第221話 ツドイさんの御両親に会う事になりました
ここ1ヶ月ほどメンバー全員が世界各地に出向いてくれたお陰で、僕の<転移魔法>で行ける場所も格段に増えていた。
既に世界各国の主要都市には転移出来る様になり、僕達は次にどこのダンジョンに行くか検討することになる。
皆からも意見を聞いていると、珍しくツドイさんから声が入った。
「珍しいですね、どこか行きたいダンジョンがあるのかな、ツドイさん?」
「ごめんね。ダンジョンって訳じゃ無いんだけどさ、僕をオーストラリアに連れて行って欲しんだよね」×ツドイ
「どしたのよ、ツドイ?」×アヤメ
「えっとね、僕の両親探してたんだけど、どうやらオーストラリアに居るみたいなんだよね。
何で、そんなとこに居るのか分かんないんだけど、一度帰国して貰おうかと思って」
「電話で連絡出来ないの?」×ナギサ
「電話しても出ないんだよね・・・」
「うはー、それは心配ですね、分かりました。皆さんのおかげでオーストラリアにも転移出来ますから、行きましょうか」
「ちょっと、話をしてくるだけだから、僕1人でも良いよ?」
「なに遠慮してるのよ、皆で行くに決まってるでしょ?」
「居場所は分かってるんだよね?」
「もちろん、<千里眼>スキルがあるからね」
「とりあえずは、無事なのは良かったとして、連絡が付かないって事は何か事情がありそうですね?」
「ん~ 元々、あんまり連絡は取らない方なんだよね・・・」
「僕もツドイさんの家族には会いたかったし、喜んで行きますよ?」
「ありがとね、皆も良いかな?」
「「「「もちろんよ!」」」」
こうして、僕達はツドイさんの両親に会う為、オーストラリアに行く事になった。
改めて、オーストラリアの地図を皆で見てみると、やはりメチャクチャ大きな国なのが分かる。
うはー、やっぱり、日本って島国なんだ。住んでたらメチャクチャ広く感じるんだけどな。
ツドイさんの両親は、シドニーって所に居るらしく、僕が転移出来るリストに入っている。
皆が各国の主要都市に旅行に行ってくれ、一度転移させて貰っている。
その後も、僕がイメージしやすいように、地図と写真付きでアルバムを作ってくれてるので非常にありがたい。
オーストラリアはシドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、キャンベラに転移可能だった。
とりあえず、行って見ない事には何も分からないので、皆でオーストラリアに行く用意をすることにした。
今シドニーは結構、暑いみたいなので冒険者装備では無く、夏用の私服に着替えた。
僕は<千里眼>スキルで、シドニーに用意してくれた居室を確認してから転移した。
転移を人に見られる訳にはいかないので、居室を借りることにした。なので安心して転移出来る。
転移したシドニーの居室を見ると、転移先として借りてるだけにしては良い部屋なので、少し勿体ない様な気もする。
「へえ~ 良い部屋じゃない?」×アヤメ
「ね~ 転移目的だけにしては勿体ないぐらいの部屋ね」×ナギサ
「あはは、僕も、それ少し思いました」
「フフ、ヨウ様でしたら、これぐらいの贅沢しても、問題ないかと思いますよ」×リラ
「だよね~ 少しぐらい贅沢しないと、お金減らないものね」
「まあ、必要経費ってとこですね、ところでツドイさん。此処から近そうですか?」
「ありがとね。車なら直ぐ近くみたい案内するね」
「はい、とりあえず行って見ましょう」
僕達はツドイさんの案内の下、車でツドイさんの両親に会いに行く事にした。
ちなみに、Sランク冒険者の特典には、世界中で車のナンバーが登録出来るらしく、ツドイさんに新たに登録して貰った。
ハワイに行った時は、そこまで調べていなかったけど、Sランク冒険者の特典は中々便利だ。
アヤメさんとナギサさんも初級ダンジョン担当だったから、Sランク特典は詳しくなかったらしく謝られてしまった。
そう言う訳で、人気の少ない所でツドイさんに車を出して貰い、シドニーの町へ繰り出す事にした。
オーストラリアのイメージは、カンガルーとかウミガメを連想していたけど、シドニーの町並みは近代的なビルが立ち並び都会を思わせる。
10分程走っただろうか、もうツドイさんの両親が居る所へ着いたらしく、僕達は車を降りる。
どうやら、ツドイさんの両親はホテルに居る様だ。僕達もホテルに入り歩いていると注目を集めている。
日本人離れした皆の美貌は、外国でも目立つらしい。少し優越感に浸りながらツドイさんの後を着いて行く。
ツドイさんは両親が居るであろう部屋に着くと、コンコンとドアをノックして両親を呼んでいる。
「はい?」
「ツドイだよ!」
「ええっ?」
ガチャ!
