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第205話 お酒を飲むために冒険者になりたいそうです

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます


 流石に今日は親友達が居るので自重しようと思ったが、思っただけに終わった。


 こんな事もあるだろうと思い、ベッドルームには簡単に入れない様になっているし、防音も完璧にしてある。


 今日も皆とベッドで幸せな時間を過ごし、快適な目覚めになる。


 目の前にはヒメちゃんさんが寝ており、可愛い寝息を立てている。


 あんまりにも可愛いので、頬をツンツンしてみると、ムニャムニャしている。


 僕は癒されるな~っと、思い見ていると、ヒメちゃんさんは僕の方に寝返りをうち、シーツが開け暴力的な胸が曝け出された。


 思わず叫びそうになったけど、なんとか我慢出来た。


 しかし、なんて破壊力だ・・・ヒメちゃんさん小さい身体なのにギャップが激し過ぎる。



「あんまり見たら、恥ずかしいですよぉ~」×ヒメ


「わわっ! 起きてたんだ?」


「ヨウ君が、Hだから起きちゃいました」


「ふ、不可抗力です!」


「ギルティですぅ~♪」



 ヒメちゃんさんは、そう言うと僕に抱き着きキスをしてくれた。


 目の前でたわわと実った胸は、更に破壊力を増している・・・これはスキンシップしたくなるのは仕方ないよね。



「ヒメちゃんさんが悪いんですよ?」


「ひゃ~♪」



 ヒメちゃんさんとイチャイチャしていると、皆も起き出して来たので、日課であるキスをして朝食に向かう事になる。


 リビングへ行くと、メイドさん達は謙二達を呼びに行ってくれた。


 しばらくすると、謙二達4人は部屋着で起きて来た。



「おはよ~ 良く眠れたかな?」


「「「「おはよ~」」」」


「ああ、グッスリ眠れたよ」×ケンジ


「なんだよ、あの布団は? ヤバすぎるだろ?」×ケイスケ


「メチャクチャ、気持ち良かったんですけど?」×アカリ


「ふっかふかだよ~ 私埋もれちゃった♪」×ナツキ


「あはは、実は自慢のベッドなんだよ。快適だったろ?」


「全く金持ちめ、ちょっと羨ましいぞ?」×ケンジ


「トイレも凄いよね~ こんなのに慣れちゃったらどうするのよ?」×アカリ


「お土産にしよっか?」


「ブッ!? 良いわよ。私の家に、あんなの似合わないでしょー」


「あはは、まあ、とりあえず朝食を食べよっか」



 朝食が出来たみたいなので皆で食べることにし、謙二達に今日何をしたいか聞いてみることにした。



「ん~ とりあえず、目的から達成しとくか?」×ケンジ


「そうだな、そうしよう」×ケイスケ


「なんだよ、目的って?」


「うふふ、実は私達冒険者資格が欲しいのよね~」×アカリ


「ええっ? 皆、冒険者になるのか?」


「あはは、違う違う♪ 私達もお酒が飲みたいのだよ!」×ナツキ


「うはっ! お酒を飲むために冒険者になるのかよ」


「良いだろ? 都会でなきゃ冒険者ギルドなんて無いからな、それに冒険者カードも欲しいんだよ」×ケンジ


「あ~ 冒険者カードは、確かに便利だもんな」


「そー言う事♪ 今や全国どこでも使えるもんね」×アカリ


「私達はクレジットカードなんて持ってないし、ネットショッピングとか不便なんだよね」×ナツキ


「事前に頼むの忘れてたけど、今日冒険者資格取れるかな?」×ケンジ


「うん、大丈夫かな。アヤメさんナギサさん、お願いしても良いですか?」


「ええ、分かったわ」×アヤメ


「久しぶりの業務になるわね」×ナギサ


「冒険者資格取るなら、ダンジョンにも入ってみたいよね?」×ツドイ


「「「「みたいかも♪」」」」


「フフ、それでしたら、簡単な武器防具も必要になりますね」×リラ


「・・・なー、僕に散々ダンジョン馬鹿、って言って無かったか?」


「男が小さな事を気にするなって」


「昔の事だ」


「え~ 言ったかな~」


「うふふ、ヨウ君の話を聞いてたら、面白そうだと思ってたのよね」


「全く調子良いんだから・・・」


「あはははは♪」×全員



 こうして、今日は冒険者ギルドへ行く事になり、時間が無いのでミナミさんとフミさんに手持ちの武器防具を揃えて貰った。


 謙二達は素人丸出しで適当に武器を決めている、まあ体験するだけなら問題ないんだけどね。


