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第171話 今日は模擬戦大会になりました

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。


「武器は何時も使ってる奴を使用して下さい。手加減なんてしちゃ駄目ですよ?」


「ほ、本気ですか?」×カンナ


「もちろん! 人数はそうですね。全員なら、かえって攻撃し難いだろうから10人ずつやりますか。先に、副メイド長のマドカさん達来てください」


「はい」


「あの~ 私も参加するのかな?」×セナ


「はい、セナさんは、カンナさん達と一緒にで良いかな?」


「はい、足を引っ張らない様に頑張ります」


「あっ! そだそだ。アヤメさん、口紅を貸して貰っても良いですか?」


「な~るほどね! でも、口紅は本来、女の武器なのよ?」


「あはは、上手い事言いますね♪ お察しの通り、僕の武器は口紅で行きますね~ 急所に口紅を引かれたら負けですからね?」


「はい、頑張ります」×マドカ


「何時でも良いですよ!」



 マドカさん率いるメイドさん10人は、メイド服を纏いながらも大きくて長い大剣を装備し構に入ると、とても恰好良くワクワクしてしまう。



「行きます、ヨウ様」


「どぞ!」


「ハッ!」



 僕は直ぐに倒したら訓練の成果が分からないので、最初はひたすら回避する事にした。


 メイドさん達は、最初にダンジョン攻略部隊の方達に鍛えて貰っただけはあり、とても連携がスムーズで、10人も居るのに同士討ちすることもなく連撃を放ってくる。


 しかも、大きな大剣に振り回される事も無く、上手く体を回転させて大剣を使いこなしている様だ。


 回転する度にメイド服のスカートが広がり、まるで演武のように美しい。


 やっぱり、戦うメイドさんって良いなと思い、ニヤけてしまいそうになる。



「あ、当たらない・・・ フフ、少し躊躇した、私が間違ってました」×マドカ


「そそ、全力で来て下さいね」


「はい、もう躊躇なんてしません!」



 マドカさん達、メイドさんの攻撃スピードは段々と上がっていき、現在は全力で攻撃しているようだ。



「ハァーハァー、流石です、ヨウ様」×マドカ


「ありがとう。さて、終わりにしましょうか」


「はい、何とか急所だけは守ります」


「マドカさん、もう全員終わってるんです・・・」×カンナ


「えっ?」×マドカ達



 マドカさんは、一緒に模擬戦をしていたメンバー全員の首に口紅が横一線に引かれているのを見てから、自分の首も確認したようだ。



「す、凄いです、ヨウ様。全く分かりませんでした・・・」


「マドカさん達の闘いって綺麗ですね、演武を見ているようでした」


「ありがとうございます」


「じゃ、次はカンナさん達、行きましょうか」


「はい」



 カンナさん達は今の模擬戦を見ていたので、少し緊張し手が震えているが最初から攻撃に迷いは無さそうだ。


 動きを見る限りメイドさん達は、大体実力は同じぐらいかな。


 カンナさんだけ結構努力したのか、皆より頭一つ抜けている。


 重い大剣を中々見事に使いこなしている。


 そして、作戦なのだろうか、モーションの少ない突き技が多い様だ。


 カンナさんも綺麗な戦い方をするので、一緒にダンスを踊ることにした♪



「んふふ、あれ良いわね。凄く楽しそう」×アヤメ


「意外とメイド服での戦闘って似合うじゃない、ヨウ君が大剣推ししたのも分かったわ」×ナギサ


「フフ、カンナさんも楽しそうですね。少し羨ましいです」×リラ



 しばらく、攻撃を回避し続け、そろそろ終わらそうかと思ったところで、面白い攻撃をしてきた。


 セナさんが味方の背後に隠れ、<気配遮断>スキルを使いながらギリギリまで僕に近づき、<ライト>の魔法で目くらましを仕掛けてきた。



「今です!」×セナ


「はい」×カンナ達


「えっ? き、消えた?」×カンナ


「んふふ、甘いわよ♪ ヨウ君に目くらましなんて通じないわ、私達と模擬戦する時は目隠しするんだからさ」×アヤメ


「それにチャンスの後、油断しちゃ駄目だよ? 最後の一瞬で皆やられちゃったから」×ツドイ


「あっ! 何時の間に・・・ま、参りました」×カンナ


「良い作戦だったけど、視覚だけに頼っちゃ駄目だよ。<気配感知>にもう少し慣れようか」


「ふあ~ 凄すぎるよ~」×セナ


「セナさんも急遽だったけど、頑張ってますね~」


「ん~ 私なりに頑張ってるんだけど、それよりも、とっても楽しいんだよね♪」


「あはは、楽しんで貰うのが一番ですよ。じゃ、次は職人さん行って見よっか?」


「よし、手加減なんてしねえからな?」×ミナミ


「ウフフ、ヨウ様、胸をお借りしますわ♪」×フミ


「私、弓なんだけど良いのかな?」×セツナ


「全然良いですけど、普通に撃っても無駄ですよ?」


「弓で撃たれて怖くないのかな?」×スズカ


「あはは、銃でも良いですよ?」


「ふあ~ 撃つ方が怖いよ~」


「私も魔法攻撃しか出来ないんですけど?」×ヒメ


「そっか、じゃ、広めに結界を張っときますね」


「魔法で攻撃しちゃっても、良いんですか?」×ヒメ


「もちろんですよ。何時も通りの戦闘と思って下さい」


「はいですぅ~」×ヒメ


「じゃ、行くぞ?」×ミナミ


「どぞどぞ」



 僕は今、僕達が居る訓練場を全部包み込むように結界を張り、模擬戦を再開することにした。


 やり始めて分かったけど、少し職人さん達を舐めていたようだ。


 皆、中々の練度を感じさせるほど、洗練された攻撃を繰り出して来る。


 フミさんのレイピアとスズカさんの両手槍、シオさんの双剣(包丁)から繰り出される刺突が驚くほど洗練されていて、とても速い!


 僕は最低限の動きで3人の攻撃を回避していくが、楽しくなってきた。



 シュバババババババババババババババッ!



