第159話 ハワイを満喫しちゃいますよ
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地下27階ではマリンタートルからは肉・甲羅・血がドロップし、地下28階ではアクアクラブからは大きなカニと瑠璃石がドロップした。
ドンドンと美味しそうな魚介類と食材を手に入れていき、シオさんの喜ぶ顔が目に浮かぶ。
地下29階ではシーサーペントに遭遇した。
まさに水龍といった容貌で、ボス戦で出てくるような魔物だ。
シーサーペントはレーザーの様な水のブレスで攻撃してくるが、水中の動きにも慣れてきた僕達には躱すのは容易だった。
僕はブレスを躱しながらシーサーペントの首に斬り付けると、硬そうな鱗を難なく切断する事が出来た。
「流石、ヨウ君♪ 水中なのに凄い切れ味ね~」
「ミナミさんの武器のお陰ですよ」
「確かに慣れてきちゃったけど、ミナミの武器って凄いよね~ ヨウ君が使っても壊れないんだもの」
「ミナミにも感謝しないとね、僕の薙刀も抜群の切れ味だよ」
「フフ、ウチの専属職人さんは、皆さん凄腕ですからね」
「フフ~ 色々と助かってますからね、感謝しちゃいます」
「頑張って新たな素材をゲットして、恩返ししちゃいましょうか」
「「「「「お~~~♪」」」」」
「あっ! キター!! <水属性強化>スキルがドロップしてる♪」
「「「「「「おお~ パチパチパチ!!!」」」」」
「あはは、水中って拍手し辛いわね。これで、またアヤメの魔法が凶悪になっちゃうわ」
「ちょっと、ナギサ凶悪はないでしょ? これで水中での狩りが捗るわ」
「このスキルも是非、集めたいですね~ ハワイに来て良かったです」
「フフ、ハワイに来て、まだ二日ですが順調ですね」
「はい、この調子でサクサク行きましょうか」
「「「「「了解♪」」」」」
まるでボスの様なシーサーペントを複数倒していき、素材がとっても美味しかった。
1日で1匹しか持っていない筈のスキルオーブも、シーサーペントは例外なのかスキルオーブをドロップする個体がいた。
やはり、中ボス扱いなのだろうか。
そして、いよいよ最終階である地下30階では、デモンズシャークと言う大きなサメの魔物がいた。
流石に海で巨大なサメに遭遇すると、中々迫力があって怖いぐらいだけど、アヤメさん達は何の問題も無くサクサクと倒して行く。
皆強くなったなと感心してしまうな。
「ん? 三日月君。何か変な事考えて無かったかな?」
「い、いえ、何も考えてないですよ?」
「あ~ こんな大きなサメを、よく怖がらないなとか思ってたんでしょ?」
「そんな事無いですよ?」
あっ! しまった。<真偽眼>のスキルがあるんだった・・・しかし、女性の感って言うのは恐ろしい。
「「「「「・・・・・」」」」」×ジト目
「すみません、ちょっと逞しくなったなって思ってました・・・」
「んふふ、正直で宜しい! まあ、こんな大きなサメが倒せるんだから私達も強くなったもんね」
「そうね、普通の受付嬢だったのにね~」
「三日月君色に染められちゃった?」
「フフ~ 言い方はアレだけど、確かに?」
「フフ、でも皆さん凄く幸せそうですよ?」
「「「「確かに♪」」」」
「えへへ、ちょっと照れますね」
そして、いよいよ地下30階のボスに挑む事にした。
何の気負いも無くボス部屋を潜ると、そこにはシーサーペントより大きな水龍が静かに佇んでいた。
鑑定したところリヴァイアサンだった! 聞き覚えのある有名な魔物を相手することになる。
「中々、荘厳な佇まいだよね」
「そうね、リヴァイアサンに敬意を表して、全員で行っちゃおうか」
「了解です! じゃ、全力で行きますよ?」
「「「「「ヤー♪」」」」」
ナギサさんから始まる僕達の全力攻撃で、リヴァイアサンに反撃の隙を与える間もなく討伐した。
終わってみればアッサリだったけど、安全マージンをたっぷり取ってる証拠だからこれで良い。
