第202話 目にもの見せてやろうじゃないか
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謙二から電話があってから一週間後、今日いよいよ謙二達が大阪にやって来る。
妹のヒカリが大阪に来た時の様に電車で来るようだ。
っと言う訳で、僕は運転手をしてくれるツドイさんと、付き添いのリラさんにも来て貰い大阪駅に来ている。
ツドイさんは車で待っていてくれているので、現在僕はリラさんと大阪駅のホームで謙二達を待っている。
最近リラさん達と居るのが慣れてきたせいで忘れていたけど、リラさんの美しさに集まって来るギャラリーに面食らってしまう。
こうやってマジマジと見ると、リラさんって本当に綺麗な顔してるよな~
初めて会った時から綺麗な女性だったけど、ビューティポーションとステータスを上げたせいか、最近ではもう次元を超えた美しさになってるもんな・・・
「フフ、どうしたのですか、ヨウ様?」
「リラさんって本当に綺麗ですよね?」
「えっ! ヨウ様。行き成り、そんな事を言われては困ってしまいますよ?」
「本当の事だからしょうがないですよ?」
「フフ、嬉しいですヨウ様。誰も居なければ、抱きしめたいぐらいに」
「それは、残念ですね<威圧>しちゃおうかな?」
「フフ、冗談ですよね?」
「冗談ですよ? 半分ぐらい?」
「それは危険な所でしたね、今度から人が居ても気にしない事にします」
「あはは、おっと、無粋な親友が来たみたいです」
「フフ、彼等に罪は無いですよ?」
「確かに♪」
久しぶりに会う親友達に、僕は笑顔で手を振ると、親友達も笑顔を返してくれた。
「ヨウ、久しぶりだな」×ケンジ
「ヨウ君、久しぶり~」×ナツキ
「ヨウ、相変わらず、ちっちぇえな♪」×ケイスケ
「ヨウ君、変わってな・・・えっ! 可愛くなった?」×アカリ
「久しぶりに会う親友に、言いたい事は、それだけか?」
「うふふ、だって、本当に以前より可愛くなってるんだもの?」
「言われてみればそうだな・・・成長の方向が変だぞ?」×ケイスケ
「失礼な! これでも、少し背が伸びたんだぞ?」
「あはは、でも、元気そうで良かったわ」×ナツキ
「でも、都会で暮らしてるせいか、確かに雰囲気が変わったなヨウ?」×ケンジ
「おっ! 謙二には、僕の成長が分かるみたいだな?」
「「「「・・・・・」」」」
「・・・何か言ってくれよ?」
「・・・ねえ、ヨウ君の後ろに女神様が立ってるんですけど?」×ナツキ
「女神様って・・・ああ、紹介するよ。僕と冒険者パーティを組んでくれているリラさんです! 今日は案内役で来て貰ったんだ」
「「「「ええっ!」」」」
「ヨウ、自首しろ」×ケンジ
「ブッ!? な、なんでだよ?」
「金か? いや貧乏人だしな・・・弱みか?」×ケイスケ
「ヨウ君、罪は償わないと?」×アカリ
「私達が警察まで着いていってあげるから?」×ナツキ
「・・・勝手に犯罪者にするな」
「リラさんにも紹介しますね、左から謙二・夏樹・啓介・朱莉で地元の親友達です」
「ヨウ様にお仕えさせていただいております。天満リラと申します、宜しくお願い致します」
「「「「は、はい!」」」」
「うわ~ 綺麗~」×アカリ
「足なが~い」×ナツキ
「「で、でかい!」」×ケンジ・ケイスケ
「もう、貴方達、馬鹿ね失礼でしょ?」×ナツキ
「だ、だってよ~ 田舎には、こんな綺麗でゴージャスな女性、居ないぞ?」×ケンジ
「凄いよな~ 俺もこんな美人初めて見たよ」×ケイスケ
「・・・確かに、ヨウ君、こんな美人さんとパーティ組んでるんだ?」×アカリ
「それに、様付けって?」×ナツキ
「リラさんには何時もメチャクチャお世話になってます。僕は呼捨てにして欲しいんだけど?」
「私はヨウ様に無理を言って、お仕えさせていただきましたので、呼び方もお願いして敬称をつけさせていただいております」×リラ
「うは~ ヨウ、人生で全ての運を使い果たしてるぞ?」×ケンジ
「自分でも分かってるから言うなって・・・」
「じゃ、そろそろ行こうか。疲れてないかな? コーヒーでも飲む?」
「いや、疲れてねーよ。俺達、都会なんて初めてだから色々見してくれよ」×ケンジ
「なるほど、その気持ち分かるな」
「ねーねー、歩いて行くの? せっかくだから、タクシーとか贅沢してみたいんだけど?」×アカリ
