」


「分かったよ、約束だ!」


「じゃ、ちょっとだけだよ?」



 セーラちゃんは恥ずかしながらも、パジャマの裾を巻くって足を見せてくれた。


 セーラちゃんの足は異常なほど浮腫んでおり、通常の足の倍ほど太くなっていた。


 なるほど・・・セーラちゃんぐらいの年なら、これを見せたくない気持ちも分かるな。


 <看破>スキルによると、どうやら腰椎と足のリンパ節に異常があるようだ。


 でも、これなら、僕の魔法で治すことが出来そうな事が確認出来た。



「ありがとう、セーラちゃん。もう良いよ」


「セーラの足、気持ち悪いでしょ?」


「そんな事ないよ、病気さえ治ったら綺麗な足になるって」


「ありがとう、お兄ちゃん♪」


「ねー、お兄ちゃん。日本の話を聞かせてくれる?」


「良いよ」


「さあ夕食にしますよ、三日月さん達も食べて行って下さいね」×フィオナ


「すみません。頂きます」



 夕食まで御馳走になるつもりは無かったんだけど、話の流れで頂くことにした。


 もちろん、足りない分は<虚空界>から出したんだけど、僕達の食べる量に驚いていたのは言うまでもない。


 セーラちゃんは喋り疲れたのか寝てしまったので、ルーカスさん夫妻とお酒を飲むことにした。



「見ての通りだ、どうか輝くピンアップルを譲ってくれないか?」


「それなんですけど、僕の見たところ残念ながら輝くピンアップルではセーラちゃんの足は治りませんよ?」


「・・・気休めなのは分かっている、だが他に方法が無いんだ」


「ん~ 仕方ないですね・・・」


「譲ってくれるのか?」


「いえ逆ですね、僕に輝くピンアップルを100個くれたらセーラちゃんの足を治すって事で如何ですか?」


「「ええっ?」」


「ど、どういう意味か、分からないのだが・・・」


「ぶっちゃけると、僕ならセーラちゃんの足を治せると思います」


「なっ?」


「もちろん、他言無用でお願いしたいんですけどね」


「ほ、本当にセーラの足を治せると言うのか?」


「はい」


「ま、まさか、エリクサー・・・・・」


「待ってルーカス! それは聞いては駄目です」



 よく見るとフィオナさんは額に汗を掻き、危機感を感じているようだった。


 なるほど、本当に僕がエリクサーを持っている事をしれば、身の危険を感じずにはいられなかったのだろう。



「し、しかし・・・」×ルーカス


「駄目です! 絶対に聞いては駄目です・・・」×フィオナ


「まあ、そんなに怯えなくても良いですよ?」


「三日月さん、何故そんな重大な話を私達にするのですか?」


「ん~ 娘さんに輝くピンアップルを食べさせても、絶対に病気は治らないと分かったからですかね?


もっと詳しく聞きたいですか?」


「い、いえ、結構です・・・」


「そう言う訳なので、僕も輝くピンアップルが欲しいので、交渉しようと思っただけですよ。悪い話じゃないでしょ?」


「も、もし、この話を、私達が誰かに喋ったらどうなるのですか?」


「そこは、ルーカスさん御夫妻を信用するしかありませんね。


唯1つ言うとしたら、もし御夫妻が誰からに僕達の秘密を洩らしたら、直ぐに分かると言っておこうかな?


あ~ そうだ。僕達はエリクサーなんて持ってませんよ、セーラちゃんの病気は魔法で治しますから」


「・・・数多くの医者から見放されたセーラの病気を、魔法で治せると言うのですか?」


「僕達が秘密にしたい気持ちは、分かりますよね?


秘密厳守と輝くピンアップル100個で手を打ちますよ?」


「願ってもない。俺達は絶対に君達の事は誰にも言わない」


「フィオナさんも良いんですか?」


「・・・・・・・・・」×フィオナ


「フィオナ?」×ルーカス


「・・・はい、分かりました。秘密は厳守します」


「では、早速セーラちゃんの足を治しちゃいますね」



 僕はルーカスさん御夫妻とセーラちゃんの部屋へ行き、アヤメさん達にも手伝って貰いながら、寝ているセーラちゃんの治療を始めた。


 一度<看破>スキルで確認しているので、意識を集中し快癒魔法である<ハイエストメディカル>を唱えた。


 すると、酷く浮腫んでいたセーラちゃんの足は、淡い光に包まれみるみるうちに元の大きさに戻っていった。



「おおお、セ、セーラ・・・」×ルーカス


「セ、セーラ」×フィオナ



 念のため回復魔法である<ハイエストヒール>も掛けておき、これで完全に治ったはずだ。


 僕達は感涙にむせぶ御夫妻を残し部屋を出て、今日は帰る事にした。


 玄関を出て外へ行くと、フィオナさんが追いかけて来た。



「待って下さい!」×フィオナ


「大丈夫ですよ? セーラちゃんは完璧に治しましたから」


「ありがとうございます・・・で、ですが、どうして?