 適当と言っても流石にミナミさんとフミさんであり、装備していくと中々恰好良くきまっている。


 例によって、武器の調整のためミナミさんに服を脱がされているのが面白かった。



「・・・ヨウの田舎って、お前みたいな奴ばかりなのか?」×ミナミ


「えっ? 何の事です?」


「いや、良いんだけどな」



 ミナミさんが変な事を言ってたけど、この時、僕には何の事が分からなかった。


 何時もの様にソフィアさん達やアリーシャさん達を<転移魔法>で送り、久しぶりに大阪の冒険者ギルドへ向かう。


 ギルドへ着くと、受付嬢さん達が整列して出迎えてくれ、僕は少し驚いてしまう。


 おそらく、アヤメさんが事前に連絡してくれたのだろう、ドンドン僕への対応が良くなり恐縮してしまう。



「ようこそ、三日月様」×受付嬢


「ありがとう。今日は宜しくお願いします」


「畏まりました」



 僕達は受付嬢さんの案内の下、何時ものVIPルームへ行き、コーヒーを淹れてくれた。


 すると、ギルドマスターである瀧見社長や斗沢支部長、岩永部長まで来てくれた。



「急なお願いだったのに、ギルマスまで来てくれて、ありがとうございます」


「いやいや、三日月君の頼みならギルドの最優先事項だよ」×瀧見


「あはは、それは、幾ら何でも言い過ぎですよ」


「最近オークションの方は、どうですか?」


「フフフ、実は三日月君に伝えようと思っていたのだが、丁度良いタイミングだったね。


今や大阪ダンジョンギルド梅田支部のオークションは、東京どころか世界一の売上になったんだよ」


「おお~ それは凄いじゃ無いですか」


「これも、全て三日月君のお陰だよ、改めてお礼を言うよありがとう」


「いえいえ、それは、ギルマスや支部長さん達の努力の賜物ですよ」


「そう言ってくれると、私達も嬉しい限りだね。しかし、何かお礼がしたいのだが?」


「そんな、お礼がしたいのは僕の方ですよ? 以前ヒメさんの装飾店で、受付嬢さんを段取りしてくれた借りもありますし」


「あっそうだ! オークションがそこまで盛況なら、鑑定人を2人程追加しましょうか?」


 ガタッ! 「な、なんですと?」


「これからアヤメさんは、長期不在することもあると思いますから、タイミング的にも良いですし」


「確かに、それは魅力的な提案なのだが、2人も良いのかね?」


「はい、でも出来たら受付嬢さんの中から、僕に選ばせて欲しいんですけど良いでしょうか?」


「それは、もちろん構わないが・・・」


「では、僕の親友達が新人冒険者講習を受けている間に、交渉させて貰って良いですか?」


「ああ、分かった。直ぐに手配しよう」


「斗沢君」


「はっ! 既に準備は整っております」



 既に斗沢支部長が、新人冒険者講習の段取りをしてくれており、謙二達を案内してくれることになった。



「しかし、スゲエVIP扱いだな、ヨウ?」×ケンジ


「ホントよね~ ヨウ君。凄い人になっちゃったんだ?」×アカリ


「いあいあ、社長さん達はメチャクチャ良い人で、僕もお世話になりっぱなしなんだから」


「んふふ そりゃ、ヨウ君が凄いスキルオーブどかどか卸すんだもの、VIPにもなるわ」×アヤメ


「うはー、頑張り過ぎだぞ、ヨウ?」


「あはは、あんまり自覚はないんだけどね」


「うふふ、ヨウ君らしいわ。じゃ、私達は講習に行って来るね」×ナツキ


「うん、待ってるよ」



 謙二達は4人で講習へ行ったので、僕達は鑑定人候補を探しに行く事にした。


 少しアヤメさん達とも相談したかったので、瀧見社長達には席を外して貰い、後からまた連絡することにした。


 そして、今VIPルームに残ったアヤメさん達5人と対峙している。



「ねーねー、受付嬢からヨウ君が鑑定人を選ぶって言ってたけど、何か心当たりがあるの?」×ナギサ


「それなんですけど、実は先程出迎えてくれた受付嬢さんの中に、乳癌の女性が2人も居たんですよ」


「「「「「えええっ!」」」」」


「た、大変じゃない?」×アヤメ


「フフ、なるほど。その女性達2人の治療を報酬として、鑑定人を頼むおつもりですね?」×リラ


「流石リラさん、理解が早いですね~ 普通に治療したら気を遣うかもしれないから、ギブ&テイクで良い考えだと思ったんですよ」


「フフ~ 病気を治して貰って鑑定人に成れるなら、その2人には得しか無いですもんね」×ノノ


「ヨウ君は、おっぱいに優しいから」×ツドイ


「あれ、ツドイさん肩が凝ってそうですね?」


「いっ! そ、そんな事ないよ?」