「大丈夫だよ。実は、車も用意して貰ったから着いてきて」
「うわ~ 気が利くじゃない?」×ナツキ
「おい、無理しなくても良いぞ? 俺達もちゃんと払うからな」×ケンジ
「心配しなくても良いって、さっ行こう!」
どうも、地元の親友達は、僕が貧乏生活をしている事を疑ってない様だ。まあ無理もないんだけど・・・
ここまで、あからさまに見栄を張っていると思われたら、驚かせたくなっちゃうよね。
親友達を案内しながら、ツドイさんが用意してくれた車まで歩いて行く。
皆は大阪駅の広さと、人の多さに驚いている様だ。
そういや、僕も迷いながら驚いたなと、懐かしい気持ちになる。
「うはっ! すっげー車」×ケイスケ
「うわ~ 流石、都会ね・・・こんな高級車が走ってるんだ~」×アカリ
親友達はツドイさんが用意した車を見て驚いている。
まさか、この車に乗るとは思わないだろう。楽しみだ♪
僕達が車に近づくと、ツドイさんが車から下りて来てくれた。
僕は親友達をツドイさんに紹介し、車を出してくれたお礼を言うことにした。
「えっと、紹介するね、運転手で来てくれたツドイさんです!」
「僕はヨウ君のパーティメンバーの1人、神戸集だよ宜しくね」×ツドイ
「「「「えええ~~~!」」」」
「嘘でしょ?」×ナツキ
「また、凄い美人?」×アカリ
「「で、でか・・・」」×ケンジ・ケイスケ
謙二と啓介は、また胸の事を言いかけたので、朱莉達に怒られている。
「ククッ! 面白い子達だね♪ ヨウ君と話が合いそう」×ツドイ
「謙二達のせいで、僕まで笑われたじゃないか?」
「しょ、しょうがないだろ? とんでもない美人だし、背高いし、ボンでキュでボンなんだぞ?」×ケンジ
「こんな美人が2人も? 足なげ~ ずっと、見てられそうだ」×ケイスケ
「まさかヨウ君。こんな凄い車用意してくれたの?」×アカリ
「今日、運転手で来てくれた、ツドイさんが用意してくれたんだよ?」
「本当に私達が、これ乗っちゃうんだ・・・」×ナツキ
「そだよ! とりあえず乗って、色々と案内するからさ」×ツドイ
まだ信じられないような顔をした4人が車に乗り込むと、その内装にまた驚いている。
その驚いた表情を見ていると、とても楽しくて僕も笑顔になってしまった。
「な、なにこれ? 車の中にソファーがある?」×アカリ
「シャンデリア? 車の中だよね?」×ナツキ
「なんで、テーブルがあるんだ?」×ケンジ
「車の中だよな? どこで間違えた?」×ケイスケ
「あはは、間違って無いよ♪ コーヒーか紅茶どっちが良い?」
リラさんは皆に飲み物を入れてくれ皆へ差し出してくれたが、親友達は未だ驚きから帰って来てないようだ。
「有名な所を回る予定なんだけど、行きたい所とかあるかな?」×ツドイ
「えっ? はい、すみません。タコ焼きが食べたいんですけど良いでしょうか?」×アカリ
「あ~ そうだ。驚くことが多すぎて忘れてた。皆で大阪へ行ったらタコ焼き食べようって、言ってたんだよな」ケンジ
「あはは、分かるよ。僕もそうだったから」
「了解だよー! 丁度、昼時だし色々食べようか」×ツドイ
「ありがとうございます」×ナツキ
「でも、ツドイさんも、リラさんも、冒険者とは思えない程綺麗ですね? 元はモデルさんやってたり?」
「僕、ヨウ君のお抱え運転手だったんだけど、冒険者にスカウトされたんだよね」
「ヨウ? お前、お抱え運転手雇うとか、贅沢し過ぎじゃないか?」ケンジ
「まーでも、こんなに綺麗な女性がお抱えになってくれんなら、贅沢したくなる気持ちも分かるけどな」×ケイスケ
「冒険者になったばかりの頃だぞ? そんなお金ある訳ないだろ? ツドイさんはギルドの恩恵で雇ってくれたんだよ」
「へえ~ 冒険者ギルドって、そんなに待遇が良いの?」×アカリ
「フフ、ヨウ様は、ギルドに多大な功績を治めていましたので、特別措置ですね」×リラ
「ふあ~ そうなんだ」×ナツキ
「えっへん♪ 大阪へ来てから僕も一生懸命頑張ったんだぞ?」
「全く・・・俺達に心配掛けたくない気持ちは分かるけど、ちょっとやり過ぎだぞ?」×ケイスケ
「すみません。リラさんツドイさん、ヨウの奴が口裏合わせなんて頼んじゃって」×ケンジ
「・・・おい、ちょっと待て?」
此奴ら・・・ヒカリの時を思い出すじゃないか、また二人に笑われてないだろうか?
