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第172話 超越者の闘いになりました

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。

久しぶりの日間ランキング入り嬉しいです!


「さって、最後は私達だよね」×ナギサ


「はい、今日は、魔法も手加減無しで良いですよ?」


「本気で魔法、撃っちゃって良いの?」×アヤメ


「はい、でも、大きな魔法は僕が撃たせませんけどね」


「んふふ、言ったな~ よ~し、本気で行っちゃうからね?」


「うわ~ 魔女が降臨しちゃったよ?」×ナギサ


「誰が魔女よ? でも、まー今日は、魔女に成っちゃおうかな♪」


「くくっ、本気って事だよね、僕も楽しみだよ」×ツドイ


「フフ、ヨウ様。私も全力で胸を貸していただきます」×リラ


「フフ~ 私も本気で行きますよ?」×ノノ


「はい、僕もちょっと、本気で行きます! 武器も抜きますよ?」


「「「「「・・・・・・」」」」」


「んふふ、ヨウ君が武器を抜くのって初めてだよね?」×アヤメ


「口紅は、どうするのかな?」×ナギサ


「口紅は、口に咥えときますから、喋れなくなりますね」


「ちょっと怖くもあり、嬉しくもあるって感じかな?」×ツドイ


「フフ、でもヨウ様が、武器を持つなんて光栄ですね」×リラ


「フフ~ ようやく、私達を認めてくれたって感じがします」×ノノ


「皆の強さは、もうとっくに認めてますよ? 流石に口紅ソードでは、ノノさん達の攻撃を受け止められないですからね~」


「そうなんだ、ちょっと嬉しいです」×ノノ


「じゃ、行きますか」


「はいはーい! まずは、私からウォーミングアップ行って良いかな?」×ナギサ


「まー、弓だから最初ぐらいしか思いっきり撃てないもんね、良いわよナギサ」×アヤメ


「皆もOKみたいだね! じゃヨウ君、行っくよー」



 僕は口紅を咥えている為、コクコクと首を動かし、OKのサインを出した。



「ハァー、フー、やっぱり武器を構えたヨウ君って、凄い迫力があるわね。


よし、気合入ったし行っくぞ~


も~り~も~り~アロー!!!!!」



 ヒュン!



 ナギサさんの弓は軽い音を立て矢を放ったが、僕が驚くほど凄まじい矢が迫って来る!


 おそらく、一般の人なら音が1度しか聞こえなかった筈。


 それだけ、一瞬の内に一体、何本の矢を放ったのか。


 結界で覆われた、この空間では逃げ場が無いほど、矢の弾幕が僕を包み込んだ。



「んふふ、逃げ場は無いよ? さあ、どうするヨウ君!」×ナギサ



 僕は、返事代わりにニッコリと微笑み、迫り来る矢を双剣で迎撃することにした。


       ◇     ◇     ◇


「うおおおおおおおおお! な、なんだありゃ、模擬戦なのに殺す気かよ?」


「いや、良く見てみろよ、全ての矢を短剣で切り捨ててやがる、人間技じゃねえ」


「嘘だろ、なんだよあれ? 手が見えねえじゃねえか」


「それを言うなら、あの弓もそうよ? 一体どうやったら1本の弓であれだけの連射が出来るのよ?」


「見ろよ、全ての矢を斬り伏せやがった。化物だ・・・」



 僕は3秒程続いた、ナギサさんの連続矢を全て短剣で迎撃し、もう一度笑顔を返した。



「ええっ? ちょっと、幾らヨウ君でも、そんなの有り?」×ナギサ


「んふふ、何驚いてるのよ? 結界も追加防御も使わずに迎撃してくれたのよ?」×アヤメ


「そっか~ それもそうね、ちくそー1本ぐらい掠るかなと思ったのに~」


「ククッ、甘いよナギサ? 何時も通り、僕達全員で行くよ」×ツドイ


「あいさー、ぜえっったい、一撃当ててやるんだから~」


「フフ、行きますよノノ」×リラ


「うん、リラ姉」×ノノ



 それからアヤメさん達の攻撃は、やはり他の皆とは次元の違う戦いとなっていった。



 キンッ! キキキキキキキンッ! ヒュン! シュバ! カカカカカカカッ!



