第225話 階層争奪模擬戦スタートです
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「おい、今日はやけに人が多くないか?」
「馬鹿、お前知らねえのかよ?」
「なんだよ? 勿体ぶらねえで教えろよ」
「しょーがねえな、今日メチャクチャ美人の女性が階層争奪模擬戦に出るんだとよ」
「マジか?」
「もう馬鹿ね、違うでしょ? 美人ってのもあるけど、とんでもない強者らしいわよ」
「あはは、そうだったな」
「でもよ、強いったって此処はシドニーだぜ?」
「他の場所なら兎も角、此処は強さの桁が違うんだ、多少強いぐらいで勝てるかよ」
「それが分かっていながら、これだけ人が集まってるのを不思議に思わないの?」
「まあ、確かにな・・・って事はシドニーのトップランカー達を脅かすほどの美人が現れたって事に成るぞ?」
「そこは強者って言いなさいよね?」
「そんな事、誰が信じるんだよ?」
「信じられないから私も見に来たのよ、噂が本当なら今日、彼の戦闘が見れるわよ♪」
「なんだよ、それが目当てかよ?」
「うふふ、良いじゃない、此処はシドニー! 強者は大歓迎よ♪」
「なるほどな、まあ、俺は噂程の美人が見れたらそれで良いさ♪」
「貴方も私の事言えないじゃない?」
「そのようだ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<クラン『フリーマン』陣営>
「おいおい、何だよ今日の人混みは?」
「俺も聞いた所なんだが、今日の階層争奪模擬戦に日本から来た別嬪さんが出場するんだってよ?」
「はぁ? 此処を何処だと思ってんだよ? シドニーだぞ? そんな冷やかし見たいな奴が勝てる訳ないじゃねえか」
「唯の別嬪さんじゃ無いって事だろ?」
「なんの話だ?」
「おっ? ジェマ今来たのか?」
「ああ、しかし、今日はえらく観客が多いよな」
「今その話をしてたんだが、日本から来た別嬪さんが出場するんだってよ?」
「何に?」
「階層争奪模擬戦に決まってんだろ?」
「何の冗談だ?」
「冗談でこれだけ人が集まるかよ、少なくとも見る価値があるって事だろ?」
「やれやれ、此処も舐められたもんだな」
「俺達がシドニーは甘くねえって、優しく教えてやるか」
「あはは、そりゃ名案だ♪」
<クラン『旋律』陣営>
「どう思う、リリー?」
「分からない。本当に強い女性以外興味は無い」
「此処はシドニーよ? 強い者なんて幾らでも居るじゃない?」
「幾ら強くても男は何か違う・・・荒くて気持ちが萎える」
「でも、どんなに強い女性って言ったって、リリー程強い訳無いわよ?」
「そうとも言えない」
「他に誰が居るっていうのよ?」
「ロシアのソフィア・タラソワ、アメリカのアリーシャ・シュラー・ブリーランには興味がある」
「残念でした。どうやら日本人の女性みたいよ?」
「分かってる。でも日本にも有名な女性が居る・・・確かコトエ・シュゴ」
「そう言えば、日本人ならフライングマンの話を聞きたいわね?」
「あ~ あの空を飛びまくってた人間の事?」
「そーそー♪ テレビで見たけど凄いよね、あれ」
「今日本は全世界から注目されてるからね、日本のレベルが如何程の者か、お手並み拝見ね」
