第149話 ハワイ旅行の準備は万端です
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今日の出前はパスタの様だ、まあ出前と言っても料理人が来てくれて作ってくれるんだけどね。
様々な焼立てパンとシチューを用意してくれており、パスタの種類も豊富にあったので僕はペペロンチーノからスタートした。
皆も好みのパスタを注文しており、どれも美味しそうだ。
メイドさん達も部屋へ着いてすぐ、メイド服に着替えようとしていたけど、そのまま出前料理を一緒に食べるようお願いした。
「あの、私達まで何もせずに良いのでしょうか?」
「たまには良いじゃ無いですか。ワインでもどうぞ♪」
「あっ! 私がお注ぎします」
「良いから、良いから」
「ありがとうございます」
僕はメイドさん達にワインを注いで回り、遠慮されたけど皆喜んでくれた。
「うわ~ 美味しいです♪」
「・・・やっぱり高いワインなのかな?」
「聞いたら味が分からなくなるかもね」
「こんなに幸せな職業って、他にあるのかしら?」
「あはは、ある訳無いだろ?」
「うふふ、今日はヨウ様の御好意に、甘えさせていただきましょうか」
「はい♪」×メイド達
カメラマンであるセナさんも一緒に食事にも誘い、料理人が帰った後ウチの専属になってくれた特典を色々と説明すると、とても驚いていた。
ビューティポーションから始まり、各種スキルを習得し終わると目が点になっていた。
特にカメラマンは機材とか荷物が多いので<虚空庫>スキルに憧れていたようだ。
「おーい、帰ってこーい」
「えっ? ああ、すみません。ちょっと理解がオーバーヒートしちゃいました」
「あはは、そんなに嬉しかったですか?」
「嬉しいってもんじゃないですよ! 何時も大量の機材を担いでる私にとって<虚空庫>スキルは憧れの的でしたもの。
私なんかに買える訳もないし、絶対に手に入らない夢の様なスキルだったんですよ?
これって、私の持っている機材全部入るのでしょうか?」
「ん~ どれだけ入るか試した事無いんですよね」
「少なくとも僕、車を百台以上入れてたから機材ぐらい全部入るのは間違いないよ?」
「うひゃ~~~ とんでもないじゃないですか? もう返せって言われても返しませんよ?」
「あはは、そんな事言いませんよ。でも、使う時は誰かに見られない様に注意して下さいね?」
「あ~ そうですね、確かに誰かに見られる訳にはいかないですね~ でも私は殆ど一人で行動してますから周囲に気をつけたら大丈夫かな」
「んふふ、女性なら普通ビューティポーションの方を喜ぶんだけどね」
「それもあったんだ! あ~ん、こんなに私を喜ばせて、どうしようって言うんですか? 今なら私、何でもしちゃいますよ?」
「にひひ、だってさヨウ君。今ならセナさん抱けるわよ?」
「えっ? えと、あの、あはは・・・こんなに綺麗な女性に囲まれてる三日月さんなら、私になんて興味ないですよ~」
「セナさん可愛いし、えとその・・・とってもスタイルも良いから素敵な女性だと思いますよ?」
「や、やだな~ あんまり褒められてないから、お世辞でも嬉しかったりして♪」
「お世辞じゃないですよ?」
「ホントですか?」
「本当です!」
「にひひ、ハワイの楽しみが一つ増えちゃったね~」
「もう何言ってるのよナギサ。でも、ヨウ君のハーレムに入るなら歓迎するわよ、セナさん」
「うわ~ 本当にハーレムだったんだ! こんなに綺麗な女性ばかり凄いですね」
「えと、あはは、僕は幸せ者です」
ナギサさんの振りから照れる雰囲気になっちゃったけど、そろそろ大事な話しを切り出す事にした。
「皆さんに大事な話しがあるんですけど、ちょっと聞いて貰っても良いですか?」
「うわっ! ここで重大発表なの?」
「あはは、重大と言えば重大なんですが、僕の我が儘でハワイのダンジョンに皆さんも行って貰いたいんですけど、流石に外国のダンジョンなんで少し心配なんですよ」
「そこは、十分注意して行くしかないんじゃない?」
「ん~ それでも、ちょっと心配なんですよね・・・」
「でも、どうするのかな?」
「はい、それで少し考えたんですけどヒメちゃんさん、頼んでいた物を出して貰って良いですか?」