「・・・ツ、ツドイ?」
「久しぶりだね、僕の顔忘れちゃった?」
「あ、貴女、何でそんなに綺麗になってるの? それより、どうして此処が?」
「ん~ ゆっくり説明するよ?」
「そうね、とにかく入って、パパも居るから」
「後5人居るんだけど、大丈夫かな?」
「ええ、お友達かしら?」
「違うよー?」
「なんですって?」
「それも、ゆっくり説明するからさ」
「もう、分かったわ」
「さあ、どうぞ、お入りくださいな」
ツドイさんはスタスタと部屋に入って行き、僕達もお邪魔する事になった。
ツドイさんのお母さんは、男が僕しか居ないのでマジマジと見られている。
「お邪魔します!」
「「「「お邪魔します!」」」」
「ええ、どうぞ」
中へ入るとベッドが2つあるツインの部屋だったので、向かい合わせにベッドへ座らせて貰った。
「パパ、久しぶりだね」
「ツ、ツドイなのか?」
「パパまで、僕の顔忘れちゃった?」
「・・・娘の顔を忘れる訳がないが、それにしても変わり過ぎだろう?」
「そうよ、吃驚するぐらい綺麗になってるんだから」
「あんまり自覚してないんだけど、そんなに変わったかな?」
ツドイさんの両親はコクコクと頷きながら、まだ信じられない様な顔をしていた。
「だが、それよりも、私達の居場所がどうして分かったんだい?」
「その事は後にしてさ、電話にも出ないからさ、会いに来たんだよね」
「そ、それにしても、こんな所まで?」
「日本に帰って来るの待ってたんだけど、中々帰ってこないからさ」
「うふふ、ツドイが私達に会いたがるなんて珍しいわね?」
「結婚しろって言われるのが煩いんでしょ?」
「それなんだけどさ、紹介するね。僕の旦那様! 三日月陽君だよ!」
「「ええっ?」」
「ほ、本気で言ってるのツドイ?」
「そだよ、結婚はしないんだけど、僕の旦那様♪」
「あの僕、ツドイさんとお付き合いさせて貰ってます、三日月陽って言います。宜しくお願いします」
「あ、ああ、宜しくお願いするよ」
「え、ええ宜しくね」
「「・・・・・・・・・・・」」
「吃驚したけど、とても可愛らしい少年ね♪ 三日月さんが結婚出来る年齢になったら結婚するって事かしら?」
「ぷっ! あはははは」×アヤメ達
「あ、あの、僕これでも18才なんです」
「えっ? そうなの? ごめんなさいね」
「ママ、結婚はしないって言ったよね? 正確に言うと出来ないんだけどさ」
「どういう事なんだ、ツドイ?」
「えっとね、ヨウ君は僕の旦那様なんだけど、他の4人は僕のお嫁さんなんだよね。
ヨウ君から見たら5人のお嫁さんって事! 日本じゃ1人としか結婚出来ないからさ」
「「は、はい?」」
それから、皆でツドイさんの両親に事の顛末を説明すると、時間は掛かったがようやく理解してくれたようだ。
「ふぅ~ いやはや、驚いたよ」
「本当、昔から女の子にモテてたけど、まさか本当に女性を連れて来るなんてね」
「しかも、こんなに美しい女性を4人も・・・三日月さんが男性で安心したけど」
「「「「・・・・・・・・」」」」×アヤメ達
「言っとくけど違うからね? 僕、胸は大きい方だから男性には見えない筈なんだけど、何故か女性にはモテたんだよね・・・」
「にひひ、そんな心配しなくても、誤解なんてしてないからさ」×ナギサ
「んふふ、ツドイが女性にモテるのは分かるわ♪」×アヤメ
「フフ~ ツドイは中性的だからね~」×ノノ