「リリーの期待どおりなら、笑いごとじゃ無くなるんだけど?」
「そうよ、今日も絶対勝ち取るんだからね?」
「もちろん。でも願わくば強い女性と戦いたい」
<クラン『ハンターロード』陣営>
「えらい騒ぎだな?」
「飛び入りが美人で強いってんだ、会場が湧くのも当然だろ?」
「それが本当ならな・・・」
「なんだよ、マシューは信じてないのか?」
「リリー達みたいに強い女性は居るさ、でも俺が聞いた話が打っ飛びすぎててな」
「あはは、まあな、魔物100体以上を一撃で屠ったって話だろ?」
「そんな事が出来るか? 俺どころかルーカスだって無理だぜ?」
「多少、誇張されてた方が面白いじゃないか?」
「誇張されるにしても、限度ってもんがあんだよ?」
「まあ、別嬪さんなら拝むだけでも価値があるんだけどな」
「違いない♪」
◇ ◇ ◇
「おいおい、今日は3強のクランリーダー全員来てるじゃないか」
「見てみろよ『フリーマン』のジェマ・モート、『旋律』のリリー・リース、『ハンターロード』のマシュー・ポイス勢揃いだ」
「シドニー最強のソロプレイヤーであるルーカス・ローリーも居るしな、今日は見応えあるぞ♪」
「こりゃ、あの噂って本当みたいだな」
「とんでもない美人の日本人女性だろ? どこに居るんだよ」
「まだ、来てないみたいだな・・・」
「そいつら本当に、ルーカスにも挑戦するのかよ?」
「人気階層全部取るって言ってたらしいから、そりゃ挑戦するだろうよ」
「うはー、身の程知らずだな、まあ久しぶりにルーカスの戦闘が見れるなら嬉しいけどな」
「女性でルーカスに挑戦する人って初めてじゃない?」
「まあな、リリー達『旋律』の奴等もルーカスには挑まないから」
「負けるのが分かってる勝負なんて、誰もしないからな」
「あっ! 来たみたいよ、あれじゃない?」
「おいおい、ギルドの受付嬢がワザワザ案内して来たのかよ」
「うはっ! な、なんだありゃ?」
◇ ◇ ◇
<ヨウ視点>
僕達は階層争奪模擬戦の開始時間が近づいてきたので、ナタリーさんに案内して貰い模擬戦会場に足を運んだ。
模擬戦会場は屋外にあり、野球が出来るような、大きくて立派なドームになっているようだ。
模擬戦会場に入ってみると闘技場には石柱が何本も建っており、面白そうなフィールドになっている。
それにしても、凄い人数が居る様だ、観客席にビッシリと人が溢れており熱気が凄い。
しかも、何故か僕達に注目が集まっている様だ。
「うわ~ 凄い人数だね~♪」×ナギサ
「お国柄なのかな、階層争奪模擬戦って、こんなに人気あるんだ」×ノノ
「もう、何呑気な事言ってるのよ、やっぱりこの服恥ずかしいんだけど?」×アヤメ
「うふふ、皆さんとても恰好良いですよ」×ナタリー
「ほらほら、恰好良いって、言ってくれてるじゃないですか」
「だって、もうこれって、コスプレよ?」
「フフ、たまには目立つのも良いではありませんか」×リラ
「ヨウ君の戦闘服って素敵だよね、僕惚れ直しちゃったよ?」×ツドイ
「「「「それは、同意ね♪」」」」
「あはは、ありがとうございます♪」
僕が用意した戦闘服は、まるで最新のゲームから抜け出したような戦闘服だったりする。
アヤメさんは賢者スタイルで、魔法使いの様な帽子が恰好良い!
ナギサさんは狩人スタイルで、やはり帽子が印象的だ!
