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第193話 アールさん達の1日ですよ


 <アール視点>


 私達は現実とは思えない驚きを繰り返し、まるでセレブにでも成ったかのような贅沢な気分の中、これから暮らすことになる自室へと連れて行かれた。


 私達は12人も居ると言うのに、個室を当てがわれ、その1部屋1部屋が驚く程広く豪華な造りになったいた。


 とても美しい女性達の中、一際輝きを放ち別格とも言える5人の女性達の1人であるリラと言う女性が、今日は個室では落ち着かないだろうと大部屋を用意してくれた。


 私達は、今日だけ12人が一緒に寝れる部屋を使わせてくれるそうだ。


 メイド長であるカンナさんが、明日の朝迎えに来ると言い、部屋を出て行き私達だけとなった。



「ふぅ、未だに現実感が全く無いわ・・・」


「私達にとっては生きていられるだけ、とてもありがたいんだけどね」


「あはは、今日死ぬ覚悟してたのにな~」


「殺されるどころか、どう考えてもVIP待遇ね・・・それも超が付くほどの」


「新しい冒険者カードとスマホも用意してくれたしね」


「皆見た? 本当に日本円で500万円入ってたわよ?」


「うはー、好きな物買えちゃうじゃない?」


「命の危機から一転、お金持ちにってどうなのよ?」


「やっぱり、姉さん達それだけ危なかったの?」


「ええ、私達を切り捨てた上司のお陰でね」


「やっぱり、アイツのせいだったのね・・・殺しておけば良かったわ」


「うふふ、でもね、推測になるんだけど、そんなやり方をする組織がミカヅキは気に入らなかったんでしょうね。


あっ! これからは、ヨウ様って呼ばないといけないわね」


「まさか、それだけの理由で、ドルイドに乗り込んだって事ですか?」


「たぶんね・・・彼は恐ろしい程の強者だけど、とんでもない、お人好しとしか思えないわ」


「そうね、そうじゃなかったら、私達を抱え込む訳ないもの」


「私達の事を幸運な人達、って言ってた人がいたけど、本当に奇跡の様な幸運だったのかな?」


「確実とは言えないけど、彼との出会いは私達の人生最大のターニングポイントだったのは間違いないわ。


私には、とても彼が悪い人間には見えないしね」


「彼、可愛いしね」


「そんな意味で言ったんじゃないわよ?」


「でも、可愛いでしょ?」


「・・・可愛いわ」


「やっぱり♪」


「うふふ、容姿だけじゃなくて性格も可愛いよね? その癖、なんか自信に満ち溢れてるって感じだし」


「考えれば考える程、不思議な人よね? どうやったら18才であれだけの実力と財力が身に着くのよ?」


「天才、怪物、超人、超越者・・・私達では計りしれないわ」


「今までは組織の為に生きて来たけど、これからは、彼の為に生きても良いわ」


「彼に貰った様な命だし、それも楽しそうよね?」


「とりあえず、彼に感謝を!」


「彼に感謝を!」×全員



 私達はそのまま、豪華なベッドで休む事にし、翌朝を迎える。


 誰かがドアをノックしているのに気付き、慌てて起きると窓から入る朝日に寝過ごした事を理解した。



 ガチャ! 「あらっ? 皆さん良く眠れたようですね」×カンナ


「す、すみません、急いで皆も起こしますから」×アール


「急がなくても良いですよ? メイドである私達の朝は早いですから」


「はい、皆起きて朝よ、早く起きてー」


「うふふ、では用意が出来ましたら、100階にあるリビングへ来て下さいね」


「はい、直ぐに行きます」



 しかし、常に直ぐ行動出来るよう訓練された、私達が寝坊するなんて・・・


 昨日の美味しいお酒と、信じられない程フカフカのベッドのせいだわ。


 もう、寝具にまでどれだけお金掛けてるの? 気持ち良すぎるわ。


 まだ寝ている皆を順番に起こしていくと、一様に驚いている。



「えっ? 朝なの?」


「皆、早く起きて寝坊よ?」