私が組織の人間なのは分かっているのに、私が本当に組織に貴方達の事を言わないと思っているのですか?」


「んふふ、貴女が組織に私達の事を言えば、その組織が無事に済むと思いますか?」×アヤメ


「国に連なるような組織だから、無くなったら困るんじゃない?」×ナギサ


「なっ?」


「そんな話、信じられないよね?」×ツドイ


「フフ、お疑いなら貴女の組織の構成員から業態に至るまで、全てリストに纏めてお渡し致しましょうか?」×リラ


「結構各国に散らばってるみたいだけど、ネットにでも公表したら面白い事になるかもですね~」×ノノ


「や、やめて下さい・・・そんな事をされたら、オーストラリアが大変な事になります」×フィオナ


「国の為にも今日の事は、内緒にして貰えると良いと思うんですけど?」


「あっそうそう、如何なる理由があっても、ルーカスさんの家族に何かあったら組織は無くなると思って下さい」


「なっ・・・」


「フフ、言っておきますが、これはヨウ様の親切心ですからね、誤解なさらない様に」×リラ


「では、ルーカスさんに宜しくお伝えください」


「僕達は、まだこれから、やることがあるので失礼しますね」



 ゾクッ!



 僕達はフィオナさんの前から一瞬で姿を消した。



 <フィオナ視点>


 ・・・・・き、消えた?


 視界から一瞬で消えられたのは初めての経験ですね、なんて恐ろしい人達なのですか・・・


 それにしても最後に感じた、あの殺気はいったい・・・



「フィオナ?」×ルーカス


「三日月さん達は帰られたわ」


「そうか・・・しかし、本当にセーラの病気を治せるなんて」


「ルーカス今日の事は、記憶から消しましょう」


「しかし、何か恩返ししなければ」


「いえ、約束通り輝くピンアップルを100個届けてから忘れる事にしましょう、良いですかルーカス?」


「君がそう言うなら、そう言う事なんだろう。分かったよ」


「世の中には、凄い人達が居るものなのですね・・・」


「ああ、俺も君と同じ事を思ったよ。


さあ、今日はもう休もうか。明日、完治したセーラを迎えるためにもね」


「そうね、本当に奇跡のようだわ」



 今日は驚くことが多すぎて、今までの常識が引っ繰り返りそうだったわ。


 うふふ、私がここまで理解不能になり動転するなんてね。


 どこがプロなのかしら・・・可笑しいわね♪


 さあ、ルーカスの言う通り今日は寝ましょう、三日月さんありがとう。


 そして翌朝、元気の良いセーラの声が部屋中に響き渡る。



「ママーーー、パパーーー、起きてーーーーーーーーーー♪」×セーラ


「ん、んんっ? セーラどうしたんだ?」×ルーカス


「セ、セーラ、歩いてきたの?」×フィオナ


「そうなの、セーラの足が治ったの♪


全然痛くないの、普通に歩けるんだよ? ううん、走る事だって出来るの・・・


マ、ママ・・・・・・パパ・・・・・・・


うわぁああああああああああああああああああん!!!!!!」


「セーラ良かったな、本当に良かった・・・うっ、うぅぅ」


「セーラ良かったわね、今まで辛かったでしょう。良かった、良かったわ・・・」


「ぐすっ! この足ならセーラ、どこにだって行けるよね? 学校にも行ける様になるよね?」


「ああ、もちろんだ。これから色々な所へ連れて行ってやるぞ」


「セーラの好きなところへ連れて行って上げるからね」


「えへへ、嬉しい♪ セーラ今までで一番嬉しいかも?


セーラ思うんだけど、昨日のお兄さん神様だったんじゃないかな?


お姉さん達は天使さん♪


きっと、神様と天使さんがセーラの足を治してくれたんだよ?」


「彼等はパパと同じ冒険者だぞ?」


「じゃ、冒険者に神様と天使さんが居たんだね」


「うふふ、そうね、そうかもしれないわね」


「セーラ、今日は何時も行きたがっていた公園に連れてってやろうか?」


「わーい♪ セーラすっごく行きたかったの、パパありがとう」


「うふふ、さあ、それなら朝食を食べてからね?」


「うん、ママ♪ セーラ楽しみだ~」



 しばらく見ていなかったセーラの笑顔を見ると、涙が込み上げてくる。


 まさか、一晩で完治するなんて・・・いえ、あの魔法を掛けた瞬間に治っていたと考えた方が良いわね。


 エリクサーに匹敵する魔法まで使えるなんて、未だに信じられない人ですね・・・


 三日月さんの事を考えながら朝食を作っていると、テレビの緊急速報が流れている。



【今朝のニュースです、昨晩シドニーに本部を置いていたギャング集団『ソーリー』が壊滅したようです!】



「「ええっ?」」



【不思議な事に『ソーリー』本部があった建物が一晩で跡形も無く消え去っているそうです。


現在、警察が状況を調査している様ですが、大掛かりな工事も無く、目撃者も居ないようです。


しかも、その本部があった敷地内に構成員とみられる人物が、多数倒れていたそうです。


全員、命に別状は無いようなのですが、まるで石化でもしたかのように誰も動かないと言う情報が入ってます。


皆、一様に恐怖を感じたような表情をしており、殆どの者が目を開いた状態とのことでした】


【『ソーリー』と言えば悪名高きギャング集団ですが、目撃者も無しに、そんなことが可能なのですか?】


【分かりませんが、まるで悪魔にでも会ったかのようですね】


【不思議な事があるものですね、詳しい情報が入り次第、またお知らせいたします】



「・・・『ソーリー』と言えば俺でも知ってる質の悪い連中だが、建物ごと消えるとはどういうことだ?」×ルーカス



 ま、まさか・・・



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