「まー、そんな所だと思ったわ♪ でも、ヨウ君ありがとね嬉しいわ」×アカリ
僕はグリンっと首を回しリラさんの方に目をやると、リラさんは目を背け小刻みに肩を震わせている・・・きっと、笑うのを我慢しているのだろう。
しかし、妹のヒカリが信じてくれなかったんだから、親友が信じてくれる訳無いか・・・
「リラさんは、何をやっていたんですか?」×ナツキ
「私はコンシェルジュをしておりました。ギルドからの要請でヨウ様の担当をさせていただいていたのですが、故合って今はヨウ様と共に冒険者をしております」
「なるほど。コンシェルジュって何か分かんないけど、そう言う設定なんだ?」
「ヨウ君の顔を立てるのも、大変だね~♪」×アカリ
此奴等・・・明らかにリラさんが笑うのを我慢してるじゃないか。
「リラさん、どうしました?」
「な、なんでもございません」×リラ
先程からツドイさんとリラさんが、眼を合わせてくれない・・・
フフフ、まあリラさん達が喜んでくれるなら良いとして、此奴等の車なんて軽トラの荷台に乗せとけば良かった・・・
それからは、大阪名物のタコ焼きや豚まんを食べ歩き、有名な場所を観光していくと親友達はとても喜んでくれた。
田舎者丸出しだけど、これだけ喜んで貰えたら嬉しい限りだ♪
「しっかし、流石都会だけあってビルは高いし、人も多いね~」×アカリ
「今日って平日だよね? なんで、こんなに人が居るかな~」×ナツキ
「スーツ姿の男性が多いけど、本当にスーツで仕事してるんだな~」×ケイスケ
「やっぱり、ヨウもスーツとか持ってるのか?」×ケンジ
「僕は冒険者だからスーツとか着ないんだよね・・・」
「フフ、ヨウ様のスーツも何点かございますよ?」×リラ
「そうなんだ?」
「ウーツコーポレーションに行った時に着て貰いましたよ?」×リラ
「あ~ そう言えば、あの時スーツ姿になりましたね」
「・・・なんだ、この敗北感は?」×ケンジ
「都会者め!」×ケイスケ
「待て待て! 都会で生まれ育った人達は違うんだぞ? リラさんとツドイさんを見ろ!
同い年の女性なんて、同い年に見えないんだぞ?」
「「「「なるほど・・・」」」」
「あ~ん、私も都会に生まれたかったな~」×アカリ
「やめてよ~ 外を歩くのが恥ずかしくなるじゃない?」×ナツキ
「フフ、お二人共、とても可愛いと思いますよ?」×リラ
「僕も都会育ちより、可愛いなと思ってたんだよね」×ツドイ
「ありがと~ リラさんとツドイさんって、性格も最高だよー♪」×アカリ
「うわ~ お姉さん達みたいに綺麗な女性から褒められるとゾクゾクしちゃう」×ナツキ
「本当の美人って、女にもモテるのか・・・」×ケイスケ
「俺なんて、声聞いてるだけでゾクゾク来るぞ?」×ケンジ
「こらこらって、言いたいけど、分かるよその気持ちは・・・」
「あっそうだ! ヨウ、俺達が今日泊まるホテル先に決めときたいんだが?」×ケンジ
「あ~ それなら大丈夫だよ! 僕の部屋に泊まって貰う予定だから」
「「「「ええっ?」」」」
「ザコ寝になるんじゃない?」×アカリ
「ヨウと一緒の布団で寝るのかよ?」×ケンジ
「あはは、キャンプみたいで面白いかもね♪」×ナツキ
「うはー、男3人で寝るのキッチイな~」×ケイスケ
リラさんとツドイさんは体をプルプル震わせて、全力で笑いを我慢してるようだ・・・
リラさんの顔を覗き込むと、必死になって手で顔を塞いでいる・・・
「お風呂とか無いよね? 今日汗掻いちゃったんだけどな~」×アカリ
「冒険者は桶にお湯貰って、体拭くらしいよ?」×ナツキ
「都会のコンビニなら、水の要らないシャンプーとかあるんじゃないか?」×ケンジ
「ああ、被災者用のやつだよな? 都会にはドラッグストアとかあるらしいぞ?」×ケイスケ
「ぷぷっ♪ だ、駄目だよ事故りそう、もう僕の腹筋は限界だよー」×ツドイ
「ぷっ♪ だ、駄目です! 笑ってはいけません。ある意味ヨウ様への信頼が半端じゃありませんね」×リラ
「なにか言いましたリラさん、ツドイさん?」
「「い、いえ、なにも・・・」」
「ねー、男女別でカーテンぐらい付けてよね? 服も着替えられないわ」×アカリ
「俺、ソファーで寝ても良いぞ?」×ケンジ