「う、嘘でしょ? うわっ! こんなに明るくなってる」


「くっ! このベッド気持ち良すぎるわ」


「あはは、凄いよねこのベッド。すっごく深く眠っちゃった♪ お陰で気分爽快だわ」


「昨日のお酒も美味しすぎて、飲みすぎちゃったみたいね、全然2日酔いになってないけど」


「やっぱり、高いお酒は後に残らないってのは本当なのね?」


「皆、喋ってないで急いで、初日からこれじゃ呆れられるわ」


「そうね、急がないと!」



 私達は慌ててメイド服を着て100階のリビングへ向かった、化粧をしている暇はとても無かった。


 リビングへ着くと、カンナさん達メイドさんが朝食を作っており、辺りには良い匂いが立ち込めている。



「遅れてすみません。全員揃いました」×アール


「おはようございます」×カンナ


「おはようございます」×アール達


「うふふ、ここのベッドは素敵過ぎますから、気にしなくても良いですよ。私達も最初の頃は、寝坊しましたから」


「懐かしい話ね、今は違う理由で起きにくくなってるんだけどね」


「こらっ、朝から恥ずかしい事言わないの」


「どういう、意味でしょうか?」


「うふふ、その内、分かるかもね」


「さて、アールさん達は未だ手伝えないでしょうから、見てて下さいますか?」


「えっ? 手伝えないとは?」


「見ていれば分かりますよ」



 言われた通りメイドさん達を見ていると、大きなテーブルクロスが何も無い所から出現し、ピシッと揃えられていく。


 見事な手際で次々と食器類が並べられ、出来上がった料理も、虚空へと消えたと思うとテーブルの上に現れていった。


 使い終わった調理器具も、魔法の光に包まれ綺麗になっていく。


 そ、そんな、メイドさん達まで<虚空庫>スキルを所持しているの?


 それに<生活魔法>よね? まさか全員が取得しているの?


 参ったわね・・・どうやら、此処ではメイドと言えど、何と敷居の高い事か・・・


 これじゃ、確かに私達が手伝う隙がないわ。


 私達がメイドさん達に驚いていると、ポツポツと他の方達も起きて来た。


 そしてヨウ様とアヤメ様達が現れると、メイドさん達はキチンと整列し、丁寧なお辞儀をしながら朝の挨拶をしている。


 私達も真似をするように、ヨウ様へ挨拶をした。



「おはよー、皆さんメイド服が良く似合ってますね、とっても可愛いですよ」


「ありがとうございます」×アール達


「昨日は良く眠れましたか?」


「申し訳ありません。ベッドがあまりにも気持ち良くて、寝坊してしまいました」×アール


「あはは、そんなの、気にしなくても良いですよ」


「此処のベッドは、とっても気持ち良いですから、皆そうなるんですよ」


「確かにあのベッドは危険だよね~ ついつい寝過ぎちゃうから」×ナギサ


「でも、快眠出来るから朝、気分爽快になるんだよね」×ツドイ


「おっしゃる通り、此処は何から何まで凄すぎて驚いてしまいます」


「んふふ、そんな事で驚いていたら、これから身が持たないわよ?」×アヤメ


「ま、まだ、何かあるんですか?」


「フフ~ まだ序章ってところかな?」×ノノ


「序章ですか?」


「フフ、これから徐々にカンナ達が教えてくれますから」


「あの、私達に此処のメイドは務まるのでしょうか? 正直カンナさん達が凄すぎて役に立つとは思えないのですが・・・」


「そんな心配は無用だよ? 此処にいる全員が色んな事を教えてくれるからさ」×ナギサ


「そー言う事です! さっ、朝食を食べましょうか」


「はい、ありがとうございます」



 私達はカンナさん達と同じテーブルで朝食を頂くことになり、また驚く事になった。


 美味しい・・・どれもこれも、今まで食べた事が無い程の美味しさだった。


 普通の卵焼きですら、とんでもなく美味しいので驚いていると、カンナさんがハーピーの卵だと教えてくれた。


 私達でも知っている、ダンジョン産の超高級食材だ!