「・・・み、見えない。完全に何も見えないわ」×アリーシャ


「なんなの? 不気味に音だけが聞こえるんだけど・・・」×アデル


「そんな・・・一瞬なら分かるけど、こんなに長時間目で見えない程のスピードで戦ってるって言うの?」×スーザン


「・・・恐ろしいで姉さん達の闘いは、見てるだけで汗が出てきよるわ」×コトエ


「ええっ? 魔法使ってる? あんなに高速移動しながらなのに」×マユ


「私達のスピードでも、魔法を使うのは困難なのに・・・」×ナホ


「速すぎて、気配も読めないよ・・・ミミはどう?」×ルル


「えへへ、何してるのかも分かんない」×ミミ


「これが、超越者の闘いなのね」×ユウカ



 キキキンッ! ガカッ!



「ハァーハァーハァー」×アヤメ達


「フフ、フフフ、流石です、ヨウ様! ああ、心地良いです♪」×リラ


「フフ~ 素敵です、ヨウ様。なんて素敵なんですか」×ノノ


「あ~ 僕、疲れるの忘れちゃった」×ツドイ


「んふふ、あはは、楽しくって仕方ないわ」×ナギサ


「もう、皆スッカリ戦闘狂になっちゃったんだから~ んふふ、私もだけどね~」×アヤメ


「ヨウ君。そろそろ、私達のとっておきを出しちゃうね?」



 アヤメさん達も、いよいよ本気で来るようだ。


 僕は笑顔でOKの合図をして、迎え撃つ事にした。


 アヤメさん達は、精神集中しながら魔法のイメージを固めているようだ。


 どうやら、次が最後の攻撃になりそうだったので、僕も気合を入れなおした。



「水・・・」×リラ


「火・・・」×ノノ


「土・・・」×ツドイ


「風・・・」×ナギサ


「氷・・・雷・・・光・・・闇・・・」×アヤメ


「「「「「★★★★★★★★<八龍召喚>★★★★★★★★」」」」」


「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」×八龍



 うわ~ 八属性魔法! 全ての属性龍を魔法で顕現したのか、皆凄いな~ まるで生きてるみたいだ!


       ◇     ◇     ◇


「うおおおおおおおおおお!」×見物人


「そんな馬鹿な・・・全属性魔法? まさか、存在してたなんて」


「それどころか、あんな大きな龍を8体も魔法で作り出したって言うの? どんな化物みたいな魔力してるのよ」


「彼奴等、完全に化物だ・・・」


「ええ、レベルが違うにも程があるわ、日本って魔境なの?」


「・・・そうか、彼奴等がゲイリーを病院送りにした少年か、あんな化物にチョッカイ掛けやがったのかよ」


「リ、リーダーどうします? あんな奴等に仕返しなんて無理だぜ?」


「馬鹿野郎! あれだけ強いなら絶対、金持ってんだろうが? クククッ、見てろよ絶対、大金を巻き上げてやる」


       ◇     ◇     ◇


「くっ、駄目! そんなに長く維持してられないみたい、皆良いかな?」×アヤメ


「「「「OK!」」」」


「行くわよ、会わせて!」


「「「「「★★★★★★★★<八龍の息吹>★★★★★★★★」」」」」



 アヤメさん達が顕現した八龍は、まるで光線のようなブレスを放ち、僕に襲い掛かって来た。


 8色に彩られたブレスはとても綺麗で、とんでもない魔力を感じ取れる。


 僕は嬉しくなり、こっちもとっておきの技を出す事にした。



「<エンチャント>無属性!!!」



 僕は双剣に純粋な魔力のみを注ぎ込んで行く、キンキンキンっと音を立て、アダマンタイト製の双剣が青く輝いていく!



「フォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」



 キンッ!!!!!!!!



