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第179話 泣いて喜ばれると泣き返してしまいます


 月日が経つのも早いもので、イスズさん達が避難してきてから、今日で1週間が経った。


 明日からイスズさんは、また仕事に戻るらしいけど、しばらくはテレビ放映は無しで水面下で活動するらしい。


 そして、今日最後の訓練が終わり、イスズさん達とセナさんは見違える程強く成った。



「リッカさん達、ありがとうございました」


「いえいえ、今回は、此方がお礼を言いたいぐらい快適な毎日でしたよ」×リッカ


「それに・・・ほらっ皆」


「ま、待ってくれよ。分かった、分かったから」×アズサ



 何故かリッカさんを除く5人がモジモジしている? なんだろうと思っていると。



「あ~ 三日月・・・いやヨウ君」×アズサ


「はい?」


「私達5人も是非、ヨウ君のハーレムに入れて下さい! お願いします」


「「「「お願いします!」」」」


「えっ! 一体どうしたんですか?」


「私、この1週間で完全にヨウ君を好きに成っちゃいました。どうかお願いします!」×マイ


「ヨウ君は色々と素敵過ぎます! どうか、お願いします!」×キョウコ


「私はリッカに遠慮してたんだけど、皆一緒にハーレムへ入れてくれるなら、是非宜しくお願いします!」×シノブ


「えっと、私はやっぱり、ヨウ君の素朴な可愛さが好きになりました。どうかお願いします!」×ナナエ


「私は正直、男なんてあまり興味は無かったんですが、ヨウ君の圧倒的なまでの強さが、眼に焼き付いて離れません。


この1週間ずっと胸が苦しかったんですけど、ようやくヨウ君を好きになった事に気付きました。


是非、私達もリッカと共に、ヨウ君のハーレムに入れて下さい!」×アズサ


「・・・僕もこの1週間、皆さんを見ていて、とても仲の良い理想のパーティだなと思ってました。


其々の個性が魅力的で、年下の僕が言うのも何ですが、可愛いなと思ってました。


こんな、僕で良ければ、此方からも是非宜しくお願いします」


「「「「「よ、良かった・・・」」」」」


「もう、泣かないでよ、私も嬉し泣きしちゃうじゃない? ぐすっ! ごめんねヨウ君、私達って本気で恋したの初めてだったからさ」×リッカ


「いえ、これだけ喜んでくれたら、僕も嬉しくなって泣けてきました」


「ヨウ君良かったね! また素敵な人達に来て貰ってさ」×アヤメ


「はい、僕は果報者です♪」



 しばらくすると、皆落ち着いたのか、今は穏やかな表情になっている。



「ところで、リッカさん達って大阪に出て来るんでしょ? もう住むとことか決まってるのかな?」×アヤメ


「いえ、どうなるか分かりませんでしたから、まだ全然決めてなくて」×リッカ


「うはー、結構、今回の事って体当たりだったんだね~」×ナギサ


「あはは、今思うとその通りですね♪」


「あ~ 私も大阪に住みたいよぉ~ トホホ」×イスズ


「うふふ、大阪に住んでも良いけど、通勤が大変よ?」×イズミ


「そーなんだよね~」


「休みの日とかなら、僕が迎えに行きますよ?」


「わ~ ありがと~ 実はダンジョンも行って見たいんだよね」


「あはは、大丈夫ですよ。ハーレムメンバーには、皆ダンジョンに行って貰ってますから」


「リッカさん達、住むところが決まって無いなら、このマンションに住んじゃいますか?」


「「「「「「ええっ!」」」」」」


「私達に此処は無理よ? だって、高そうじゃない?」×リッカ


「嫌じゃ無いなら、僕がプレゼントしちゃいますよ?」


「嫌じゃないわ! いえ、むしろ最高よ? でも、ヨウ君にそこまで甘える訳にはいかないわよ」


「んふふ、リッカさん達は、もう、ヨウ君のハーレムメンバーなんだから、遠慮なんてしちゃ駄目よ?」×アヤメ


「でも、こんな高そうなマンション貰っちゃったら、お金目当てみたいになっちゃうじゃないですか?」


「んふふ、ヨウ君、先にスキルの説明をして上げたら?」×ナギサ


「そうですね、リッカさん」


「はい?」


「えっと、僕のハーレムメンバーには、自衛のために最低限のスキルを習得して貰ってるんですよ」


「まさか、私達にもですか?」


「あはは、当たり前じゃ無いですか」