リラさんとノノさんは侍スタイルだから、和服ベースにしたので刀が良く映えるだろう。
ツドイさんは竜騎士スタイルで、龍をデザインした髪留めに、スリット入ったスカートが実に良い薙刀を持てば、とても似合いそうだ。
全員黒を基調としたデザインで白や金色が所々に入っていて、僕が思っていたよりずっと恰好良い。
露出が多いって訳じゃ無いけど、引き締まった腰や豊満な胸が強調されており、エレガントな大人の魅力に溢れている。
僕は盗賊スタイルにしてみた。ズボンに小手と胸当てだけなので両腕と腹筋が丸見えになってて少し恥ずかしいけど、大き目のマフラーがとても気に入っている♪
「・・・き、綺麗♪」
「はっ! み、見惚れちまった・・・なんだよあれ美人なんてレベルじゃねえぞ?」
「本当に地球人なのかよ? あの格好と言い異世界人って言っても信じるぞ?」
「現代のエルフかよ・・・しかし、本当に美しいよな?」
「なに? あの縊れた腰は? 日本人の女性って皆あんなに綺麗なの?」
「ヤバイよな~ 俺一気にファンになっちまったよ」
「そう言う問題じゃないでしょ? 何よあの衣装は?」
「メチャクチャ合ってるじゃないか? 流石日本人って感じがしねえか?」
「確かに普通なら笑える様な衣装だけど、あの女性達が綺麗過ぎて似合ってるとしか言えないわね・・・」
「あの男の子もヤバイって、可愛い顔してるのに何て体してるのよ」
「・・・一体どれほど鍛えたらあんな体になるの?」
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、絶対、皆ヤバイって何かオーラが出てるもの」
「・・・マジで雲行きが怪しくなってきたぞ?」
「・・・参った。マジで美人だ」×ジェマ
「いや、想像の遥か上だぞ?」
「お、思ったより、色物が出て来たわね、どうリリー?」
「分からない。分からないけど、彼女達を見た瞬間から汗が止まらない」×リリー
「・・・リリーがそう言うって事は、唯の色物って訳じゃ無さそうね?」
「・・・手も震えて来た、これは恐怖? あの少年が怖い」
「ええっ!」
「凄いな、まさかこんなに美人とは思わなかったよ、んっ? どうしたんだマシュー?」
「女ばかり見てんじゃねえよ、あの少年普通じゃねえ・・・な、なんだ、彼奴は?
女達も馬鹿みてえに強そうだが、彼奴は群を抜いてやがる」×マシュー
「マジかよ?」
「俺がこんな冗談を言うと思うか?」
「おいおい、良い身体してやがるが、どう見たって少年だぞ?」
「見た目で判断するんじゃねえ、そんなもの強さと全く関係ねえよ」
「少なくとも、ルーカスの方がまだ遥かにマシだ」
「そ、そんなにかよ?」
注目を集める中、ナタリーさんは模擬戦のルールを簡単に説明してくれるらしく僕達は集められた。
「では皆さん、簡単に模擬戦の説明だけしておきますね」×ナタリー
「お願いします」
「はい、この模擬戦では木剣など練習用の武器では無く、ダンジョンで使っている自分の武器を使って戦闘して貰います」
「えっ? 危ないじゃ無いですか?」
「うふふ、大丈夫ですよ? このガードリングを装着して貰いますので。
この模擬戦用ガードリングは、どんな攻撃からも身を守ってくれます。
しかし、攻撃を受け続けるとガードリングのHPが減り続け、無くなった時点で負けとなります」
「へえ~ 便利な物があるんですね~」
「はい、でも大掛かりな設備がいるので、この闘技場の中だけしか効力は無いんですけどね」
「なるほど。それで模擬戦用なんですね」
「そうなんです。三日月様達は<虚空庫>をお持ちなので武器も持参してますよね?」
「はい、大丈夫です。でも、使うかどうかは分かりませんけど?」
「えっ?」
「何でもないですよ」
「そうですか。では、此方でお待ち下さい。対戦相手が決まり次第、お呼び致しますね」
「はい、ありがとうございます」
闘技場に設置された電光掲示板を見ると、本日は3つのクラン『フリーマン』、『旋律』、『ハンターロード』とルーカス・ローリーが出場するようだ。
シドニーには多くの冒険者が居るにもかかわらず、出場者がこれだけと言う事は、それだけ実力者と言う事なのだろう。
僕も少し出場したくなってきたが、今日はツドイさんに全部任せようと思う。
そして、明日の人気階層権利を求めトーナメント表が張り出されていく。
人気階層は地下11階のオーアタートル、地下12階のプリン茸、地下13階のオージーバイソン、地下14階のゴールドウィート、地下16階のピンアップルの権利を掛けて模擬戦が行われるようだ。
僕達は全階層の権利を取得するつもりだから、もちろん全部にエントリーしている。
まずは、地下11階層の権利を賭けクラン『フリーマン』と僕達が対戦するようだ。
「お待たせしました。三日月様、本日の対戦表が決まりました」×ナタリー
「えと、あの掲示板に載ってるやつですよね?