 僕はたっぷりと魔力を注ぎ込んだ双剣を横一線に薙ぎ払うと、迫り来るブレスどころか、八龍までが真っ二つに斬り離した。


 斬り離したブレスは、地面や結界に当たり、土煙を上げ行く。



「「「「「えええっ?」」」」」


「魔法を斬った? 嘘でしょ?」×アヤメ


「しゅきありでしゅ!(隙有りです)」


「「「「「キャアアアアアア!」」」」」



 土煙が舞う結界内で、アヤメさん達が驚いている隙に、僕は口に咥えた口紅でアヤメさん達の唇にルージュを引いて行く。


 よし、我ながら綺麗に引けたと思う。僕は、咥えていた口紅を手に取った。



「皆さん美人だから、口紅が良く似合いますね」


「「「「「えっ?」」」」」



 アヤメさん達はお互いを見て、口紅を引かれたのが分かったのか、自分の唇に手を当て驚いていた。



「もう、とっておきだったのに~ 何なのよあれは?」×アヤメ


「えへへ、僕のとっておきですよ?」


「あ~ また触れる事も出来なかったか~」×ナギサ


「フフ、男性に口紅を引いて貰うってのは、初めてですね」×リラ


「フフ~ 光栄です、ヨウ様」×ノノ


「ククッ 僕は御褒美を求められてると思うんだよね?」×ツドイ


「んふふ、なーるほどね♪」×アヤメ


「わわっ!」



 アヤメさん達は、僕を取り囲み、全員同時にキスをしてくれた。


 今、僕の顔には5つのキスマークが付いており、とても照れる事になった。



「うふふ、良いですわね、ヨウ様?」×フミ


「い、いや、あはは、照れちゃいますね♪」


「あれ? ヨウ様。Tシャツの袖が焦げてますよ?」


「えっ? ホントだ・・・最後のブレス躱しきれなかったみたいですね」


「えっ? って、ことはヨウ君?」×アヤメ


「あはは、僕の負けですね~ 参りました!」


「「「「「や、やったあああああああああああああ!!!!!」×アヤメさん達


「やた~~~♪ ようやく、ヨウ君の服に触れる事が出来たんだ!」×ナギサ


「んふふ、次の目標は、ヨウ君に一撃を入れる事だね!」×アヤメ


「それって、途方も無い事だと僕は思うんだけど・・・目標は高い程良いのかな」×ツドイ


「フフ、そうですね、どれだけ掛かるか分かりませんが、頑張りましょう」×リラ


「フフ~ でも、うっれしいな~♪」×ノノ


「僕も、もっと強くなれるよう頑張っちゃいますよ!」


「え~ ヨウ君は、もうそのままで良いよ~」


「ええ、そんな~」


「あはははは♪」×全員



 僕達は模擬戦も終わり、帰ろうかと訓練場を下りようとすると、何時の間にか見物人達が集まって来ており、拍手で出迎えてくれた。



「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!」×見物人


「お前達、凄かったぞー」


「うわ~ 近くで見ると益々美人だな~」


「キャー、すっごく、可愛い少年じゃない」


「な~ 名前だけでも教えてくれよ~」


「君の名前も教えて~ ねーねー日本人なのよね?」


「メイド服ってやつだよな? 皆可愛すぎるだろ」


「すっげえハーレムじゃねえか、羨まし過ぎるぞ」


「なんて、綺麗な女性達なんだよ」



 僕達が観客に囲まれている中、警察官の様な3人の男性が人垣を分けて近づいて来た。



「あ~ 盛り上がっている所をすまんが、君達が此処で冒険者に暴行を加えたと聞いてきたんだが、間違いないかね?」


「そう言えば、チンピラの様な冒険者が絡んできて追い払いましたけど、それが何か?」


「おいおい、お前達が俺のクランの者を痛めつけたんだろうが?」


「あ~ 貴方が、あのゴミの様な冒険者のリーダーですか?」


「なっ! ゴ、ゴミだと? このガキ」


「まあ、待て・・・どうやら君達で間違いなさそうだね、少し署まで同行願って話を聞きたいんだが良いかね?」×警察官


「あはは、話が聞きたいんなら今お願いするか、そっちが僕の家に足を運んだら如何ですか?」


「なに?」×警察官


「まさか、そのゴミリーダーの言う事を信じてるんですか?」


「・・・我々は傷害事件の要請を受けて来たからね、事情を聞きたいんだよ」×警察官


「おい、そいつらは悪くないぞ? 恐喝紛いの勧誘をしていた冒険者を追い払っただけだからな」×見物人