「馬鹿野郎! ソファーなんてある訳無いだろ? ヨウが可哀そうだろ言ってやるなよ?」×ケイスケ
「あ~ すまんヨウ。しかし、寝る場所あるか? ヨウならトイレでも寝れるかもだが」×ケンジ
「止めてよ~ ヨウ君が寝てるとこでトイレなんて出来ないじゃない?」×ナツキ
「あっ! 共同トイレじゃないよね?」
「ぷぷぷっ! 事故るー、勘弁してー本当に事故りそうだよー、涙まで出てきちゃった♪」×ツドイ
「ぷぷっ 駄目です! 深呼吸をスーハー、ぷっ! い、いけません。なんて厳しい試練なのでしょう」×リラ
「・・・やっぱり、なにか小声で言ってませんか?」
「な、なにも言って無いよ?」
「き、気のせいかと?」
「・・・あの~君達! 一体、僕の部屋にどんなイメージ持ってるのかな?」
「えっと・・・ウサギ小屋?」×アカリ
「ネズミ小屋だろ?」×ケンジ
「ん~ 納屋みたい?」×ナツキ
「玄関開けたら3畳間? うはっ! やべーじゃん?」×ケイスケ
「「ぷはっ!」」
・・・しかし、こいつ等。せめてワンルームぐらい言えないのか? リラさんとツドイさんにメチャクチャ笑われてるじゃないか・・・
ペット用の檻でも買って、押し込めてやろうかな・・・
ここまで言われるなら見せてやろうじゃないか! 以前の億ションから更にグレードアップした、タワーマンションと言うものを!
目にもの見せてやる!
「よーし、よーし、もう観光は良いよな? 今から僕の部屋に連れて行ってやる」
「銭湯とかあったら寄って欲しいかも?」×アカリ
「馬鹿、都会じゃスーパー銭湯って言うらしいぞ?」ケンジ
「うっさいわね~ そんなの、分かれば良いでしょ~」
「・・・いい加減、風呂が無いって決めつけるのは止めろ? 風呂ぐらいあるから、ちゃんとあるからな?」
「「「「あるのか?」」」」
「「ぷっ♪」」
「・・・リラさん、ツドイさん?」
「な、何でも無いよ、コホン、コホン♪」×ツドイ
「申し訳ありません。少し咽ました♪」×リラ
「本当に風呂付の部屋借りれたのか? 俺達のためにドラム缶置いてるんじゃないだろうな?」ケンジ
「ちょっと? ちゃんと周りから見えなくしてくれてるんでしょうね?」×ナツキ
「竹筒を使ってフーフーするんだよね?」
「・・・そんな訳ないだろ? 全くどんな所だと思ってるんだよ?」
「「ヒーヒーフー」」×リラ・ツドイ
「いや、リラさんツドイさん・・・それラマーズ法だからね?」
「やっと着いたー、久しぶりに僕の腹筋が筋肉痛になりそうだよ」×ツドイ
「ああ神様! 何とか乗り越えました。もう、これ以上の試練はお許しください」×リラ
僕のマンションが見えてくると、リラさんとツドイさんは、もう心の声が口から出て安堵してるし・・・
何時もの様にツドイさんは、マンションのゲートに車を入れ、エレベーターの近くに駐車してくれた。
「さっ! 着いたよ」
「へえ~ 流石都会だけあって、ワンルームマンションもデカいよな~」×ケイスケ
「うわ~ 意外と素敵じゃない?」×アカリ
「その言葉は、部屋に着いてから聞くよ」
親友達は周りをキョロキョロしながらエレベーターに乗り、その動くスピードに一喜一憂していた。
正真正銘の田舎者である! 見ていると、とても楽しい。人の事は言えないけどね♪
そして、遂に僕の部屋に着き扉を開けると、メイドさん達総勢32人が列になって出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、ヨウ様!」×メイド達
「「「「ふぁっ?」」」」
「「「「えっ! えええっ!!!!」」」」
「皆ただいまー! 話していたとおり、地元の友達が4人来てくれたから宜しくね」
「畏まりました」×メイド達
「ようこそお客様。どうぞ、此方へお進み下さい」×カンナ
「「「「えっ? は、はい」」」」
カンナさんはリビングの一番景色が良いソファーへ、親友達を案内してくれた。
ソファーは既に、スノーラビットの毛皮が贅沢に使われており、超フカフカでモフモフの仕上がりになっており、座り心地と感触に驚いている。
もちろん、親友達は何が起こっているのか理解出来ない様で、キョロキョロと色んな所を見ている。
クククッ! さあ、ゆっくりと此奴等に説明してやろうか♪