「あはは、遠慮しなくても、今日の夜たっぷりマッサージしちゃいますね」


「ちょ、ちょっと、手加減してくれると、僕嬉しいかな?」


「うふふ、ツドイは懲りないんだから、たっぷりヨウ君にマッサージして貰いなさい♪」×アヤメ


「そ、そんな~」


「あはははは♪」×全員


「じゃ早速、その2人を此処に呼びましょうか、名前は分かる?」×ナギサ


「はい、斉藤愛美さいとう いつみさんと、小林咲羽こばやし さわさんって方です」


「ええっ! サワさんとイツミなの?」


「うわ~ 私達の先輩と後輩よ? 2人共、私達と仲が良い同僚なの」×アヤメ


「それは、丁度良かったですね」


「ええ、あの2人が乳癌だったなんて、ヨウ君が発見してくれて良かったわ。直ぐに呼んでくるね」×ナギサ


「はい、お願いします」



 しばらくすると、ナギサさんが2人をVIPルームへ連れてきてくれ、僕達の前に座って貰った。


 先程も見たけど、2人共とても美しい女性で流石受付嬢だなと感心してしまう。


 しかし、訳も分からず行き成り連れて来られたためか、ソワソワしており不安げな表情をしている。



「あの私達が、三日月様に何か失礼な事をしてしまったのでしょうか?」×サワ


「すみません。以後気を付けますから、お許し下さい」×イツミ


「・・・あれっ? 僕なんか怖がられてます?」


「あはは、そりゃ、行き成りVIPルームに連れて来られたら、不安になるわよ」×アヤメ


「んふふ、そそ。だって、私達受付嬢がVIPルームに入る事なんて無いもの」×ナギサ


「アヤメ、ナギサ、私達の不手際じゃないの?」×サワ


「はい、もちろんです」×アヤメ



 二人は、とても安堵した表情になり、フーっと息をついていた。



「焦ったわ・・・アヤメ達が行き成り、三日月様の前に連れてくるんだもの」×サワ


「そうですよー! 私、心臓が止まるかと思っちゃったんですからー」×イツミ


「それでは、私達2人に何か話があると言う事でしょうか?」×サワ


「はい、2人にとっては、悪い話と良い話になりますね」


「「ええっ!」」


「悪い話があるのですか?」×サワ


「はい、僕が話すよりリラさんにお願いした方が良いかな?」


「畏まりました、ヨウ様。では、私から説明させていただきますね。


今から話す事は、ヨウ様の重要機密となりますので、秘密厳守を御理解下さい」×リラ


「「はい」」


「では、まず悪い話からご説明致しますね」



 ゴクッ! ×サワ・イツミ



「ヨウ様は、人の状態が分かるスキルを所有しておられるのですが、2人からある病気を発見なされました。


驚かずに聞いて欲しいのですが、両名共に乳癌を患っているそうなのです」


「「えええっ!」」


「そ、そんな・・・」


「まさか・・・」


「でも、確かに気になっているシコリみたいな物が・・・」×サワ


「それって、左胸ですよね?」


「・・・はい、どうやら本当の話みたいですね」


「ひょっとして私は右胸ですか?」×イツミ


「はい、そうです」


「やっぱり、そうだったんだ・・・」


「しかし、御安心下さい。ヨウ様なら切除などせず、完璧に治療する事が出来ます」×リラ


「「ええっ!」」


「本当ですか?」


「はい、此処からは良い話になるのですが、ヨウ様は無償で二人の乳癌を完璧に治療したいとおっしゃっておられます」


「そんな事が、可能なのでしょうか?」


「はい、ヨウ様なら可能です。今の状態のまま癌細胞だけ完全に取り除き、再発の可能性も極めて低く出来るでしょう。


しかし、無償で治療するのも二人が気になると思いますので、ちょっとした頼み事を聞いていただけると、ヨウ様も喜ばれると思います」


「もちろん、頼み事に関係なく無償で治療はしますからね?」


「少し混乱しておりますが、おっしゃることは分かりました。因みに頼み事とはどんな事でしょうか?」×サワ


「えっと、それを言う前に僕の言う事だけじゃ信用に掛けますから、今から病院で検査して来て貰っても良いですか?」


「「・・・・・」」


「大丈夫ですよヨウ君を信じて下さい。今、行動しておかないと絶対後悔しますからね?」×アヤメ


「分かったわ」×サワ


「分かりました」×イツミ


「癌検査はPET検査が良いと思いますので、私の方で病院に連絡をしておきます、係員の指示に従って貰えますか?」×リラ


「「分かりました」」


「リラさん、検査の時間はどれぐらいです?」


「おそらく、3~4時間だと思います」