「そこに居る奴がチンピラ冒険者のリーダーでしょ? そっちを捕まえなさいよ?」


「そーだ、そーだ」×見物人達


「俺達は全部見てたんだからな、疑うならあのチンピラ達を此処へ連れて来いよ」


「あれだけ怯えながら尻尾巻いて逃げて行ったんだから、恐ろしくて来れないだろ?」


「あはははは」×観客達


「やかましい、お前達。このガキが暴行を加えた事に間違いねえんだ、早く捕まえろ」


「おい、とりあえず署まで連行しろ」×警察官


「「・・・・・・」」


「どうした? 早く連行しろ」


「か、体が動きません」


「なに? なっ、なんだと・・・何故、体が動かない?」



 どうやらリラさんとノノさんが、警察官達に<麻痺眼>スキルを使ったようだ。


 警官は、ピクリとも体が動かせない事に動揺しているようだ。


 相手をするだけ面倒臭いので、放置して帰ろうかとすると、意外な人物が現れた。



「何か揉め事のようだね?」×ハンター


「あれ? ギルドマスターじゃないですか、どうして此処に?」


「フフ、君達が模擬戦をすると聞いてね、興味が湧いて見物に来たんだよ。しかし、想像以上に、とんでもない実力で驚いたよ」


「あはは、ありがとうございます」


「ところで、この件については、私に任せて貰っても良いだろうか?」


「ん~ どうしようかな・・・ハンターさん優しそうですからね」


 ゾクッ! 「出来るだけ、君達が満足するようにすると約束しよう」


「そうですね、ゴミリーダーは兎も角、警察は必要か・・・分かりました。ハンターさんにお任せしますね」


「ありがとう・・・」


「じゃ、僕達は帰りますね。あっ見物人の皆さん、僕達を庇ってくれてありがとうございました。では失礼します」


「お、おう」×見物人



 僕達は動けない警官とゴミリーダーを置いて、闘技場を後にすることにした。


 もちろん、ゴミリーダーが色々と悪い事をしている筈だと言う事と、麻痺状態は1日程度で解ける事を小声で伝えておいた。


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


 <ハンター視点>


「フー、マイルズ部長」×ハンター


「はい」×マイルズ


「私はこの動けない奴等を連れて、警察署長と話をする、着いてきてくれ」


「分かりました」


「しかし、とんでもない奴等に喧嘩を売ってくれたもんだ・・・」


「・・・全くです。冷や汗を掻きましたよ」


「あはは、部長もか? 私もだ」



 私は、とりあえず麻痺状態になった警官とクランリーダーを車に乗せ、警察署へ向かった。


 麻痺状態が進んだのか、もう口も効けない様だ。


 警察署へ着くと、顔なじみの警察署長へ繋いで貰い、所長室へ入る。



「すみません署長、急に押しかけてしまって」×ハンター


「いや構わんよ、今日はどうしたんだい?」×警察署長


「最初に言っておきたいのですが、今から話す事はハワイの存亡が掛かっていると思って下さい」


「ハハハ、また突拍子もない話だね」


「・・・その真剣な表情を察するに、冗談って訳でも無さそうだね、聞こうじゃないか」


「はい、実は悪事を重ねていそうな冒険者が、ある冒険者と揉めて傷害を起こしたと警察官を要請したのです」


「ふむ、よくある話だと思うのだが、それがどうしてハワイの存亡と言った大袈裟な話になるのかね?」


「それがなるんですよ・・・絡まれた冒険者が、とんでもない人物なんです」


「冒険者なのだろう?」


「いいえ、とんでもない冒険者です」


「分かりやすく言いましょうか、その日本から来た冒険者は、たった2日で上級ダンジョンを制覇しました」


「な、なに?・・・確かSランクの冒険者でも、地下20階程しか到達出来なかった筈だが?」


「そうだったのですが、現在では地下30階まで毎日周回し、ギルドへ莫大な素材を卸して頂いてます」


「VIPだからと言う訳では無さそうだね?」


「更に分かりやすく言いましょう。おそらく彼達がその気になれば、オアフ島を更地に出来るほどの力があると言ったらどうします?」


「そんな馬鹿な・・・」


「現に敵対した冒険者と、連行しようとした警察官を潰そうとしてたと思います。彼にとっては蚊を潰すのと変わらないのかもしれませんね。