「ウフフ、流石ですわ、ヨウ様」×フミ


「どうして、3人掛かりなのに躱せるのよ~」×スズカ


「全然、攻撃が当たる気がしないんだけど?」×シオ


「中々良い攻撃ですよ~ さあスピードを上げていきましょか」


「これでも、結構いっぱい、いっぱいなんだけど?」×スズカ


「まだまだ速くなりますよ? さっ皆も来て下さい」


「分かってたが、本当に超人だな・・・よしっ! 行くぞセツナ、ヒメ」×ミナミ


「はいはい」×セツナ


「はいですぅ~」×ヒメ



 それから6人での猛攻が始まったが、全力攻撃での空振りは、やはり疲れるらしく動きが衰えてきたので、全員の首に口紅でハートマークを書いて模擬戦を終了した。



「ハァーハァー、つ、疲れた~」×スズカ


「ナハハ、マシンガン持ってても、当たる気がしないね」×セツナ


「まるで、幻を相手にしてるみたいですわ」×フミ


「なんで、魔法まで躱せるんですかぁ~」×ヒメ


「ヨウ君が敵じゃなくて良かったわ」×シオ


「分かってるつもりだったが、実際に相手すると強さの底が見えねえな、全く凄い男だよ」×ミナミ


「皆も、僕が思ってた以上に強かったですよ」


「ヒメちゃんさんの動物型の魔法面白いですね~ 本当に生きている動物みたいでしたよ?」


「えへへ、造形は得意なんですぅ~」


「なるほど。皆攻撃が凄く精密だったのは、やっぱり職人さんだったからなんですね」


「そう思うと、スズカさんも頑張ってますね、他の職人さん達に劣らない良い攻撃でしたよ」


「ヨウ君に褒められちゃった♪ 嬉しいかも」×スズカ


「続いてアリーシャさん達、行きましょうか」


「はい、少し緊張しますけど燃えて来ました。私は戦闘狂じゃ無かったはずなのですが」×アリーシャ


「あんな、模擬戦見た後だもんな、私も全力で行くぞ?」×ケリー


「ウフフ、楽しいわね」×スーザン


「なんで、なんだろうな?」×アデル


「私も全力を出したくて、仕方ないわ」×アルシア


「あはは、皆戦闘狂になっちゃったね」×モニカ


「行きますよ?」×アリーシャ


「「「「「おう!」」」」」



 アリーシャさん達は言葉とは裏腹に、とても慎重に事を進めて行くようだ。


 何がなんでも、僕に一撃を入れる事に集中しているのが見て取れる。


 最初に模擬戦した時と同じスピードで動いているが、アリーシャさんだけじゃなく皆、僕の動きを捉えているようだ。



「<気配感知>スキルにも少し慣れてきましたね。以前と比べ物にならないですよ?」


「ああ、あの時分からなかった動きが、今日は見えるぞ」×ケリー


「良いですね~ では、一段階スピードを上げちゃいますよっと」


「「「「「「ええっ!」」」」」」


「くっ、右よ」×アリーシャ


「くぅぅ、微かにしか分からなくなっちゃった」×モニカ