僕達6人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。
「さって、お宝お宝♪・・・<海斬>ってスキルみたいね<風斬>の水中バージョンかな?」
「お~ <風斬>は、超便利なスキルですから期待が持てますね」
「後は、鱗・皮・牙・肉と宝箱は(凕海鉱石)、黒宝箱は(血赤珊瑚)ね」
「うわ~ どれも綺麗な素材だよね~」
「んふふ、どれも高く売れそうだけど、職人さん達が喜びそうね」
「新しいステージの素材は、職人さん達の宝庫だね」
「フフ、ヨウ様の宝庫でもありますね」
「あはは、やっぱり初見のダンジョンは色々と面白いですよね。ハワイに居る間に集めまくっちゃいますよ」
「にひひ、フルーツ集めまくっちゃうよ」
「呆れた、もうかなり集めたじゃない?」
「まだまだ、集めちゃうもんね~♪」
「「「「「あはははは♪」」」」」
こうしてハワイの上級ダンジョンも制覇したので、待ち合わせであるギルドへ戻ることにした。
ギルドへ着くと今朝、対応してくれた受付嬢さんが向こうから来てくれた。
「三日月様、お疲れさまでした。此方へどうぞ」×受付嬢
「ありがとうございます。受付嬢さんから来てくれるなんて大サービスですね?」
「うふふ、三日月様達はVIP対応するようにと、部長からの指示が入っておりますので」
「へえ~ あの部長さん、中々やり手なのね」
「はい、私達からみてもマイルズ部長は、非常に優秀な方だと思います」
「ちなみに三日月様達には、私パティが専属受付嬢として対応させていただくことになりましたので宜しくお願い致します」
「うわ~ ホントに大サービスですね。宜しくですパティさん」
「うふふ、あれだけの素材を卸していただいたのですから、当然の対応だと思いますよ♪」
「なら、今日も沢山卸しちゃおうかな」
「ま、まさか、今日も大量の素材をお持ち帰りになったのでしょうか?」
「今朝ほどじゃないですよ?」
「少し安心しました」
僕達は今朝、案内してくれた待機室へ行くと、既にセナさんが待っていてくれた。
「お帰りなさい~」
「ただいまですセナさん。ひょっとして、ずっと待ってくれてたんですか?」
「いえ、ちゃんと観光してきましたよ? ちょっと早めに来ちゃいました」
「んふふ、ナンパされなかった?」
「えへへ、実は何回かナンパされちゃいました♪ 今まで見向きもされなかったんですけどね~」
ピクッ! 「ほほ~ どんな奴か覚えてますか?」
「「「「「あっ!」」」」」
「だ、駄目よヨウ君。軽く声を掛けられただけみたいだから、そうでしょセナさん?」
「は、はい、断ったら直ぐに引いてくれましたから、紳士的なナンパさんでした」
「不快じゃなかったですか?」
「はい」
「体に触れられませんでした?」
「はい」
「じゃ、半殺しで良いかな・・・」
「ナギサ! 貴女が余計な事言うからよ?」
「待ってヨウ君、ナンパされるって事はセナさんが、それだけ綺麗になった証拠だからね? 声掛けられただけで怒っちゃ駄目よ?」
「そうでしょうか?」
「三日月君、過保護だからね」
「・・・ひょっとして、私何かに嫉妬してくれてるんですか?」
「フフ、何言っているのですかセナさんは、もうヨウ様のハーレムメンバーなんですよ」
「フフ~ そうだよ。ヨウ様は普段温厚な方ですけど、身内の事なら凶悪になっちゃうんですから」
「えっと、嫉妬と言うか分かりませんが、もうセナさんは誰にも渡しませんから嫌なことがあったら直ぐに、僕に言って下さいね」
「はい、ありがとうヨウ君。えへへ、嬉しいな~♪」
「ちょっと油断してましたね・・・セナさんにも自衛出来るだけの力を身に着けて貰わないと」
「えっ?」
「「「「「・・・・・」」」」」
「えっ? どうして、皆そんな目で私を見るの?」
「もう手遅れだよ?」
「ガンバだよ?」
「これは仕方が無いのよね・・・」
