第22話 やっぱりパーティって良いな
誤字報告ありがとうございます。
僕はリラさん達と共に家に帰ってきた。
先ずはノノさんのセキュリティの登録と、リラさん達がいつでもこの部屋に入れるようにして設定して貰った。
「もう一度確認しておきたいのですが、本当にダンジョンに同行して貰えるのでしょうか?」
「はい、出来ましたらヨウ様とパーティを組んでいただきたいと思います」
「もちろん私も、もう一度冒険者に戻ってパーティに入れて貰いたいです」
「・・・分かりました」
「えと、リラさん達って冒険者用の装備ってお持ちなんですか?」
「申し訳ありません。もうダンジョンに行く事は無いと思い処分致しました」
「じゃ、先ずは装備を買いに行きましょうか。でも、ノノさんには少し変装して貰う必要がありますね」
「分かりました。では、あの荷物を出して貰って良いでしょうか?」
「はい、リラさんの部屋に出しますね」
「はい、お願いします」
僕はリラさんの家にあった物全てをリラさんが使ってる部屋に出して、リビングで待つことにした。
「お姉ちゃん。す、凄いんだけど此処」
「フフ、此処はギルドが所有するマンションの最上階で100億円以上するそうですから」
「うわ~! 何者なのヨウ様って?」
「それが、本当に私にも分からないのです。
分かって居るのはついこの間、高校を卒業して田舎から大阪へ出てきて冒険者になったと言う事だけです。
それから、ギルドへ<鑑定>スキルを売り、この部屋を所有されました」
「えっ? 昨日テレビでやってたオークションの?」
「それもヨウ様ですが、それは2回目の<鑑定>スキルの販売なのです。
昨日のオークションでは手取りが5000億円程になったそうです」
「ひええ~! あれってヨウ様だったんだ? 超大金持ちじゃない」
「言っておきますが、もし、口外すれば最後ですよ?」
「わ、分かってますって。もう、覚悟は決めたもん。
それとねお姉ちゃん。どんなことでもするって念押しされてたけど、ひょっとして今夜かな?」
「・・・もし、そうなっても嫌がっては駄目ですよ?」
「う~、初めてだから痛いだろうな~・・・お姉ちゃんは?」
「わ、私もです。恋愛しているような暇は、ありませんでしたし」
「ウフフ、一緒だね♪ 覚悟しときますか♪」
「もう、ノノったら」
ノノさんの変装をしばらく待っていたら、結構早く2階から二人が下りてきたようだ。
でも、その姿に少し驚く事になる。
「ふあ~! 凄いですね全く分からないです。まるで双子ですね」
「フフ、ノノの提案で少し似せて見ましたので」
「フフ~、髪型を変えると、お姉ちゃんそっくりでしょ?」
「はい、しかし、髪形から服装まで同じなのには驚きました」
「フフ、この手のスーツは着替え用に同じ物を持ってましたので」
「でも、良い案ですね。これからも、それで行きましょう」
「「はい」」
「では部屋を出る前に、これを覚えて下さい」
僕は<虚空界>に収納している<虚空庫><追加防御><身体強化>のスキルオーブを其々に手渡した。
「こ、これはスキルオーブなのでは? まだこんなにも所持されていたのですか・・・」
「これがスキルオーブなの?」
「はい、<虚空庫><追加防御><身体強化>ってスキルです。手に持って使う事をイメージして下さい」
「お、お待ちください<虚空庫>と言えばオークションで500億円の値がついた物を私達が使う訳には参りません」
「あれ? おかしいですね・・・」
「確か僕の言う事は何でも聞いてくれる約束ですよね?」
「なっ・・・そう言う事でしたか。これはやられましたね」
「もう、約束を破るんですか?」
僕はちょっと意地悪な笑顔を浮かべてリラさん達の返答を待った。
「フフ、約束を違える事はありません。例えどんな事であったとしてもです。まさか、こんな伏せんだったとは予想出来ませんでしたが、ありがたく習得させていただきます」
「ひええ~! ご、500億円のスキルオーブ覚えちゃうんだ? も、もちろん私も習得させて貰います」
リラさん達は怯えながらもスキルを習得し、早速使えるように練習して貰った。
「流石に高額なだけあって素晴らしいスキルですね。ありがとうございます」