「フフ、先に言っておきますが、ヨウ様のハーレムに入る条件みたいなものですから、断る事は出来ませんよ」×リラ


「わ、分かりました。是非、習得させて貰います」


「言質取っちゃいましたからね?」



 僕は何時もの様にスキルオーブや魔法スクロールを次々に出していき、リッカさん達の目の前に並べていった。



「ちょ、ちょっと、高額なスキルオーブ、それに魔法スクロールまで・・・一体幾つ習得させるんですか?」


「ん~ これでも、最低限なんですよ?」


「これ金額にしたら、とんでもない額になるんじゃ・・・」


「んふふ、数兆円ぐらいかな~ 未確認スキルもあるから実際、値段は付けれないんだけどね」×ナギサ


「早く習得しないと、ヨウ君が悲しむわよ? それともハーレム入り辞めちゃう?」


「「「「「「習得させていただきます!」」」」」」


「あはは、どぞどぞ♪」



 リッカさん達は、次々とスキルや魔法を習得していき、ステータスを確認する頃には青い顔になっていた。



「かはっ! こ、これで最低限?」×リッカ


「自衛のため?」×マイ


「凄まじいな・・・」×アズサ


「嘘でしょ?」×キョウコ


「あは! あはははは!」×シノブ


「シ、シノブ! 意識をシッカリ持って」×ナナエ


「じゃ、スキルの説明はリラさん、お願いしても良いですか?」


「畏まりました」


「マンションの方は、アヤメさん良いですか?」


「ええ、部長に頼んでおくわ」


「あっヨウ君! そう言えば、リッカさん達の身体チェック忘れてるんじゃない?」×ナギサ


「あっ、ホントだ!」


「んふふ、今夜の事もあるしプール行こっか♪」


「もう、理解が追い付かないんですけど?」×リッカ



 リッカさん達は僕が怪我や病気、古傷に至るまで治療し、スキルの説明を聞き終わる頃には酷く疲れたようだ。



「OK! 部屋も取れたわよ、コトエちゃん達の隣になったわ」


「へえ~ 良い部屋、取れましたね」


「・・・一生掛かっても、恩返し出来そうにないな」×アズサ


「まだ、ヨウ君の凄さが、分かって無かったみたいだね?」×リッカ


「これから、誠心誠意頑張るわ」×キョウコ


「えっと、スキルや魔法は最低限しか渡していませんので、自力で取って欲しいスキルもマダマダあるんですよ。


大阪のダンジョンに慣れるついでに、優先的に取得して欲しいスキルの場所とか伝えておきますね」


「とっても良いスキルばかりだから、やり甲斐もあると思うよ」×ツドイ


「はい、何から何まで、ありがとうございます」×リッカ


「んふふ、今日は、これぐらいにしときましょうか、疲れたでしょ?」×アヤメ


「次から次へと、驚き疲れました・・・」


「あはは、じゃ今日は、ヨウ君に癒して貰ってね♪」


「ねーねー? ノノさん。私も明日東京へ帰るんですけど?」×イスズ


「フフ~ そうね。癒して上げようかな?」×ノノ


「わーい♪」



 アヤメさん達は、皆笑顔で自分達の部屋に戻っていき、リビングには僕とリッカさん達だけとなった。



「「「「「「・・・・・・」」」」」」


「リッカさん」


「ひゃい」


「あはは、皆さんワインで良いですか?」


「は、はい」


「・・・あ~ えっと、やっぱりそう言う事だよな?」×アズサ


「もう、察しなさいよ」×マイ


「あはは、緊張しちゃいますね」×ナナエ


「あの~ ヨウ君?」×キョウコ


「はい?」


「今日はリッカなんだよね?」


「なるほど。そう言う意味なら、全員今日なのかな?」


「「「「「「ええっ!」」」」」」


「そ、そうなんですか?」×シノブ


「うん、でも1人ずつみたいなものだから、心配しなくても良いですよ?」


「どう言う意味か、分からないんですけど?」×リッカ


「直ぐに分かりますよ♪」



 僕は困惑しているリッカさんを抱き締め、ゆっくりと優しくキスをした。


 皆そうなんだけど、リッカさんは幸せそうに眠ってしまったようだ。



「な、なんで?」×マイ


「ん~ アヤメさん達が言うには、人間って痛みには耐えれても、快楽には耐えられないらしいんですよ。


何故か僕に触れると、皆直ぐに寝ちゃうんですよね・・・」


「それって、失神って言うんじゃねーか?」×アズサ


「あ~ そうとも、言ってましたね」


「「「「「嘘でしょ?」」」」」


「ホントです♪」