「ヨウ君の愛情表現なんだよ?」
「フフ、大丈夫ですよ?」
「帰ったらミナミさんとフミさんに武器と防具を見繕って貰いましょう。基本的な事は僕が教えますね、明日からカンナさん達と一緒にダンジョンへ行きましょうか」
「えええっ? 私も冒険者に成っちゃうんですか?」
「ハーレムメンバーって全員冒険者なんだよね、何故だか分かるかな?」
「そ、そう言えば・・・」
「んふふ、ヨウ君って超過保護だから、自衛出来る様にハーレムメンバー全員鍛えちゃうのよ」
「にひひ、ちょっと大変だけど頑張ってね」
「私、戦うカメラマンに成っちゃたり?」
「フフ~ 戦う洋服屋さんとか、戦う調理師さん見たでしょ?」
「だから職人さん達も、ダンジョンに潜ってたんだ・・・」
「フフ、そう言う事ですね」
そんな話をしていると、他の皆もダンジョンから戻って来て、無事全員揃ったようだ。
「お待たせやでヨウはん、今日は早かったんやな」×コトエ
「お待たせ致しましたヨウ様、ただいま戻りました」×カンナ
「皆おかえり~ 時間内だから全然良いですよ」
「あっそだ! ヨウ君素材の買取りの事だけど、リラさんの想定買取り金額より多く買い取って貰えましたよ」×セナ
「お~ 部長さん頑張ってくれたんですね、パティさん」
「うふふ、はい、誠意には誠意で答えると言っておりましたので」
「あはは、誠実な方ですね~。それじゃあ、僕も誠意で返しちゃおうかな。今日の獲って来た素材も卸しちゃいますね」
「皆さん。今朝みたいにパーティ事に素材を出して貰えますか?」
「了解や、今日は昨日より頑張ったで」×コトエ
「ウフフ、私達も昨日より頑張りました」×カンナ
言葉通り、皆よっぽど頑張ったのか昨日より、かなり素材が多い様だ。
僕達は、今日スタンピートに遭遇出来なかったので、昨日より素材が少ないのが恥ずかしいぐらいだった。
唯、僕達は未開の海中ステージの素材を出していったので、パティさんが驚いていた。
「み、皆さん、しばらくお待ちください! 直ぐに部長を呼んで来ますので」
「は、はい」
パティさんは、余程驚いたのか、慌てて部屋を出て行った。
しばらく待つと、部長さんと受付嬢さん5人が部屋に入って来て、山の様に積み上げられた素材に茫然としている。
「なんと! 三日月君には驚かされるな」×部長
「あはは、部長さん。素材買取り頑張ってくれて、ありがとうございました」
「いや、あれでも我々に十分な利益があるのだよ、三日月君には一同感謝しているよ。この山の様に積み上げられた素材も、卸してくれるのかね?」
「はい、部長さんには誠意を見せて貰いましたから、僕達がハワイに居る間は全部ギルドへ卸したいと思います」
「ハハハ、嬉しい事を言ってくれるね、体が震えたよ」
「それにしても、私が見たことも無い素材があるようだが、まさか上級ダンジョンの地下21階以降に行ったのかね?」
「はい、今日、上級ダンジョンを制覇してきました」
僕の言葉に、部長さんや受付嬢さん達が驚き、目を見開いている。
「なんと、たった2日で・・・しかも誰も行けなかった、地下21階以降に至り制覇したとは」
「いったいどうやって? 三日月君。今度是非、社長に会って貰えないだろうか?」
「部長さんの頼みなら断れませんね、明日のダンジョン帰りになら良いですよ?」
「本当かね? いや、ありがたい感謝するよ三日月君。今日の素材買取も全力で色を付けさせて貰うよ」
「うわ~ 本当ですか? ありがとうございます。そうだ! 部長さんにプレゼントしちゃおうかな♪」
僕は気前の良い部長さんに気を良くしたので、今日獲って来た巨大マグロを1匹テーブルの上に取り出した。
300キロぐらいあるので、テーブルがギシギシいっているが、何とか大丈夫だろう。
「こ、これは?」
「今日獲って来たダンジョン産のマグロです。良かったら皆で食べて下さい」
「そだ、パティさんにも、これをプレゼントしちゃいますね」