 まさか、私達がこんな高価な物を食べる日が来るなんて・・・


 朝食でこれなら、カンナさんが言っていた通り、昨日の夕食が一体どれ程高価だったのか考えるのも恐ろしい。



「あっ! そうだ、カンナさん」


「はい」


「アールさん達のスキルオーブと魔法スクロール渡しておきますから、今日買物から帰ってきたら使い方を教えて上げて下さい」


「お、お待ちくださいヨウ様。そんな高価な物を預かる訳にはいきませんので、先に習得だけして貰っても宜しいでしょうか?」


「それでも良いですよ?」


「ありがとうございます。安心しました」


「そうよヨウ君、もう少し配慮して上げないと?」×アヤメ


「そうですね、もう慣れちゃって気付きませんでした。ごめんねカンナさん」


「いえ、とんでもございません。私を信用して下さり、嬉しい限りです」



 スキルオーブ? 魔法スクロール? 私達には何の事か理解出来ず茫然としていると、目の前に複数のスキルオーブと魔法スクロールがゴトゴトと音をたて置かれていく。


 私達は金魚の様に口をパクパクとさせていると、周りの皆さんが手伝ってくれ訳が分からないまま1つ1つ習得していった。


 1つのスキルを習得する度に、不思議な事に何となく使い方が頭に流れ込んでくる。


 それでも、3つ目以降ぐらいから、完全に理解が追い付かなくなっていた。


 それもその筈、私達が習得していったスキルの中には<虚空庫>スキルや<鑑定>スキルまで含まれていたのだから。


 全てのスキルとスクロールを習得し終わると、ヨウ様達はダンジョンへに行くらしく出掛けて行った。


 お、おかしいわ・・・何故皆さんは平然としているのでしょうか?