「メチャクチャ便利です♪ これでもうカバンは要りませんね♪」
「まあ、カムフラージュ用に1つは持たないとなんですが、<追加防御>は強い衝撃を受けると、解けてしまうので張り直すのを忘れない様にして下さい。
<身体強化>スキルは特にノノさんに。病院生活でしたので、これを覚えたらかなり楽に動けるようになると思います」
「ありがとうございます。正直、少し不安だったので嬉しいです」
「いえ、お気にせず」
「ちなみにスキルオーブや魔法スクロールを後10個ほど覚えて貰います。
SPオーブは取得する度に使って貰って、最低でも全てのステータスを30ぐらいまで目指そうと思います」
「・・・ヨウ様。一体私達に幾らお掛けになるおつもりですか?」
「それに、それだけ大量のスキルオーブを所持しているなんて・・・」
「僕とパーティを組むと言う事は、僕の秘密の一端に触れると言う事なんですよ。
隠す必要が無くなるなら、僕と同じ様にスキルも習得して強くなって貰わないと困りますから」
「・・・フフ、畏まりました。不思議ですね興奮しているのでしょうか体が熱くなってきました」
「ひええ~! わ、分かりました」
ええっと、僕のステータスってどれぐらいだったかな確認しておこうかな。
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【STATUS】
HP 400/400→800/800
MP 400/400→800/800
STR 40→80
VIT 40→80
DEX 40→80
INT 40→80
AGI 40→80
LUK 40→80
【skill】
<ウィル>
<虚空界>
<追加攻撃>
<敏捷強化>
<腕力強化>
<気配感知>
<気配遮断>
<追加防御>
<身体強化>
<威圧>New!
【Magic】
<生活魔法>
<水属性魔法>
<土属性魔法>New!
<風属性魔法>New!
<火属性魔法>New!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
魔法も充実してきたけど次は回復魔法が欲しい所だな~
リラさん達にもザックリと僕のステータスを伝えておいた。
「ヨウ様って、やはり強者だったのですね」
「いえ、これはスキルの力で僕の力では無いんですよ、僕は間違いなく弱いです。ですから頑張らないと」
「フフ、分かりました。お手伝いさせていただきます」
「えっと、僕が買物をお願いする事もあるだろうから500億ぐらいで渡しておきますね、これで装備も整えて下さい」
「ヨウ様! 私達には100万もあれば十分装備が揃えられるかと」
「う~ん、でも何回も渡すのも手間ですし?
僕から買物も頼むかもしれませんので持っておいて下さい。
其々に500億円渡しておきますので、僕のギルドカードから転送してくれますか?」
「か、畏まりました」
「500億円・・・」
「あっ、ノノさんの冒険者用スマホも、お願いして良いですか?」
「何から何まで、ありがとうございます」
「いえいえ、二人のギルドランクも上げないとですね、忙しくなりそうですね~♪
ついでに僕の装備も買っちゃおうかな。中級ダンジョンにも行きたいですしね」
それから武器屋、防具屋、道具屋に行き装備を整えていった。
リラさん達の武器は日本刀で二人揃うとメチャクチャ恰好良い出で立ちになり、ファンになりそうなぐらいだ。
防具は回避重視なので軽くて防御力の高いものにした。
魔糸で出来たピッチリとしたもので、外国のボディガード(SP)のようなスーツを選んだようだ。
勿論二人で全く同じ装備にしたので揃ってて恰好良い♪
小物については変装を兼ねてサングラスを二人に買って貰った。
実にカッコイイ♪ 戦闘時には外して貰わないとなんだけどね。
ついでに僕の防具も新調し、リラさん達と同じ軽くて防御力の高いものにした。
魔糸を使った黒っぽいサバイバル服上下と、蹴りに適したバトルシューズ、鎧代わりにプロテクターのついたベストを購入した。
ズボンとベストにもポケットがいっぱい付いている。
服に似合いそうなアポロキャップと、恰好の良いリュックサックを買った。
正に現代の冒険者ルック!