うわー、凄いな僕の知ってる有名な冒険者がいっぱい居る♪」
「うふふ、御存知でしたか、オーストラリアを代表する冒険者が集まっていますから。
三日月様達の初戦は第1試合になりました、対戦相手はクラン『フリーマン』です。
クラン『フリーマン』は3パーティでエントリーしています。
何としても、地下11階の権利を取りに来ているようですね。
3試合連続の対戦になりますが、三日月様達は1パーティで挑まれるのですよね?」
「はい♪」
「うふふ、凄い自信ですね。私も三日月様達の活躍が楽しみになってきました」
「んふふ、私達と言うかツドイの活躍なんだけどね」×ナギサ
「それは、どういう意味ですか?」
「まあ、見てたら分かるわよ」×アヤメ
僕達は対戦が決まったクラン『フリーマン』と相対するため闘技場へと移動した。
闘技場には既にクラン『フリーマン』の面々が集まっている様だ。
設置されている椅子に座りながら、試合開始を待つことになる。
「んふふ、痛いぐらいの視線を感じるわね」×ナギサ
「もう覚悟を決めたわ、堂々としてやるわよ」×アヤメ
「あはは、でもその大きな帽子が、魔法使いっぽくてとっても似合ってますよ?」
「もう、ヨウ君にそう言われたら、喜んじゃうでしょ?」
「本当ですよ? 皆もとっても似合ってて可愛いです♪」
「ヨウ君褒めすぎー! そんなに褒めたらダンジョンでも、これ着ちゃうよ?」×ナギサ
「フフ、それも、良いかもしれませんね」×リラ
「フフ~ 賛成~」×ノノ
「僕もこれ気に入ったから、良いかな」×ツドイ
「駄目だって、これは模擬戦専用衣装だからね?」×アヤメ
「もう、一押しかな?」
「ダーメ! ヨウ君だけなら良いけど?」
「僕だけこの衣装は恥ずかしいですよー」
「フフ、でもヨウ様。その鋼の様な身体を見せられては、とても子供扱いは出来ないと思いますよ?」×リラ
「そ、そうかな?」
「にひひ、ヨウ君チョロすぎ♪」×ナギサ
「むぅ~ そんな事無いですー」
「「「「「あはははは♪」」」」」
「相手は余裕がありそうだな? メチャクチャ笑ってるぞ?」
「俺達も舐められたもんだよな~ シドニー最強の一角『フリーマン』が相手なのによ?」
「しかも、後から来るのかと思ってたのに、1パーティだけで俺達と戦う気なのかよ?」
「おいおい、対戦表を良く見てみろよ、彼奴等全階層にエントリーしてるだろ?」
「うはー、俺達だけじゃなく全試合1パーティで勝つ気かよ? 正気とは思えねえな・・・」
「言っとくが、お前ら本気で行けよ? 美しい女性達と言えど実力は未知数だからな」×ジェマ
「分かってますよリーダー、かなり戦い難いってのはありますが、俺達で決めてきますから」
「あんな美人と戦うんだもんな、ちょっと楽しみかも♪」
「俺達がシドニーの厳しさを教えてやりますよ」
「それとも、リーダーが戦りたかったですか?」
「馬鹿野郎! さっさと行ってこい」
「あはは、では行って来ます」
僕達は楽しく会話していると、対戦相手である『フリーマン』の面子が闘技場に足を踏み入れた様だ。
「そろそろ時間みたいね、ツドイ頑張ってね」×ナギサ
「ちゃんと、手加減してあげなさいよ?」×アヤメ
「フフ、応援してますね」×リラ
「フフ~ シドニーの人々に『クレセント』の実力を見せて上げて」×ノノ
「ツドイさん。油断しちゃ駄目ですよ?」
「うん、分かってるよヨウ君、僕頑張って来る」
「「「「「ガンバ~♪」」」」」
「あ、あの、まさか1人で戦う気なのですか?」×ナタリー
「んふふ、まっ! 見てたら分かるよナタリーさん」×ナギサ
ツドイさんは柔らかな笑顔を僕達に向けながら、軽やかに闘技場の舞台に歩いていった。