 僕は緊張している皆に優しくキスをして、皆が寝てから僕の部屋のベッドへ運んであげた。


 とりあえず、アヤメさん達の様子を見に行くと、中々カオスな状態になっている。


 僕はそっと扉を閉め、後で来ることにした。


 翌朝、目が覚めるとイズミさんが、僕をキスで起こしてくれたようだ。



「おはようです、イズミさん」


「おはようございます、ヨウ様」


「イズミさんの眼鏡無しも、別嬪さんですね?」


「もう、朝から照れますよ?」


「もっと、照れて貰っちゃおうかな♪」


「んっ! もう、ヨウ様」



 しばらく、イズミさんと親睦を深めていると、皆も起き出して来たので日課のキスを全員にしていく。


 当然の様に、リッカさん達が顔を真っ赤にして照れていたのは言うまでもない。


 全員起きてからリビングへ下りていくけど、リッカさん達は足が動かないようなので最後まで残っている。



「はぁ~ 吃驚した~」×リッカ


「あはは、すみません。何時もこんな感じなんですよ」


「こっちも超人なんだな、ヨウ君。完璧すぎるだろ?」×アズサ


「皆の裸は見慣れてるけど、こういう時は照れちゃいますね」×キョウコ


「あはは、何かカオスだったね」×シノブ


「うん、でも私今、凄く幸せな気分だわ♪」×マイ


「えへへ、私もです」×ナナエ


「みんな、可愛かったですよ?」


「「「「「「ひゃ~~~♪」」」」」」


「もう、ヨウ君照れるから、やめて~」×リッカ



 リッカさん達が照れる所を見て微笑みながら、1人ずつ抱っこしてリビングへ連れて行った。


 もちろん、その事でも顔を真っ赤にして照れていたが、皆も微笑ましい雰囲気になっている。


 リッカさん達は今日、東京へ戻り引っ越しの準備をするそうなので、イスズさん達と一緒に東京まで送ることにした。


 <転移魔法>のお披露目をしようかとも思ったけど、もう少し黙っておく事にする。


 皆には<亜空界>に入ってて貰い、僕1人で東京まで飛び立った。


 イスズさん達が、またピンチにならないか少し心配だったけど、この1週間でかなりスキルも使いこなせるようになったので、もう以前の様に逃げ遅れる事は無いと思う。


 一応<念話>スキルも習得して貰ったので、今度は直ぐに駆けつけられるしね。


 皆を東京へ送り届けた後、今日は延び延びになっているソフィアさんに会いに行こうかと思ったけど、ハワイの受付嬢であるパティさんとの約束を思い出した。


 そう言えば、ビューティーポーションの販売を頼まれてるんだった・・・


 そう言う訳で、今日はサラリーマンさんに会いに行こうと思う。


 東京から戻った僕は、皆に今日の予定を伝えてからダンジョンへ向かう事にした。



「ねーねー? ヨウ君。何で<転移魔法>で行かなかったの?」×ナギサ


「ん~ あれは、驚く事に慣れた上級者用ですから?」


「もう、やっぱり、ヨウ君趣旨が間違ってるよ~」


「あはは、そう言えば、ナギサさんに何して貰おうかな~♪」


「もう、忘れてて良いのに~」


「そうだっ! ナギサさんの実家に連れてって貰おっかな」


「ええええええっ!!!!!」


「はわわ! そ、それだけは、勘弁してヨウ君~」


「んふふ、駄目よ♪ 私の部屋にヨウ君を招待したくせに、私も恥ずかしかったんだからね?」×アヤメ


「ええ~ だって、両親や兄弟がいるんだもの」


「んふふ、だーめ! ヨウ君。楽しみにしとこーね♪」×アヤメ


「了解です♪」


「そ、そんな~」



 こうして、また新たな楽しみが出来たので、サクサクとダンジョンを攻略して、サラリーマンさんの所へ向かう事にした。


 サラリーマンさんは相変わらず忙しいらしく、サラリーマンさんを社長にした会社で落ち合う事になった。


 此処は、元サラリーマンさんの会社であるウーツコーポレーションを乗っ取ろうとした所なんだけど、現在はサラリーマンさんの会社になっている。


 僕達が会社の前に着くと、見ただけで重役の様な方達が出迎えてくれた。


 僕達がリムジンから降りると、僕が若いせいか、アヤメさん達が美しいせいか分からないが、一様に驚いているようだった。


 追い打ちを掛けるようにツドイさんが、リムジンを<虚空界>へ収納すると、どよめきが起こっていた。


 サラリーマンさんは、もう社長さんなのにOLさんと一緒に、正面入り口で出迎えてくれている。