「はいですぅ~」
僕は密かにヒメちゃんに製作を頼んでいた、クレセントメンバーだけが身に付けている、オリハルコンと紅石で作られたネックレスを出して貰った。
オリハルコンの加工はヒメちゃんには出来ないので、ミナミさんにも手伝って貰った。
「なるほど、そー言う事ね」
「それって、クレセントメンバーだけがつけてる、ネックレスやんな?」
「はい、クレセントメンバーならもう分かったと思いますけど、これって全ステータス二倍の付与効果が付いているんですよ」
「ええっ!!!!!」×全員
「全ステータス二倍やて? それって、メチャクチャな効果やんか?」
「そうなんですよ、これの怖いとこは自分のステータスが上がれば、上がった分だけ倍になるから、簡単に人の領域を超えちゃうんで秘密にしてたんですよ」
「ウチ等はステータスカンストして99やさかい、一気に198になるんか、凄すぎるで?」
「クレセントメンバーが付けているのは、僕が作ったんで二倍なんですよ。
でも、今回はミナミさんとヒメちゃんさんに製作を頼んだので、全ステータス三倍になっちゃいました。
やっぱりプロって、凄いですよね」
「えええええええっ!!!!!!!!!!!」×全員
「そ、それじゃあ、私達ならステータスが297まで上がっちゃうの?」
「その通りです。って訳でハワイ旅行中だけ、これを装備して貰う事にしました。
でもまあ、急激に上がったステータスに体が付いていけないと思うので、今日から約一週間、ハワイに行く時までに装備して慣れて下さい」
「あ、あの、それって旅行が終わってからも借りとく事って出来ないのでしょうか?」
「それは、人の域を超える覚悟が決まるまで、止めといた方が良いわ」
「正直に言うと、ヨウ君が心配なのは分かるけど、このネックレスを付けるのにも覚悟を決めないといけないと思うわ」
「そうだよね、このネックレスに慣れてしまったら、手放せなくなるかもだよね」
「職人さん達やメイドさん達は、自衛の為にステータスを上げて貰ってますから、これを装備しても大丈夫だと思います」
「コトエさん達は以前から聞いていた、ステータス99を超える覚悟の練習だと思ってくれれば良いと思いますよ」
「その事やけどなヨウはん、ウチ等もあれから十分話しあったんやで? それで決めたんや。ウチ等も生涯冒険者であり続けるってな、だから覚悟なら決まっとる」
「なんやかんや言っても、危ない職業ですよ?」
「そんなん、もう分かっとるって。覚悟は出来とるよ」
「んふふ、まあ予想通りなんだけどね♪」
「なんや、分かっとって言ってたんかいな、アヤメ姉さんも意地悪やな~」
「命が掛かってるんだから、しょうがないでしょ?」
「心配してくれて、おおきになウチ等も頑張るで」
「んふふ、言っとくけどステータス三倍に慣れるのって大変なんだよ? 二倍でも大変だったんだから~」
「話しも終わったようなので、皆さんに配って行きますね~」
「これって月と太陽をデザインしてますから、装備してるとヨウ君の女って感じがしますね」
「そう言われると、なんか照れちゃうわね」
「僕の方が照れちゃいますよ~」
「あはは、益々外す訳には、いかへんようになってもうたな」
「ヨウ君達のネックレスも借りて良いですか? ちょっと手直ししちゃいます」
「はい、ありがとう。ヒメちゃんさん」
こうして僕達のネックレスももヒメちゃんに手直しして貰うと、ステータス二倍から三倍に付与効果が上昇した。職人さんには頭が下がる。
っと、二倍から三倍になっただけだけど、僕達のステータスはメチャクチャ高くなってきてるから、また慣れるまで気を使いそうだ。
久しぶりに、ステータスの確認をして見る事にした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【STATUS】
HP 36000/36000
MP 36000/36000
STR 600(1800)
VIT 600(1800)
DEX 600(1800)
INT 600(1800)
AGI 600(1800)
LUK 600(1800)
【skill】
<ウィル>★
<返還>
<統合進化>New!