「フフ、素敵ですよ?」×リラ
「ありがとね、僕嬉しいよ。
さて、今度はそっちの番だよ? どうして、オーストラリアに居るのかな?」
「「・・・・・」」
「ツドイには、言いたく無かったんだが・・・」
「ア、アナタ・・・」
「仕方あるまい。こんな所まで追いかけて来てくれたんだ」
「・・・そうね」
「実は恥ずかしい話なんだが、ある男に会社の金を持ち逃げされてね、倒産の危機なんだ」
「ごめんなさいねツドイ。その男がシドニーに逃げ込んだのは分かったんだけど、まだ見つかって無いのよ」
「だが、何があってもツドイに迷惑が掛かる様な事にはしないので安心してくれ」
「そうよ、私達はまだ帰れないけど、心配しなくても良いのよ」
「なんだ、そんな事だったんだ。僕に相談してくれれば良かったのにさ?
どれぐらいのお金を、持ち逃げされたのかな?」
「いや、本当に心配しなくて良いんだ、ツドイ」
「ん~ 心配なんて全然してないからさ、教えてくれる?」
「・・・娘に言える金額じゃないんだ。分かってくれツドイ」
「えっとね、言って無かったけど。僕、今すっごいお金持ちなんだよね、パパとママに家でも買って上げようかと思ってるんだけど?」
「「はい?」」
「お金に困ってるんなら、幾らか渡しとくよ?」
「ツドイ、貴女が思っているような金額じゃないの・・・1億円よ、1億のお金を持ち逃げされたの」
「おい、そこまで言わなくても良いだろう?」
「だって、ちゃんと言わないと、ツドイも納得しないと思うわ」
「1億円で良いのかな? 多めに10億円程渡しとくよ?」
「「えっ!」」
「言ったでしょ? 僕、今はとってもお金持ちなんだよね♪」
「「えっ! ええっ?」」
「フフ、ツドイさんの言っている事は本当ですよ?」×リラ
「んふふ、信じられないかもしれないけど、私達は今ヨウ君と冒険者をしててヨウ君から、とんでもないお給料貰ってるんですよ」×アヤメ
「ツドイも、両親にちゃんと説明しとかなきゃ?」×ナギサ
「僕んち放任主義だったからさ、会った時で良いかなと思ってたんだよ」
「フフ~ でも、お金だけの問題だったら、これで日本に帰れますね」×ノノ
「ツ、ツドイ? 私には君達が何を言っているのか、分からないのだが?」
「ん~ 簡単に言うと僕、月収1000億円貰ってるんだよね、だから10億でも20億でも上げちゃうよ?」
「い、1000億?」
「げ、月収?」
「そそ、僕今スーパーリッチ♪ 高級車何百台も持ってるんだよ?」
「ツドイさんの両親が困ってるんだったら、僕が何とかしますよ?」
「駄目だよ! ヨウ君が動いたら、世界一の会社になっちゃうからさ」
「・・・そうですか? でも、僕ツドイさんの為だったら何でもしちゃいますから言って下さいね」
「ありがとね。でも大丈夫だよ、僕もお金の使い道に困ってるからさ」
それからツドイさんの両親に、冒険者になりスキルや稼ぎの事を皆で説明したが、とても信じられなかったのか終始驚きっぱなしだった。
ようやく、理解してくれた今でも少し、あわあわしてるのが見ていて面白かった♪
「でも、そのお金を持ち逃げした男は、許せないわね?」×アヤメ
「だよね、パパ、その男の顔写真あるかな?」
「ああ、この男なんだが」
ツドイさんの父親は、スマホの写メに写っている写真を見せてくれた。
20代の後半だろうか、真面目そうな男だった。
「ん、見つけた!」
