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第170話 初々しいって良いですよね


 マイクはメイドさんが煎れてくれたコーヒーを飲み終わると、少し落ち着いたようだ。


 アヤメさん達と一緒に会話していると、スキルの訓練をしていたアリーシャさん達も戻って来たようだ。



「あれ? マイクじゃないか、どうして此処に居るんだ?」×ケリー


「ケリーさん! それにアリーシャさん達まで?」×マイク


「アリーシャさん達にも紹介しときますね、今日僕の友達になったマイクです」


「「「「「「・・・・・・・」」」」」」


「ウフフ、なるほどね、凄いじゃないマイク。ヨウ君の友達になったなんて」×アリーシャ


「やっぱり、ヨウ君ってアリーシャさん達まで知ってる有名な方なんですか?」


「なんだよマイク、知らないで友達になったのか? 三日月は日本のSランク冒険者だぞ?」×ケリー


「えええっ! ヨ、ヨウ君ってSランク冒険者だったの? そんな、だって僕と同じぐらいの年なのに・・・あっ! でも、それならあの膨大な魔力や強さも納得出来るか」


「マイクって、アリーシャさん達の知り合いだったんだ?」


「うん、知り合いって言うか、アリーシャさん達はハワイの冒険者なら誰でも知ってる超有名人だよ?」


「それに、僕にボス戦をクリアさせてくれた恩人なんです」


「へえ~ 世間は狭いわね」×アヤメ


「こう見えて、マイクは優秀な斥候役なんですよ?」×アリーシャ


「そそ、マイクが居ると魔物の位置が良く分かるから、奇襲を掛けやすいんだ」×ケリー


「地下10階までなら、魔物の種類まで教えてくれますからね」×スーザン


「そんな、褒めすぎですよ~」×マイク


「しかし、三日月の友達って、マイクは男の子だぞ?」×ケリー


「・・・あはは、ケリーさん肩が凝ってそうですね~♪」


「アリーシャさん達も手伝って貰って良いですか?」


「ウフフ、良いわよ♪」×アリーシャ


 ガシッ! 「おい、なんで両腕を持つんだ? スーザン? アデル?」×ケリー


「あ~ ほらっ? 口は災いの元って、言うじゃない?」×スーザン


「ウフフ、覚悟しなさい」×アデル


「わわっ! あはは、あははははは♪ ちょ、ちょっと待て! あはは、あはははは♪ 脇腹なんて凝らないから。あはははははは♪」×ケリー


「くくっ、あはは。三日月にちょっかい出すと、そうなるんだよ♪」×ミナミ


「あはは、ま、参ったから。あはははは♪ ヒィー、ヒィー」×ケリー


「しょーがないですね~ また、肩が凝ったら言って下さいね?」


「ハァー、ハァー、も、もう、言わないから勘弁してくれ」


「あはは、凄いなヨウ君って、ケリーさんみたいな凄い人達と仲が良いなんて」×マイク


「ウフフ、逆よマイク君。ヨウ君と仲良くして貰ってる私達が幸せ者なんだから?」×アリーシャ


「僕は、そんな大した人間じゃないですよ?」


「そもそも、人間かどうか・・・」×ケリー


「何か言いましたケリーさん?」


「い、いえ、何も言っておりません。すみません勘弁して下さい」


「続きは夜にしましょうか、ケリーさん♪」


「ええっ! 悪かったって、許してくれよ~」


「あはは、懲りない奴だな」×ミナミ


「そうだ! ミナミさん」


「ん? どうしたんだ?」


「ちょっと、マイクに合う武器を見て貰って良いですか?」


「ふむ、なるほどな・・・よし良いぞ。マイク服を脱いでくれ」


「ええっ?」×マイク


「あはは、ミナミさんは僕達の専属鍛冶師さんなんだよ、マイクの筋肉の付き方で武器を判断するみたいだから、ちょっと上半身だけ服を抜いて貰っても良いかな?」


「こんなに女性が居る所で、恥ずかしいよ?」


「なんだ? 男なんだから良いだろ? ほらっ脱いだ脱いだ」×ミナミ


「わわっ」



 マイクはミナミさんに来ていたシャツを脱がされ、恥ずかしそうに立っていた。



「ん~ 鍛えてねえ体だな~ ちょっとだけ槍を使ってたみたいだから慣れてる分、槍で良いんじゃねえか?」×ミナミ


「なんで、僕の使ってる武器が分かるんですか?」


「ミナミさんの特技みたいなもんかな? マイクに合った槍を見て貰っても良いですか、ミナミさん」