「食らいつくしか無いだろ?」×スーザン


「な、何とか感じるわ」×アルシア


「こんなの、目では絶対追えないじゃない」×アデル


「は、速過ぎる」×ケリー



 パッリーン!



「「「「「「なっ?」」」」」」


「<追加防御>を割られたら、直ぐに張り直す!」


「「「「「「は、はい」」」」」」


「そ そんな、銃弾も跳ね返す<追加防御>を一瞬で全員割られるなんて・・・」×アデル


「こんなの、ヨウ君の前では紙切れ同然って訳ね」×アリーシャ


「た、たっのし~♪」×モニカ


「あはは、ドンドン行きますよ?」


「「「「「「はい♪」」」」」」



 5分程経っただろうか、アリーシャさん達はもう立ち上がれない程の疲労で、地面に膝を付いてしまったので、模擬戦を終わることにした。



「限界近くの動きは、とっても疲れるでしょ? スタミナも今後の課題ですね」


「「「「「「ハァーハァー、はい」」」」」」


「あ~~ もう駄目~~~」×モニカ


「フーー、でも楽しかったわ」×アルシア


「ハァハァハァ、参った! 力なんて何の役にも立たなかった。こういう意味だったんだな」×ケリー


「力も大事なんですけど、それだけじゃ強く成れないんですよね」


「ではでは、コトエさん達行って見よっか」


「アヤメさん口紅って、もう一つありますか?」


「私の貸したげるよ~」×ナギサ


「どもども、コトエさん達は二刀流で行きますね~ 双口紅ソードです!」


「うはー、おっとろしくて、チビリそうやで♪」×コトエ


「あはは、口紅ソードで攻撃も捌きますから、今までと同じなんて思っちゃ駄目ですよ? グッとレベル上げちゃいますからね」



 ゴクッ・・・ ×コトエ達



「なんや、ウチ等にはサービス満点やんか?」×コトエ


「んふふ、分かってるんでしょ? もうコトエ達は、人の限界まで来ちゃってるのよ?」×アヤメ


「ああ、分かっとるで姉さん。あはは、血が滾るで♪」×コトエ


「全部よ! 全部出すわ」×ユウカ


「私の全てを出します!」×マユ


「限界を超えますね」×ナホ


「遂にセーブ無しだね、ミミ」×ルル


「うん、全開放だよ、ルル」×ミミ


「例え1秒で終わっても、全力で行くで?」×コトエ


「「「「「了解!」」」」」



 コトエさん達との模擬戦は、やはり、他の皆とはレベルが違いスピードや力、連携のタイミングが実に良い。



 キキキン! キキン! キキキキキンッ!



「なんで、口紅でウチ等の剣が受けれるんや? 反則やで?」×コトエ


「あはは、僕の口紅ソードには、たっぷりと<硬質化>してあるんで、舐めちゃ駄目ですよー」


「<ファイアボール>200連!」×マユ



 ボボボボボボボボボボボボボボボボボボッ!!!



「よっと」



 ボンッ! ボボボボボボボボボボボンッ!!!