「サラリーマンさん、久しぶりですね?」


「俺は館元って言うんだが、まあ良いか・・・」


「ヨウさん達、お久しぶりです」×OLさん


「俺に会いに態々来てくれるなんて、凄く嫌な予感がするんだが?」


「あはは、まあタバコの吸える所で、話をしましょうか?」


「そりゃ、気を使って貰って悪いな」


「先輩! ちゃんと、敬語使わないと駄目ですよ?」


「そうでしたね三日月さん、どうぞこちらへ」



 僕達は以前入った事がある社長室へ入り、ソファーに座ると綺麗な女性がコーヒーを持って来てくれた。



「頑張ってくれてるみたいですね~」


「ああ、お陰様で、毎日とんでもなく忙しくしてるよ」


「なるほど、なるほど、そんなサラリーマンさんに朗報です!」


「・・・やけに嬉しそうだな、おい?」


「あはは、なんとなんと! そんな疲れているサラリーマンさんに! ハワイ出張をプレゼントします!」


「はい?」


「ひょわ~! ハワイに出張なんて、最高じゃないですか~♪」×OLさん



 サラリーマンさんは怪訝そうな顔をしていたが、僕がニコニコしているのを見て、諦めたのか話を進めて来た。



「でっ? 俺は何をしに行ったら良いんだ?」


「話が早くて良いですよね~♪」


「諦めたんだよ?」


「あはは、実はハワイの冒険者ギルドであるホノルル本部で、ビューティーポーションの販売ルートを作って欲しいんですよ」


「なんで、日本すっ飛ばしてハワイになったんだ?」


「ん~ 頼まれちゃって、断れなかったんですよ?


そう言う訳で、OLさんと2人でお願いします♪


もちろん、飛行機から泊まるとこまでサービスしますよ?」


「わ~い♪ ホントですか?」×OLさん


「待て待て、工場フル稼働しても、日本国内の生産も間に合って無いぐらいなんだぞ?」


「うはー、売れてますね~」


「じゃ、ハワイにも生産工場作っちゃって下さい!」


「えらく、簡単に言ってくれるな?」


「もちろん、協力者もいますよ?」


「それは誰か聞いても良いか?」


「ホノルルギルド本部のギルドマスターです!


実はビューティーポーションの生産者を送るから、頑張って口説いて下さいって伝えてあるんですよ。


だから、すっごく協力してくれると思いますよ?」


「・・・つまり、俺に全て丸投げって事だよな?」


「サラリーマンさんの裁量に任せたと、言って欲しいですね?」


「分かったよ、でっ何時行きゃいいんだ?」


「近日中で良いですよ?」


「ギルドマスターには、とてもお世話になったので、宜しくお願いしますね」


「やっと、本音が出たな」


「タバコが吸えるホテルにしてくれよ?」


「あはは、分かってますよ」


「そうそう、これ渡しときますね」


「ん? なんで鞄が必要なんだよ?」


「あはは、それってアイテムポーチなんですよ、受け渡しが楽になるでしょ?」


「なにっ? アイテムポーチって・・・うはっ! この鞄、底がねえじゃねえか」


「ひゃ~ 実在してたんですね~」×OLさん


「これ、凄く高く売れるんだろうな・・・」


「ん~ <虚空庫>スキルより安いでしょ?」


「相変わらず簡単に言ってくれるよな? でもまあ、確かに便利だな預かっとくよ」


「はい」



 無事サラリーマンさんへ依頼も終わったので帰ろうとすると、アヤメさん達がOLさんと、何か話しをしているが僕には聞こえなかった。



「OLさん、素敵な所だから頑張ってね」×アヤメ


「YOU決めちゃいなよ♪」×ナギサ


「フフ、私もサポートさせていただきますね」×リラ


「フフ~ ムードは最高だよ!」×ノノ


「あそこで手を出さない男なら、蹴って良いよ?」×ツドイ


「えっ! シー、ですよ、シーーー! でも、ありがとうございます♪」×OLさん


「「「「「頑張ってね!」」」」」


「はい♪」



 サラリーマンさんとOLさんには、何時も頑張って貰ってるので、休憩を兼ねてハワイ旅行は良い機会だろうと思う。


 喜んでくれると、嬉しいんだけどね。


 そして、明日はいよいよソフィアさん達に会いに行こうと思う。


 今からワクワクが止まらなかったりする♪




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