 私達が理解も出来ない様な状況の中、淡々と行動している。


 此処では、これが当然の事なのでしょうか、頭が痛くなってきました。


 他の人達も仕事やダンジョンへ向かい、私達はフミさんとカンナさん達に連れられ買物に行く事になった。


 私達はメイド服以外持っていないので、カンナさん達が洋服を貸してくれた。


 幸い体型が似てる人が多いのでサイズは問題無く、皆ワンピースを貸していただいた。


 どれも、素敵な洋服で少し気分が高揚してくる。


 うふふ、今まではあまり気にもしなかったけど、私にもこんな楽しみがあるんだと改めて気付かされた。


 カンナさん達も私服に着替えると、皆とても美しい人なのでモデルの集団の様にしか見えない。



「うわ~ カンナさん達とても綺麗です」


「うふふ、ありがとう。アールさん達も綺麗ですよ?」×カンナ


「ウフフ、皆さんとっても良いスタイルだから、私も選び甲斐がありますわ。ささっ、早く行きましょう」×フミ



 私達は素敵なワンピースで身を包み、都会の街へ繰り出した。


 大阪の街並みは、とても綺麗で近代的なビルに囲まれており、田舎者の私達は驚きと興奮に包まれていた。


 フミさんの店に着くと、まずその大きさに驚き、洋服の多さに目を奪われた。


 フミさんが選んでくれた洋服は、どれも素敵で自然に笑みが零れてしまう。



「ねーねー、これどうかな?」


「うわ~ 素敵な洋服だね、とっても似合ってるわ♪」


「ホントに? じゃ、これにしちゃおっと」


「あ~ん、もう駄目、なんでこんなに着れるサイズがあるの? 迷っちゃうよ」


「ウフフ、私の店は胸の大きな女性に力を入れてますから、品数はどこの店にも負けませんよ。


今日は、洋服だけじゃなく、下着から靴まで全部揃えちゃいますわ」×フミ



 私達は時間が過ぎるのも忘れ、ショッピングを楽しんだ♪


 今まで洋服なんて与えられた物を着ているだけだったけど、自由に選びお洒落を楽しむ事が、こんなにも楽しい事だったなんて・・・


 昼食に連れて行って貰ったパンケーキも、食べるのが勿体ないぐらい綺麗に盛り付けられており、信じられない程フワフワで、その甘美なまでの美味しさに少女の様に喜んでしまった。


 気付けば洋服どころか下着から靴、帽子に至るまで数十着購入し、両手に持ち切れない程だった。


 その大荷物も<虚空庫>スキルの使い方を教えていただき、今は全て<虚空庫>へ収納してある。


 なんて便利なスキルなんだろう♪ 流石に目が回る様な値段が付いているだけはある。


 カンナさん達はフミさんから、とてもセクシーな下着や洋服を勧められており照れているようだったけど、着たら絶対似合いそうだった。


 部屋にはアメニティグッズが全て揃っていたので購入する必要は無く、次に化粧品を一通り買う事になったが、その数の多さに戸惑うぐらいだった。


 化粧と言ってもビューティポーションを飲んでからは非常に楽になり、今日も貸して貰った化粧品で簡単に済ませる事が出来た。



「ヨウ様はあまり化粧は好まれませんから、ナチュラルメイクがお勧めですよ」×カンナ


「分かりました。でも皆さん、本当にヨウ様を基準に考えるのですね」×アール


「それは当然ですね。私達はヨウ様に褒められる事は、何よりも嬉しい事ですから。


アールさん達も、これから少しずつヨウ様を見ていれば理解出来ると思いますよ?」


「うふふ、今は唯、凄い人だなと思うばかりですね」


「はい、本当に凄いお方です」



 一通り買物を済ませたのでクレセント本部に戻り、今朝頂いたスキルの習熟から始める事になった。


 私達は幾つかのSPオーブでステータスを上げていたが、高額なスキルは1つも習得していなかったので、その有用性にとても驚き、どのスキルも慣れるまで訓練が必要なのを知った。