<鑑定>
<千里眼>★★★
<MP吸収>★★★
<MP増大>
<HP吸収>★★★
<HP増大>
<言語理解>
<激運>
<真偽眼>
<適温効果>
<合成>★★★
<復活>
<魔力炉>
<看破>★★★
<虚空界>★★★
<亜空界>★★★
<追加攻撃>★★★
<追加防御>★★★
<敏捷強化>★★★
<腕力強化>★★★
<身体強化>★★★
<精神強化>★★★
<気配感知>★★★
<魔力感知>★★★
<温度感知>★★★
<罠感知>★★★
<発見>★★★
<気配遮断>★★★
<魔力操作>★★★
<威圧>
<状態異常耐性>
<隠蔽>★★★
<超回復>★★★
<超振動>★★★
<硬質化>★★★
<鋼糸>★★★
<風斬>★★★
<投擲>★★★
<高速飛翔>
<麻痺眼>★★★
<精密動作>★★★
<魔石>★★★
<魔水>★★★
<縮地>★★★
<結界>★★★
<反撃>★★★
<マッピング>★★★
<火属性強化>★★★
<土属性強化>★★★
【Magic】
<生活魔法>★★★
<回復魔法>★★★
<解毒魔法>★★★
<快癒魔法>★★★
<水属性魔法>★★★
<土属性魔法>★★★
<風属性魔法>★★★
<火属性魔法>★★★
<氷属性魔法>★★★
<雷属性魔法>★★★
<闇属性魔法>★★★
<光属性魔法>★★★
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ステータスは以前の上限だった300から600にまで上がったけど、まだ上限には達してないようだ。
そこにネックレスの効果で1800にまで上がったので、以前の6倍になってしまった。
これで特級ダンジョンにいたスライムよりステータスが上回った事になるが、まだまだ再度チャレンジする気にはなれない。
保留していた<敏捷強化>と<腕力強化>も9段階重ね掛けして、使いこなせるようになったし、回復系以外の魔法も9段階まで重ね掛けした。
今の僕は、とってもヤバい魔法が撃てそうだ。
パッリーーーン!!!!!
「う、嘘やろ? コップ握り潰してもうた・・・」
バキッ! 「お、お箸が・・・」
「んふふ、ちょっと分かったでしょ? 言っとくけど慣れるまでスマホに触っちゃ駄目よ?」
「そ、そんな~」×コトエ達
「ネックレス外すのも無しだからね~」
「おいおい、これじゃ鍛冶仕事が出来ねえぞ?」
「わわっ! 彫金も厳しいですぅ~」
「料理出来るかな~」
「裁縫も厳しそうですわ」
「ナハハ、私は錬金術使うから、あまり支障はないかな」
「はわわ! 私もグラス持てないよ~」
「頑張って慣れてね、気合よ気合!」
「姉さん達、ステータス800で、よう生活しとったな~」
「フフ、今は1800ですよ?」
「はい?」×全員
「ま、まだ、そないに強くなっとんかいな? 普通にコップ持っとるし?」
「んふふ、もう慣れちゃったわ」
「フフ~ 慣れるのにも慣れちゃったね」
「どんだけ、天才やねんな?」
「天才って言う言葉は、ヨウ君の為にあるんだよ?」
「確かに、ヨウ君の器用さは異常だわ」
「えへへ、照れますね♪」
「もう、本当に凄い事なのに軽いんだから~」
「あのヨウ様、こんな高価なネックレスを頂いても、紛失や盗難が心配なのですが?」
「あ~ それは大丈夫ですよ。これって一度装備したら本人以外付与効果は発動しませんし、無くしたり盗まれても僕達なら直ぐ探し出せるんですよ」
「流石ヒメちゃんね、好い仕事してるわ」
「にゃはは、照れますよぅ~」
「破壊されたら、どうにもならないけどオリハルコン製のネックレスを壊す方が難しいですからね、安心して使ってください」
「こんな高価な物を、私達にまで専用装備にして下さったんですね、大事に使わせていただきます」
「はい、遠慮なくどうぞ」
今回ヒメちゃんに依頼した物の中にレアボスからドロップした紅原石もあったんだけど、現時点でのヒメちゃんには、どうしても加工出来なかったようだ。
今後、彫金スキルを発見したら加工出来るよになるかもしれないので、先の楽しみにしておくことにした。
こうして上がったステータスに慣れながら月日を過ごし、遂にハワイ旅行へ行く日になった。
全員ステータスに慣れるのに苦労したようだけど、何とか制御出来る様になったようだ。
伊丹空港から出発する予定なので、全員僕の部屋へ集合することにした。
旅行気分を出す為に<虚空庫>を使わず、全員大きなキャリーケースを引きながら集まって来る。
全員普段あまり見ないお出かけ用の私服を着ており、大人びた雰囲気でとても良く似合っていた。
流石にフミさんのお店で揃えただけはあるな~ 僕だけ子供っぽくないか少し心配になるほどだ。
「皆素敵な洋服ですね~ 凄く似合ってますよ?」
「おはようございます。ヨウさん」
「セナさんも気合入ってますね。良いカメラ揃えてくれましたか?」
「うふふ、お陰様で新しいカメラ、レンズ、望遠レンズ、ストロボから一式最高級の物を揃えて来ましたよ。
フィルムも死ぬほど用意して来たんで、写真は任せて下さい!