「な、何を言ってるんだ、ツドイ?」
「パパ、ママ、その男の事は僕に任せて貰っても良いかな?」
「まさか、本当に見つけたって言うの? そのスキルって言う不思議な力で?」
「なんで、パパとママの居場所が分かったのか理解出来たかな?」
「でも、この事は内緒だよ? ヨウ君に迷惑が掛かっちゃうからさ」
「ああ、もちろんだ」
「ええ、私も誰にも言わないわ」
「もう、日本に帰ってて良いよ? 後は僕がやっとくからさ」
「で、でも、ツドイ・・・」
「いや・・・ツドイに任せようじゃないか」
「ア、アナタ・・・」
「あの、ツドイさんのパパさんママさん。今日は行き成り来てすみませんでした。日本に帰ってから、ゆっくりと御挨拶に伺いますね」
「いや、此方こそ恥を晒す様で、申し訳なかったね。
まだ、少し混乱しているが、三日月君。ツドイの事を宜しくお願いするよ」
「私も理解が追い付くのに時間が掛かりそうだけど、アヤメさん達も歓迎するわ」
「ありがとうございます。では、また日本で」
僕達はホテルを後にし、早速、お金を持ち逃げした男に会いに行く事にした。
「アナタ、本当にツドイに任せてしまって良かったの?」
「ああ、ツドイと言うよりは三日月君にだね。
未だに信じきれないが、彼が普通では無い事は分かるだろう?」
「そうね、母親の私が見間違うぐらいツドイも綺麗になってたし、尋常ではないわ」
「まず、間違いなくダンジョン素材だろう、あの若さでとんでもない財を築いたと言う事は、超人としか思えないしね」
「うふふ、ツドイも乗り物にしか興味が無かったくせに、とんでもない男性を捕まえたものね♪」
「嬉しそうだね?」
「そりゃそうよ、半分諦めてた孫の顔が見れそうなんだから」
「確かに、それは楽しみだね♪」
◇ ◇ ◇
「さってツドイ、お金を持ち逃げした男に復讐するのは簡単だけど、どうするの?」×アヤメ
「ん~ とりあえず、お金を返して貰おうと思ってるんだけど?」
「え~ どうせ、使い込んでると思うわよ?」×ナギサ
「僕も怒ってるんですけど、地獄を見せてやりませんか?」×ヨウ
「僕も怒ってるんだけど、痛めつけて刑務所行きってのもイマイチなんだよね?」
「フフ、それでしたら、1億円を稼ぐ苦労を味わって貰いましょうか?」×リラ
「うわ~ リラ姉、悪い顔してるよ~」×ノノ
「もう、ノノ。そんな事ありません」
「ん~ そんな、良い方法があるのかな?」
「はい、私は色々な金策を常に考えてましたから、とても過酷ですが稼げる仕事がありますよ?」×リラ
「ククッ! それ良いね、それにするよ♪」
「うわ~ 皆、悪い顔してるよ~♪」×ノノ
「フフ、ノノ? 貴女も悪い顔してますよ?」×リラ
「悪い顔してる時も、皆さん可愛いですね♪」
「「「「「えっ?」」」」」
「も、もうヨウ君ったら、珍しくツドイまで照れてるでしょ?」×アヤメ
「でも、本当に可愛いですよ?」
「そっか、僕照れてるんだ、顔が熱いなって思ってたんだよね。
皆、僕の両親の事なのに、付き合って貰ってありがとね」
「そんなの、当たり前でしょ?」×アヤメ
「んふふ、愛する妻の為だかんね♪」×ナギサ
「フフ~ 当然です~」×ノノ
「フフ、特別な人の為ですから」×リラ
「僕も何でもしちゃいますよ?」×ヨウ
「ありがとね。僕、今日の夜全力でお礼しちゃう」
「もう、昼間からそんな事言わないのー」
「あはは♪」