 特にスキルの複数同時使用は、とても難しくカンナさん達の繊細なスキルコントロールは尊敬に値する程だった。


 しかし、難しい故に楽しく、私達は時間が経つのも忘れ、スキルの習熟に熱心に取り組んだ。


 その甲斐もあって<身体強化>を使いながら<敏捷強化>を少しだけ使える様になってきた。


 少しと言えど、その動きは今までと比べると雲泥の差で、素晴らしい速度と体のキレを実感出来る。



「少し慣れてきたようですね?」×カンナ


「はい、少しずつですけど」×アール


「では、そろそろ模擬戦をしてみましょうか?」


「えっ!」×アール達


「カンナさんとですか?」


「はい、そうですね。アールさんのパーティ6人で掛かって来て下さい」


「カンナさん1人で、私達6人を相手するのですか?」


「はい、私達もその様に鍛えていただきましたので、同じ様にしたいと思います」


「本気ですか? 私達も戦闘訓練は、かなりやってきたんですよ?」


「心配しなくても良いですよ? 私からは攻撃しませんので遠慮なく掛かって来て下さい」


「・・・アール良いんじゃない? お手並み拝見しましょうよ」


「そうね、胸を貸して貰いましょうか」


「両手剣は、まだ重いでしょうから、木刀を使って下さい」


「カンナさんは素手なんですか?」


「いえ、私の武器はこれですね」


「く、口紅? 冗談でしょ?」


「うふふ、さあ始めましょうか♪」


「・・・皆、本気で行くわよ」×アール


「ええ、分かってるわ」



 私達は其々木刀を持って、カンナさんと相対した。


 木刀と言っても両手剣の代わりなので、少し大きくて重たいが木製なので振るのは問題なさそうだった。


 そう言えばヨウ様は、メイドさん達は私達より強いと言っていたが、どう見ても私達より強そうには見えない。


 カンナさん達は、とても美しく可憐であり、戦闘が出来る様な佇まいでは無かったからだ。


 同じメイド服を着ている、私達が恥ずかしく感じる程に。


 しかし、私達はどんな相手でも油断するような甘い世界には居なかったので、ダンジョンで魔物を相手にする体制をとる。


 初撃すら躱せるか心配だったので、服に掠る程度に狙いを定め全力で攻撃した。


 なっ! 躱された?


 しかし、躱した方向には、既に他の者が回り込んでいる。



「貰った!!!」



 ヒュバ!!!



「えっ・・・き、消えた?」



 そ、そんな・・・カンナさんの背後から放たれた剣戟に、私達6人は確実に捕らえたと思った瞬間、全員の視野からカンナさんは消えてしまった。



「うふふ、油断しちゃ駄目ですよ?」


「そ、そんな・・・」



 カンナさんは何時の間にか、初撃を繰り出した私の後ろに佇んでいた。


 油断していた訳でも目を瞑っていた訳でもない、確実に正視していたにも関わらず視界から消え去るなんて。


 一体どんなスピードで動けば、こんな芸当が出来るのだろうか・・・


 それから私達は一切の油断を払い、本気で攻撃を繰り出し続けたが、カンナさんのメイド服に掠る事すら叶わなかった。


 木刀と言えど何度も振り続けた私達は、全身滝の様な汗を流し、腕が上がらなくなってしまった。



「ハァーハァーハァー、だ、駄目・・・攻撃が当たる様な気がしない」


「フゥーフゥー、なんてスピードなの? 私達も<敏捷強化>スキルを使ってるのに全く追い付けない」


「もう駄目、動けないわ・・・」


「えっ? アールその首に付いた赤い線って、まさか?」


「う、嘘でしょ?」



 何時の間にか私達の首には、口紅で引かれた赤い線が入っていた。


 私達は全員攻撃されていた・・・もちろん、誰一人その攻撃には気付けなかったようだ。


 これが実戦だったなら、私達は死んだ事にも気付けなかった事になる。


 滝の様に汗を流したのに、更に冷たい汗が背中を伝う。



「あ、あの、メイドさん全員がカンナさんに近しい実力を持っているのでしょうか?」×アール


「はい、実力的には全員同じぐらいですね、辛うじて私と副メイド長のマドカさんが勝ち越している程度です」×カンナ


「それは本当ですか?」


「うふふ、マドカさん、もう1パーティの訓練をお願い出来ますか?」


「畏まりました。では、貴女達の模擬戦は私が致しますね」×マドカ


「イイッ! どうするの? 姉さん達でも敵わないのに・・・」


「やるしかないでしょ?」



 カンナさんが言った事に嘘は無く、離れた所から見ていてもマドカさんの動きは、とても捉えきれるものではなかった。


 どうやら、超人的な強さを持っているのは、ヨウ様達だけでは無い事が身に染みて理解出来た。


 しかし、何て凄い人達なんだろう・・・決して財力だけの集団じゃない。


 カンナさん達が、クランの上位実力者だとは思えない・・・


 私達を軽く一蹴した彼女達が、もしヨウ様が言う自衛が出来る程度なのだとしたら、考えるだけでも恐ろしい。


 色々と思考に耽っていると、後輩達もマドカさん相手に音を上げたようだ。


 皆の首筋にはシッカリと口紅の線が入っており、地面に膝を付いている。



「皆さん、ヨウ様がお帰りになられました。急いで整列して下さい」×カンナ


「イイッ! もう腕が動かないよー」


「ほらっ、頑張りなさい。汗も拭いて急ぐわよ」


「くぅぅ、泣き言も言ってられないか」



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