 僕は迫りくる<ファイアボール>を口紅ソードで受け流し、全て後方に逸らしていった。



「「「「「「うはっ!!!」」」」」」


「ひ、非常識ですー、何で魔法を受け流しちゃうんですかー」×マユ


「あはは、出来ちゃいました♪」



「す、凄い・・・コトエちゃん達って、こんなに強かったんだ」×スズカ


「ああ、俺達には、かなり手加減してくれてたんだな」×ミナミ


「なんてスピード・・・私達とやったときの、ヨウ君より速いなんて」×アリーシャ


「駄目、所々でしか目で追えないわ」×アデル


「一体どれだけフェイント入れてるの?」×スーザン


「でも、余裕でヨウ君は捌いてるわ」×アルシア


「レベルが違い過ぎるよ」×モニカ


「化物だ・・・」×ケリー


       ◇     ◇     ◇


「おい、この闘技場で俺達のクランに手を出した奴は、誰か知ってるか?」


「・・・・・・・」


「おい、聞いてるのか?」


「・・・彼奴等だよ、悪い事は言わねえ、彼奴等には手を出すな。あれを見たら分かるだろ?」


「彼奴等?・・・なっ! なんだありゃ?」


「動きが見えねえ・・・あれが人間の闘いかよ?」


「あの娘、どれだけの魔法を繰り出すのよ、尋常じゃないわ」


「でも見ろよ、全ての魔法を捌いてやがる・・・俺なら百回は死んでるぞ?」


「凄いわあの少年・・・あんな猛攻を受けてるのに凄く楽しそう」


「・・・なるほどな、こりゃウチの奴等が泣きながら逃げ帰ってくるのも仕方ねえな」


「なんだよ彼奴等? あんなの人間技じゃねえよ」


「分からねえ・・・中国人、いや日本人か、メイド服ってやつだろあれは? 良い趣味してやがる」


「しかし、見れば見る程スゲエな・・・あんなに強い奴が存在するのかよ」


       ◇     ◇     ◇


 パッリーン!!!



「わわっ」×ミミ


「は、速い! 凄いわ、あれだけ連続で何度も<追加防御>を割られてるのに、速攻で<追加防御>を張り直してる、何て硬い防御・・・」×スーザン


「勉強になるわ、皆もシッカリ見といて」×アリーシャ


「ええ」


「あはっ! 楽しい~ 戦闘ってこんなに楽しかったんだ」×ナホ


「あはは、ホントね、私も凄く楽しいわ」×マユ


「ミミ、もっと速く!」×ルル


「うん、ルル、もっと速く!」×ミミ


「うふふ、ああ、凄い充実感♪ 体が軽いわ」×ユウカ


「あはは、そろそろ来るで? 皆、気合入れや?」×コトエ


「流石コトエさん、良い勘してますね~ 行きますよー」


「何時でも、ええで!」



 僕はアヤメさんにも気付かれない程、最速で魔法を練り上げた。


 一瞬、ほんの一瞬だけ地面に放った<エアボール>の風圧でコトエさん達の体は地面から離れ宙に浮く。


 もちろん、僕がその隙を見逃す訳はなくコトエさん達の顔に、口紅で可愛い猫の髭を書いて上げた。


 宙に浮いたコトエさん達は、そのまま尻もちをついて倒れる頃には、可愛い6匹の猫になっていた。



「うはー、今のって魔法だよね? なんにも見えなかったわ」×アヤメ


「それにしても、皆凄く可愛いじゃない?」


「えっ? あはははは! 皆、なんやそれ?」×コトエ


「もう、コトエも同じなんだからね」×ユウカ


「あはは、負けたにゃ♪」×マユ


「うふふ、降参にゃ♪」×ナホ


「「にゃにゃにゃ、にゃ~~~♪」」×ミミ・ルル


「あはは、凄く楽しかったですよ」


「うわ~ 凄いじゃない。これってヨウ君が言う、最高の誉め言葉よ?」×ナギサ


「ほんまかいな、姉さん?」×コトエ


「ホントだって、私達だって中々言ってくれないんだからね」×ナギサ


「やったで皆! ヨウはんが認めてくれたんやて」×コトエ


「わ~い♪」



 コトエさん達は僕が何気なく言った言葉に、飛び上がって喜んでくれた。


 実際、とても強くなったコトエさん達に、嬉しい気持ちになっていた。


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