「そうだな、手持ちの槍で手頃なやつを調整してやるよ、ミスリル製で良いか?」


「そうですね、ミスリル製なら丁度良いかも」


「ミスリル製の武器って凄く高いんじゃ? 僕、そんなにお金持ってないよ?」


「無料で良いよ?」


「そんな、ヨウ君に悪いよ」


「そんなに気になるなら、出世払いで良いよ?」


「ヨウ君が日本に帰っちゃったら、何時返せるか分かんないよ?」


「大丈夫だよ、またハワイにも来るし、アリーシャさんに渡してくれても良いから」


「ん~ そこまで、言ってくれるなら借りとくね?」


「うん、遠慮なく使って」



 それからミナミさんに簡単な防具と、フミさんに冒険用の服を、ヒメちゃんには装飾品を見繕って貰い、新人冒険者としては中々恰好良い見栄えになった。



「へえ~ 良いじゃない。マイク恰好良いわよ」×アリーシャ


「うわ~♪ 良いんですか? 僕なんかに、こんなにして貰っちゃって?」


「あはは、気にしなくて良いよ。食事が終わったら、スズカさん少し槍の使い方教えて上げて貰っても良いかな?」


「ええ、私で良かったら良いわよ」


「じゃ、食事にしよっか」



 今日はハワイの食材も大量に購入したので、何時もより少し変わった食材が並んでいたけど、どれもとても美味しい♪


 流石シオさんだなと舌鼓を打っていると、マイクもとても気に入ってくれたのか、喜んで食べてくれた。


 食事が終わるとマイクは、スズカさんに槍の戦闘指導を受けており。


 イスズさんとイズミさんは、カンナさん達メイドさんに色々と戦闘訓練とスキルのコツを指導して貰っていた。


 特にイスズさん達は、芸能人で人目に付きやすいので、少し早いけど<気配遮断>と<隠蔽>スキルも習得して貰っている。


 残っている僕達も暇なので、全員でスキルのコツや魔法について、色々と意見交換をしていった。


 なんやかんやで、皆も有用な時間になったようで、マイクもそろそろ帰る時間になった。



「ヨウ君、色々とありがとう。明日から初級ダンジョンで頑張ってみるよ」×マイク


「いえいえ、じゃ、最後にマイクに1つだけスキルオーブを上げるね」


「駄目だよ、スキルなんて高額な物貰っても僕、返せないよ?」


「これはマイクが成り上がっていくためには、絶対必要なスキルなんだよ。僕が支援するのは、もうこれだけだから遠慮なく貰っちゃって。


マイクには、これからコツコツと頑張って、少しずつでも良いから強く成って欲しいんだ」


「・・・分かったよヨウ君、僕きっと頑張って、ヨウ君に負けないくらい強くなるよ」


「うん、でも、くれぐれも無理しちゃ駄目だよ? 十分に安全マージンは取るようにね」


「あはは、大丈夫♪ 自慢じゃ無いけど、僕は臆病だからね」


「またね、マイク」


「うん、またねヨウ君」



 マイクは僕達と別れの挨拶をすますと、ツドイさんが車で送って行ってくれた。



「あはは、三日月と同じぐらい強くか、大きく出やがったなマイクのやつ」×ケリー


「ウフフ、良いじゃない。目標は大きい方がね」×アリーシャ


「ところで、最後に何のスキルを渡したのヨウ君?」×アヤメ


「<激運>スキルですよ?」


「なるほどね、確かにそれしかないか・・・んふふ、マイク君、ひょっとしたら化けるかもね?」


「にひひ、楽しみだね~」


「マイクには僕と同じ様に、コツコツと冒険者を楽しんで欲しいですね~」


「ん~ ヨウ君は、どう考えてもコツコツじゃないと思うんだけど?」×アヤメ


「僕、コツコツと頑張って来ましたよ?」


「どっちかと言うと、超人的なスピードでサクサク頑張ってきたかな?」×ツドイ


「あれっ? どうも僕のイメージと差異があるみたいですね?」


「あはは、まあ良いんじゃない? ヨウ君は凄いって事で!」×ナギサ


「フフ、確かにそうですね」



 マイクを送ってくれたツドイさんを労いながら、皆で楽しくお酒を楽しみ、今日も素晴らしい夜になった。


 翌朝、シオさんとメイドさん達が作ってくれた朝食を食べながら、今日の予定を立てていく。



「今日はダンジョン探索が終わってから、カンナさん達と模擬戦をする予定なんですけど、良かったら皆もしませんか?