私がこの件を任して欲しいと言った時、彼は少し考えてから警察は必要かと言い、私に任してくれましたから。


おそらく、警官に手を出したら、警察署全体を潰すことになると予想したのでしょう」


「つまり警察を潰すことぐらい、雑作も無いと言う事か・・・」


「しかし、個人でそこまでの力を持つのは、どれだけ危険な事か理解しているのかね?」


「もちろん、理解しているでしょう。彼は非常に友好的な少年ですが、敵対する者には容赦しない性格だと推測されます。


そして、それが出来る恐ろしいまでの力が彼にはあります。


私も彼と知り合ってから未だ数日ですが、彼と同じパーティの女性達も恐ろしいまでの強者だと分かりました。


狂信的な信者と言っても過言では無い程、彼に心酔しています。


署長、彼達に敵対してはいけません。彼達は別に悪い事は何もしていませんし、友好的な方だと言えるでしょう。


ですが、横柄な態度や理不尽に絡んだ時、相手が誰であっても一切の躊躇も無く潰しに掛かるでしょう。


例え、それが国であったとしてもです」


「なるほど・・・俄かには信じられないが確かに、とんでもない冒険者だと言う事か。


それで、その彼と揉めた冒険者と、ウチの警官はどうしてるのかね?」


「彼が何をしたのかは分かりませんが、全身麻痺状態で固まったまま動けないようです」


「なんと、そんな事も出来るのか」


「警官は職務を遂行しただけなので、彼も警官に対してはさほど怒ってはいないと思うのですが、敵対した冒険者の方は看過出来ません。


私も以前から良くない噂を聞いていたクランのリーダーなので、徹底的に調べてみたいと思います。署長も協力願えますか?」


「協力せん訳にもいくまい? とりあえず状況は大体分かった。彼等が動く前に警察で拘束し、罪を暴くとしよう」


「ありがとうございます。署長、この話は内密にお願いしますね」


「ああ、私もそんな人物を敵に回したくないのでな、君のお陰で最悪の事態は防げそうだよ」



 私の話を署長が信じてくれ、協力してくれることに安堵し、胸を撫でおろしていると、何時の間にか私の背後に誰かが立っている事に気が付いた。


 私は背中に寒気が走ったが、恐怖のあまり身動きできずにいた。


 だが、それは仕方ないだろう。此処は警察署の署長室であり、つい先程までは誰も居なかったのだから。



「き、君は誰なのかね? どうやって此処へ入ったのだ?」


「フフ、そう言えばノックをするのを失念しておりました、申し訳ございません。


私は天満リラと申します。ハンターさんに差し入れをお持ちしました、どうかお役に立てて下さい。


ハンターさんには、色々と気遣っていただき感謝しております。


お陰様で、ヨウ様もハワイを、とても気に入っておりました。


これからも、宜しくお願い致します。


お話し中すみませんでした。では失礼します」


「ま、待ちたまえ・・・そんな馬鹿な消えた? 消えただと? 馬鹿な、こんな事が出来る人間が存在するとは・・・」


「フ~ 冷や汗を掻きました・・・彼女は三日月君のパーティの1人です。彼等の動きは肉眼では見えませんでしたけど、まだまだ私の知らない力もありそうですね。


それに、どうやら彼等に敵対したクランの事を、調べる必要も無くなったみたいです」


「まさか、その差し入れかね?」


「はい、やはり色々と犯罪を犯しているようですね・・・しかし、この短時間で此処までの情報を一体どうやって調べ上げたのか、全く恐ろしいですね」


「・・・本当に我々の常識の外と言う事が分かったよ、あんなことが出来るなら情報収集どころか暗殺も容易と言う事か」


「ウフフ、こういう現れ方をしたと言う事は、私を信用してくれたのか、もしくは脅しを掛けられたのか、魅力的な方達ですね♪」


「彼等の脅威は十分理解したよ、私はその情報の裏を取って、早急に対処することにしよう」


「ありがとうございます」


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何であの戦闘見て絡んでいけるかなぁ?
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