「分かりました。では、検査が終わったら、またギルドへ戻って来て下さいね。


僕もダンジョンへ行ってから戻って来ますから」


「「はい」」


「あの、検査をしなくても、三日月様の言う事を信じておりますから」×サワ


「私もです、お気遣いありがとうございます」×イツミ


「ありがとう。じゃ、待ってますね」


「「はい」」



 リラさんは、二人のタクシーまで段取りしてくれ、二人を送り出した。


 ギルマスへの説明は、アヤメさんとナギサさんが行ってくれたのでスムーズにいった。


 しばらく待っていると、謙二達も研修が終わり無事、冒険者資格を取得出来たようだ。


 4人共、ギルドカードを手に持って喜んでいる。



「見ろみろヨウ♪ ギルドカードだぞ、これで俺達もヨウと同じ冒険者だな」×ケイスケ


「フフフ、残念ながら、冒険者にはランクってやつがあるのだよ」


「そういや、俺達はFランクからスタートするんだったよな・・・やっぱヨウは高ランクなのか?」


「もちろんなのだよ」


「うわ~ なになに~ そのドヤ顔は~?」×アカリ


「これを見よ!」



 僕は初めて今まで目立たない様に隠していた冒険者カードを、謙二達に掲げた!



「うはー、Sランクかよ?」×ケンジ


「ええ~ 最高ランクじゃない?」×ナツキ


「まあ、あの部屋を見たら納得なんだが」×ケイスケ


「やっぱ、凄いんだ~ ヨウ君って」×アカリ



 僕は隠し事無く、普通に接する事が出来る謙二達を前に、嬉しくて涙が出てしまった。



「おいおい、ヨウどうしたんだよ?」×ケンジ


「えっ? ヨウ君?」×ナツキ


「ヨウ君はね、Sランクなんてバレたら大事になるから、今まで僕達にしか言えなかったんだよね」×ツドイ


「ヨウ君って、日本で二人目のSランクだったから仕方ないんだけどね」×アヤメ


「そか・・・色々大変だったんだな。でもよ、確か今ではSランクも日本で7人居るんだろ?」×ケイスケ


「そだよ、あんまり目立たなくなってきたんじゃない?」×アカリ


「あ~ それは、以前より目立つようになったと言うか?」


「んふふ それって私達なのよ」×アヤメ


「「「「えっ?」」」」


「私達5人もSランクなのよね」×ナギサ


「「「「ええ~~~~~!!!!」」」」


「うはー、スゲエなSランクパーティなのかよ」×ケンジ


「どこまで凄くなったのよ、ヨウ君は?」×ナツキ


「あはは、アヤメさん達は僕に付き合わせちゃったから、色々とお世話になってます」


「じゃあ、アヤメさん達ってメチャクチャ強いんじゃないか?」×ケンジ


「うはー、綺麗なだけじゃなく、強さまであるんだ。スーパーウーマンじゃない」×ナツキ


「どうりで、ヨウだけで大金持ちって、おかしいと思ったんだよな」×ケイスケ


「ヨウ君、あんまりアヤメさん達に頼り切っちゃ駄目よ?」×アカリ


「こらこら、待て待て、話が変な方向に行ってるぞ?」


「え~ だって、アヤメさん達のお陰なんでしょ?」


「・・・ある意味そうだけど、なんか誤解してないか?」



 謙二達は、まだ僕がダンジョンで頑張って強くなったのが信じられないらしい、アヤメさん達を見るとクスクスと笑っている・・・



「フフ~ 私達には信じられないけど、本当にヨウ様は普通の高校生だったんですね」×ノノ


「ククッ! 僕達から見たら、最初から超人だったからね」×ツドイ


「んふふ、まあヨウ君の戦闘を見たら、分かってくれるわよ」×アヤメ


「・・・僕が普通だったって、信じてくれるのは嬉しいけど、なんか釈然としないんですよね」


「フフ、これから分かりますよ?」×リラ


「はぁ~ 分かりました。じゃ、行きましょうか」



 僕は謙二達を連れて、初級ダンジョンへ潜ることにした。


 謙二達は、初めて入るダンジョンに喜んでいる様だ。



「へえ~ 此処がダンジョンか~ なんか洞窟みたいだね」×アカリ


「色々なフィールドがあるんだけど、初級ダンジョンは洞窟なんだよ」


「おっ! 何か居るぞ、あれがスライムなのか?」×ケイスケ


「そそ、とりあえず戦ってみる? 体当たりだけ注意したら大丈夫だから」


「そうね、戦ってみたいかも」×ナツキ


「おう、じゃ、初戦闘と行こうか」×ケンジ



 謙二達は其々の武器を構えて、スライムに対峙している。



「おりゃ!」


「えっ?」



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