ハワイに来てから、皆がどれだけ成長してるか楽しみですし?」



 僕が言葉を発した直後、賑やかに話をしていた皆が硬直し、静けさが訪れた。



「・・・・・・・・」×全員


「嘘やろ? 幾ら何でも、そんなに早う成長せえへんて」×コトエ


「ナハハ、もうちょっと時間が欲しいところだね、いや決して素材探しに没頭してる訳じゃないんだよ、うん」×セツナ


「私達は、まだ訓練を始めたところだし?」×アリーシャ


「ふむふむ、じゃ皆さんの現状把握だけにしとこうかな」


「あかん、逃げれそうにないで? どうする、ユウカ」×コトエ


「全力でやるしか無いわね・・・」×ユウカ


「そう言えば、ヨウ君とちゃんとした模擬戦はしたことないかも?」×マユ


「教えて貰う時、ちょこっとするだけだよね」×ナホ


「「私達も無いです」」×ミミ・ルル


「俺達も無いよな?」×ミナミ


「ウフフ、はい、楽しみですね♪」×フミ


「ホントにヨウ君と模擬戦するの?」×スズカ


「ナハハ、冗談みたいなホントみたい?」×セツナ


「・・・私、死んじゃいそうですぅ~」×ヒメ


「私等は、当たって砕けろだよな?」×ケリー


「ウフフ、以前は全く気付かない内に防具を全て外されましたからね」×アリーシャ


「・・・相手になる気がしないんだけど?」×モニカ


「以前は強さに自信があったんだけどね」×アデル


「相手が悪過ぎでしょ?」×アルシア


「でも、以前との違いは見せないとね」×スーザン


「私達は、頑張るのみですね」×カンナ


「ひょっとして、私達もかな?」×アヤメ


「そうですね、久しぶりにやりましょうか」


「よ~し、今日こそ、ヨウ君の体に触れて見せるわ!」×ナギサ


「えっ?」×全員


「ヨウ君には勝てないって言ってましたけど、体に触れる事すら出来ないんですか?」×アリーシャ


「体に触れるどころか、5人掛かりなのに服に掠った事もないわよ?」×アヤメ


「どんだけ強いんだよ・・・」×ケリー


「僕もまだまだですよ?」


「ヨウはんがまだまだやったら、ウチ等は『まだ』が幾ついるんやろか?」×コトエ


「ん~ ジョ〇ョぐらい?」×ナホ


「そんなにかー」


「ボケてないで、精一杯頑張るわよ?」×ユウカ


「せやな♪」



 朝食も食べ終わり、五十鈴さんと泉さんは仕事に行ったので、僕達は今日の模擬戦を楽しみにしながらダンジョン検索に行った。


 もちろん、速攻で終わらせてギルドへ戻って来たんだけど、模擬戦をする場所を探すのを忘れていた。


 受付嬢であるパティさんに聞いたところ、ここのギルドにも模擬戦用の闘技場があるそうなんだけど、確認したところ少し狭い。


 もっと広い場所は無いかパティさんに聞くと、外にもギルド所有の大きな闘技場があるそうなので、そこに行く事にした。


 全員揃うのを待って、魔物素材をギルドへ卸してから、皆で闘技場を見に行くと中々立派な屋外闘技場で観客席まであった。


 結構な数の冒険者も、模擬戦や戦闘指導を行っている様だ。



「へえ~ 良いとこじゃない」×アヤメ


「ここなら、存分に模擬戦が出来ますね」



 僕達は人数も多いので、一番大きくて広そうな場所を選んで上がると、知らない冒険者が近寄って来た。



「アリーシャじゃないか、お前らが闘技場に来るなんて珍しいよな?」


「悪いけど貴方達の相手をしてる程、暇じゃ無いのよ?」×アリーシャ


「相変わらず、冷たい奴だな」


「なあ、前から言ってるが俺達のクランに入ってくれよ、最高の条件を出すって言ってるだろ?」


「うっとおしい奴等だな、早くどっか行けよ?」×ケリー


「なんだと? お前ら、俺達のクランに喧嘩売る気か?」



 どうやらアリーシャさん達の態度を見る限り、あまり好ましい相手じゃ無さそうなので、僕が割って入ることにした。