各種ポーションも買い足し、これで用意は万端だ♪
「じゃ、ノノさん退院したばかりで申し訳ないのですが、ダンジョンに行きましょうか」
「「はい」」
「色々買っていただきありがとうございます」
「フフ~♪ とても、良い物をありがとうございます。それに、私に気を使わないで下さいね。目が見えなくても、体が訛らない様に一応運動はしてましたから」
「いえいえ、それなら良かったです」
「では、大きな声では言えませんが、先にエリクサーを取りにいきますね」
「「ええっ?」」
「エ、エリクサーって・・・そんなに簡単に入手出来るんですか?」
「ん~、おそらくですが、此処では僕以外では入手不可能だと思います」
「それが、ヨウ様の秘密の一端と言う事ですね」
「そうですね、内緒ですよ?」
「フフ~♪ 分かりました」
今日は時間が無いので地下10階のボス部屋を目指し、時間が許す限りSPオーブを集めて行く予定だ。
エリクサーは現在、ボス戦の宝箱からしか手に入らないしね。
次も確実に出るとは限らないので、出来るだけボスを倒してエリクサーを集めておくことにした。
リラさん達は流石に元冒険者なだけあり、初級ダンジョンと言えどオークを簡単に倒していく。
だけど、SPオーブやスキルオーブ、魔法スクロールがポンポンドロップするので、その度に目を真ん丸にさせて驚いていた。
ボス戦も危なげなく僕が一撃で倒し、無事エリクサーを入手する事が出来た。
「なっ、なんて凄まじい・・・オークキングを一撃で倒すなんて・・・私などと比べたりして申し訳ありませんでした」
「うわわ、何てスピードと攻撃力・・・いくらスキルのお陰だと言っても、凄まじい強さですよ?」
「それに・・・エ、エリクサーが・・・こんなに簡単に手に入るなんて・・・なんて強運! いえ、強運どころではないのですね?」
「これが、僕が誰ともパーティを組めなかった理由だったりします」
「でも、正直に言うと少し寂しかったんですよね、ですからリラさん達には感謝してます」
「こんな能力があるなら、そりゃパーティも組めませんよね」
「確かに・・・余程信頼のおける者としかパーティは組めないでしょう。しかし、これが公になれば少し怖いですね」
「そうですね、殺されると言うより拉致されちゃうかな? ですので、僕に近しい人には最低でも<追加防御>を習得して貰う予定です」
「アヤメ様とナギサ様ですね?」
「はい、後は運転手をしてくれているツドイさんですね。では、再開しましょうか。少しずつステータスを上げて貰いますね。一気に上げると意識と体がついて行けないので注意です!」
「フフ、贅沢な悩みですね♪」
「確かにそうですね。僕は両親と妹に絶対に無理をしない事を誓ったので、たっぷりと安全マージンを取ってるんですよ」
「ヨウ様が自分に厳しいのは、そういう理由からだったのですね」
「こんな能力があって、そう思えるのは偉いと思いますよ」
「ありがとう。でも、臆病な性格ってのもあるんですよ」
それから、何時もとは逆に地下10階から地上へ向けて狩りを続けた。
来た時間も遅かったのでダンジョンを出る頃には夜になっていた。
「すみません、遅くなっちゃいましたね」
「いえ、ダンジョンがこんなに楽しかったのは初めてです」
「フフ~♪ 私も凄く楽しかったです。疲れも忘れちゃいました」
「もしもの事を考えると、今のうちに少しでも早くリラさん達のステータスを上げておきたかったので」
「無理やり同行させて貰い、御迷惑をお掛けして申し訳ありません。ダンジョン内で護衛すると言っていた自分が恥ずかしいです」
「私の為に、ごめんなさい」
「あっ、誤解しないで下さい。僕も今までで一番楽しかったです、やっぱりパーティって良いですね」
「私達も早く足手纏いにならないよう頑張ります」
「うん、私も頑張って強くなりますよー」
「僕も3人で色々なダンジョンに行くのが楽しみになってきました。皆で頑張りましょうか♪」
「「はい」」