僕は受付嬢であるパティさんにも、これからお世話になるので、ビューティポーションを100本程取り出し手渡した。
「えっ! 私にもですか?」
「はい、これはビューティポーションって言って、1本飲めば一週間ほど綺麗に成れちゃうポーションです。良かったら、他の受付嬢さん達と分けて下さい」
「ありがとうございます♪」
「しかし、こんなに希少な物を良いのかね? ダンジョン産でなくても高額になりそうだが」
「あはは、良いですよ。僕達は食材は売りませんから、部長さんへサービスしときます。
では、僕達は行きますね、帰りにまた寄りますから素材代は、その時にでも下さい」
「ま、待ちたまえ、まだ素材の預り証も出来ていないのだが?」
「えっと、そこは部長さんを信用しちゃいますよ?」
「数千万$になるかもしれん素材を、私に預けるのかね?」
「あはは、そうですね。では、また後程です」
僕は部長さんとパティさん達に、ブンブンと手を振り、別れの挨拶をしてギルドを後にした。
「全く信じられん事をする少年だな・・・」
「あ、あのマイルズ部長、本当にあの少年が上級ダンジョンを制覇するだけの実力があるのでしょうか?」×パティ
「・・・君は休みだったから知らないだろうが、昨日Sランク冒険者であるアリーシャ達と絡んだ冒険者が居た事を聞いたかね?」
「はい、とんでもない威圧を放った双子の女性だとか・・・あっ!」
「そう、おそらく彼等の事だろう。そして、Aランクであるゲイリーを潰したのも彼等だろう」
「あのゲイリーをですか? 性格に難がありますが、トップクラスの実力者なのですよ?」
「私が聞いた話では、ゲイリーの腕を掴んで握り潰したようだ。
全く相手にもならずに蹴散らされたらしい、可愛い少年だと言う話だったから彼で間違いないだろう。
あの少年は、見た目からは想像も付かない強者だと言う事だ。
良いかね? 念を押して言っておくが、彼等は超VIPだ! 査定を急ぎたまえ。
未鑑定の素材もあるようだ、鑑定人の手配も忘れずにな、スキルオーブや魔法スクロールを優先的に頼む」
「はい」×受付嬢
「私もこうしてはおれんな、社長と話をせねば・・・」
◇ ◇ ◇
今日は早めにダンジョンへ行ったから時間はまだ昼過ぎだったので、皆で歩いてショッピングに行く事にした。
結構お腹も空いているので、先に軽く昼食にしても良いかもしれない。
「ねーねー、カラカウア通りに有名なショッピングモールがあるんだけど、そこにしない?」
「へえ~ 良いですね、ちょっとお腹も減って来たから、先に軽く昼食にしましょうか」
「じゃあさ、ロコモコ食べに行こっか? ハワイで有名な食べ物なんだよ」
「めっちゃ賛成です! 行きましょう、行きましょう♪」
「フフ~ ヨウ様、お腹ペコペコみたいですね」
「あはは、実はそうなんです」
僕達はナギサさんの案内でカラカウア通りを進み、ハワイでも有名なショッピングモールに辿り着いた。
そこはハワイらしく、ヤシの木やコアの木が所々にお生い茂っており、解放感溢れる所だった。
色々なお店や飲食店があり、見ているだけでも時間を潰せそうだ。
僕達は、そこにあるレストランに入り、アヤメさんが言うロコモコと言う食べ物を注文した。
しばらく待っていると、人数分のロコモコを店員さんが持って来てくれた。
どうやらロコモコと言う食べ物は、ハンバーグと目玉焼きがメインの御飯とサラダが一緒の皿に入った料理らしい。
「へえ~ これがロコモコって言うんだハンバーグ定食みたいですね」
「あはは、そうね。日本ならハンバーグ定食ね」
「フフ、ヨウ様は、これだけでは足りないようですから、色々と追加で注文致しますね」
「あはは、すみません。皆さんも食べたい物があったら追加注文して下さいね」
「ヤー♪」×全員
「何時から軍隊みたいな返事になったんやろな?」×コトエ
「うふふ、まあ可愛い返事だから、良いんじゃない」×ユウカ