それでもかなり、お金余っちゃいましたけど」
「返さなくても良いですよ、ハワイで良いカメラとか機材があったら購入して下さい」
「ありがとうございます。遠慮なく機材関係に使わせて貰いますね」
「はい、お願いします」
「アヤメさん達は大人の女性って感じですね、凄く似合ってます♪」
「んふふ、ありがと」
「おお~ ミナミさんが作業服じゃない!」
「馬鹿野郎! あれは仕事着だろうが?」
「あはは、冗談ですよ。でも、化粧もバッチリ決まって、とても綺麗だしワンピースだ! うわ~ 腰の細さがセクシーですね」
「馬鹿、褒めすぎだ。恥ずかしいだろうが」
「にひひ、照れてるね~」
「しかし、皆胸が大きいからセクシーですね、凄く恰好良いです。良く見たら全員ワンピースなんですね。うわ~ 色んなワンピースがあるんだ」
「んふふ、気付いた? ヨウ君が喜びそうなので揃えたのよ」
「そうだったんですか、ありがとうございます」
「コトエさん達もお洒落ですね、とても同い年には見えませんよ」
「ありがとさん♪」
「背の低いミミさん、ルルさん、ヒメちゃんさんも、凄く可愛いのに大人っぽく見えますね、僕が一番子供っぽいかも?」
「んふふ、そんな事ないわ、ヨウ君も恰好良いわよ?」
「良かった♪」
「フミさんも色っぽいし、シオさんも良いな~ 誉め言葉が足りないよ~」
「カンナさん達も、何時もメイド服だから新鮮で良いですね」
「ありがとうございます♪」
皆の服装を喜んで見ていると、そろそろ出発の時間になったので出掛けることにした。
流石に39人で電車で行くのは目立ち過ぎるので、ツドイさんに大型バスを出して貰う事にした。
ツドイさんの<虚空庫>から大型バスが出て来るのを見て、セナさんとメイドさん達が驚いていたのは言うまでもない。
キャリーケースを引きながらバスへ乗り込み、狭くなるから荷物は各自の<虚空庫>へ収納して貰った。
最初から<虚空庫>へ入れておけばと思うかもしれないけど、旅行気分も大事にしないとね♪
バスの中では盛り上げ役のナギサさんがマイクを取り、音頭をとってくれた。
【それでは皆様、只今よりクレセントグループのハワイ旅行にーーーーーーー】
【出発だああああああ!!!!!!!】
【わあーーーーーーー♪♪♪♪♪♪♪】×全員
【パチパチパチパチパチパチパチパチ】×全員
【一杯お菓子買って来たぞ~~~!!!!!!】
「ナギサ姉さん最高や~~~~」
「素敵ですぅ~~~~~~~~」
「んふふ、もうナギサ張り切り過ぎよ?」
【なんとなんと、このバスにはカラオケも付いてます! アヤメが1曲歌うぞ~~~~♪】
【おぉ~~~~~~~~~】×全員
「ちょ、ちょっと。飲んでも無いのに恥ずかしいでしょー」
「アヤメ! アヤメ! アヤメ! アヤメ!」
「もう、分かったわよ。覚えときなさいよナギサ」
「にひひ♪」
出発からまだ10分も経ってないのに、バス内は大盛り上がりで楽しくスタートをきった。
大笑いしながらバスは走り続け、あっと言う間に伊丹空港へ到着した。
バスを下りる時には<虚空庫>からキャリーケースを取り出すのを忘れずに旅行気分を味わう。
大型バスを<虚空庫>へ収納する時には、またまた歓声が上がった。
「ん~ 人生初飛行機楽しみですね~♪」
「結構、初めての人も多いみたいだから安心しちゃった」
「スズカさんもですか? 僕もド田舎に住んでたから空港へ入ったのも初めてですよ」
「うふふ、私もド田舎だったもの、同じだって」
「あはは、まだちょっと時間あるし、空港の中ブラブラしちゃう?」
「良いですね、皆で行きましょうか」