「アリーシャさん? 嫌な奴等なら僕がブッ飛ばしましょうか?」


「いえヨウ君、私達が追い払うから少し待っててね」×アリーシャ


「おいおい、聞こえたぞ? そこのガキ?」


「馬鹿野郎! お前達、早くどっか行け手遅れになるぞ?」×ケリー


「何が手遅れなんだよ? そこのガキちょっとこっちへ来て、もう一度言ってみろ」



 ドカッ!



「ぐはっ」



 僕の事をガキと言っていた大柄な冒険者は、リラさんに蹴飛ばされゴムマリの様に武闘台から転げ落ちていった。一緒に居た冒険者も茫然としている。



「フフ、フフフ、ガキとは、一体誰の事を言っているのですか?」×リラ


「まさか、ヨウ様の事じゃ無いですよね?」×ノノ


「な、なんなんだよお前らは?」


「目障りです、そこに転がってるゴミを持って消えなさい」×リラ



 リラさんとノノさんは武闘台に上がって来た数人の冒険者を掴むと、まるでゴミでも投げ捨てるかのように、気絶している冒険者目掛けて投げつけていった。


 投げ飛ばされ地面に叩きつけられていく冒険者は、痛がりながらも実力差が分かったのか、怯えたような表情をしていた。



「言っておきますが、次に私達に会う事があれば、もうこんな優しい対応はしませんよ?」×リラ


「フフ~ 次に会ったら虫けらのように、手足を引き千切って上げるわ」×ノノ


「ヒッ! ヒィィィィ」



 冒険者達はリラさんとノノさんから漏れ出した威圧に怯え、気絶した仲間を置いて逃げて行こうとしたが、気絶していた冒険者を投げつけられ、ボウリングのピンの様に吹っ飛んでいた。


 それを見ていた周りの冒険者には、スッカリ引かれてしまったようだ。



「な、なんなんだよ、彼奴等?」


「分からねえけど、化物の集団だ」


「あれアリーシャ達だろ?」


「そうみたいだが、アリーシャ達より綺麗な女性達じゃないか?」


「あの服装知ってるぞ。メイド服だ・・・って事は、使用人がなんで冒険者の訓練場に居るんだよ?」


「彼奴等も冒険者なんだよ、知らないのか? 最近初級ダンジョンで暴れ回ってるメイド達の事を」


「あれって、彼奴等の事か・・・20人程いるぞ?」


「馬鹿そんなことより、あの双子だよ・・・100キロはある人間を野球のボールみたいに投げてやがった」


「ああ、俺も見た。人間がまるでゴミ屑みてえだったぜ・・・」


「どんな力してたら、そんな事が出来るんだよ? しかも、スタイル抜群の別嬪さんだぞ?」


「でも、何時も威張り散らしてる彼奴等が『ヒィィ』だって♪ スッキリしちゃったわ」


「彼奴等の勧誘しつこいんだよね、確かに良い気味だったわ」


「あっ彼奴だ! 彼奴だよ、ゲイリーを半殺しにした少年ってよ」


「なるほど、強いのは彼女達だけじゃねえって事か・・・」


「おい、なんか、模擬戦するみたいだぞ?」


「こりゃ、見るしかねえな」



 リラさんとノノさんは、僕より先に横柄な冒険者を追い払ってくれたので、これで邪魔者はいなくなった。



「ありがと、リラさんノノさん」


「いえ、当然の事をしたまでですから」×リラ


「あ~ 手加減するのって、ストレスが溜まっちゃう~」×ノノ


「んふふ、手加減しないと死んじゃうでしょ?」×アヤメ


「まあ、一度死んだ方が良いかもだけどね~」×ナギサ


「これからストレス発散出来るよ」×ツドイ


「僕でストレス解消しちゃ駄目ですよ?」


「フフ~ そんなことしないですよ」×ノノ


「邪魔者も居なくなったし、そろそろやりますか。最初はカンナさん達で良いかな?」


「はい」×カンナ



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